2000.05.16

針葉樹偏1・檜について

 檜という木材は最も日本人にとって馴染みの深い木材です。
日本家屋の木材としては最も高級な木材である事は御存じかと思います。
その他にも「ヒノキチオール」という檜の樹脂は、とても良い香りで人に対して鎮静効果があると言われています。

檜は日本の固有種で、「台湾檜」と言われるものは亜種です。
有名な「木曽檜」あるいは「備州檜」と呼ばれるものは皆、木曽の御岳山の一帯のもので御岳山の噴火後に自然に生え300年以上経ったものを言います。今でも幅30センチ以上、厚み30ミリ以上の柾目の板は表面に一万円札を並べたより高価です。

檜の樹皮は杉と異なり、ごく薄い板状にはがれ古い家屋や茶室などにヒワダ葺き(檜皮葺き)屋根材として使われます。


ひのき・檜・桧・ヒノキ

 この木には自然に官有林(国有林)に生えた「官木(かんぼく)」と言われるものと、植林をして育った「民木(みんぼく)」と言われるものがあります。
この民木は年輪も粗く、木質も硬く強度があり、建築用材としては最適ですが彫刻用材としては適していません。

 官木でも樹齢が100年以上経ったもは年輪も良くつまっており性質も素直な木が多いのですが、天然木と言えども若い木は民木と同様         ↑檜の葉        で非常に扱いにくいです。  
木の選び方は色が淡いピンク色で年輪が細かくばらつきの無いものが良いです。
また、夏目と冬目の幅の差の無いようなものは硬いものが多いのであまり適しません。
産地としては木曽(備州)檜と言われる長野、岐阜のものが最高ですが、単価も大変高いです。
まして大きいものはますます高くなってなかなか手が出せません。
白木で仕上げる物には品位があっておだやかで、特に仏様を彫るには最適です。
古くから能面や仏像などに多く使われているのは、軽いのと狂いが少なく、また非常に腐りにくいからです。



木取り方・彫り方                          ↓檜の木肌

この木は年輪が綺麗なので、白木で年輪を見せる仕上げ方をするときには板目で木表を表にすると綺麗に仕上がります。
また、狂いや小割れを気にするときには柾目を表にすると良いです。

檜は繊維が長く非常にしなやかで丈夫なので、繊維方向に対して横には削って仕上げられません。
逆目も大変削りにくく無理をすると削げてしまいます。
彫刻刀は粗彫りでも仕上げでも刃を薄めに良く研いでから彫って下さい。
特に三角刀や丸刀などでの横削りは片側が必ず逆目になりますので、特に良く研いで彫って下さい。
檜を削るには刃物を相当良く研がないと、木口をつややかに上手く削る事が出来ません。
初心者には大変扱いにくいし、高価な材なので出来れば後にあげる「ヒメコ松」から始め、上手になってから扱うと良いでしょう。
プロでも檜を十分に削れる人は、相当腕の良い人です。



仕上げ方

本来針葉樹には多少なりともヤニがあります。
削ったままで仕上げると木口に出たヤニにホコリがついて、黒い点が沢山出来て汚くなりますので、ロウやワックスを塗るか、漆やニスなどを薄めに塗って下さい。
また、ニスやウレタンなどの表面硬度の硬い塗料を塗ると、材が軟らかいので何かにぶつかったりした時や長い間の気の伸び縮みで塗膜が割れて白くなってしまいます。
このため出来るだけ天然の塗料を使うか、ニスやラッカーなどは薄く木に染み込ます程度にして下さい。

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