PCO対象昆虫について

農学博士 辻 英 明 著    環境生物研究会 発行

異物昆虫のカタラーゼ反応

(基礎検討データ)

内 容 : B5版61ページ    価格: \28,000+消費税    送料および払い込み手数料もご負担下さい

序文:混入昆虫とカタラーゼ活性,異物検査における虫体原型維持と簡易チェック法の必要生,本資料の目的
試験方法と凡例:方法,反応状況と凡例  概説:虫体の非破壊検査は可能か,反応状況に適した虫体浸漬時間,界面活性剤の添加効果 反応写真集:(種類)チャバネゴキブリ成虫・卵鞘,ノシメマダラメイガ終齢幼虫,キイロショウジョウバエ成虫,ヒメマルカツオブシムシ終齢幼虫,コクヌストモドキ成虫,(条件)死体乾燥経過(全種),煮沸個体の乾燥経過(全種),食酢への投入経過(3種),食酢投入後乾燥経過(2種),食用油への投入経過(チャバネ),リグロインへの投入経過(チャバネ),参考:クロゴキブリ1齢幼虫長期乾燥品 反応試験結果一覧表(経過と+−対照表): コクヌストモドキによる学会発表ずみ結果一覧表(加熱,各種食品や飲料への混入期間と反応との関係,失活死体の水中での微生物反応等): あとがき(混入時期推定への利用について):(
資料中に195+22枚の反応写真を示す).
異物昆虫の混入時期推定に: カタラーゼ簡易検査法の可能性と限界を知るためには試行基礎データが必須です.
自社試験や委託試験では100倍単位の高額なコストのかかる基礎探索データを提供します. 

購入申込書(お支払いは現物受領後請求) FAXにて 075−591−5772 環境生物研究会へ

 

資料001 異物昆虫カタラーゼ簡易検査法による基礎探索データの追加(1)

資料002 異物昆虫カタラーゼ簡易検査法による基礎探索データの追加(2)

資料003 異物昆虫カタラーゼ簡易検査法による基礎探索データの追加(3)

資料004 ゴキブリ用粘着トラップの種類とサイズの使い分けについて

資料005 粘着トラップ上のベイトに対するチャバネゴキブリの反応

資料006 異物昆虫侵入条件に関する実験(1) 窓やドアの隙間からの出入り

資料007 異物昆虫侵入条件に関する実験(2) 窓の隙間,照明,換気扇の影響

資料008 物昆虫侵入条件に関する実験(3) 防虫換気扇の効果 

資料009 無色透明のゴキブリ用粘着トラップの実用性

資料010 ゴキブリ用粘着トラップの入り口の状態と捕獲効率

 

001 

異物昆虫カタラーゼ簡易検査法による基礎探索データの追加(1) 〇辻 英明 (環境生物研究会),日本ペストロジー学会大会(2001年11月27日〜28日,埼玉県大宮市)

 すでに,チャバネゴキブリ成虫(一部幼虫,卵鞘,クロゴキブリ1齢幼虫),ノシメマダラメイガ終齢幼虫,キイロショウジョウバエ成虫,ヒメマルカツオブシムシ終齢幼虫,コクヌストモドキ成虫について,死体乾燥経過,煮沸個体の乾燥経過,一部については食酢への投入経過とその後の乾燥経過,食用油への投入経過を中〜長期間観察し発表した.一方,さらに状況ごとのデータを入手するために検査を続行した.
 チャバネゴキブリの健全卵鞘は穀物酢に落下した後60日間活性を示したが,125日目には完全に失活していた.また,チャバネゴキブリの16年間乾燥サンプルでは,乾燥初期に腐敗したものをそのまま乾燥させたものが著しい陽性を示すなどの事例が得られた.腐敗や自己分解で変色等が起こるので,その場合,加熱等による腐敗防止個体も判別できる.カタラーゼ検査以前の一般観察事項として事例を集積すべきである.

002

異物昆虫カタラーゼ簡易検査法による基礎探索データの追加(2)  辻 英明 (環境生物研究会), 日本家屋害虫学会大会(2002年1月29日,東京農業大学)

 すでに,チャバネゴキブリ成虫(一部幼虫,卵鞘,クロゴキブリ1齢幼虫),ノシメマダラメイガ終齢幼虫,キイロショウジョウバエ成虫,ヒメマルカツオブシムシ終齢幼虫,コクヌストモドキ成虫について,死体乾燥経過,煮沸個体の乾燥経過,一部については食酢への投入経過とその後の乾燥経過,食用油への投入経過を中〜長期間観察し発表した(2000, 2001A,B).それらは虫体の中央部分を多少傷つけて反応させた試験によるものである.今回,微小末端部位としてチャバネゴキブリの爪,付節端,触角,コバエの脚部の小破壊でも容易に反応が検出できることを示した.大型昆虫ワモンゴキブリの穀物酢投入による失活をみたところ,脚部(3日)>> 腹部 > 尾肢(204日以上) と失活速度が異なることが判った.さらに煮沸後乾燥で失活状態の続いたチャバネゴキブリの死体に空気湿度を与えカビが発生した場合は,破壊しなくても高い表面反応が認められた.数日アルコール処理後製作乾燥し変色のなかったチャバネゴキブリ乾燥標本は16年後に活性を示さなかったが,処理不十分で製作時に(腐敗)変色乾燥した個体は16年後でも高い反応を示した.ノシメマダラメイガ老熟幼虫では煮沸乾燥個体は変色がなく,圧死個体は腐敗や自己分解で変色が起こる.製造・流通過程の詳細とともに,反応試験前の検体の変形,破損,色彩変化,カビ,腐敗,異臭の有無などの事項確認が重要であり,それらと照らし合わせてカタラーゼ反応の結果を判断せねばならない.

004

ゴキブリ用粘着トラップの種類とサイズの使い分けについて  〇辻 英明 (環境生物研究会)立岩一恵 (環境機器株式会社), 日本家屋害虫学会大会(2002年1月29日,東京農業大学)

 誘引物なしの条件下,同一幅の入り口で長さの異なる粘着トラップによるチャバネゴキブリの捕獲数を室内実験で調査した結果,粘着面にゆとりがある状態では2倍の長さ(粘着面積も2倍)でも捕獲数は増加しなかった.したがって,この場合捕獲数を粘着面積で補正することは誤りである.設置期間が短く,狭い設置ポイントの多いモニタリングでは長大なトラップは必要ではなく,小型トラップが便利であろう.
 都市の飲食店において,中型で誘引物付きのトラップ(底面10×11.5p,底粘着面9.4×10p)とやや小型で誘引物なしのトラップ(底面6×12.5p,底粘着面7.4×10p)を対にして店内15ヶ所に8月22日から29日までの1週間設置した.設置場所が狭いので各対は密着させることができなかったが,なるべく50p以内に近づけた.その結果15ヶ所での2者の捕獲数の相関係数は0.62で,両者は類似の個体数分布を示した.両者を密着させることができればさらに高い相関が得られたと思われる.前者には6〜283匹(平均112.7匹),後者には0〜37匹(平均12.7匹)の捕獲数があり,誘引物による捕獲数の増加は顕著であった.誘引性(製品ロット)の変動を厳密に避ける場合や,ゴキブリ数の多すぎる場所でのモニタリングには誘引物なしのトラップが適し,ゴキブリ数の少ない場所では誘引物の使用もやむを得ないが,異種トラップ間のデータ換算は上記のような基礎データに基づく必要がある.
005

粘着トラップ上のベイトに対するチャバネゴキブリの反応  〇辻 英明(環境生物研究会)立岩一恵(環境機器株式会社), 日本衛生動物学会大会 (2002年4月2日〜3日,東京都千代田区・一橋記念講堂)

1日絶食させたチャバネゴキブリの実験容器中で,トラップ付近に正常餌を置き,餌ベイト付きトラップとベイトなしのトラップを接して併置すると,両トラップ間に捕獲数の有意差がなかった.トラップ付近の正常餌を除去しても依然両者の捕獲数には差がなかった.3日間絶食させたゴキブリで正常餌抜きの場合,ベイト付き/ベイトなしの捕獲数比は,雄で1.9倍,雌で1.7倍となった.2個のトラップ間の最短距離を15センチとすると,上記の比は雄で3.5倍,雌で4.5倍となった.ゴキブリは遠くからベイトをピンポイント認知するのではなく,香りの気流方向を試歩行と補正を繰り返し感知接近するために,近接するベイトなしのトラップにも踏み込み捕獲され,空腹の度合いが高まれば,ベイトの位置を一層正確に識別できるようになると言える.

006

異物昆虫侵入条件に関する実験(1) 窓やドアの隙間からの出入り  〇辻 英明(環境生物研究会), 日本ペストロジー学会大会(2002年10月28−29日,北海道大学学術交流会館 (札幌)

  医薬,食品,精密製品など工場製品への異物昆虫の混入防止のためには,屋内性昆虫の発生防止はもちろん,屋外からの侵入防止が必須である.しかし,モニタリング,発生源対策,隙間閉塞,殺虫施工,荷物や人体への付着防止など,様々な対策が施されるにも関わらず,なかなか十分な成果が達成できないうらみがある.演者は特に問題が多い微小な飛来昆虫に注目し,その室内への出入りを検討した.1階の事務室(A)の閉めた窓の下内側に(レール面に向けて)斜めに粘着板をかぶせ,閉めたドア下内側床上とドアに付設された郵便受けの中にそれぞれ上向きに粘着板を置き,平成14年5月24日19時から26日8時までの捕獲虫を調べた.その結果,6枚の粘着板中3枚に6頭(ユスリカ3,チョウバエ,コナジラミ,アブラムシ各1)の屋外性微小昆虫が付着し,隙間から侵入があることを示した.付着はすべて室内の換気扇で排気した時間に起こり,吸引が主要因と言える.隣接する小室(窓に隙間を作った浴室)内壁の昆虫目撃数は5月26日18時から27日10時までの間に6〜44頭の変動を示し,A室の換気扇稼働時間に増加し停止時間に減少した.これは稼働時の吸入と停止時の脱出を意味する.5月27日には目撃昆虫を回収し,ユスリカ5,チョウバエ5,クロバネキノコバエ2,コナカゲロウ1を確認した.
009

無色透明のゴキブリ用粘着トラップの実用性 〇辻 英明(環境生物研究会),菅野格朗,中根佳子,片山淳一郎(環境機器株式会社),日本ペストロジー学会(2002年10月28−29日,北海道大学学術交流会館 (札幌)

  夜行性のゴキブリが照明条件下で潜伏シェルターを選ぶ場合,天井が無色透明のシェルターよりも光線(特に紫外線)をカットするオレンジ色や赤色透明のシェルターを選ぶ.透視が必要な実験観察用シェルターのみならず,トラップやベイトステーションの透明部分に着色が応用され,実用的には紙など不透明な材料が用いられることが多い.しかし,短期間の設置調査に用いる粘着トラップは昼間の潜伏場所としてではなく,夜間の徘徊場所や餌の探索場所としてゴキブリを捕らえると考えられるので,無色透明のプラスチックシート製の粘着トラップによる捕獲実験と,現場における実用性試験を行った.その結果,実験容器内における無色透明の粘着トラップによる夜間のゴキブリ捕獲数は併置した不透明(紙製)のトラップに必ずしも劣るとは言えず,個々に使用した場合は全く差がなかった.また実地の飲食店で,組み立て容易な無色透明トラップを用いた場合でも,十分実用的な捕獲数が得られた.このようなトラップは材質上耐水性があり,外側から虫数がカウントできる上,室内で一見目立たずに設置できるなどのメリットがある.

010

ゴキブリ用粘着トラップの入り口の状態と捕獲効率 ○辻 英明(環境生物研究会), 日本環境動物昆虫学会(2002年11月1−2日,関西大学100周年記念会館(大阪府吹田市)

  前報で,紙製ゴキブリ用粘着トラップの両端入り口の広さが同じ場合,長いトラップとその半裁品の間でチャバネゴキブリ雌成虫の初期捕獲数の差は有意でなく,雄成虫はむしろ短いトラップに有意に多く捕獲されることが示された.この短いトラップは一方の入り口の縁に約5oの幅で粘着剤の塗られていない部分があり,反対側の入り口(裁断側)は縁まで粘着剤が塗られた状態であった.改めてデータを検討した結果,入り口の縁まで粘着剤が塗られている方に多くのゴキブリが捕獲されることが明示された.これはゴキブリがトラップに浅く侵入するだけで決定的に捕獲されるためである.言い換えれば接触感の異なる平面をより深く侵入する際には警戒的となり,その平面上で粘着面に触れた場合,一部は引き返しや脱出が可能であることを示す.一方,トラップ入り口底面に(入り口幅で)粘着剤なし1pの底面終端部を作り,それを内側(内角45度程度)に折り返しておくとゴキブリがよく捕獲されると言われるので,上記半裁トラップの両入り口にそれを設けたものと半裁のままのものとを比較した.その結果両トラップのゴキブリ捕獲数には差がなかった.粘着面がトラップ入り口の縁まである場合は,折り返し構造は必要ないと思われる.

003

異物昆虫カタラーゼ簡易検査法による基礎探索データの追加(3) 飛来侵入昆虫その他における反応  〇辻 英明 (環境生物研究会), 日本家屋害虫学会大会(2003年1月29日,東京農業大学)

 すでに,チャバネゴキブリ成虫(一部幼虫,卵鞘,クロゴキブリ1齢幼虫),ノシメマダラメイガ終齢幼虫,ヒメマルカツオブシムシ終齢幼虫,コクヌストモドキ成虫など屋内発生昆虫を主体にキイロショウジョウバエを加え,死体乾燥経過,煮沸個体の乾燥経過,一部については食酢への投入経過とその後の乾燥経過,食用油への投入経過を中〜長期間観察し,さらに虫体の部分ごとやステージによる反応の差などを発表した(2000, 2001A,B,2002).今回は屋外から飛来したユスリカ,タマバエ,チョウバエ,クロバネキノコバエ,および屋内でも発生したクロバネキノコバエ,ノミバエ,ショウジョウバエその他についての検討を行った.その結果,クロバネキノコバエ1種は死後室温乾燥,室温清酒中,冷蔵ビール中の各経過で反応低下が目立ち,特に雌個体の失活が早かった.一方,キイロショウジョウバエやオオキモンノミバエは室温清酒や冷蔵ビール中に1ヶ月保たれても高い活性を示した.その他の種類も含め,状況判断にはケースバイケースの十分な経験が必要であることを感じさせる.

007

異物昆虫侵入条件に関する実験(2) 窓の隙間,照明,換気扇の影響  〇辻 英明 (環境生物研究会), 日本家屋害虫学会大会(2003年1月29日,東京農業大学)

 医薬,食品,精密製品など工場製品への異物昆虫の混入防止策の一助とするため,演者は特に問題が多い微小な飛来昆虫に注目し,その室内への出入りを検討している.前報告(2002)において,閉められた窓やドアからも(わずかな隙間があって)微小な昆虫が侵入し,その主要因は換気扇稼働(室内陰圧化)に伴う隙間からの吸引であることや,換気扇の停止時にはガラス窓の隙間から屋外への再脱出もあることが示された.今回は,若干の隙間のあるガラス小窓から室内へどのような昆虫が,夜間の照明の有無や隣接室の排気用換気扇の稼働の有無とどのように関連して侵入するのか,より詳しく検討した.小室(浴室)の小窓に隙間を作り,同室内の点灯と消灯を繰り返し侵入昆虫をすべて捕獲計数した.また隣接する事務室内の換気扇の稼働(排気)と停止を繰り返して同様に調査した.侵入虫数はチョウバエ,ユスリカ,クロバネキノコバエ,が多く,タマバエ,ヨコバイ,野外性小型ガがそれらについで多かった.夜間の点灯による侵入数の増加は1.5〜3倍,隣接室の換気扇の稼働による侵入数の増加は3倍以上あった(点灯中).隣室の換気扇稼働時は消灯中も侵入虫が少なくない.これらの結果は,あらゆる隙間が換気扇の影響で侵入経路となることを示している.

008

異物昆虫侵入条件に関する実験(3) 防虫換気扇の効果   ○辻 英明 (環境生物研究会) 菅野格朗 (環境機器株式会社), 日本衛生動物学会大会 (2003年3月31日〜4月3日,大分医科大学)

 屋内への異物昆虫の混入防止策のため,問題が多い微小な飛来昆虫の室内への出入りを検討し,衛生害虫であるカを含む微小な昆虫が室内に入る主要因は換気扇稼働(室内陰圧化)に伴う隙間からの吸引であることや,換気扇の停止時には屋外への再脱出もあることが示された.また吸引の影響は照明による誘引より大きい事例も示された.そこで吸入側と排気側の両方に防虫用フィルターを取り付けた換気扇を用いて室内に給気し,問題の微小昆虫の侵入を防止できた.また防虫目的のフィルタ−を取り付けた場合(稼働時の)換気扇モーター部の温度上昇は1℃にとどまり,負荷の増加も少なかった.この結果は,クリーンルームシステムによって侵入微細物を防止する方法のほか,飛翔力の弱い小昆虫に対して既存の排気用換気扇をフィルター付きの給気用換気扇に変更するだけでも十分な効果が期待できることを示唆する.西ナイル脳炎やマラリヤ等の媒介カ対策にも利用の可能性が考えられる.