もし、梅田貨物駅が
       吹田にやってきたら…

鉄建公団の「環境影響評価準備書」を斬る

公害道路ができてからでは遅い
今こそ反対の声をあげる時!

高架案から地平案 根本問題は未解決

 まず、イメージ図1を見ましょう。2001年12月、鉄建公団が「環境影響評価準備書」(以下準備書と略)を提出。2002年2月から住民説明会が11回開かれ、その際に配られたパンフレットの表紙です。ご覧になった方も多いことでしょう。公団はこのような「美しい」イメージ図を提示して、「トラック専用道路ができても、そんなに環境は悪くならない」と主張します。本当でしょうか?
 イラスト1を見ましょう。公団は当初、トラック専用道路(公害道路)を高架にするつもりでした。連絡会は合成写真を作ってポスターにしてお知らせしてきました。
(写真1) 当初の高架案が一部トンネルを含む地平案になったこと自体、住民が反対の声を上げれば、計画を変更させることができることの証明になりました。
 しかしながら地平案になっても、根本的な問題は解決していません。トンネルへの出入り口(南側)には、吹田第6小学校があります。もう1つの出入り口(北側)はメロード吹田など、住宅密集地です。重いコンテナを積んだ大型トラックが、エンジンを思いっきり吹かしてトンネルを上り下りする、その出入り口に、小学校や住宅が建ち並んでいるのです。その排気ガスは…。
 「1日1000台ならたいしたことないじゃないか」そういう声も一部にはあります。しかし1000台の内、その多くがディーゼルトラックなのです。大型ディーゼルトラックからの排気ガスこそ、ゼンソクや気管支炎の原因です。人体に与える被害は、普通車の約50倍。つまり1日5万台分の車が走っているのと同じ悪影響を及ぼすのです。

排気ガスが降り注ぐ自宅の裏は公害道路

 次にイラストの市役所近辺を見ましょう。ここは穂波町〜泉町1丁目〜西の庄町ですが、このあたり、トラックは地上を走ります。準備書の案どおりに公害道路が走ると、「工場地帯がトンネルで、住宅密集地帯は地上を走る」という、極めて「人に優しくない」道路になります。
 このあたりの断面図1を見てください。ただでさえJR貨物線路に「へばりつくように」建っている住宅。鉄道敷きの「法面(のりめん)」を削って公害道路を通すという案なので、さらに道路が住宅寄りに迫ってきて、住んでいる方々にとっては「自宅の裏庭が公害道路」ということになります。(写真2)
 寿町、内本町、元町、昭和町側も大変です。トラックからの排気ガスは西風によって、この地域に降り注ぎます。さらに、この地域には十三高槻線が拡幅されるという計画があり、阪急千里線のアンダーパス工事が行なわれれば、大型トラックが通行する可能性を秘めた地域です。もしそうなれば公害道路と十三高槻線に挟まれ、西風が吹いても、東風が吹いても排気ガスが降り注ぐことになってしまいます。

騒音公害の倍増必至

 メロード吹田、片山町1丁目界隈は今でも線路からの騒音公害に悩まされている地域です。準備書の案によると、(仮称)吹田貨物ターミナル駅は、操車場跡地の吹田駅側に作られます。もしそうなれば、今の鉄道騒音に加えて、トラックの騒音、貨物駅の荷物受け渡しに伴う騒音がプラスされます。 また意外と知られていないのが、貨物駅構内で使用されるフォークリフトからの排気ガス。重いコンテナを上げ下ろしするフォークリフトも、排気ガスをまき散らす犯人の一つです。

健康被害は深刻

 公団は環境について「今よりそんなに悪くならない」と他人事のように言います。では吹田市の実態はどうでしょうか?
 グラフ1は小児ゼンソクの患者数の推移です。状況は良くなっているどころか、ますますひどくなっています。
 グラフ2は大気中の二酸化窒素の数値です。十三高槻線沿いの簡易裁判所前が最もひどく、吹田市の目標値をはるかに超えて、国の基準すらギリギリのところです。ここに「公害道路」が通れば、ゼンソクで苦しむ人がさらに増えることは間違いありません。
 グラフ3は吹田市の小・中学生のゼンソク児童数です。ここ数年、調査をするたびに「右肩上がり」で増えつづけ、2001年、最新のデータでは、ゼンソク児童は小学校4・3%、中学校3・2%です。「今よりそんなに悪くならない」などとノンキなことを言っている場合ではありません。「今すぐ、事態を改善してゼンソク児童を減らすべき」時が来ているのです。 トラックからの排気ガスがいかにひどい健康被害を生じさせるか、これを身をもって体験したのが佐井寺中学校の生徒さんたちでした。 「ストップアイドリング、地球のため、私たちのためにも」と書かれた横断幕が、名神吹田サービスエリアに掲げられています。夏休みに生徒たちで作ったこの横断幕。「サービスエリア側の校舎の手すりを触ると手が黒くなる」「プールを掃除したら、底には粉塵がたまって真っ黒だった」。トラックからの排気ガスは、すでに深刻な被害をもたらしているのです。 

二重苦の騒音被害

 次に問題になるのは、「工事期間中はどうなるのか?」です。公団はあくまでも「平成15年工事着工」と言います。工事期間は5年だそうです。しかし、これほどの住民の反対がある中で「15年から着工」には明らかに無理があります。
 また、ただでさえ騒音被害がひどい地域に、貨物による鉄道騒音に加え、5年という長期にわたって工事騒音が加わります。「そうなったらもう、住まれへんわ」。住民たちの偽らざる本音です。工事車両は、地図に示すように穂波町17号線、南清和園36号線、都市計画道路豊中岸部線を通ります。土砂を積んだ大型工事トラックが5年にわたって吹田の町を走り回る…。考えただけでもイヤになります。

貨物駅の移転費用は税金

 そもそもに戻りましょう。梅田貨物駅は高速道路が縦横に走り、周囲には人家もなく、物流の中心地です。吹田操車場跡地の周囲は住宅密集地で大きな道路もなく、物流には不便です。
 先のトラック道路をはじめとする「移転費用」は誰が出すのでしょうか? JR鉄道公団が出すのではありません。「国鉄の赤字解消のため」とタバコ1本につき1円値上げされたのを覚えていますか。移転にかかる費用はまたしても我々の税金で賄われるのです。 

梅田貨物駅は、梅田のままで

 梅田貨物駅はそのままでいいではないか…。これが私たち連絡会の結論です。国と地方の財政がガタガタの今、貨物駅の移転も「無駄な公共事業」だと思います。「百害あって一利なし」のこの計画。何としても白紙撤回させたいものです。
 吹田市長は「住民合意がないと、公団に対してGOとは言えない」と言います。今こそ、計画の白紙撤回を求める声を上げましょう。

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