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Atropos(「アトロポス」)
不可避のもの、曲げられぬ者、断ち切る者、逃れられない運命、破壊者、宿命、幸運、終焉などを意味する運命の女神。なむらのHN。
彼女はセイレン( :妖しい歌声で舟人を海中へ引きずり込む人魚の怪物
)島南部の門前町「シック」(労咳町?)にある「ラ・ルート・デ・フォーチュン城」(未来街道城?)に、妹の「ラケシス」(
Lachesis )、「クロト」( klotho:英語のclothの語源
)と一緒に住んでいるそうです。
ギリシャ神話では、彼女たちは大神「ゼウス」と女神「テミス」(
別説では「テテュス」 )の娘たちとされ、運命の糸を末娘の「クロト」が紡ぎ、次女の「ラケシス」が測り、長女の「アトロポス」が待ちかまえて裁断する(^_^(V)と言われ、その運命には神々でさえも逆らえないとのことです。
「アトロポス」はその断ち切る姿から、よく「
大きな鋏( はさみ )を持った老婆の姿 」→
(^_^(V) で表されます。彼女は、三姉妹の中ではもっとも恐ろしい存在で、運命を司る仕事を彼女たちに与えた大神「ゼウス」でさえも恐れたと言われます。
運命の女神である彼女たちは、子供が生まれて3日目の夜にその子の寝ているところへ行き、その運命を定めます。これをモイラマと言います。モイラマの夜は、赤ん坊の生まれた家では、家中を綺麗に掃き清め、犬は鎖に繋ぎ、玄関の戸を少しだけ開けて、蝋燭に灯りをともし、ケーキ・蜂蜜・麺麭・葡萄酒などを食卓に乗せ、3人分の絹のハンカチ、3人分の匙等を用意して、女神たちの歓迎の準備をします。赤ん坊は入浴させた後、清潔な御襁褓をつけ、ベッドに寝かせられたそうです。
3人から与えられた運命が実現するかどうかは本人たち次第であると言われていますけど、3人の女神は後々まで自分たちが運命を与えた者たちに働きかけ、その運命の実現の手助けをするとされてもいます。場合によっては、幸運を授けられた者にとっては彼女たちは守護神的存在にもなるのです。
もっとも彼女たちは、不幸な運命を与えた者にも、「きちんと不幸になるように」働きかけるのですけど・・・。
この話は、キリストを祝福した「東方の三博士」の話にもちょっと似通った雰囲気がありますね。たぶん、このような話は、伝承の定番のひとつなのでしょう・・・。
彼女たちは、他の神々との交流はあまりなく、「エロス」(
愛 )と「アレス」( ? )とはとくに仲が悪いそうです。(^o^)
彼女たちには「ネメシス」と「テュケ」という姉妹がいます。「ネメシス」は正義の女神で、掟を破る者があるとそれに見合う不幸を与えて運命の調整をし、「テュケ」は不条理な偶然や思いがけない幸運、突然の不幸などを与えると言われます。
彼女「たち」は、ある時は単数形(^_^)で、また時としては複数形(^_^)(^_^)(^_^)、で語られます。
単数形の場合、ヘシオドスの伝承によれば、彼女「たち」は、夜の神「ニュクス」(
英語のnightの語源 )自身を表すと言われ、また別の説では、「ニュクス」が一人で生んだ三人の白い衣を着た老女たち(
複数形(^_^)(^_^)(^_^) )を指すとも言われます。彼女たちがしばしば「醜い老婆たち」として表されるのはこのためです。この老女たちは「モイライ」と呼ばれています。神話の初期に登場する、三人の運命の女神の全ての性質を統合したような「モイラ」(
:分け前の意味、単数形(^_^)、性格はかなりきまぐれと言われ、「運命の神様はきまぐれ」という一般論はここから来てるように思われますが、運命を左右される人間にとっては、たまったものではありません♭
)という女神がいますけど、その能力が「クロト」「ラケシス」「アトロポス」の三人(
複数形(^_^)(^_^)(^_^) )に分散される形で受け継がれていて、その複数形「モイライ」が運命の女神たちである彼女たちの別称になっているようです。
破壊神「カーリー」がそうであったように、破壊の女神「アトロポス」(^_^(V)
もそれなりに崇拝されたようで、アジア西部カスピ海南東にあった古代国家パルティア(
:処女地の意味 )では聖都アトロパテス( 現代のアゼルバイジャン
)の名の由来にまでなっています。
また、彼女たちの話は名前を変えてヨーロッパの広い範囲に伝播しています。
前出の「モイラ」は「ミーラ」と発音する地方もあり、アルバニアでは「ミーレ」と言われています。
ジプシーの間では、運命の三女神は「ウルメ」と呼ばれ、盲目の女たちとして表されました。タロット占いのカード「運命の蛇」は「アトロポス」の象徴とされています。
ロマンス族では、出産の女神「パルカ」と彼女たち運命の三女神が結合して、三人の運命の女神ファータ(
:英語のFateの語源 )が生まれました。
ゲルマン民族では彼女らはノルン(ノルニル)と呼ばれ、運命の糸を紡ぐとともに、過去・現在・未来を司るとされました。ここでは、時の女神にまでなっています。
彼女たちは、とねりこ( ユグドラシル )の根元にある泉「ウルザルブルン」(
:ウルドの泉の意味 )の側に立つ美しい館に住み、ウルズ(
:運命 = 過去 )、ヴェルザンディ( :発生させるもの
= 現在 )、スクルド( :支払うべきもの =
未来 )という名で呼ばれ、泉の水をとねりこにそそいで枯れないように見守り、また神々や多くの人間たちの運命を予言すると言われています。ここでは、アトポロスは、過去を奏でるウルズとして現れているようですけど、三女的存在で、主導権はスクルドが握っているようです。
余談ですけど、アトロポスにちなんで命名されたナス科の有毒植物「アトロパ・ベラドンナ」は、ヨーロッパからアジア、北アフリカに広く分布しています。近年、プラハの化学技術研究所のマルチナ・マコバら研究者は、このアルカロイドのアトロピン等を含む有毒植物に有害物質のポリ塩化ビフェニール(PCB)を吸収し、解毒する効能があることを発見し、栄養を摂取する能力を促す細菌を寄生させたアトロパ・ベラドンナを、PCBで汚染された土壌に植えて浄化する実験に取り組んでいるそうです。
さらに余談ですけど、かつて伊太利亜の女性たちは、瞳をぱっちり大きく美しくみせるためにアトロパ・ベラドンナの抽出物を使ったため、この植物に、イタリア語で「美しい女性」という意味を表すベラドンナという名がつけられたということです。
しつこいかもしれませんけど、さらに余談ですけど、わたしが「atropos」というHNを使うようになったのは、今までの内容とはぜんぜん関係がなくて、永野護さんの「FSS」に出てくるアトロポスに親近感を感じたからというだけの話なんです。たとえば、故郷に入れられず、父親とも謂うべきバランシェ博士を憎んでいて、ウォータードラゴンのすえぞうくらいしか知り合いもいない・・・、・・・そのお話はまたの機会にいたしましょう・・・。
(^_^)ノ°バイバイ♪
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