梅雨のころ山に入るとひらひらと白い葉っぱが見える。
それがマタタビである。
この葉はやがてピンクにかわってついに消えてしまうようだ。
いったい何のサインなんだろうか。
「ここでいま花を咲かしているぞ」と虫たちに知らせる合図なんだろうか。
そういえば虫瘤のある実も多い。

マタタビは疲れた旅人がこれを食べて又旅をしたという由来がまことしやかに伝わっている。
しかし、そんな語呂合わせみたいな話は眉唾である。
アイヌ語で「マタタムビ」が亀の甲羅を意味し、虫瘤の形が亀の甲羅に似ているからだという話もある。
アイヌの文化がどれだけ伝えられてきたか私には分からないが、古くは「ワタタビ」といってたらしいから、綿の足袋じゃなかろうかともおもう。
白い葉は白い足袋のようにも見える。

ずっとまえ、マタタビの実を一掴みとってきて、焼酎に漬けたことがある。
又、旅ができるほど元気がでるのならと、食べてみたけれど渋くてたべられなかったから。
マタタビは焼酎に漬けてもまずくて飲めたものではない。
捨てるわけにも行かず、今もそのまま残っている。