040613 マユミの花が咲いていました。この花を昨年、初めて目にしたのですが、その時は何の花なのかも分からず、その年の秋に実を目にして初めてマユミだと分かったのでした。白く小さな花びらが四枚、なんか風を受けてくるくる回りそうな位置に付いています。
 そのマユミの葉の上に、ガがとまっていました。翅(はね)に縦長の瞳のようにも見える目玉模様が入った、体長1センチちょっとのガです。その模様がとても印象的で、図鑑を開いてみたら、「モンギンスジハマキ」とありました。なんでも幼虫は落葉中で冬を越すらしいのですが、ひっそりと暮らしているせいでしょうか、日本ではその幼虫の姿は確認されていないそうです。地味な幼虫から一変、親になるとかなり目立った模様へと変貌を遂げるということで、このガにとっては生存のために必要な変化だったのでしょうが、我々のライフスタイルに当てはめてみると、なかなかおもしろいものですね。


040618 昨日・今日と研究内容の発表会がありました。発表準備のため、今月に入ってから特に忙しくなってしまい、更新が遅れたばかりか、自然観察もままならない日々を送ってしまいました。
 久しぶりに撮影した写真は、発表会の会場近くの空き地を黄色に染めていた花です。なんとか発表を終えてホッとしたところで、休み時間にカメラを持って散歩したのでした。花に近づくと、まずブンブンと虫の大きな羽音が聞こえました。ミツバチが何匹も飛び交っている‥‥と、一瞬近づくのをためらったのですが、よく見るとミツバチではなく「ハナアブ」と言うハエの仲間でした。写真では分かりにくいのですが、身近に飛んでいるハエと同様、翅(はね)が二枚しかありません。刺される心配はないと知り、余裕を持って近くで撮影をすることができました。
 ちなみに、この花はハルザキヤマガラシと言います‥‥そう、ちょうど去年の今頃の「雑記」の記念すべき一枚目として紹介されたものでした。もう一年になるのですね。
 二年目の"With Outdoors"も、どうぞよろしくお願い致します。


040620 「今年の梅雨はどうも『梅雨』らしくない」‥‥今年はそんな言葉をよく耳にします。それでも、この時期にちゃんとアジサイは花を咲かせています。「雨が似合う花」というイメージですが、雨が降らない時もとても綺麗に感じられ、むしろ、見る人にとってはじっくりと見ることができるという利点もあります。多くの家の庭先には様々な品種のアジサイが植栽されているので、この時期の住宅街における散歩は、普段より一層楽しいものです。
 アジサイの球形もしくは円盤状の花を構成する小花の中に、「本物の花」と「ニセモノの花」があることは、ご存知の方もいらっしゃるかと思われます。左の写真の花の周縁部にある小花、そして右の花の大部分の小花はどちらもニセモノです。雄しべや雌しべが見られず、「子孫(種子)を作る」という花としての機能を欠いています。その一方で左の写真の花の中央部には、ちゃんと雄しべと雌しべをつけた小花が見られますね。
 聞くところによると、これらは花を訪れる昆虫に対してアピールするための小花と、種子を作るという機能を果たすための小花に役割を分けているそうです。
 目立たない本物の花も、なかなか綺麗なものです。梅雨の季節、ちょっと外出した折には、これらの小花をよく見比べてみてください。


040622 昨日は日本に上陸した台風六号が、この辺りにも猛威を振るって過ぎ去ってゆきました。今日になって外を歩いたところ、台風一過の晴天のもと、敷地内の大木が倒れているところに遭遇しました。
 倒れたのは植栽されたポプラの木でした。高さ20メートルほどもあった大きな木で、左の写真の右の方に並んでいる二本の木と同じ種類のものです。昨年秋の台風で、少し傾いてしまっていたのですが、今回の嵐が追い討ちをかけたようです。
 露出した根元に近づいてみると、大きな力が地面を掘り起こした、その迫力を感じることができました。しかし、よく考えると、木の高さ・大きさの割に、根の張りかたが貧弱な印象を受けました。ポプラの木はみんなこんな感じなのだろうか‥‥そう考えたら、他の二本の木も心配になってしまいました。本格的な台風シーズンまであと二ヶ月少々。これらの木は建物に比較的近い位置に立っているので、倒れる向きがとても気になるところです。


040623 草むらにフワッと浮かんだ雲のようなシロツメクサの花に、必至につかまっているような印象を与えてくれるコガネムシ。よく見ると、一つ一つの小花に頭を埋めて食事をしているようです。考えようによっては、「両手で抱えきれないほどの巨大な食べ物に抱きついて、独り占めしながら食べている」わけで、なんだかとてもうらやましく感じられてきました。
 黒い地に金色の細毛が斑点を形成していますが、写真で見られる不規則な模様は、どうやら金色の細毛が、あとから脱落していることをうかがわせます。金メッキがはげてしまった古い優勝カップのような物悲しさを感じてなりません。おそらくアシナガコガネかと思われるのですが、次は羽化したばかりの姿を撮ってあげたいと思います。


040625 久しぶりにアカマツを見に行きました。ところが思いがけず、その予想以上の生育に非常に驚いてしまいました。それは、新しい枝の伸張と、昨年開花した雌花に由来する若いマツボックリの生長が目を見張るほどであったからでした。
 前回の観察は約一月半前、五月の初めでした。それ以来、「ああ、今頃開花しているだろうなぁ」などと思いながらも、見に行く機会を逸してしまっておりました。
 久しぶりに見たその枝では、30センチほどにまで伸長した枝の先に、新しく咲いた雌花に由来する小さな赤いマツボックリができていました。さらに驚かされてしまったのは、一年近くその大きさがほとんど変わらなかった昨年の小さなマツボックリが、写真左下で見られるように、青々とした大きな若いマツボックリに成長していたことでした。体積で考えると10倍くらい増加しているように思えます。
 ひと月半の間に、アカマツにとって非常に劇的なプロセスを見逃してしまいました。「五月のアカマツは要チェック」‥‥来年こそは見逃すことのないようにしたいものです。


040627 採集の関係で一年ぶりに隣町の市民公園に行ってきました。昼をはさんでの採集は、まさに気温が最高となる時間帯における活動であり、容赦なく照りつける太陽のもと、今年初めてのヤブ蚊による虫さされを体験しながら、黙々とおこなわれました。アカマツに比較的多く住む昆虫を採集するため、木一本一本を見て回ったのですが、出現頻度が低いため、飽きてしまわぬよう、採集とは関係ない発見をカメラに収めてまわっていました。
 その中の一つがこのカエルです。やや斜めに生えたアカマツの幹にすましたようにジッとたたずんでいました。前足を胸の下で重ね合わせていて、まるでお座敷で「いらっしゃいませ」と丁寧にあいさつをしているかのようです。
 それにして体色が木の幹の色によく似ていますね。


040628 昨日に引き続き、採集で見つけた「印象に残ったモノ」の紹介です。体長1センチちょっとの黒い虫。このちょっと特徴的な姿に、見覚えがある方もいらっしゃるかもしれません。実は二月に紹介した「ヤニサシガメ」、まさにその虫です。あの時は真冬のアカマツの樹皮下に集まっているところを発見したのですが、冬を越せずに力尽きてしまっていた状態でした。
 今日、再び出会えたこの虫は、アカマツ林の地面をゆっくりと歩いていました。生きているから当然なのでしょうが、以前のものと比べて胴体がふっくらとしており、全身に松ヤニが付着しているかのようなベタベタとした印象は感じませんでした。
 今回の再会で感じた嬉しさのようなものは、写真とともに様々な生き物との出会いを記録してきたおかげで、感じられたのかもしれません。インターネットによって公開することによって、当サイトを訪れてくださっている方々にも、同じような感動を伝えられることができたら本望に思います。


040630 先週に引き続き、今日も市民公園へ採集に行ってきました(そして、採集目的以外の多くの生き物を撮影してきてしまいました‥‥)。まずご紹介するのはアワフキムシ。この時期、様々な植物の茎に白い泡の塊が付着しているのを見かけることがあります(左の写真の左上参照)。この泡を取り除いていくと、左の写真のように中から虫が姿を現します。この写真のものは大きさが五ミリ程度でした。小さくて分かりづらいのですが、頭を下に向けてジッとしているのが分かるかと思います。また、未発達の翅(はね)が見られ、成虫ではこの翅が背中側を広く覆うことから、写真のものは幼虫であることが分かります。
 そしてもう一つ、ご紹介するのがこのカメムシ。体長が二センチ近くもある大型のもので、樹皮の上をゆっくりと移動していました。深みがある緑色をしており、よく見るとそれがキラキラと光っています。胸の前縁部が左右に張り出し、先端が赤色を帯びています。また、後方では腹部を縁どるようにまだら模様が見られます。特徴がはっきりとしているため、これはツノアオカメムシという種類であることが分かりました。
 今回ご紹介した二つをつなげるもの、それは「半翅類」というグループに属するということです。他にもセミやアメンボなどが含まれるこのグループの大きな特徴は、口が丈夫なストロー状になっていることです。生き物を観察する際、それらの分類に大きな影響を持つカタチに注目することも面白いかと思われます。


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