5/17 fri. [ 遙かなる海と ]


「行こう行こう、海!」

「え?海?」
「うん、行こうよ、海」
「違うよ、飲みに行こうって言ったんだよ」

電話の向こうでケタケタ笑うTさんは、僕の知っている限りでも確実にボケが進行しており、最近もボケた直後に、自分のボケに気がついて訂正したつもりが、さらに核心から遠ざかっていくというボケぶりを見せてくれていた。
しかし、なんとまあ、幸せな気分にさせるボケぶりだろう。「海に行こう」なんて、女の子から言われた(彼女は誘われたと思っているが)のは何年ぶりか、いや、もしかしたら初めてかもしれない。それくらい、後でしみじみときめいた。
海に行くのが「目的」で海に行った記憶は、遠い昔に色あせている。いきつけだった茨城の海岸は、まだ携帯電話が使えなかった頃だった。毎週毎週、ボディボードをトランクにつんで茨城まで行っていたから、夏の甲子園は水戸商を応援していたっけ。エルロロ鈴木(友人)は、今はもう結婚して子供がわんさかいるそうだ。パラソルが作った、真っ黒な影の下、ねっころがてビール飲んでエロ本読むのが好きだった。開放的な気分でデラ・べっぴん見るのは最高だったよな。

遥かなる海と彼女の水着。本当に行けたらマジ凄い。

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