「 道 」

 

道はいつも

まっすぐとはかぎらない

心はいつも

前を見ているとはかぎらない

ここからは

平坦な一本道に見えるが

ぼくらの視力は

幼すぎて

遠さと狭さを

計ることができない

踏みしめたつもりでも

道はいつもゆれている

足取りの確かさは

心の強さをあらわさない

心の確かさは

足取りの軽さをあらわさない

歩きはじめると

足もとには

無数の窪みがあり

険しい坂が

ぼくらを待っている

ときにはつまずき

ときには平静を失い

とどめなく

涙があふれ

涙がおちる

なぜだろう

涙が乾かないのに

ぼくらはまた歩きはじめ

いつのまにか

心が癒される

そよぐ風は頬にすずしく

心がやわらかな陽射しにつつまれる

なぜだろう

ぼくらを見守る

あたたかな瞳があり

無言の問いかけにこたえる

やさしい言葉がある

倒れそうな心がささえられ

傷ついた身体をそっとぬぐってくれる

そして

ぼくらはまた

前を見つめ

一歩ずつ

足を踏み出す

ときにはふりかえり

とまどいながら

ときには励まし

勇気づけながら

そして

ぼくらがつつまれ

ぼくらがつつむ

それをひとはただ

とよぶのだろう