2000.04.01

木の基礎知識

 物を作る材料として、木材ほど極端に材質の一定しない素材はありません。同じ樹種の中でも産地や生えていた環境の違い、板目柾目、木口の違い、夏目冬目の違い、日当たりの良い部分(南側)悪い部分(北側)の違い、『赤身』『しらた』の違い等、同じ丸太の中でも千差万別です。だから木の加工は難しいし、また面白いのだろうと思います。

 伐採の時にはいかにしてこの木が有効に使えるかを考えて切ります。製材ではその木の用途に応じて、長年の経験と勘でいかに無駄なく使えるかを考えて行います。それでも中から思わぬ節や、割れ、腐れなどが出てくる事があります。また、乾燥の段階で狂いや割れなどがおきます。このロスをいかに少なくするかがプロフェッショナルな職人の技なのです。そしてこのような職人が十分な経験と、細心の注意を払って出来上がったものが最も良い木材なのです。

 今の時代、それぞれの分野で長年の経験を積んだプロフェッショナルな職人が少なくなり、ましてや伐採、製材、そして最終の製品作りまでできる人は皆無に等しい状態になってまいりました。そこで今回このコーナーに加工上の注意(今回は彫刻に関して)木の種類別になるべく詳しく書きますので参考にして下さい。


木に関する雑学

 庭木の植え方について

 落葉樹は南側か東側に。冬落葉しますので暖かい日だまりを得られます。常緑樹は西側か北側に。冬の寒い時に日陰を作らないため、また夏の西日を防ぐために植えると良いです。匂いの少ない花はその花が咲くとき一番見やすい所に植えると良いです。また香りの強い花(沈丁花や金木犀など)は花が咲く時期の風下に植えてください。どんなに良い香りでも1週間とか一月中家中に立ち込めたら飽きて嫌になってしまいます。ほのかに感じるぐらいが丁度良いのではないかと思います。

 屋根より高くなる木はなるべく建物から離して植えましょう。といを詰まらせたり屋根や壁面の痛みを早くします。どうしようもなく家の側に植えてしまう場合は屋根を越す前に摘めてしまいましょう。

 落葉樹と常緑樹の違い

 落葉樹は秋になって一旦全ての葉が落ち、春に新たに新芽が出る樹木をいいます。常緑樹は1年2年と葉が落ちず、新芽が出てから古い葉が落ちる樹木をいいます。また針葉樹と広葉樹の違いは、葉が針の様に細く尖ったものか、魚のうろこ状にになった鱗片状のものを針葉樹と言い、広葉樹は字のごとく平たい平面の葉をしているものを言います。

 針葉樹の仲間はごく一部(から松など)を除いて常緑樹のものが一般的です。広葉樹の仲間は落葉樹(桜や欅など)と常緑樹(椿、楠、金木犀など)両方あります。また年輪も針葉樹の方が比較的はっきりしています。


木の彫り方・削り方

 木材は細かい繊維細胞が縦に固まって出来ているものです。このために削る時順目逆目の現象が起きてしまいます。順目とは木の繊維を押し付けて削ることで、よほどのことがない限り木を削る時は全てこの順目で削って下さい。逆目とはその逆で、木の繊維を下から押し上げて削る事です。このため割れたり削げたり、また表面がガサガサになったりして仕上がりません。それに削る時に刃の動きが重くなったりして刃のコントロールがききにくくなります。特に針葉樹を削る時はよほど刀をよく研いでいないと削れません。桧などは特に至難の業です。

 この見分け方の一番確かな方法はまず削ってみる事です。刃がくい込んだり、木が裂けたりして刃の動きがスムーズに動かない時は逆目です。もう1つの方法は、多穴質の木(楠など表面に小さな穴があいている木)などはよく見ると穴の方向が分かります。この穴の方向が繊維の並んでいる方向なので、それをよく見極めて彫る。また板目の所を彫る時は、年輪を等高線に見立てて上から下へと彫っていくのも分かりやすいです。このように十分すぎるくらい神経を使って彫って下さい。また逆目になった時はすぐに刀を止めて逆から彫って下さい。これも最初は大変ですが数多く彫れば必ず慣れます。最後の仕上げにペーパーやたわしなどを使う場合は多少の逆目はあっても良いのですが、決して刃の使い方が上手になりません。最後まで刀だけを使って仕上げる様にすることをお勧めします。 

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