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2002年7月12日、日本共産党、梅田貨物駅移転反対・十三高槻線対策協議会(以下対策協議会と略)、そして私たち「公害道路いらない。梅田貨物駅移転反対吹田市民連絡会」の3団体が上京して、国土交通省、鉄建公団本部への要請・陳情を行いました。
陳情の橋渡しをしていただいたのは、共産党の大幡基夫衆議院議員。陳情の合間をぬって、大阪7区選出の民主党藤村修議員の事務所を訪問し、「反対」で頑張っていただけるよう要望しました。今後は共産党だけでなく、野党である民主党や社民党なども、「超党派の運動」として結束いただけたらいいなぁ、と願っています。
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国土交通省で要望書の主旨説明をする小西代表
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東京霞ヶ関にそびえる国土交通省。全国からやってきた陳情団でごった返す1階ロビー。受付案内を見ると、河川局、道路局、鉄道局、海上保安庁…。かつての運輸省と建設省が合体した巨大省庁だということが分る。
午後1時、いよいよ陳情が始まった。国土交通省からは鉄道局特定監理業務室の事務官が数名。まず、共産党の藤井さち子7区予定候補者、対策協議会の田中泰会長が、それぞれの要望書を提出し、趣旨説明。
続いて当会の小西和人代表が、要望趣旨を次のように述べた。 「この道路は、吹田にとって『百害あって一利なし』だ。普通の公共事業は、少しは住民のためになる側面もある。しかし、今回の貨物駅移転と道路建設は、吹田市民にとって、その道路を利用することもできず、公害のみがバラまかれるだけである。尼崎や西淀川、名古屋など、公害道路裁判は全て住民勝訴である。そんな時代に、公害道路計画を立てるJRとは、一体どんな企業なのか。
鉄建公団の住民説明会に現れたのは1課長だった。最も大事な住民の声を聞く機会に、最高責任者が出席せず、課長が答弁不能に陥り、JRへの不信感がさらに深まった。
3年前に762通だった意見書は1万1千通を超え、JR職員が多数住んでいる地域からも反対の意見ばかりだった。
私たちは自治会長を中心とする団体である。自治会というのは、どちらかといえば「体制側」である。特に政治的なことで「反対」「賛成」などと意思表明をしないのが通例である。それにもかかわらず反対している。吹田では前代未聞のことである。こうしたことは公団へ抗議をすべきであるが、監督官庁として、ぜひ的確な指導をし、計画を断念する英断を下してほしい」。
3者からの陳情趣旨が述べられた後、国交省から「国鉄改革の趣旨にのっとって進める」という旨の答弁がありました。以下はそのやりとりです。
Q 「国鉄改革の趣旨」にのっとって梅田売却する、というが、バブル崩壊で地価は暴落している。とても「国鉄の赤字返済」につながらない。今、梅田の地価をいくらと見積もっているのか?
A 「国鉄改革」によって、全国の国鉄が所有していた土地の95%がすでに売却された。梅田貨物は西日本で最後に残った一等地だ。
梅田の地価について、今はまだ答えられない。下がっているのは確かなので、地価の下落に伴うような移転工事を指導している。売却益と工事費を比べて、赤字になるような工事は行わないということだ。売却収入は、(わずかなので)国鉄職員の年金財源に充てたい。
Q 当初の「国鉄赤字返済」が「年金」に変わったこと自体が、この計画の破綻を示している。 さて、今後吹田市長から「環境が悪化するので、計画の見なおしを」という意見書が出たらどうなるのか?
A 大変難しい質問だ。準備書では「そんなに悪くならない」といっている。希望的観測であるが、不要なアイドリングを止め、低公害車を導入すれば、解決できるのではないか。
Q 線路のすぐそばに住んでいる者だ。この写真を見てほしい。自宅の裏庭をトラック道路が通る。子どもがゼンソクになってからでは遅いのだ。「寄与率が低い」というが、私たちにとっては死活問題だ。
道路建設に伴う「公共の福祉」と「住民の健康」とどちらが大切なのか?
A 私自身としては、「住民の健康」だと思う。低公害トラックに期待したい。
Q それなら、全てのトラックが「低公害トラック」になるまで凍結したらどうか?
A そんな事を言えば、全ての道路が建設できなくなる。
Q この計画は、普通の道路とは違う。貨物駅を梅田においておけば造らなくて済むのだ。あえて移転させるから道路が必要になる。
政府が一旦決めたことでも、時代の変化で中止になった例も多数ある。閣議決定と5者協定の見なおしを強く要請する。
A 指摘のあったことは、正確に上部に伝える。
続いて、午後4時から鉄建公団本部で陳情・要請を行いました。公団からは計画工事課長ら数名が出席。3者から要望趣旨が述べられた後、やりとりに入りました。
Q 吹田市長が「見なおしを」という意見書を書けば、この計画はストップするのか?
A 協定の第7条、「公団は…大阪府、吹田市、摂津市の合意を得た上…」とある。これを逆に読めば、(吹田市の)合意がなければダメだということだ。
Q 梅田の売却益であるが、マスコミでは600〜1000億と発表されている。一体いくらなのか? また吹田への工事費はいくらか?
A 今のところ回答できない。計画がまだ煮詰まっていないからだ。
Q ではなぜ、マスコミが「大阪北ヤード売却、国際コンペで」などと報道するのか? 移転計画が煮詰まっていなければ、北ヤード(梅田貨物)は売却できないはずだ。
A (新聞を見ながら)こんな記事が出ているのは知らなかった。「(梅田の)03年度までに全体を売却する」というこの記事は間違っている。 Q 公団の土地なのに、なぜ勝手にこんなことが決まり、報道されていくのか? また「吹田への移転はすでに決まったこと」として報道されている。厳重に抗議してほしい。
吹田への移転はまだ決まっていない、ということだな。
A 5者協定の協議のテーブルについた段階で、最終合意はいただいていない。今は吹田市の条例に基づいて環境アセスを行っている段階だ。
Q 都市再生法の目玉として、梅田が強引に売られようとしている。しかし、ここは東京の汐留や六本木と違って、現在稼動している貨物駅だ。東京の例をイメージして開発を考えれば、必ず失敗する。それでなくとも大阪の再開発は大失敗しているのだ。国民の税金を無駄に使ったとして批判が起きることを指摘しておく。
Q 見解書はいつ頃出るのか?
A 急いでいる。今月中(2002年7月)にも出したいのだが…。
Q 要望として、今後、住民団体の申し出があれば、会って話し合うよう、西日本支社に指導してほしい。また、マスコミには正確に報道するよう抗議してほしい。
A 要望の趣旨は理解している。
緊急に行った政府要望であったが、実りは多かったと思う。それは、
@ 国鉄の赤字解消という大義名分が、国鉄職員の年金財源に変わったことを確認できたこと。
A 梅田の売却益も公表できない、つまり計画が煮詰まっていないのに、北ヤードの売却、つまり大阪駅北側再開発だけが、バラ色の報道をされていることがわかったこと。
B 吹田への移転はまだ決まっていない、ということが確認できたこと。
C 特に吹田市長の意見書が極めて重要な意味を持つこと。
D 沿線住民の声を直接聞いてもらうことによって、自宅の裏庭数メートルのところを公害道路が走る計画のズサンさを訴えることができたこと。などである。
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