- 2003 年 -
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030630 研究室で材料に使う虫の採集を手伝いに、となり町の郊外にある市民の森に行きました。遊具やレジャー施設だけでなく、自然観察にも適していそうな良い場所でした。普段住んでいる高原に比べてこの場所はもう夏間近、といった感じでした。そう思わせてくれた虫が、着いてすぐに僕らを迎えてくれたこのメスグロヒョウモン。ヒョウモンチョウといえば茶色に黒の模様が一般的なのですが、このチョウはオスがその基本パターンを踏襲している一方で、メスはこのように黒地に青や白の模様を配した、美しい姿をしています。シモツケの花にしばらくの間じっとしていたので、その姿を画面いっぱいに納めることができました。こんな感じで写真ばかり撮っていたせいでしょうか、材料である虫を捕るというノルマは果たせずに終わってしまいました‥‥


030629 日曜日の昼、青空は見えていたのですが、風が涼しくて少々肌寒さを感じました。外を歩くには気持ちの良い天候でしたので、今日はアカマツとシラカバがまばらに立つ林の中を歩きました。と、そこに小さくて可愛らしい花を見つけました。同じものが約十日前に草原の方で咲いていたのを確認したのですが、写真を撮ろうと翌日行ってみたら刈り取られていました。つまりは、雑草の部類に入ってしまうものなのですが、地上を這う葉と茎からスッと立ち上がって花を咲かせている様を近くでじっくり見ると、とても美しいと感じます。高さ 10cm ちょっとでしょうか、青みがかった小さな花をいくつか咲かせているこの植物はグンバイヅルと言うそうです。


030628 昨日紹介できなかったものなのですが、ミズナラの雌花を見ました。枝の先端にある 5 mm 程の大きさのものですが、この枝では二つ見られました。向かって右側のものでは半球状の先に花柱が飛び出ているのが分かります。これからだんだんとドングリになってゆく様を観察できたらいいなと思っています。
 この雌花を観察しているときに、ミズナラの葉にできた大きな虫こぶを発見しました。そのつもりで見ると結構見つかるもので、どれも中央の葉脈上にできていました。写真のものはその中でも大型のもので、2cm 程の長さでした。すでに穴が開いており、中の虫は羽化して出ていってしまったと考えられますが、付近に体長 5 mm に満たない黒っぽいハチが数匹確認されていたことから、このコブの主はタマバチの仲間ではないかと思われます。虫こぶは植物と昆虫の関わりの一つの形であることから、昆虫について勉強してきて、植物についても興味のある自分にとって、とてもおもしろい題材であると思います。とはいえ、こればっかりの写真集って言うのも、見る人をかなり限定してしまいそうなので、今後もバランスを考えた上で紹介してゆきたいと思います。


030627 草原を散歩していたら、ウツボグサの花を見つけました。毎年花が咲き終わる頃に、思いだしたように見ていたので、これほど新鮮(?)なものを見たのは初めてでした。咲き始めだとこんなに青々としているものなんだなぁ、と感激してしまいました。さらに、そのすぐ近くにこのウツボグサが群生している場所を見つけてしまいました。あと数日?‥‥これだけのつぼみがいっせいに花を咲かせたら、さぞかし素晴らしい光景になるでしょうね。今からとても楽しみです。


030626 ヒメシジミの仲間のチョウが見られるようになってからもう二週間近く経ちます。ここ数日の間に、翅の表が青紫色のオスに混じって、茶色にオレンジ色の点があるメスも見られるようになってきました。オスの方が羽化が早く、さらに数も多かったせいか、ようやくメスを見つけることができました。そのうち、これら雌雄が仲良く花にとまるシーンなども撮影できるようになるのでしょうか?時期やチョウの習性の問題だけでなく、僕自身の撮影技術と運の問題も大きそうです。


030624 今朝は雨。でも昨夜から「明日は早起きして撮るぞ」と決めていたモノがあったので、それとカメラを持って窓際へ。実は僕にとって唯一の観葉植物(?)であったアルファルファに、花が咲いたのです。  二ヶ月くらい前、友人から「こんなの買ったんだけど使わないからやるよ」と、100円ショップで購入したと思われる「アルファルファ栽培セット」を譲り受けました‥‥タネとプラスチックの鉢と土という、いたってシンプルなセットでした。本当は日陰になるように育てて、モヤシを食するためのセットのようなのですが、わずか 2-3 mm のタネから生えてきたモヤシは当然細いわけで、ビーフンみたいなものが数本しか生えていない状態を見ると、食べずに日なたで育てしまおうという気持ちになりました。
 待ち焦がれていたと言うわけではないのですが、それでも水やりをしたり、予想以上に伸びた(30 cm)茎を割りばしで支えてあげたりしてきたこともあり、開花にはちょっと感激してしまいました。写真向かって右側は三日前に最初に咲いた方で、左側は昨日咲いているのを見つけました。つぼみの時から開花初期にかけて、花びらは赤紫色をしており、その後薄い青紫色に変わってゆくのではないかと思われます。どちらの色もたいへん美しい。特に、完全に開いた花の、薄い青紫色の花びらの上に濃い青色の雌しべが乗っているというバランスに心引かれます。このような素晴らしい花を咲かせるとは想像していませんでした。まだいくつかつぼみがあるので、もうしばらく楽しめそうです。また、どんな実をつけるのかも興味があり、待ち遠しいです。


030623 先日はちょっと気味の悪いバッタの写真を紹介してしまいましたが、今回はおととい撮影した生きているバッタの幼虫を載せます。しかし、このバッタ、同じ幼虫でも先日のものとはグループが違います。‥‥前胸の背面にあった一対の「く」の字状模様が、この写真のバッタにはないですよね。じゃあ、これは何なんだと言われると、ちょっと困ってしまういます。おそらくはフキバッタの仲間と思われるのですが、これらのバッタが成虫になるとされる来月中旬以降に成虫を見て、もう少し詳しいことを付け加えようかと思います。この時期、草原はワラビ採りが難しいほどに様々な草が繁茂しています。その中に紛れて、これらのバッタの幼虫が盛んに飛び回っています。しかし、たくさんいるからと言って、これらの虫達は容易に被写体になってくれません。いつの日かバッタをはじめ、チョウやトンボなど、近づいてその姿を画面いっぱいに撮ることを夢見て、これからも撮り続けてゆくつもりです。


030622  ちょっと前にご紹介したアカマツの花、雄花はあれからすぐにしおれて目立たなくなりました。枝は新しく芽吹いた葉がだいぶ成長し、この前までは雄花が目立っていて黄色かった枝先は、緑色がかっています。雌花は相変わらず、枝先で赤紫色をしていますね。
 今年伸びた枝の基部、つまり昨年の枝の先端にあたる部分に、緑色の松ボックリが見られます。以前も触れましたが、今回やっと写真で示すことができました。先端の赤い雌花も、来年はこの色・この大きさになって、新たに伸びた枝の根元で熟すのを待っているのでしょう。


030621 週末、そして晴れ。これはもう、カメラを持って野外に出なさい!との声が空から降って来ているようなものです。休みだからゆっくりと寝ていたい、という気持ちも強かったのですが、まぶしい朝日をあびて輝く草原の緑を見ていたら、すっかり目も覚めました。こうなったら、草原を越えた奥にあるアカマツ林に分け入って、ベニバナイチヤクソウを写真に撮ってこようと思い、普段より少し余計に散歩してきました。この植物は林内に入ってすぐのところ、比較的多くの光が射し込む林床に集団で咲いていました。茎が頼りなさそうに伸びている、と言えなくもないですが、地面からスッと伸びた茎の先に桜色の花を付ける様は、上品でバランスのとれた美しさを感じさせます。上下に連なる花々は、下は咲き終わり、上にはつぼみが見られます。下の方から開花してゆくのがよく分かります。もう少し早く、下の方がまだ咲いている段階のものの方がきれいだったかも……と早くも来年の計画を頭に巡らせながら帰ってきました。  この花以外にも、いつもの散歩コースにはない自然を見ることができました。それはまた別の日に紹介させていただきます。


030620 今日はちょっと気味の悪い写真です。見てのとおりバッタの幼虫(翅がまだ小さいままですね)なのですが、何かおかしい‥‥実は死んでいるんです。この時期、草原には多くのバッタの幼虫が飛び交っています。その中には命を落とすものが出てくるわけですが、鳥など他の動物に食べられる以外に、このように病死するものも出てきます。ちなみに、このような状態で死んでいるものの多くは、カビに攻撃されたものであると考えられています。虫の体内で増殖した後で、胞子を飛ばすために虫を高いところへ移動させる‥‥とのことですが、それが本当だとしたら怖い話です。高原の爽やかな朝にこれを発見してしまい、自然の厳しさを少しばかり実感し、すっかり目が覚めてしまいました。ちなみにこのバッタは、前胸の背面に一対の「く」字状の模様が見られることから、ヒナバッタ類であると言えます。また、幼虫では短い翅ですが、成虫になると翅が後ろ足の膝のあたりまで伸びるそうです。


030618 日当たりの良い芝生から数本、キノコが生えていました。全体的に白っぽく、柄やカサはしっかりしています。写真には見た目に可愛らしい時期のものを選びました。カサが開ききっていないものはこの一本で、残りはいくぶん背が高くてカサが水平にまで開いていました。最近になってあちこちにキノコを見かけることが多くなりました。きっと梅雨が林や草原を潤して、地面をキノコが好む状態にしてくれるのでしょうね。外出時には困りものの雨ですが、やんだ後にこのような楽しみがあると、梅雨の時期もそう悪くないなって思います。


030617 気がついたら最近、アリが立派な巣を作って活動し始めていました。ふと見たコンクリートの上で小さく黒いアリが集まっていました。覗いてみると、どうやら獲物を捉えた様子。輪の中心には、より大きくて赤いアリが必至に抵抗していました。慌ててカメラを撮って戻ってきたら、黒いアリは半分ほどの数になっていて、赤いアリもおとなしくなっていました。よく見ると肢や触角の先端だけでなく、胸の辺りにも噛みついているのが分かります。攻撃している黒いアリが約 5 mm、赤いアリが約 1 cm。足元で繰り広げられている小さな戦い……アリ達の奮闘をまた見てみたいです。


030616 今日も数日前に撮影した写真を紹介します。チョウは翅の表裏で全く模様が違っていたりするので、二枚の写真を載せました…前翅の裏までは撮れませんでした。体長は 1.5 cm くらいのシジミチョウ、なかでもヒメシジミの仲間でアサマシジミではないかと思いましたが、他によく似た候補がいるので、正確な種名は保留です。まだ涼しい朝の草原をゆっくりと飛び、朝露のついた葉の上にとまると、しばらくそこにとどまっていてくれていました。また、近づいてよく見ると、翅表(上写真)の色が大変きれいです。特に、上品とも言える青紫の色づかい、すぐ内側の黒と強い対比する白い縁どりが目をひきます。
 これまで何とかして種を知ろうと、躍起になって網で捕獲して標本を作って調べていたこともありました。これは昆虫の形態を知る上でも大変優れた方法です。しかし一方で、カメラを使う観察もまた、目で見る詳細な情報量は減るものの、それを補おうとするせいか季節や周囲の状況を知り、対象となる生き物と少し距離を置いて観察するようになるので、自然を見つめる方法として、なかなか有効なのではないかと思いました。


030615 今日は数日前に撮影した写真を紹介します。これはアカマツの花。写真は今年新たに伸びた枝ですが、根元の方に黄色い雄花、先端に赤く色づいた雌花がそれぞれついています。その間にはこれから生えてくる葉の芽が見られます。雄花の方が少し早くから見られたような気がしますが、単に黄色いから目立つだけなのかもしれません。また、全ての新枝にこれらの花があるわけでもないようで、特に雌花は数が少なかったです。ちなみに、雄花はこのように数が多いので、この時期、アカマツの木の下は黄緑色の花粉がうっすらと積もります。  アカマツの木を眺めていると、この時期、ついている松ボックリが三種類あることに気がつきます。一つ目は昨年の秋にタネを飛ばしてしまっている古いもの、二つ目はこれからタネを飛ばすべく熟れようとしている緑色のもの、そして三つ目は「松ボックリ」とは言えないですが、ここにある赤い雌花です。緑色のものは新枝の根元にあるので、来年の今頃はこの写真の雌花も、この枝の先端から新たに伸びる新枝の根元で緑色になっているのでしょう。
 この日は梅雨空のスッキリしない空の下、少し強い風が枝を揺らしているおかげで、これ以上撮影できませんでした。また近いうちに、より発達した状態の松ボックリも紹介するつもりです。


030614 突然ですが今日、好きな花に出会えました。自然観察の講習を受けに塩尻まで行って来ました。梅雨まっただ中(?)で降ったり止んだりの天気でしたが、駐車場の脇に密生して咲いていたそれらを見つけたら、下道で二時間半かけて来た疲れが癒されました。オダマキの花。まず赤い花の方を遠目で発見して、近づいてそれだと分かって喜んでいたら、近くに黄色い花を咲かせているものもありました。二種類の花が一度に見られたことは感激でした。
 この花の魅力をもっとも表しているものに、その独特な花の形があります。先端付近で折り返す細長い茎の先に、花は下を向いて咲いています。下に向かって広がる花びらと萼、それらと対称的に天に向かって伸びる花びらの基部……上下にバランスの取れたデザインが気に入っています。特に、キバナノヤマオダマキと呼ばれる黄色い花のものは、僕が美を感じる基本的デザインを実にシンプルに表現しており、さらに、謙虚なまでに周囲の色に溶け込んでいる花の色は、かえって上品な存在感を持っています。
 今日はこれらに出会えただけでおなか一杯、といった気分になりました。というわけで、今回はどうしても欲張って二枚の写真を入れさせていただきました。


030613 梅雨に入って三日は経過したらしいのですが、いまだにそれらしい降りをみせていません。アスファルトにうっすら積もったアカマツの花粉が、昨夜のうちに雨が地面を流れる程度に降ったことを示してくれています。さて、時折青空も見える朝の草原で、こんなものを見つけました。ヨモギの葉上に赤い「こぶ」。写真後方では一枚の葉に何個もついている様子が分かるでしょうか。虫こぶ(虫えい)です。昆虫の寄生などに対して植物組織が変形したもの、とでも言いましょうか。「ヨモギハエボシフシ」……ヨモギの葉にできる烏帽子のようなカタチをした虫こぶ……そのままの名前です。ちなみに、この虫こぶの主は「ヨモギエボシタマバエ」という、これまた分かりやすい名称のハエです。こぶの中では幼虫の状態で過ごしています。
今日は参考文献を見ながらちょっと勉強してしまいました。末長い更新を目指して、あまり頑張り過ぎずにやってゆこうと思います。


030612 標高1,000mちょっとの草原にもアヤメが咲きました。そろそろ梅雨がやってくるせいか、朝から曇りで少し冷たい風が吹いています。
カメラ購入三日目で、まだまだ操作は不慣れです…今回もこの三枚あとの写真を撮影中に電池切れ。このサイトをちゃんと更新しながら、撮影技術も少しずつ上達させてゆきたいです。
 この時期、草原はまだ背丈もひざ上程度で、見渡す限り一面の若草色です。その中でこの青紫色は、花が大きいと言うこともあってとても目立ちます。花壇に植えたみたいに立派な花を咲かせているのには、少々違和感を感じたりもしますが。この色と同じ系統でリンドウの花もありますが、これはもっと低い位置にひっそりと咲いているので、探してみたいと思います。


030611 ワラビの先端、巻いている幼い葉の先を歩いているところを撮ろうとしましたが、くるりと向きを変え、さっさと逃げ出されてしまいました。ベニボタル類、ということでホタルに微妙に近い仲間と言うことができるでしょうか。もうじき長野県でも南信地方からホタルが見られるようになります。今年こそは、人工の明かりの届かない静かな川のほとりで、ホタルの明かりを眺めてみたい!と思います。ここ数年、見に行く川があるのですが、そこは道路沿いで、車が通るたびに眩しい思いをしてしまいます。‥‥肝心のポイント探しが大変です。


030610 予報では今日の午後から梅雨入りらしい。せっかくカメラを買ったものだから、ここぞとばかりに朝、外に出た。風が強く、15分も外にいたら体が冷えきってしまった。今朝は鳥も出てこない。何か写真を一枚……と見渡すと、まず目にとまったのがこの黄色。アブラナだろうか。ここでもタンポポにやや先駆けて咲いていたので、日なたではもう二週間前に咲いていたが、昼過ぎまで木の蔭になるここではポツンと咲いている。それにしても、野外で見る黄色い花は、この花以外にも言えることだが、どうして鮮やかなのだろうか(写真でも花の部分が露出オーバーだ)。それだけに、他の草に埋もれていてもしっかりと存在感を示していたりする。菜の花畑の圧倒的な黄色には、目を奪われずにいられない。
 ……後日、この花はアブラナでなく、同じ科であるハルザキヤマガラシであるらしいことが明らかになった。50 年くらい前から増え続けている帰化植物、とのことであるが、さしずめ高原におけるアブラナと言ってもいいくらい、ときに群生して鮮やかな黄色い花を咲かせている。タンポポと前後して咲いているので、ここでは春の訪れを黄色で鮮やかに表現してくれる植物である。


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