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(H22年6月1日記載)
郷土の自然史発見 その8

およそ三千万年前の火山活動でできた凝灰岩の地層と溶岩・貫入岩
千丈渓の地質あれこれ

位置:島根県江津市桜江町江尾~邑智郡邑南町日和



国土地理院発行 1:25000地形図「川戸」より

観察のポイント

下の図の中の画像をクリックすると、その拡大画像と説明へリンクします。


交通
国道261号線から江の川にかかっている桜江大橋を渡って川戸へ至り、ここから市山方面へかけて県道をまっすぐ行くと千丈渓への案内板が立っている十字路があります。 この案内板の指示に従って、この十字路を左折してまっすぐ行くと、また案内板がありますので、これに従って行けば千丈渓の駐車場へ至ります。

考察
千丈渓流域は渓谷らしく他地域に較べて露頭状況がよく、地質観察にも絶好のフィールドと言えます。 流域を入り口から出口まで遊歩道や林道を歩きながら、異なる岩相同士の接触関係を考えて観察していくことで、千丈渓流域の地質体の形成史を考察していくことができます。

千丈渓流域の地質体を岩種別に区分して、各岩種の地質体ができていった順序を考えてみると、

結晶質凝灰岩の地層が堆積 → 安山岩およびデイサイトの溶岩が地表面を覆う → 地表面が削剥を受ける → 溶結凝灰岩の地層が地表面を覆って堆積 → 花崗岩が貫入

このような順序になります。
しかし、観察してもわからないところや矛盾するところ、露頭状況が悪くて十分に観察できないところなどがまだまだ多くあります。
流域に分布している安山岩には、同じ岩種でも暗青色を呈するものばかりではなく赤褐色を呈するものや赤褐色の自破砕構造が顕著なものなど、いろいろな岩相のものが見られ、どの岩相のものも同時に噴出したものなのか、あるいは溶岩などではなく水冷自破砕を伴った貫入岩ではないのか、といった疑問があります。
また、上部層側の凝灰岩(溶結凝灰岩)も下部層側の凝灰岩(結晶質凝灰岩)も、場所によって呈する色やフィアメの大きさ・形態、含んでいる岩片の量・種類などが異なったさまざまな岩相のものが見られ、はたして何回のフローで堆積したものなのか、フローユニットは何層あるのか、といった疑問もあります。

千丈渓は、渓谷の素晴らしい植生や地形を楽しみながら、地質体の形成史を発見的に学べる絶好のフィールドだと思います。

観光
千丈渓は、とにかく県内でも人気のあるハイキングコースとしてよく整備された観光地です。 時季としては、やはり新緑の春と紅葉の秋が特に良いようです。


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