BGM:Copyright(C)Music Palette


貴女に会えてよかった2

それはほんの短い出来事だった
長い人生の中で 本当に短い邂逅だった
でも その短い時間の中で
僕はいつだって 貴女に癒されてきた
かかわることのできた時間は 短いけれど
僕の中で 貴女は まるで永遠のように
深遠な 宇宙を見せてくれた

僕は何もしてあげられなかった

僕はただ 貴女と言葉を交わし
微笑む貴女に安らぎを見つけ
気付くと 精神の拠り所に仕立て上げていた

僕は何もして上げられなかった

「短い時間だったけど 貴女に会えてよかった」
旅立つ貴女に 感謝を込めて
貴女の幸せを心から願いつつ

「短い時間だったけど 貴女に会えてよかった」
貴女の笑顔を僕は
忘れない


あなたにあえてよかった

まだじかんはすこうしだけのこっていた
ついきのうのようにであったひがよみがえり
まだまだぼくにはわからないことがおおいけれど
えがおのなかにぼくはまどろんで

かけがいのないやすらぎをうけとっていた
おもいでにはしたくない
りゆうのないやすらぎがぼくをつつんでいるかぎり


あくび

なんといっても
今はともかく 生きることだ
生きることが重要だ

暗い路地の奥に
顔を無くしてしまった少女がうずくまっていようと
瀕死の物乞いが馬車にはねられようが
今は生き抜くことが重要だ

雨の降る夜に
僕を雨から守ってくれる外套は
もう 穴があいている
見上げた僕の眼に
雨は降り注ぐ

三階から飛び降りた猫は
それでもどこかへ走り去る
だから
今は生き続けることが重要だ

冷たい雨は
それでも容赦なく
僕の体温を奪ってゆく


茫洋

僕の心はいつも茫洋
僕の心を揺さぶるいくつもの花たち
僕の心をなでていくいくつもの風たち
そんなものたちがいくつ通り過ぎても
僕の心はいつも茫洋

この目に写るすべての世界に平和を
この手に触れるすべての人に幸せを
この耳に入るすべての言葉に福音を
味わうすべてに聖なる血潮を

この世界は私の心の中で実在し
この宇宙は私の心を包み込む

凱旋門を抜ける風が
退屈さをもてあそぶマドモアゼルのあくびのように
かすかな芳香を連れて来るから
僕の心はいつまでたっても
茫洋

時を知ることさえ
無意味なように



ブリーズ

椰子の葉がゆれるだけで
君は下を向いてしまった
風が少し冷たくなった南緯5度の午後8時
ヌサドゥアブリーズの氷が
すこし
ゆれた

サーチライトに照らされた波頭が
真っ白に砕け散るのを眺めながら
かすかに聞こえるガムランが
静寂の深さを際立たせていく

「また・・・バリ?」
「また・・・帰ってきた」

遠くを眺める君の瞳が
ガラムの香りともつれ合って
とびきり上等な退屈を運んでくる

しばらく退屈を謳歌しよう
日常の中では見過ごしてしまう退屈
その退屈を謳歌しよう


※ヌサドゥアブリーズ=グランドハイヤットバリのオリジナルカクテル
※ガムラン=バリの民族音楽
※ガラム=インドネシアの代表的なタバコ(香りが強い)

hibiki

聞こえてきます
痛いほど、時には激しく
羽毛のように、時には優しく
聞こえてきます

甘えることを知らないあなたの手は
何よりも私の心を甘くゆすっていく

並木を抜ける風のざわめき
葉陰を通して地上に落ちた太陽の写し絵

その葉音が
あなたの囁きのように
僕の心を満たしていく

光のダンスは疲れ果てた僕でさえ
こんなに陽気にしてくれる

そばに いても いいですか?


そして・・

いつのまにか、ふときづいたときに
なつかしいふるさとのように
みどりいろの光と
ゆきどけのせせらぎのように
きみはぼくのこころのなかに すんでいたね

きみがいるだけで
ぼくのこころはむげんのやすらぎをおぼえて
うまれたままの すなおなぼくでいられるんだ

いつまでも
なにがあっても
みつめあうひとみのなかに
ゆうきと あいと ゆめと
きぼうを かんじつづけたい


ねぇ

私が何をしたら怒る?

僕は多分、何をされても怒らないよ

それは、私だから?それとも誰にでも?

もちろん君だから
君が僕に悪いことをしてもその原因は僕にあるから
そんなことを君にさせてしまった僕にあるから・・
だから僕は何をされても怒らない

・・・たぶん、世界で一番私をわかってくれているよ

そうなることが僕の夢だったから・・・




やすらぎPart2

君の言葉が変わるんだ
会って5分は敬語なのに
6分目からは敬語じゃ無くなるね
敬語じゃなくなって、初めて僕は君に出会う

いつでもすこうしだけ微笑んだ君の横顔を
眺めながら僕は睡魔に引き込まれていく

少し高めの君の声がやさしく語り掛け
たわいのない日常会話が僕の心を癒していく

これほど近くにいて
これほど一緒にいて

いつも二人だから
これからも二人だから

僕は君のやさしい横顔を眺めながら睡魔に身をゆだねていく




多摩川

夕焼けの多摩川が美しかったから・・・
それだけで
それだけが
二人の唇を重ねさせ

ボートのしぶきがきらめいたから
それだけで
抱きしめる事が出来たあの日・・・・・

時間も止まり
二人だけの世界がどこまでも続いている幻影は
蜃気楼のように揺らめきつづけていた


いつまでも

忘れる事の無い記憶は
今と言う「時」を呪いながら
今の光が強ければ強いほど鮮明に
私の影となって離れない
今の私に出来ること
それを見つけようとすれば
私の心は時間を超える

あの日の、あの場所の、あの夕陽の中のあなたは
今でも、そしていつまでも
輝きを失わない

卒業の意味はわかっています
私達がすでに「卒業」していることも

それでもあの日のあなたが
私の中でいつまでもいつまでも
微笑みつづけてる

時を越えて
再会したあなたは何も変わらず
私にあの日の笑顔を向けてくれたけど・・・

私に残されたものは
余りにも重過ぎるきらめきだけだった

あなたの心のぬくもりを今でも感じてしまうから
あの日と同じぬくもりを
今でも感じてしまうから
あなたの呪縛の中で自分を見失いそうになる

愛しています 
きっと
あの日の記憶の中で・・・
あの日のぬくもりの中で・・・


空回り

なんて言おうと
どんなことをしようと
私の心は空回り
いつまでたっても空回り

ひとつのエネルギーで
ただ生き続けていても
何も出来ない
小心者

愛することにもつかれてしまい
考えることにもむなしくなって
何も私を動かさない

私の心は空回り
何も私を動かさない
いつまでまっても空回り







知恵

やさしい男とやさしい女
見せ掛けで無いやさしさは
あまりにも
あまりにも痛すぎる毒になる

多摩川の向こうがまぶしいから
ただそれだけで唇を重ね
傷つけたくないから
ただそれだけで殺してしまう

愛しています 愛しています
それは真実だったけど
それが二人を傷つけて
愛想笑いをうまくする

時に連れ戻されて
見つめる瞳にあるものは
やさしい笑顔
何よりも怖い笑顔

逃げた女は利巧です
見つめた男は不幸です

それでも
それでも

やさしさくらい残酷なものは無く
笑顔くらい 怖いものはありません



望老

そんなこともあったかな
と、言えるくらいの大人になりたい
約束 約束
それが私を縛り付けてゆく
約束
破ってしまえば事は簡単

そんなこともあったねえ
と、言えるくらいに年をとりたい

愛して求めて失って
愛して求めて行き続け
そんなこともあったねえ
と、言えるくらいに年をとりたい

私の周りでキラキラ光る
心、心、心達
そんなものもあったねえ
と、言えるくらい 一人になりたい

大人になって 年をとり
一人になって 愛していたい

昨日までの過去
明日からの未来



ジャングルジム

子供達は赤い顔をして風と戯れ、
顔が赤くても公園のジャングルジムに登るのだ
どうもこうもなくたって登るのだ
一等賞は僕だ!と言って

ジャングルジムのてっぺんに立つと
きっと遠くまで見えるのだ
だからどうもこうもなくたって
顔が真っ赤になったて登るのだ

きっと遠くのほうが綺麗に見えて
子供達は駆けって行くのだ
さっき見た「綺麗な遠く」まで
遠くの山から見るとちっぽけな公園の
ジャングルジムが色とりどりで
思い出すんだ 老人となる日を


Unknown

あなたのことが わかりません
何食わぬ顔をして
私の前で笑っていても
その向こうに見えるものは
言いようの無い悲しみなのでしょう

甘えることの無いあなたの
口が、手が、肩が
痛いほど私に甘えています
強く見えるほど
それは弱々しいものですが
私には・・・

愛してあげたい人と
愛さなくてはいけない人
愛してほしい人と
愛されてはいけない人

あなたは・・・
何もかも忘れさせてくれる
愛すべき人も
愛してほしい人も
愛してあげたい人さへも

甘いわなのような
あなたの悲しみは
私を酔わせ
私を奪ってゆく


死生活

春の陽射しは優しすぎて
私の首を真綿で締め付ける
(その手はもちろん私の手だ)

私は自らの手で活き殺しにされると
狂喜しながら死を受け入れようとする
その瞳は天をうつすだろう
(もちろん私は生きている)
自分の手が自分の首を最期まで締め付けられぬ事
それが私を狂喜させ
やってみろと、青い舌を出す

私の生活はその繰り返しだろう
私は自分の首をしめ、仮死すると手をゆるめ
覚醒すれば
再び真綿を持って首を締め付ける

それが私の死生活だ




やすらぎ

血が垂れている
血が金平糖のように 垂れている
それはまるで
薔薇の花のように なんと美しいのだ

金平糖の血を受けた
風化しそうな僕の骨は
口をあんぐり開けながら
舌を動かしている

それは河原であった
夕陽に血が見えなくなりそうな
河原であった

遠くに見えるはずの鉄橋も煙突も
死んでしまったように見えないで

金平糖の血をなめながら
やっと一息ついたところだ

そらそら早くなめないと
血が真っ黒に固まってしまうよ
血が冷たく凍ってしまうよ

金平糖の血は
あたたかく
甘かった




革命

人に言われた自分の姿を
いつも自分と信じていた
自分を信じてくることに
何の疑問もさしはさまずに

自分を信じていたい
自分を信じて生きて行きたい
夢を追っていたとしても
自分を見つめている限り
自分を信じることだけが
私の道を開いてくれる

人の心に愛を!
人の心に感謝を!

目覚める人に明るい光を!

私の中で何かが変わり
私の中で自信が目覚め
努力の空しさの中で努力を!
信じることの儚さの中で信じることを!
そう叫びつづけている

敵対のないところには信頼は生まれない
憎しみのないところには愛は育たない

私は一度死にやがて生返り
あなたはその私の中で
一度死にやがて生まれ変わる

時に任せるものなどなにもない
すべては
この手で
この目で
この口で

土を知るには自らの手を土に埋め
星を知るには自らの目でそれを見つめ
愛を知るには自らの口で愛を語る

矛盾と理不尽
相傷と混沌
差別と偏見
そんな奴らと闘うために
自分の中から自分を信じ
自分の外から自分を見つめる

すべては闘い
すべては闘争
自分自身に打ち勝つために
社会の中で生き抜くために

演者

夢を食べて生きていく
誰がなんと言って笑ったとしても
夢だけ食べて生きていく

死んでしまったほうがいい人たち
生きていてほしい人たち
そんな人たちが何をしたの?

一生懸命演じている人は
一生懸命演じないふりをしている人より
美しいよ

その手はなに?
その指はなに?
その唇は?その目は?
何がほしいの?お子様ランチ

僕は夢を食べて生きていく
何もしないで夢さえ見ずに
生きていくのは楽しいかい?

騒ぎたければ騒げばいいさ
泣きたくなったらかってに泣けよ
ただし一人きりになってから

僕は夢を食べて生きていく
仲間を探して生きていく
誰がなんと言って馬鹿にしても
僕はあんたたちほどお利口じゃないのだから

僕は夢を食べて生きていく