046
●表面採餌ガモ類 (SURFACE-FEEDING DUCKS)(マガモ族)は、普通のカモで、淡水や海水の湿地で水遊びをする。飛翔は機敏で、殆ど垂直に飛び立つ。殆ど潜らないが、若鳥や換羽中の成鳥は危険が近づくと潜る。雌雄の体色は異なる。殆どの種類は、翼の隠れた端の部分に、輝くように目立つ色の四角い部分(翼鏡)がある。初夏に雄は淡褐色の「エクリプス」羽毛を身につけ、初秋までに2回目の換羽が行われ、色鮮やかな羽毛に戻る。主として菜食だが、軟体動物、虫、あるいは小魚も食う。
マガモ MALLARD
広範囲に分布する。ミシシッピ渓谷に最も多数棲息し、東部で数を増しつつある。池や淡水の湿地で普通。雄は、頭が緑色、首の帯が白色、胸が錆色であることで、識別される。雌は茶色で斑点がある。雌雄ともに翼鏡は青で、前後に幅広い白の縁取りがある。
古くは別種と考えられていた用心深いメキシコ種は、ニュ−メキシコ州のリオ・グランデ峡谷に局地的に棲息する稀な種類であった。しかし、マガモとの混血が広範囲に進んだために、今ではメキシコの北には純粋種は居なくなった。雌のマガモに酷似する。飛んだとき尾が黒っぽい、至近距離で見ると、雄の嘴が一様に黄緑色である、雌の上嘴の中央部分が暗色である、といった点で識別できる。マガモはアメリカガモと、しばしば混群をなす。声は、大きなクワッ。
アメリカガモ AMERICAN BLACK DUCK
大西洋沿岸で最も数が多い表面採食ガモで、海岸域の浅瀬や池で見られる。どの羽毛でも、暗色の体と対照的な白い翼の裏あて、白い縁取りが一つだけの青紫の翼鏡に注目。雌のマガモに比べ、淡色の頭と暗色の体とが対照的。雄の嘴に斑点はない。声はマガモと同じ。
マダラガモ MOTTLED DUCK
淡水や海水混じりの湿地に普通な留鳥。体色は、アメリカガモとマガモの雌の中間。翼鏡後方の白い縁取りが目立つが、前方にはない。本種もまた、マガモに比較して尾が暗色、頭が淡色、嘴が黄色であることで、識別できる。冬場、マガモやアメリカガモと同じ湿地を利用する。本種は、1月に番をつくるが、メキシコ湾岸域で越冬するアメリカガモとマガモは普通は1月には番をつくらない。声はマガモに似る。
048
オナガガモ NORTHERN PINTAIL
西部で多く、東部で普通。湖、池、入江で、繁殖期以外は大群で見られる。すらっとした非常に機敏なカモで、翼はほっそりして尖っている。雄の鋭い尾羽、白い下面、暗色の頭に注目。雌は、他の斑点模様のカモに比べて、首が長めで、尾が長めで尖っている。翼鏡は金属的な茶色で、後方に白い縁取りがある。笛のような短い鳴声。
ホオジロオナガガモ WHITE-CHEEKED PINTAIL
西インド諸島からの迷鳥として南西部に、飛来することがある。雌のオナガガモに似るが、頬が白く、嘴は赤く、斑点がある。雌雄は類似。
オカヨシガモ GADWALL
普通でない。殆どの場合、オナガガモやアメリカヒドリとともに見られるが、大きな群れをつくることは滅多にない。他の表面採食ガモと異なり、潜ることが普通である。雄は、頭に模様がなく、体は灰色で、嘴と下尾筒が黒っぽいことに注目。アメリカガモ(46ペ−ジ)は、茶色っぽく嘴が黄色い。雌は、アメリカガモより茶色が薄く、泳いでいるとき、ふつう、翼に白が見える。雌雄とも、翼鏡は白で、茶色と黒が混じる。足は黄色。葦笛のような非常に低い鳴声。
アメリカヒドリ AMERICAN WIGEON
普通に見られるカモで、餌は水棲植物。時々、海辺で発芽した種子や草を食う。翼前方部の大きな白い部分によって識別され、雄では非常に目立つ。繁殖期以外は大群をつくる。殆どのカモとは異なり、密集した群れで飛び、長く開いたV字形で飛ぶことはない。雄は、また、頭頂と脇腹が白く、下尾筒が暗色。停止姿勢の雌は、淡灰色の頭と、青っぽい嘴によって、オカヨシガモの雌と識別できる。笛のような短い鳴声を2〜3回、繰り返し、最後の一声は音程が下がる。
ヒドリガモ EURASIAN WIGEON
旧世界のカモで、北アメリカ北方の海岸に少数ながら決まって訪れる。ふつう、アメリカヒドリと一緒に見られる。雄は、頭が錆色で、側面は灰色。アメリカ日取りとは反対。雌は、アメリカヒドリに比べ、側面がくすんでいて、頭は茶色っぽい。飛翔時の黒っぽい腋羽に注目。鳴声は笛のような高音で、音が下がってゆくように鳴く。
050
ハシビロガモ NORTHERN SHOVELER
棲息域の中央部と西部で多数。主に浅瀬で見られる。雌雄ともに、頭が扁平で、嘴がへら形で長く、翼に大きな青い部分があることで、識別される。水上では前方を下げて、嘴を下に向ける。マガモのようにクワッと鳴く。また、低い声で雌鶏のようにコッコッと鳴く。
ミカヅキシマアジ BLUE-WINGED TEAL
臆病な小型のカモで、池、湿地、保護された入江で見られる。小さな密集した群れで素早く飛ぶ。雌雄ともに、翼の前端部が明るい青で、翼鏡は緑色。雄の顔には白い三日月模様。雄はピ−ピ−鳴き、雌は柔らかくクワッと鳴く。ソナグラムは下記。
アカシマアジ CINNAMON TEAL
西部で普通。棲息域はミカヅキシマアジと同じで、習性は似る。雄の頭と下面は赤褐色。雌は、ミカヅキシマアジの雌に比べると、嘴がハシビロガモに似ること、顔の模様が目立つことで識別できる。声はミカヅキシマアジに似る。
ヨシガモ FALCATED TEAL
アラスカに極稀に飛来する。雄は間違えようがない。雌は、オカヨシガモの雌に似るが、翼鏡は深緑色。雌の飛翔時は、ヒドリガモの雌に似る。
シマアジ GARGANEY
アラスカ、東海岸、西海岸に極稀に飛来する。雄の頭の縞が目立つことに着目。雌はミカヅキシマアジの雌に似るが、ずっと淡色で翼があまり青くない。
コガモ GREEN-WINGED TEAL
小さい池や湖に普通。冬場も淡水を好む。雄は、暗色の頭と、側面の垂直の白い縞で識別できる。雌は、ミカヅキシマアジの雌に似るが、嘴が小さめで、翼の大きな青い部分を欠く。小さく密集した群れをつくって素早く飛ぶ。旧世界種(東西両海岸に稀に飛来)の雄は、翼の上に白い水平線があること、頭の模様が鮮明なことで識別可能。笛のような短い鳴声。
トモエガモ BAIKAL TEAL
アラスカに偶然現われることがある。雄は顔の模様が目立つことに注目。雌は、嘴の付け根の白い部分が目立つことで、コガモと識別できる。雌雄ともに、翼鏡は緑色で白い縁取りがある。
052
アメリカオシ WOOD DUCK
湖のまわりや渓流沿いの開けた森林地に普通。大きな頭、短い首、長い四角形の尾は、絶好の野外識別点。頭の後のすべすべした感じの長いとさかは、本種のみ。雌は、くすんだ色で、目のまわりに白い輪がある。エクリプス羽の雄は、雌に似るが、咽の下の白色部分が多い。飛翔は素早く、木の間で機敏に身をかわす。食性は植物性で、アオウキクサからドングリ(砂のうで砕かれる)まで食う。虫も食う。自然の木の穴に営巣するが、巣箱も利用する。上がり調子の笛のような鳴声で目立つ。
●リュウキュウガモ類 (WHISTLING-DUCKS)(ガン亜科リュウキュウガモ族)は、かつては木ガモ類(Tree Ducks)と呼ばれたが、全種が樹上生活ではない。雌雄は類似。臆病な鳥で、警戒するときは、ガンがするように首を延ばし周囲を見る。飛翔は力強く、羽撃は比較的遅い。飛翔時は、足が尾よりはみ出し、頭と足は体の線より垂れる。着陸のときは、嘴が地面に触れそうになるまで頭と足を下方に延ばす。特にトウモロコシが好物であるが、ドングリのような他の種子も食う。採餌は夜間。潜らない。高くて鋭い笛のような鳴声を連続してだす。
アカリュウキュウガモ FULVOUS WHISTLING-DUCK
棲息域内では、沼地に比較的普通。水田や、ときには池にもいる。雌雄ともに、頭と下部が、深い黄褐色で、背と翼が黒い。嘴は殆ど黒と言ってよい暗色で、脚と足は、くすんでいて青みがかっている。その次の野外識別点は、腰の白と、側面の白い模様。首の白い筋模様は、いつも見えるとは限らない。夜間採餌性なので、しばしば見られる訳ではない。木にとまることは稀で、木に営巣することは決してない。
アカハシリュウキュウガモ BLACK-BELLIED WHISTLING-DUCK
繁殖域内では、比較的普通だが、それ以外では迷鳥。棲息域は、アカフエフキガモと殆ど同じだが、アカフエフキガモより森林地域で見られることが多い。最高の野外識別点は、黒い下面と、翼にある大きな白い部分。嘴は赤と黄と青で、足はピンク色。雌はくすんでいる。よく木にとまり、時々、切り株の穴や枝の分岐部に営巣する。
054
●入江ガモ類 (BAY DUCKS)(カモ亜科ハジロ族)は、普通、保護された海岸の入江や河口で越冬する。水面から飛び込み、水中を泳ぎ、表面採餌ガモより動物性の餌をよく食う。水面を滑走してから飛び立つ。鳴声は、短く低いしわがれ声。
アメリカホシハジロ REDHEAD
普通種で、池や湖で夏を越し、海岸で冬を越す。しばしば他の入江ガモと混じる。雄は、頭は大きく丸く、嘴は明色、胸は暗色で、下面は白い。雌は、頭は丸く、青い嘴には模様がない。また、目のまわりの輪や顔の白い部分はない。これによって、クビワキンクロ、スズガモ、コスズガモの雌と識別される。ホシハジロ (Common Pochard, L13")は、アラスカに極稀に飛来する。酷似するアメリカホシハジロに比べて、雄は背と側面の灰色が明るく、頭の形と嘴はオオホシハジロを連想させる。
オオホシハジロ CANVASBACK
局地的に多数。アメリカホシハジロに比べて海水分の強いところで、越冬することが多い。他の入江ガモの近くに居ることは多いが、一緒に居ることは少ない。雌雄ともに、アメリカホシハジロに似るが、比較すると、目立って背面が明色であり大きい。また、頭の形が明らかに扁平である。
クビワキンクロ RING-NECKED DUCK
森林地の池に普通。冬場は、他の入江ガモに比較して、淡水域に留まることが多い。側面の白い垂直縞と一様な黒い背面は、雄の最高の野外識別点。雌は、目の周りの細く白い輪が目立つこと、嘴に輪の模様があること、翼にある灰色の縞が幅広いことで、識別可能。北部の海岸に偶然現われることがあるキンクロハジロ(Tufted Duck, L12") は、側面の垂直縞がなく、翼に白い縞があり、また、雌にな目立つ顔模様がない。
スズガモ GREATER SCAUP
地域によっては普通。通常は海水域にいる。雌雄ともに、翼に長くて白い縞があり、頭が丸いことが、コスズガモとの識別に役立つ。雄の頭の色は当てにならないが、日陰では首と胸との間が対照的である。雌は、顔の白で識別される。鳴声は、スクァラッ (scaup)。
コスズガモ LESSER SCAUP
特に内陸部で多数。翼の白縞は、スズガモより短い。非常に近くで見た場合、スズガモに比べて嘴が短めで扁平であり、嘴の先の黒い爪のような部分が小さいことが、識別点となる。
056
●海ガモ類 (SEA DUCKS)(アイサ族の一部)は、重量感があり比較的大きく首が短い潜水ガモで、主に海岸沿いで見られる。冬場は、しばしば大群で現れ、他の種類と混じることも多い。主に軟体動物を食う。
ホオジロガモ COMMON GOLDENEYE
森林地帯の湖や河川に普通で、空洞、あるいは巣箱にさえ営巣する。海岸、湖、河川で、越冬する。暗色の丸い頭、ふっくらした冠羽、翼の白い部分、大きく音楽的な笛のような羽撃音に注目。雄は、顔に丸く白い点があり、雌は襟が白い。ふつうは、番、あるいは小さな群れで居ることが多い。飛翔は非常に速い。入江ガモより深く潜って餌を採ることを好む。鳴声は、アメリカヨタカ(182ペ−ジ)を連想させる。
キタホオジロガモ BARROW'S GOLDENEYE
西部で比較的普通。海岸や河川で越冬する。雄は、顔の白い三日月模様、紫色の頭、黒っぽい側面で、ホオジロガモと識別できる。冠羽は、比較的扁平で、うしろにむかって尖っている。雌は、ホオジロガモに比べて翼の白い部分が少なく、頭が暗色ぎみで、額がでっぱっている。また、短い嘴は、春先や初夏に全体が黄色くなることがあるが、先だけ黄色で他が黒くなることはない。甲殻類を食べる。羽撃音は、大きな哀れな音。
ヒメハジロ BUFFLEHEAD
森林域の湖や河川で夏を過ごす。海岸で越冬する普通種で、ゆるい群れをつくることが多い。他の潜水ガモとは異なり、水面で助走せずに飛び立つ。雄は、ふっくらした緑色っぽい頭にある白い部分で識別される。雌は、頬にある小さな白い部分で識別できる。飛翔時は、ホオジロガモの仲間に比べて、頭が白っぽいこと(雄)、翼の白い部分が小さいこと(雌)、笛のような羽撃音がしないことで、識別される。
シノリガモ HARLEQUIN DUCK
普通でない。臆病。急流や北極の海岸で夏を過ごす。荒い白波が打ち寄せる岩場の海岸で越冬する。雄は、明暗模様(遠くから見ると暗色に見える)、小型なこと、長い尾で識別される。雌は、ホオジロガモの仲間に比べて、小さく、暗色である。また、飛んだとき翼に白い部分がなく、頭部の斑が目立つ。他のカモと一緒に見られることは少ない。ただし、クロガモ、ビロ−ドキンクロ、アラナミキンクロ(60ペ−ジ)と一緒に見られることがある。しばしば、長い尾を上に向けたり、ゆっくり上げ下げしながら泳ぐ。
058
オオケワタガモ COMMON EIDER
数は多いが、極めて局地的(マサチュ−セッツ州チャサム沖やアラスカ)に大群で越冬する。このため、他の海岸域では稀。至近距離では、雌と幼鳥の雄は、横顔に勾配がついていること、嘴が細長い盾のように額までのびていることで、識別できる。額までののびは、他のケワタガモに比べてかなり大きく、鼻孔から上の長さは、ケワタガモの2倍程ある。最初の冬の雄の体色は、図示した最初の春の羽毛と雌の中間である。羽撃は比較的おそく、ゆったりしている。頭を下げて飛ぶ。群れは、水面から2、3フィ−ト上を一列になって飛ぶ。鳴声は、低く不明瞭で悲しげなうめき声。
ケワタガモ KING EIDER
合衆国では稀だが、最北部では普通。習性は、しばしば一緒に現われるオオケワタガモに非常に類似する。雄の黒い頭、白い額、大きな盾のような嘴は、格好の野外識別点である。翼にある大きな白い部分は、他のどの海ガモにも見られない特有のものである。雌は、頭部の色が一様であることで、クロガモ、ビロ−ドキンクロ、アラナミキンクロ(60ペ−ジ)と識別される。また、オオケワタガモに比較して、嘴の形状(59ペ−ジの下部を見よ)が異なり、また、茶色の羽毛が鮮やかであることで、識別される。棲息域は、海水域にさほど限定されない。幼鳥は、成鳥に比べ南方まで渡る。
メガネケワタガモ SPECTACLED EIDER
合衆国では稀だが、シベリアの海岸では普通。幾らかはアリュ−シャン列島で越冬する。重量感があり、見かけは非常にぶざまである。雄の色あせた緑の頭、目の周りの大きな白、黒い胸が識別点である。雌は、至近距離では、はっきりしないメガネ模様、上嘴の上の低い位置に羽が並んでいることによって、大きめのオオケワタガモと識別できる。
コケワタガモ STELLER'S EIDER
アジアの小さなケワタガモで、普通でない。アラスカの海岸に現れることがある。形が類似するマガモ(46ペ−ジ)により、嘴が太く短めで、尾が長めである。雄の黒い襟は、暗色の線となって背面までつながっている。雌は、一様な焦茶色で、マガモ(46ペ−ジ)のように白い縁取りの青い翼鏡がある。雌雄ともに、小さな丸い冠毛がある。飛翔時の翼からの笛のような音は、ホオジロガモ類に似る。他のケワタガモと異なり、雄が子育てを手伝う。
060
コオリガモ OLDSQUAW
棲息域に多数。ツンドラの湖で夏を越す。深い湖、海岸、あるいは海から遠く離れたところで、ゆるい群れをつくり、越冬する。繁殖時と冬場で、際立って異なる体色になる唯一のカモである。また、きっすい線のところで、前面が暗色で、後方が白い唯一の潜水ガモである。雄の針のような尾羽が、よく目立つ。やはり、針のような尾羽のオナガガモ(48ペ−ジ)は、顔の白あるいは胸の黒がない。飛翔時は、極めて短くがっしりと見え、翼が全て暗色で、頭が白い。このような色彩のカモは本種だけである。飛翔は速く、主に夜、渡る。とてもよく響き渡るような声で鳴く。姿を見る前に、ヨ−デルのような口笛音で識別されることが多い。
クロガモ BLACK SCOTER
あまり普通でないが、アラスカの繁殖地や冬場の海岸で、地域によっては多数みられる。全身が黒いのは北米ではクロガモの雄のみ。(ただし、下記の2種は遠くからだと全身が黒く見えることがある。)短い首で丸々とした体は、この仲間特有。また、黒い嘴の上によく目立つ黄色いこぶがあることに注目。下記の2種の雄は、嘴がオレンジ色である。光線の具合がよいと、雌の暗色の帽子と灰色の顔が見えることがある。雌は鼻孔の周りが黄色いこともある。雌雄ともに、飛ぶと、翼の裏あてが、輝くような銀色に見える。脚と足は黒(下記の2種はオレンジ色もしくはピンク色)。
ビロ−ドキンクロ WHITE-WINGED SCOTER
多数いることが多い。クロガモやアラナミキンクロと混群で見られるが、中でも一番大きい。内陸部で見られることが多い。雄は嘴に暗色のこぶがあり、嘴の他の部分はオレンジ色。雌雄ともに、暗色の体と翼の白い部分(泳いでいると見えないことがある)が対照的で、これが最高の野外識別点。雌は、クロガモやアラナミキンクロに比べて、光線の具合がよいときに見える頭頂の暗色がやや弱い。密集した群れで水に浮び、ゆるい群れで、短距離を飛ぶ。長く縦一列にならんで渡る。
アラナミキンクロ SURF SCOTER
この仲間のなかで、各地で最も普通。雄は、基部が厚い嘴が長く、多色で、襟首と額によく目立つ白い部分がある。雌は、頬の白い斑が2つあることで、クロガモと識別される。また、ビロ−ドキンクロとは、翼に白い部分がないことで、識別できる。機敏。縦一列にならんで飛ぶことは滅多にない。
062
●アイサ類(MERGANSERS)(アイサ族の一部)は、魚を食う潜水ガモで、嘴は長く、薄く、側面が鋸状になっている。体をまっすぐにのばして、水平を保ちながら素早く飛ぶ。全種類とも、翼に白い部分がある。
ミコアイサ SMEW
冬場、北方の海岸に非常に稀に現れることがある。湖や安全な入江で他の潜水ガモと一緒にいる。
オウギアイサ HOODED MERGANSER
普通でない。森林の湖や小川で見られる。雄は、暗色の側面と、黒い縁取りの白いコケ−ドによって、ヒメハジロ(56ペ−ジ)と識別される。雌は、冠毛がブラシ状で、顔と体が暗色で、アイサ特有の嘴であることに着目。鳴声は、低く抑揚がない。
ウミアイサ RED-BREASTED MERGANSER
冬場、特に海岸で普通。雌雄ともに、冠毛は毛むくじゃら。雄は、赤茶色の胸の斑点で識別される。雌は、カワアイサの雌に比べ、冠毛が多く、頭から咽の色の変化がぼやけている。
カワアイサ COMMON MERGANSER
大きな、淡水域での普通種で、海水域にいることはめったにない。ホオジロガモ(56ペ−ジ)に比べて、長く、ほっそりしており、雄は後部が白っぽい。雄の緑色の頭は、冠毛があるように見えることはめったにないが、しばしば黒く見えることがある。雌は、雄より冠毛が多い。咽が際立って白く、また、首と胸との色の違いがはっきりしていることで、ウミアイサと識別される。鳴声は、低く短いクワッ。
●オタテガモ類(STIFF-TAILED DUCKS)(オタテガモ族)は小さく、ずんぐりしており、首は短く厚い。泳ぐとき、しばしば尾をさっそうと立てる。潜る。時々、カイツブリがするように、ゆっくりと沈む。
アカオタテガモ RUDDY DUCK
夏場は、浮草のある湖や池で普通。大きな河口、湖、川で越冬する。翼は短く、先が丸い。飛翔は速く、不規則的で、羽撃は速い。暗色帽子の下の白い頬、上に向けた長い尾で、識別される。ふつうは鳴かない。
メンカブリオタテガモ MASKED DUCK
西インド諸島やメキシコから、合衆国南東部に偶然現われることがある。淡水域にいることが殆どで、湿地に営巣する。雄の黒い顔と、翼にある大きな白い部分に注目。雌は、顔の暗色線と、翼にある白い部分で、識別される。
064
飛翔時の雌ガモは、しばしば、識別困難。この図面は、比較しやすいように、稀な種類を除く全種を示した。雌の夏羽と冬羽は、変わらない(コオリガモ(60ページ)を除く)。幼鳥は、普通、雌の体色に類似。しばしば、異種が混群をつくる。最も重要な野外識別点である翼模様に注目。
066
□コンドル類、タカ類、ハヤブサ類(VULTURES, HAWKS, AND FALCONS)(ワシタカ目)は、昼光性で、肉食。殆どは、かぎ形の太く鋭い嘴と、曲がった強い鉤爪があり、生きた獲物をとらえる。一部は腐肉を食う。ふつう雌雄は類似するが、雌のほうが雄より大きい。幼鳥は成鳥とは異なる。個体間の差異が大きく、数種類では、暗色型がいる。
コンドル類、タカ類、ハヤブサ類の科
コンドル類(VULTURES)〈コンドル科):大きく、黒っぽく、翼が幅広い。頭は裸。ふつう腐肉を食う。一般に鳴かない。卵は1〜3個。(66ページ)
トビ類、タカ類、ワシ類、ミサゴ類(ワシタカ科)は、次のように分類される:
トビ類(KITES):翼が尖った南方の鳥(カギハシトビとタニシトビの翼は丸みがあり比較的短い。)虫、タニシ(?)、ヘビを食う。卵は1〜5個。(68ページ)
ハイタカ類(ACCIPITERS):中型から小型のタカ。翼は丸みがあり比較的短い。尾は長い。力強く飛ぶ。卵は4〜6個。(70ページ)
ノスリとワシ類(BUTEOS AND EAGLES):中型から超大型のタカ。上空を滑空する。翼は幅広く、尾はかなり短い。卵は1〜5個。(72〜78ページ)
ミサゴ類(OSPREYS):翼が長いタカ。翼角が目立って折り曲がっている。停空飛翔してから飛び込んで魚を採る。卵は4〜6個。(78ページ)
カラカラ類とハヤブサ類(ハヤブサ科)は、次のように細分される:
カラカラ類(CARACARAS):尾が長い。腐肉を食う。卵は2〜4個。(78ページ)
ハヤブサ類(FALCONS):飛翔は速く力強い。翼は尖っていて、尾は細長い。鳥や哺乳類や虫を食う。卵は3〜6個。(80ページ)
ヒメコンドル TURKEY VULTURE
普通種。野原や道端で腐肉を食う。大きな円を描いて上空を滑空する。このとき、2色の翼を幅広いV字形に保ち、また、体を左右に素早く傾ける。幼鳥は頭が黒い。数羽が腐肉を食っていると、どこからとなく他の数羽が飛んできて加わる。
クロコンドル BLACK VULTURE
南部の農場や牧畜場に普通。短い尾、首が長めのシルエット、水平を保つ翼、比較的弱々しい重量感のある飛翔(深く懸命な羽撃と短い滑空を繰り返す)で、非常に遠くからでも識別される。翼先端ちかくの白い部分が独特。ゴミや小動物を食うために、しばしば人の居住地に侵入する。
カリフォルニアコンドル CALIFORNIA CONDOR
絶滅寸前。南カリフォルニアの山地の狭い場所に限定される。幼鳥には翼下面の強烈な模様はない。しかし、成鳥同様、嘴はがっしりしていて、長く幅広い翼を水平に広げて、非常に安定に滑空する。