羽黒山〜出羽三山修験霊場〜
東北西部に南北に連なる奥羽山脈。この中心に当たる山形県の西部には,古くより修験霊場として栄え尊ばれた出羽三山を代表とする山塊が鎮座しています。月山,羽黒山,湯殿山を総称して出羽三山といい,592年崇峻天皇蜂子皇子開山と伝えられています。この山々は,元来自然崇拝山岳信仰の古神道から発したもので,明治維新までは神仏習合の山として栄えていたそうです。修験の道を一般庶民にまで広めたであろう羽黒山の長き参道。厳しい気候の元,現在も神と崇められ続けている月山。修験者の心と身体を清めたであろう湯殿山。出羽三山とひとくくりにされたなかでもそれぞれの神が特徴を持って,訪れる人々に対し畏敬の念を抱かさせてくれます。 羽黒山
参道入り口から続く巨大な杉並木は,山頂まで約1.7kmにわたり続いていますが,これは,江戸時代初期の羽黒山50代執行により造成されたもので,その約3分の1が直径1mを超える樹齢300年以上を経た立派なものです。昭和30年特別天然記念物に指定されました。山門の際には,幹周り8m余り,樹高50m弱,樹齢1000年以上とされる爺杉(じじすぎ)と名が付いた巨樹が我々を迎えてくれました。巨樹の列に囲まれた参道を進みまもなくすると,杉木立の隙間から重厚な木造五重塔を見下ろすことが出来ます。
さらに急峻な参道を登っていくと,出羽三山の3つの神を奉った出羽神社にたどり着きます。 羽黒山山頂の出羽神社は,月山,湯殿山の大神を合祭して三神合祭殿といわれ,年間の諸祭典は全てそこで行われているそうです。山頂まで参道の裏を回って車道が整備され土産物屋が建ち並んだこの山頂は,団体客であふれかえっていて,参道を自力で上がってきた者からすれば,その俗っぽさに拍子抜けするかもしれません。私が訪れたときは,丁度屋根の葺き替え作業が進められていました。
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