517 タラヨウ

植物の名前は何故かカタカナで書く。
わけのわからない名前は意味を関連付けないと私はどうしても覚えられない。
「タラヨウ」という名前に初めて出会ったときも、その実の形から鱈子の様だからと解釈した。
まあ、「鱈子よりはスジコ」だと思ったものの勝手に名前を変えるわけには行かないから、鱈子様にしたのである。

画像

タラヨウは「多羅葉」である。
インドでは多羅の葉に経文を書きつけたという。
その「多羅」ではないが、そのように字がかけるから名前が付いたという。
釘のようなもので引っかくと黒く変色して字が書けるわけだ。
五日市の広徳寺にタラヨウの大木がある。
そろそろ色づくころだろうと訪ねてみた。
見事な大木である。
今年は実も沢山付けている。
縄張りを主張してけたたましく鳴いている小鳥以外には誰もいない。
もう、名物の大銀杏もすっかり葉を落として、寺は冬支度なのだ。

画像

大木の笠のなかに入ってよく見ると手の届く葉という葉に、書いてあった。
願いごとだったり訪れた記念であったりいろいろだが、葉には字が書いてあった。
それを知らないのは私だけだったようだ。
「タラヨウ」が「鱈子様」とおもっていたのも私だけで何とも恥ずかしい気がする。
とはいうものの、それがわけのわからないものをたからもんにしてしまう仕業かも知れない。


HOME