三河線問題急転直下?

 私が、名鉄廃止4線を追っかけている間、鉄道ジャーナル誌や、中日新聞の西三河版ではこんな記事が書かれており、ショックを隠し切れなかった.....。その内容が、

三河線碧南一吉良吉田間 が代替交通(バス化等)検討へ
(中日新聞西三河版にて報じられたのが2001/2/28)

であった。

内容としては

名鉄三河線碧南-吉良吉田(16.4キロ)の廃止問題で、西尾市の本田忠彦市長は二十七日、開会した西尾市議会定例会の一般質問の中で、この区間の廃止を視野に入れ、四月に関係市町(西尾市、碧南市、一色町、吉良町、幡豆町)などで発足させる協議会で、バス化などの代替交通手段を検討していく考えを明らかにした。

碧南-吉良吉田問は、二市三町による赤字を補てんにより、昨年9月末を起算点に最長三年間、廃止の延期を図ろうとしている。その間に利用客を増やし、存続につなげる方針になっているものの............。 この方針をめぐり、筒井登氏(市民ク)が西尾市・碧南市間の矢作川に架かる三河線矢作川鉄橋の老朽化について指摘し「仮に存続となっても、今度は矢作川鉄橋の改修問題が浮上してくる。費用は概算で百五十億-百六十億円もかかる。(廃線という)結論は見えている」と述べた。

これに対し、本田市長は存続のための利用者拡大について「非常に高いハードル」との見力を示し、「将来的に存続の可能性がない場合は、早急にバスに切り替えるべきだと思っている」と述べた。さらに「四月に関係市町の行政、議会、市民代表、経済団体、学校関係者で『名鉄三河線問題連絡協議会』を組織し、この中で協議していきたい」と明らかにした。

一方、名鉄三河線は猿投-西中金間(八・六キロ)でも、豊田市などが赤字補てんで廃止の延期を図っているが、共に利用客拡大の成果は出ていないのが実情のようだ。


ただ、私が思うに、筒井氏の申していることに若干の疑問が生じる? それとは.....。

1.この路線は本来どういう意味で残そうと考えたのか?
2.この路線の廃止を考慮した名鉄側の事情
3.将来の西三河と新空港との関わりの問題
4.廃線後の三河線の様々な処理や廃線となった岐阜の4路線の
 その後の展開の予測

だろう。


 まず、1と2だが、まず、名鉄は幹線区間での収入の落ち込みや、ローカル区間の苦戦がまずあげられるだろう。その苦戦が経営にたえ切れないと判断したため、不採算区6路線区の廃止に踏切ろうと(もしくは沿線市町村に補填を要求)した。しかし、内の岐阜県内4路線区の廃止とは対称的に、三河線末端区の両側は共に廃線から免れた。最大3年間分の補填が見込まれると各市町村が判断したわけだ。  そして、海線・山線ともに残るだろうと思われた。ともに各市町村の思いは交通弱者の保護、が目的であると思われるが、海線に関しては他の目的があった。それは......。


中部国際空港とのアクセス路線としての位置付けとしての役割を果たすという。


 そう、この路線は中部国際空港の西三河方面のアクセス路線としての役割を果たしたいという、そんな希望を各市町村は描いていたのだろうと思われるのだ。

 実際、名古屋方面のアクセスルートのみならず、西三河方面のルートが計画に記載されており、その中で
 A.名鉄三河線を利用するルート
 B.愛知環状鉄道 三河上郷から分岐するルート
 C.愛知環状鉄道 岡崎から延伸するルート

の3つが挙げられる(無論、計画候補の中の内のいくつかに絞られたに過ぎないが)。

 ここで注意したいのがC.の愛環延伸ルートだろう。このルートは岡崎を延伸した後、西尾辺りを通り、衣浦を越えて半田の乙川にたどり、それから知多半島を横断して新空港に向かうルートだからだ。つまり、何らかの絡みでC.計画が果たせば一応の面目が果たせるわけである。
 名古屋ルートに関しては、名鉄の延伸ルートでほぼ決まり、今後の経済状況のゆくえ如何では他のHSSTや西名古屋港線延伸、といったことはかなり現実性を薄くすることになるだろうと見ている。また、ミニ新幹線は今の東海道新幹線の容量からはかなり難しいものになりそうなのは確実だ。しかし、尾張地区だけが愛知県ではなく、三河もある。
 このことから、今後は三河地区との空港アクセスの問題が急務になるのは間違いないだろう。
 有力なのはA.の三河線利用になるのは間違いない。ただ、その場合、西尾・一色地区の不満は避けられないだろう。

 となると....、何らかのC案の側面を持ったルートが必要になるのは否めないだろう。それが三河海線不採算区の改良・新線設置になるものと私は睨んでいる。

 せっかく知多半島に新しい空港が出来たのに、そこに近い西尾や一色地区を走る路線がすでに廃止....では話にならないわけである。それが3.に当たる内容だろう。

 問題は今なろうとしている4.だろう。

 もし、廃止になった場合、

 1.代替バスの運行間隔や停留所の設置箇所
 2.廃止後の各施設の撤去
 3.新空港のアクセスとしてのバス路線や碧南と半田を結ぶ
 ただ一つの橋の衣浦大橋の渋滞緩和問題
 etc.........。
 と、挙げると多い問題だが、これらを簡単に説明すると、

 1.バス自体は国道247号を中心に、時折平行箇所の県道も利用した路線設定になるだろう。ただ、急ぐ場合国道247号を使う量も増えるだろう。業者との関係に関しては、バス業者への委託を基礎とした21条バス方式になると思われる。ダイアに関しては、旧来型よりも若干増えるだろうと思われる。快速バスの設置が有ると思われるからだ。
ただ、現状でも、国道247号線には西尾方面いきのバスが設定されており、一部区間でこれらと平走するものと思われる。


 2.各所に大きな橋脚が有るが、最近完成した寺津大橋が最大の問題だろう。この大橋を建設するのに億単位を拠出した西尾市と名鉄側の問題はひょっとすると裁判問題になる恐れが有る。また、今後、新空港のアクセス路線に廃線区間が一部選ばれた時、二重投資との批判は避けられないだろう。


 3.予定では、三河湾沿岸各市町村と新空港とは船で結ぶ計画が有るそうだ。しかし、西尾市は船で結ぶにしても遠回りになるため、結局衣浦大橋を通るバスルートが設定されるだろうと思われるが、一般車も通るため渋滞になる可能性は多い。また、知多半島横断道路も混雑になる恐れはある。そのため、自治体や代議士は『名浜道路』や『第二名豊道路』の予算配分の国への増額等を期待しているようだが、部分的な完成は見込めても、全ルートの完成には今の財政上では厳しい、と判断するしかないのが現状だ。


 これらを考えた時、結局は

 廃止の選択も存続の選択もイバラの道

 ということになりはしないか?と思う。

 廃線にしなくても、一時運休で橋の改築もできる。利用者には厳しいものになるが、それは代替バスではなく、代行バスという形で一時運休させて快速バスも運転する。その際矢作古川の橋脚も点検、改築する。
   三河海線のレールバス車両は、他への移譲もしくはレンタル貸し出しを行い、委譲した場合は再生後のみならず、一部の付設線の設置や新車両のアドバイス等の代替補償も名鉄が部分的に行う。
 新車両に関しては空港アクセスを意識した軽快車両とする、小検査は独自に、大検査は委託を行う形の第三セクター型鉄道とし、愛環とは別会社とする....などといった空港問題に積極的な対応は必要だと思える。しかし、実際は市長側も駅前の再開発に力を入れ、市議側も負担に閃々諤々するなど、あのデンソーを抱えている自治体とは思えない程の拙稚な対応だ。

 この点を見直し、新空港問題と廃線問題に対し真摯に考え、毅然とした対応をする必要があるのではないだろうか。そう思った次第である。



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