8/15 thu. 六合村 [ すっぽん、ぽんぽん ]
カミナリを伴った豪雨に、河原の露天風呂は水没していた。しかしこの温泉には一応の形をもった内湯がある。僕は濁流となった川の音を聞きながら、真っ暗闇の内湯に浸かっていた。***人の気配と、懐中電灯の明かりに気が付いた。そして明かりは僕を照らす。あっと驚く懐中電灯の主。***彼女はすっぽんぽんだった。***懐中電灯を明かりにしてくれたので、暗闇に目が慣れていた僕には、真昼のような明るさに思えた。すぐにその彼女の彼氏がやってきたが、もちろん彼氏もすっぽんぽんだった。話を聞くと、どうやら温泉大好きカップルで、さきほどの雷雨に、ここしかないと思ってやってきたのだそうだ。温泉談義に花を咲かせているうちに、僕は5分もしないで、すっぽんぽんを意識しないようになっていた。***再び遠くに懐中電灯の明かりが見えた。太めのおじさんと、清楚な感じの線の細い女性だった。「あっちは水になっていた」
「ここは熱いくらいですよ」 そんな会話が交わされた直後、清楚な女性は、バッバッと勢いよく服を脱ぎ、熱い湯船に細い身体を滑り込ませた。あまりのぬぎっぷりに、水着を着ているのかと思ったくらいだ。背中と間違えるくらいのおっぱいが生々しく、「意識せずにいられそうにない」
と直感した僕は、後ろ髪を引かれる思いで 「おさきに」
と言って湯船を出た。***生きているといろいろなことがあるんだなあと感慨深くあごに手を当てる、深夜3時の露天風呂。 |