7/3 thu. 所沢 [ おたまじゃくし ]
おたまじゃくしで思い出すのは、小中と友人だった奴のことだ。奴は小学生の時、近くの池でしこたまおたまじゃくしを乱獲し、バケツに入れて自宅へ持って帰った。しかし奴の母親が
「すぐに池に返してらっしゃい!」
と言う。池まで戻るのがめんどくさかった奴は、そのバケツを車の通りが激しい県道にぶちまけた。「おたまじゃくしが車にひかれて道が真っ黒になったんだよな、わははは」
***こんなにうじゃうじゃ泳ぐおたまじゃくしを見たのは、奴と池に行ったとき以来かもしれない。後ろ足の生えた巨大なおたまじゃくしが、息苦しそうに水面にふわふわと浮かんでいる。不思議な衝撃だった。おたまじゃくしの息苦しさと、おびただしい数からくる悪寒。そこに懐かしい匂いと、梅雨の合間の清涼感が混じっている。***奴の家には、キラリと光るメッキのネコの文鎮みたいなものがいくつかあった。メッキのネコは、よく見るとイギリスの高級車、ジャガーのエンブレムだった。ジャガーを見ると、ついもぎとってきてしまうと言っていたっけ。あの最悪だった友人は、今頃どこで何をしているのだろう。 |