040417 先日の採集の帰り道、道路脇から見える小川の周辺にザゼンソウがあると聞きました。ザゼンソウと言えば、ミズバショウのあの白い花を赤茶色に変えたような、というイメージを持ってはいたのですが、いまだ実物を見たことがありませんでした。そこで、週末を待って見に行くことにしました。
 とても良く晴れた土曜日の朝、小川が流れる湿地にやって来ました。湿地には点々と赤茶色の花が見られました。「思っていたより大きい!」というのが第一印象でした。ミズバショウよりふた回りくらい大きく、形もずんぐりしていて、厚みもあるようです。もし、この赤茶色の花びら(仏炎苞【ぶつえんほう】と言うそうです)を広げたとしたら、きっと手のひらよりも大きいと思われます。ただ、写真のように、典型的な赤茶色の仏焔苞をきれいに広げているものは、少なかったような気がします。多くは黄緑がかっていて、あまり広がらずに筒状に伸びていたような気がします。少し時期が早かったのでしょうか?
 この辺りにはザゼンソウの他に、フクジュソウが至る所に咲いていました。せせらぎを聞きながら、これらの花を、しばしのあいだ眺めていました。


040418 右の写真は先日の採集の際に見つけた、シラカバの倒木から生えているキノコです。直径4センチくらいの球体を1/4カットしたような形のカサが幹の至る所から出ているのですが、写真では右下と左上にそれぞれ一つずつ見られます。カサの表面の模様がシラカバの幹ととても良く似ているため、写真右下のものはちょっと区別がつきませんね。カサはとても堅く、まるで木にできたコブのようです。
 一本のシラカバの倒木に生えていた中でも、ひときわ大きなものを見つけました。幅は同じくらいなのですが、長さは10センチを超え、下方(写真左側)2/3は既に木から離れて筒状になっています。今回ご紹介しているキノコですが、これはサルノコシカケの仲間で「ツリガネタケ」というそうです。‥‥この筒状に伸びてしまったものは、まさに釣鐘のような形をしますよね。上の写真でご紹介したものが縦に何個も重なったような感じです。
 この大きなツリガネタケを持ち帰ったのですが、それはどうしても見てみたかったからでした‥‥そう、中の構造です。
 日をあらためて、ノコギリとカッターナイフを用意し、切断作業に取りかかりました。切り始めはカサの表面の堅い部分によって苦労したのですが、内部はコルクのように柔らかく、順調に切り進むにつれ、いかにもキノコを思わせる香りが漂ってきました。切り終えて断面を見ると、カサの表層2-3ミリが堅い層で、内部は繊維が縦に走り、1センチおきに横断線が見られます。この横断線は、表面に見られる重なったような模様と一致していますね。どうやら、複数のキノコが重なっているように思えます。
調理以外でキノコを切るなんて滅多にないことなので(しかもノコギリなんて使いませんよね)、とても貴重な経験をしたなぁ、と思いました。


040422 今年もカタクリの花が咲きました。開けた林の中にいくつもの株が花をつけています。普段通る道から林の中にほんの数歩入っただけの場所なのに、こうして薄い赤紫色の花をつけるまでは、その存在に気がつきませんでした。どうやら、今年もカタクリの花に先を越されてしまったような気分です。
 スッと伸びた花柄が先端で下を向き、花びらは上方に折れ曲がり、下方へは、細長く伸びた白い雌しべを囲むようにして花粉をたくさんつけた雄しべが垂れています。少し離れたところから、ひっそりと咲いている様子を撮ろうとも思ったのですが、カメラを思いっきり地面に近づけて、花の顔をうかがうように構えてみました。葉や咲いている場所の様子は、また違う機会にご紹介いたします。


040426 実家の周辺の山々がだんだんと春らしい色を帯びてきました。ヤマザクラと思われる淡い桃色や、芽吹いた葉の薄い緑色が、まだ葉の茂っていない細い枝々にボカされるようにして、ハッとするような景色を構成しています。春の山々がしばし絵の題材となるのも、こんなにも美しく豊かな色彩を見るにつけ、描かずにはいられなくなってしまうのからではないでしょうか。
 今朝は早起きをして、近くの山まで行ってみました。色彩豊かな山の手前には田畑が広がり、「里山の春」を感じさせてくれます。アブラナ越しに見る春の山を、よく晴れ渡った空も含め、写真におさめてみました。
 周囲を山に囲まれている環境にあって、この時期は、少し遠くにまで目をやる余裕さえあれば、自分が今まさに春に囲まれていることを実感できると思います。


040427 昨日、春の色を帯びた山の景色をご紹介しましたが、撮影した場所の足元にはたくさんのツクシが生えていました。まだ水の張られていない田んぼの脇です。
 写真でもお分かりになるかと思いますが、たくさんの「ツクシ」というよりは、たくさんの「スギナ」と言った方が正確な表現かも知れませんね。ツクシとスギナ、これらが地下でつながっている同一個体だということは、多くの方がご存知かと思われます。緑色のスギナは、持っている葉緑体を存分に生かして光合成をおこない、養分をせっせとつくります。その一方で、ツクシは先端の穂状の部分から胞子を飛ばし、次世代に命をつなぐ役割を担っています。「個体の生存」と「種族の繁栄」‥‥私たち人間をはじめとする身の回りの多くの生物は、これらを一つの個体として当たり前のようにやってのけていますが、こうして分業している生物を見ると、それぞれの機能の大切さが分かってくるような気がします。


040428 この時期は畑でも花が咲いています。先日はリンゴ畑とモモ畑に立ち寄り、道端に突き出した枝につく花を撮影しました。
 まさに満開だったのが左の写真のリンゴの花でした。うっすらとピンクがかった白い花。こうして見ると桜のように綺麗ですが、花びらはサクラより厚いためか、ズッシリとした印象を受けました。大きさも少し大きいようです。
 一方、右のモモの方は少し時期が遅かったようです。大半の花が散ってしまっていました。辛うじて残っていた花を見ると、リンゴよりも、そしてサクラよりも濃い色をしています。ホウキのようにフサフサと伸びているのは雄しべでしょうか‥‥とても印象的です。
 農業はまさに自然とともに生きる一つのカタチと言えます。結果としての作物だけでなく、その過程にある植物としての様々な側面なども見てゆきたいと思います。


040429 「霊仙寺湖畔から眺める黒姫山:春」‥‥この前の日曜、カメラ片手にドライブに行った折に出会った景色です。早朝からの快晴が昼頃にもまだ続いていて、まだこの時期まで咲いていてくれたサクラが、湖面を吹き渡る気持ちよい風に揺れていました。風が止むと、目の前の山が湖面に映り、その美しさにハッとさせられました。
 このあと、飯綱高原や戸隠をまわってきました。ミズバショウが咲いていたり、標高の高いところでは雪が厚く残っていたりして、少し遅い春の訪れを楽しむことができました。「天気のよい休日‥‥せっかくのチャンス!」とばかりに欲張ったせいか、体にこたえる散策・ドライブでした。でも、きれいな景色を写真に収めることができた充実感が、それらを心地よいものに感じさせてくれたように思えます。


040430 ズミの木の芽吹き。この木は先月、ヤドリギを撮影するために登った、あの木です。もちろん、今でもちゃんとヤドリギは青々と茂っています。その木を訪れたところ、各所の枝の先端に芽吹きが見られました。
 この写真には芽吹きのほかに、昨年の秋からついたままになっている実を収めてみました。ほとんどの実が落ちてしまっていたので、ちょっと珍しい場面と言えるかもしれません。よく見ると、実がシワだらけですね。それとはまさに対照的なのが若芽で、日光を受けてみずみずしく輝いているようです。
 「昨年の残りと今年の始まり」‥‥大きな木の枝先に、季節の移り変わりを感じることができました。


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