イソヒヨドリの想い出(4) 投稿記事募集中(ハンドル名または本名で)!
『古城の番人』
イソヒヨドリは見晴らしの良い建造物の屋根も好きで、沖縄の赤瓦屋根にはシーサーだけでなく、イソヒヨドリもちょこんと乗っていたりします。そのため、沖縄ではイソヒヨドリの別名にカーラバンサーという呼び名もあります。意味は「瓦(で/の)番をする者、瓦の上の番人」という感じでしょうか。瓦、ブロック、コンクリートなどが、イソヒヨドリにとって岩場の相似環境となっているようです。石造りの遺跡を縄張りにしている場合もあり、南ヨーロッパの遺跡を巡る旅ではイタリアやギリシャなどで、全身真っ青のイソヒヨドリの雄に出会える可能性があります。
さて、南ヨーロッパは遠いので諦め、2002年の冬(お正月休み)は沖縄島で「琉球王国時代のグスク巡り」をしました(※1)。主な遺跡はユネスコの世界遺産に登録されています。今帰仁(ナキジン)城跡、勝連(カツレン)城跡、中城(ナカグスク)城跡、座喜味(ザキミ)城跡、首里(シュリ)城、の順番に駆け足で5ヶ所。斎場御獄(セーファウタキ)など他にも回ってみたい遺跡はありましたが、時間の都合上、次回(?)に延期しました。
今帰仁城跡でイソヒヨドリには会えず、がっかり。私の探し方が足りなかったようです。カンヒザクラ(寒緋桜)の並木は1本だけ咲いていて、森からはオオシマゼミ(大島蝉)らしきセミの金属的な鳴き声も聞こえました。他には、メジロ/ウグイス/リュウキュウツバメ/ヒヨドリ/キジバト/ハシブトガラス/サシバなど。眼下に広がる森と美しい海の眺望も良く、是非、再度訪問して今帰仁城跡のイソヒヨドリに会いたいな、と思いました。できれば、寒緋桜が満開の頃(1月下旬)........。
勝連城跡では雌雄を1羽ずつ、離れて城壁に止まっている姿を見ました。岩ゴロゴロの歩きにくい急斜面を最も高い位置まで登ると、その城壁(手すりのような感じ)に止まっている雌は尾羽が丸尾(円尾)の形状のままボロボロに(磨り減って?)短く、カワセミの尾羽のような長さです。それでも飛翔に問題は無い様子で、飛び立って飛翔昆虫を捕らえ、元の位置に戻ったりしていました。「随分、ご苦労なさってきたのねぇ。」と思いながら、城壁に沿って(6〜7m 程の距離)痛々しい彼女を観察していると、近くにいた観光客が景色を眺めるため彼女のいる城壁に近寄り、彼女は飛び去りました。私が双眼鏡で何かを熱心に見つめていることに観光客の方々は気が付いていたと思いますが、多分、景色を眺めていると思われていたのでしょう。勝連城跡には入場時間の制限などがありません。ここでの観察は早朝が良いかも、と思いました。雨の日は急斜面で滑って転げ落ちる危険性もありそうなので、要注意です。
座喜味城跡へは駐車場から美術館の前を通り、リュウキュウマツ(琉球松)の林を通ります。イソヒヨドリは雌雄でいるところを発見。雄は美術館の1番高い屋根に止まってさえずり、雌はその一段低い屋根に止まっていました。これまではさえずって目立つ雄ばかり観察することが多かったのですが、その雄の近く(の低い位置)を探すと雌がいることもあると学習しました。リュウキュウマツの林にはキクイタダキ/ムシクイ類/キジバトなど、城周囲の常緑照葉樹林の林縁にはメジロ/シジュウカラ/ウグイス/サンショウクイ/ヒヨドリ/ハシブトガラスなどがいました。
中城城跡のイソヒヨドリの雌雄は、少し離れて城壁に止まっていました。まるで古城の番人のように、威厳を持って観光客を睥睨しています。その姿がとてもかっこ良くて、私はしばしうっとりと彼らを見上げていました。城内のツワブキ群落は黄色い花を咲かせ、樹木も多く、城壁にはシダ類やコケ類、岩場を好む植物などがびっしり生えています。広い芝生ではハクセキレイ/シロハラ/キジバトなどを見かけ、その他の場所にはメジロ/シジュウカラ/シロガシラ/ヒヨドリなどもいました。城内でマングースにも遭遇して驚きました。沖縄島北部ではヤンバルクイナも襲っている困った帰化動物です。
最後の首里城でも、残念ながらイソヒヨドリには会えませんでした。龍潭池にはバリケンなどの飼い鳥の他に、ダイサギとカイツブリがいました。首里城は再現工事の一部がまだ続いていますが、「歴史的な文化遺産の観光地」としては充実した内容で、当然、スタッフや露天商や観光客など人が多いです。つい私も、生物観察より歴史学習の方を中心に行動してしまいました(本来はそうあるべき?)。梅雨の時期など、観光客の少ない期間を狙ってイソヒヨドリを探した方が良いのかも知れませんね。それに大雨や長雨の後には、海へ赤土が流出する被害の辛い状況を見ることもできます。希望する時期に私が沖縄を訪問することは難しいという問題はありますが........。
※1 沖縄県庁による紹介:ぐすく紀行
社団法人 日本ユネスコ協会連盟「世界遺産」
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文章は鯵刺鼻歩、画像はゆきりんさんの製作です。