11/18 sun. 狭山湖
ユネスコ村を上がったところの原っぱに、今はもう利用出来ない朽ちたすべり台がある。戦前のものだろうか、僕の記憶にはまるで登場してこないタイプの、コンクリだけで作られた重厚なすべり台だ。何十年も昔は、このすべり台の回りをたくさんの子供達の笑顔が取り巻いていたのだろう。あまりに立派な作りが、過去の輝きを見せてくれている。それだけに、遺跡とかした今がもの悲しい。ダムの工事が完成したら取り壊されてしまうのだろうか。古いというだけで残しておく理由など何もないだろうし。

少し感傷的になって、冷たいコンクリに手を当てた。すると、手を当てた壁びっしりに埋め尽くされた落書きが

「RYOちゃんへ・・・」

なんでも、この落書きを書いた本人は、RYOちゃんと最後にセックスしたのが2週間前なんだそうだ。あのときは気持ちよかったが、今は寂しいらしい・・・って、いちいちこんな長文を読んでいる僕も僕だが、書いてるこいつはどんなシチュエーションでこの落書きを書いたのだろう。普通につきあっててラブラブなら、こんな事いちいちすべり台に書くだろうか。想像するなら、単なる妄想少女か、RYOちゃんはきっと事故かなんかで死んじゃったかどうかのどっちかだ。そうでなきゃこんなうら寂しいとこで、こんな長文書くものか。しかし、何だ、「夏の午後、エアコンも無い部屋で、汗ばむ体を・・・」ってそのリアルな文章力。おまえ下書きしてから本番の落書きをしているな。そうでなければ僕より漢字を知っている者の犯行だ。しかも13歳。まったくよけいな敗北感だぜ。
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