ディオンの『野望』
 
 

今だから笑える小さい頃の話だけど・・・・

ある日、お金が欲しくなった

お菓子をあれもこれも 自由に買ってみたかった

自由におもちゃを買ってみたくなった

だけど お菓子の食べ過ぎは決して美味しくなかった

おもちゃだっていつかは飽きてしまう

僕はお金で買えるものに限界がある事を知った

 

 

空を飛べるようになりたかった

空を飛べるっていうのは なんて素敵ですごい事なんだろう

教室の窓からぼんやりと空を眺めた

・・・・・自由になりたかった

だけど、鳥は本当に自由だろうか?

たとえ 空が飛べてもそれが本当の自由であるとは言えない

僕は翼がいらなくなった

 

 

ある日、僕は人の心が自由に覗ける力が欲しくなった

そうすれば 本当の人間の付き合いができると思った

人の心が見えてしまう事は 辛い事も多いだろうと知りつつも・・・

僕はそれを望んだ

だけど それもいらない

僕は 人の強さを信じる事にしたから

だから 今はいらない

 

 

・・・・緊張する

「こんにちは」

交わされるぎこちない挨拶

何故か人見知りする

必要以上に言葉数が少なくなる

本当はもっと話したいの事はあるのに

だから ぎこちなくでも笑ってみせる

僕は そのぎこちない笑みを

温かな微笑みに変える

ちょっとした「魔法」が欲しくなった

 

 
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