OCEANの『水無月』
 
 

  とにかく雨が降っている印象ばかりが強い。他に連想せよといわれても、何も無い。

  私は水無月が嫌いなのだ。のび太くんもそう言っていた。これは日本全国の小学生の総意なのである。

  何故か。

  雨が降るからではない。じめじめしているからでもない。土日以外の祭日、休日が一日も無いからである。

  現代の学生はまだ恵まれている。土曜日が第二、第四のみとはいえ休みだからである。私が小学、中学生だった時は、週六日、月にすれば二十五日前後を登校しなければいけなかったのである。よくもこのハードスケジュールに耐えてきたものだと、今考えると感慨深いものすらある。

  つまり日曜日以外の休日、祭日は天の恵みのようなものであったのである。

  それが、水無月にはない。これはいわば、拷問である。

  人間には息抜きが必要であり、どんなに根を詰めても効率的には休んだ場合とそれほど変わらなかったりもするであろう。ならば思い切って疲れたら休むという大胆な発想も必要なのではなかろうか。

  私もよく焦ることがあるため、根を詰めたくなる気持ちはわかる。だが、受験戦争や出世レースで死にもの狂いになることは所詮愚かなことにしか思えない。

  そこまでして受験に勝って何になるのか。地位を獲得して何になるのか。それで結局手に入れたものとは何なのか。果たしてゴールの先に苦労に見合うだけのものがまっているのかどうか。あれだけ苦労して手に入れたものだから素晴らしいものであるのだと、実際は大した物でもないのに自分を納得させるために無意識に誤魔化しているに過ぎないのではないか。

  まるで自分に諭しているようである。

  適度な休息を取り、無駄に力まず、鷹揚に構えて事に臨むことのできる者こそ、真の勝利者と言えるのではなかろうか。

  だからこそ水無月にも、願わくば休日を追加していただきたいと考えるのである。

  なんであれ、休みの多いことはよいことなのだ。

 

 
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