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僕は人間の殲滅をたくらんでいる。 それが正しい在り方だから。正義だから。愛だから。美しいから。 人間は悪だ。考えるまでも無い。紛れも無い悪だ。絶対悪だ。許されざる悪だ。 死ね死ね、死んでしまえ。僕が殺してやる。壊してやる。悪党め。悪は倒さねばならない。この世から消し去らなければならない。あってはならないのだ。髪の毛の一本も灰も臓物の腐り饐えた匂いまでも人の痕跡は悉皆、世にあらざる場所へと投げ捨て、封じ、今生へその思いの欠片すら届かぬよう重石をし、人を悪として成した何者かを訴え続けなければならない。 正義大義は我とともにあり。逆賊を誅するは天の意志なり、ゆえにたとえ莫逆の友たりとて格別の情けすら持たず、我神と成り代わりて滅ぼさん。 人間は僕を殺そうとたくらんでいた。悪が蔓延りのさばる世など有り得ない。悪は滅びる。たくらんだ人間は悪だ。だから滅ぼす。 僕は人間をミナゴロシにしようとたくらんでいる。これは正義のたくらみだ。生命の誕生と同時に胚胎した無限の可能性の中のたった一つの結末。結果的にここに行きつくことになったのは、一体どうしてなのだろう。 僕は正義だ。紛れも無い正義だ。理由など無い。僕は正義だ。反対勢力などは蟷螂当車にすぎず、それを悪という。何故なら僕は絶対的正義だからだ。 僕は今日もたくらんでいる。 |