084

■キジ類(GALLINACEOUS BIRDS)(キジ目)は、ニワトリに似た、重量がある陸鳥である。いずれの種も嘴は、短く太い。また、上嘴が、力強く曲がっている。翼は短く丸っこい。尾は短いものから非常に長いものまで様々である。脚は長めである。飛翔は速くないが、地面に降りているところから素早い羽撃でいっきに飛ぶことができる。飛び立つと、200〜300フィ−ト以上の距離を飛ぶことは、めったにない。いずれの種も走ることができる。地上で種子や虫を探し回る。殆どの種は、雄の方が雌よりカラフルである。多くの種の雄は凝った求愛動作をする。求愛動作では、気取って歩いたり、頭や首や尾にある特別な羽を立てたり広げたり、あるいは、首にある空気ぶくろを膨らませたりする。翼で空気を叩いたり、空気ぶくろから空気を出すときに特徴的な求愛動作音がする。主として渡りをしない。

キジ類の科と亜科

ヒメシャケイ類(CHACHALACAS) とその仲間(ホウカンチョウ科):体が大きく、脚と尾が長く、ニワトリに似た森林の鳥。卵は3〜4個。(84ペ−ジ)

シチメンチョウ類 (TURKEYS)(キジ科シチメンチョウ亜科):体がとても大きく、脚は長く、尾は幅広く長い。剥げ頭。卵は10〜12個。(84ペ−ジ)

ライチョウ類(GROUSE)(ライチョウ亜科):中型の鳥で、尾は中くらいから長いものまでいる。鼻孔や足は羽で覆われている。求愛動作は凝っていることが多い。地上で暮らす。卵は7〜12個。(86〜88ペ−ジ)

ウズラ類、ヤマウズラ類、キジ類 (QUAILS, PARTRIDGES, AND PHEASANTS)(キジ亜科):野原や開けた郊外にいる。大きさは、大小様々。このなかで最小のウズラは世界的に分布する。卵は、6〜16個。ヤマウズラは、ヨ−ロッパからの鳥で、ウズラより大きい。卵は、8〜16個。キジは、アジアからの鳥で、一番大きい。卵は7〜15個。(90〜92ペ−ジ)

シチメンチョウ   WILD TURKEY
本来の棲息地からは殆どいなくなったが、広く導入され、開けた森林や森林伐採地で地域によっては、かなり普通。お馴染みの農場飼育のシチメンチョウに類似するが、ほっそりしていて、錆色っぽく、頭から尾まで白い部分はない。夜は木をねぐらにする。短距離を力強く飛ぶが、危険を避けるときは走るのを好む。餌は、ドングリ、果実、種子。雄、すなわちゴブラ− (gobbler)は、雌をハレムに寄せつけるために、早朝、ゴロゴロと鳴く。

ムジヒメシャケイ                  PLAIN CHACHALACA
森林や茂みに、地域によっては多数棲息し、植物密生地の中にある開けたところを好む。大きく、尾が長く、樹上で生活する。合衆国でこのような鳥は他にいない。オリ−ブ色の模様がない背面と、玉虫色に輝く緑の尾に注目。春になると雄は、咽の側面のくすんだピンク色の皮膚の部分が赤くなる。尾先の縁が白い。雌雄は類似。鳴声は、チャチャラカ (chachalaca) をやかましく繰り返す。

086

アオライチョウ         BLUE GROUSE
夏場は落葉樹林、冬場は山のモミの茂みに普通。雄は、模様がない灰色の羽毛、目の上のオレンジ色または黄色の皮膚の部分で識別される。雌は、体に焦茶色の斑点がある。尾は黒く、先端に淡灰色の帯がある。雄は首の空気ぶくろを膨らませてブ−ンという太い音をだす。首の空気ぶくろは、内陸部では紫色、海岸域ではオレンジ色。

ハリモミライチョウ                  SPRUCE GROUSE
針葉樹林でかなり普通。殆ど人を恐れない。雄は、上面が灰色で、下面は黒で、側面に白い斑点がある。目の上の裸の皮膚は、赤。東部の亜種には、尾に栗色の帯がある。西部の亜種には、上尾筒に白い斑点がある。換羽中の雌は、アオライチョウより錆色味が強く、エリマキライチョウより暗色味が強い。また、黒っぽい尾の先に茶色い帯がある。ふつうは鳴かないが、極めて低音でフクロウのように鳴くこともある。

エリマキライチョウ            RUFFED GROUSE
ふつうは、かなり普通だが、個体数が変動する。夏は、開けた森林伐採地に暮らし、針葉樹林で越冬する。細かい縞がある尾の先端には黒帯があり、灰色型と赤色型がいる。両者の主な相違は、尾の色合。尾の先端には黒帯がある。雄は、求愛模様を誇示したり、翼を素早く動かして空気を「ドラミング」して加速する鈍い轟き音を作り出すことによって、雌を引き付ける。

ホソオライチョウ              SHARP-TAILED GROUSE
草原や潅木密生地で、地域によっては普通。下面は淡色。尾は幅が狭く、尖っていて端が白い。これによって飛翔時に、キジの雌(92ペ−ジ)やソウゲンライチョウ(88ペ−ジ)と識別される。換羽時は、体全体の羽が黄褐色に見える。求愛動作中の雄は、太い声でハトのようにク−ク−鳴く。

キジオライチョウ                SAGE GROUSE
郊外のヤマヨモギ潅木の密生地で普通。山麓の丘で夏を過ごし、平原で冬を越す。大きな体、黒い腹、長く尖った尾で、雌雄ともに識別される。雄は胸が白く、黒い咽が白帯で二分されていることにも注目。餌は主にヤマヨモギ潅木。求愛動作中の雄は、短く太い泡立つような音をだす。いきなり飛び立つとき、しばしば、ニワトリのようにコッコッと鳴く。

088

ソウゲンライチョウ    GREATER PRAIRIE-CHICKEN
普通でなく、極めて局地的。原始草原や背の高い草が生える草原に棲息する。丸味があって短く黒っぽい尾が茶色の体色と対照的であることで、他の草原の鳥と識別できることがある。雄は首の両側に黒く長いふさ羽がある。また、雄は求愛動作のときに、オレンジ色の空気ぶくろを膨らませる。雌の尾には縞がある。同じ棲息地に現われることがあるホソオライチョウ(86ペ−ジ)は、尾の端が白く、茶色く尖っているように見える。求愛動作中の雄は、気味悪い太く鈍い音をだす。

コソウゲンライチョウ           LESSER PRAIRIE-CHICKEN
上記の種より、さらに普通でない。湿気のない地域、特に短い草が生える草原で見られることが多い。上記の種より小さく淡色で、空気ぶくろは赤っぽい。両種ともに、轟き音をだす求愛動作のための場所があり、雄はそこに集まり雌の前で求愛誇示動作を行う。求愛音は、上記の種より高音である。

カラフトライチョウ    WILLOW PTARMIGAN
北極で普通だが、個体数の変化が激しい。深い茂みや、積雪しない吹きさらしのツンドラで越冬する。夏の雄は、他のライチョウより赤っぽい。雌は体色が、ライチョウに似るが、大きく、また、嘴も比例して大きい。冬は、尾が黒い以外は全身白くなる。冬のライチョウの雄にある目先の黒はない。主にヤナギの葉を食う。小さい群れで越冬する。

ライチョウ                  ROCK PTARMIGAN
ふつうは森林限界線以上の山岳地帯に棲息し、普通。カラフトライチョウに比べて小さく、夏の雄は、淡色で黄色っぽい。しかし、雌は、大きさと嘴以外は、カラフトライチョウに酷似する。冬場の体色は雌雄ともにうっすらピンク色がかった白で、尾は黒い。雄は目を通る黒い線がある。夏は番で、冬は群れで見られる。鳴声は、非常に低音のギシギシ声。

オジロライチョウ           WHITE-TAILED PTARMIGAN
森林限界線以上で地域によっては普通。シエラ高地に導入された。尾に黒い部分がないライチョウは本種のみ。野生において警戒心が弱い。危険なときは、飛ばずに走るほうを好む。主に矮小ヤナギを食うが、高山モミのとげも食う。鳴声は雌鶏のようである。

090

ウロコウズラ                    SCALED QUAIL
ふつうは普通種だが、年毎に個体数が変動する。郊外の乾燥した半砂漠地に棲息する。雌雄は類似で、背面が灰色で、下面が鱗模様で、綿のように白い冠が目立つ。この冠によって、とても淡色な鳥のように見える。ふつう群集性で、100羽までの群れで見られることが多い。めったに飛ばずに、走る。鋭い2音節の鳴声。

カンムリウズラ                  CALIFORNIA QUAIL
雑木林に普通。大きな都市公園で増えつつある。雄は、白く縁取られた黒い顔で、胸は青っぽく、灰色の脇腹に白い模様があることに注目。雌雄とも、腹に鱗模様がある。ズアカカンムリウズラは、類似するが、腹に模様がない(雄は腹に黒い斑がある)。ふつう群れで見られ、地上で餌を採る。鳴声は不明瞭な3声で、2声目が最も高く大きい。しばしば低いところに止まりながら鳴く。

ズアカカンムリウズラ             GAMBEL'S QUAIL
普通。カンムリウズラに似るが、それより乾燥したところに棲息する。棲息域は殆ど重ならない。雌雄ともに、脇腹が栗色で、広範囲に白い筋模様があることに注目。雄の腹にある黒い斑点によってもカンムリウズラと識別できる。両種に共通する涙の雫のような冠毛は、他のウズラとの識別点である。鳴声は、カンムリウズラに似る。

ツノウズラ                   MOUNTAIN QUAIL
北米最大のウズラで、山地の雑木林や茂みに普通。細長い羽飾りが特徴的である。脇腹の白い縦縞模様と咽の栗色も格好の識別点。雌雄は類似するが、雌は雄よりくすんでいる。ふつうは、急に飛び立つことは苦手である。鳴声は、大きく甲高い雄鶏のような声、あるいはロッキ−スズメフクロウ(180ペ−ジ)のような柔らかいフ−ッ (whook)。

シロマダラウズラ                 MONTEZUMA QUAIL
比較的普通だが局地的。開けた森林の傾斜地のオ−クやマツの木に棲息する。雄は、顔の模様と、脇腹に密集した斑点で、簡単に識別される。くすんだ茶色の雌は、雄とおなじ顔模様がなぞれることで識別される。何かが近づくと、飛ばずに、うずくまったり隠れたりする。やさしい笛のような鳴声は、夕暮時に、いっそう大きく、変化に富むようになる。

092

コリンウズラ                    NORTHERN BOBWHITE
潅木密生地、荒れ野、開けた松林に多数棲息するが、深い森林には近づかない。ずんぐりとして、赤茶色で、尾は灰色。咽と眉線が雄は白く、雌は黄褐色であることで識別される。冬は、30羽までの母子づれの小さな群れで見られる。不安を感じると、全羽いっせいに飛び立つ。鳴声は笛のようなボッボッゥワイッ(bob-bob-white) 。毎分4〜6回。時々、止まりながら鳴く。

●輸入されたキジ目(INTRODUCED GALLINACEOUS BIRDS) は、その多種がいままでに合衆国やカナダに放鳥されたが、殆どは定着しなかった。下記4種が新しい環境への適応に成功し、色々な地域で普通種になった。

イワシャコ     CHUKAR
ヨ−ロッパの大きなヤマウズラで、地域によっては普通。岩だらけの開けた不毛地を好む。雌雄は類似。顔がクリ−ム色で、黒い縁取りが目立つことに注目。飛翔は、力強く、直線的で、このとき赤っぽい脚が見える。草の新芽、種子、穀物、虫を食う。雄の鳴声は、チャッカ− (chuck-ar) 。

コウライキジ                 RING-NECKED PHEASANT
開けた林、潅木や生け垣が生える農場、トウモロコシ畑で普通。シチメンチョウ(84ペ−ジ)以外の他のキジ目の鳥よりかなり大きい。雌雄ともに、尾は長く尖っていて、翼は短く丸味がある。体色は、放鳥された祖先の血統によって色々である。雌は、ホソオライチョウ(86ペ−ジ)に比べて、大きく、尾がずっと長く、嘴が大きく、脚が裸であることで識別される。飛翔は、力強いが、短距離を飛ぶだけである。穀物のあまり、種子、ベリ−を主に食う。2音節の大きな鳴声をだし、これに続けて、翼を素早く動かしてこもったような音をだす。

ヨ−ロッパヤマウズラ                GRAY PARTRIDGE
農耕地、とくに灌漑された農耕地で、局地的に多数棲息する。飛んだときの錆色の尾が格好の識別点。コリンウズラに比べ、大きく、特に胸が灰色っぽい。ふつうは鳴かないが、鳴声は、笛のような単調な声を素早く繰り返す。

ムナグロシャコ                BLACK FRANCOLIN
ルイジアナ州、カルカシウ郡に輸入された。雄は間違えようがない。雌は襟首の栗色部分がよく目立つ。鳴声は、高音の大きなギシギシ声で、チッチリ−(chik-chiree) 。

094

■サギ類 (HERONS) とその仲間(コウノトリ目)、およびフラミンゴ類(フラミンゴ目)は、脚と首と嘴が長く、水中を歩く。殆どは浅瀬の水棲動物を食う。繁殖期に長い飾り羽があらわれる種類もある。翼は広く丸みがあり、尾は短い。卵は2〜6個。

サギ類とフラミンゴ類の科

サギ類とヨシゴイ類 (HERONS AND BITTERNS)(サギ科):嘴はまっすぐ。頭を後ろに引いてゆっくりと飛ぶ。殆どはコロニ−で営巣する。鳴声はしわがれたガ−ガ−声。(94〜98ペ−ジ)

トキコウ(WOOD STORK)(コウノトリ科):嘴は太く曲がっている。首をまっすぐのばしてゆっくり飛ぶ。成鳥の頭は禿げている。(100ペ−ジ)

トキ類とヘラサギ類 (IBISES AND SPOONBILLS)(トキ科):嘴は細くて曲がっているか、平らでスプ−ン形。首をのばして飛び、羽撃は速い。(100ペ−ジ)

フラミンゴ類 (FLAMINGOS)(フラミンゴ科):脚と首が極端に長い。嘴は頑丈で折れ曲がっている。飛翔は重々しく、のばした首をうなだれる。(100ペ−ジ)

オオアオサギ         GREAT BLUE HERON
オオアオサギ(96ペ−ジ)の白色型で、南フロリダの海水域で局地的に普通。嘴は黄色で脚は黄色っぽい。群れない。

ダイサギ                     GREAT EGRET
小川、池、水田、湿地(海水、淡水)、および泥湿地に普通。体色は白、嘴は黄色で、脚と足は光沢のある黒。ベニサギ(96ペ−ジ)の白色型は、嘴が鮮色で先が黒く、脚が青っぽい。オオアオサギ以外のサギの中で最大。他のシラサギよりも首を開いたS字に保ちながら飛ぶ。

ユキコサギ                 SNOWY EGRET
普通種。殆どは海水あるいは淡水の湿地にいるが、池や水田にいることもある。体色は雪のように白く、細い嘴は黒く、嘴の基部の露出した皮膚は黄色い。成鳥は脚が黒く、足が輝くような黄色。幼鳥は、脚と足ともに殆どが淡緑色。ヒメアカクロサギ(96ペ−ジ)の幼鳥は、足が暗緑色で、嘴が青っぽい。他のシラサギよりすらっとしていて活動的。飛翔は、アマサギほどあわただしくない。

アマサギ                     CATTLE EGRET
旧世界の種で、北米では最近、野生化した。普通種。棲息域を拡大している。牧草地に群れで見られ、虫を食う。嘴は、黄色またはオレンジ色。嘴と首は、他のサギより太く短い。繁殖羽では、頭頂、胸、および肩がオレンジ色がかった黄褐色であることに注目。脚は短く、成鳥では黄色か、あるいはピンク色味をおびている。

096

オオアオサギ                     GREAT BLUE HERON
北米最大のサギで、淡水、海水を問わず湿地に普通。頭は、殆どが白で下面が暗色。この配色はサンショクサギと逆。狩をするときは、浅瀬をゆっくりと歩くか、頭を弓なりに曲げて肩にのせながら立つ。白色型(94ペ−ジ)と本種との中間種(フロリダ入江に稀におり、ヴュ−デマンサギと呼ばれている)は、本種に似るが、頭と首が白い。両種とも警戒時の鳴声は、一連のしわがれたギャ−ギャ−声(約4声)。

アカクロサギ          REDDISH EGRET
暗色のサギで、海水の浅瀬にいるが普通でない。サンショクサギより大きい。頭と首は非常に毛むくじゃら。ふつう、嘴の先端が暗色で、基部が鮮色。この特徴は稀な白色型の識別点でもある。餌を採るときは非常に活発で、魚を追うとき走ったり、跳ねたり、羽撃いたり(天蓋採餌)する。

サンショクサギ                LOUISIANA HERON
海岸で普通。体は暗色で下面が白いため、他のサギに比べて首が細く見える。活発に餌を採るが、アカクロサギほどではない。しばしば深い水へも足を踏み入れる。

ヒメアカクロサギ             LITTLE BLUE HERON
小型で暗色の普通種。海水域、淡水域ともに棲息する。背面と下面は暗青灰色で、頭と首が赤茶色であることに注目。嘴は青っぽく、先が黒い。脚は青緑色。アカクロサギは、本種に比べ、ずっと淡色で、大きく、首が太い。サンショクサギは、本種より活発で、下面に白があり、あまりがっしりしていない。幼鳥は、体が白く、青っぽい嘴の先が暗色で、脚は緑色っぽい。換羽中の一才の鳥(マダラサギ)は、しみのような青と白の模様。

アメリカササゴイ                GREEN HERON
淡水、海水を問わず普通で、地域によっては多数棲息する。他のサギに比べ、小さい池や林間の小川で見られることが多い。緑色というより青く見えることが多い。小型で、下面は暗色で、脚は輝くようなオレンジ色か黄色。飛翔は素早く、羽撃は深い。遠くから見ると全体が暗色に見える。冠羽はいつも見られるとは限らない。他のサギに比べて、首は比較的短い。鳴声は、下がり調子の鋭いキゥ(kew) 。

098

ゴイサギ                 BLACK-CROWNED NIGHT-HERON
重量感のある体、短く太い首、短い脚が特徴。淡水の沼地や海水の湿地で普通。成鳥は、背面が暗色で、下面全体が白。サンショクサギ(96ペ−ジ)は、腹は白いが、体が細長い。密集した筋模様の幼鳥は、シラガゴイとアメリカサンカノゴイとのみ見間違う可能性がある。まとまりのない群れで飛ぶ。昼間は非活動的なことが多く、ねぐらの木々で過ごす。夜、漁をすることが多い。鳴声は単声のクワッ(kwawk) で、殆どの場合、夜、聞かれる。

シラガゴイ          YELLOW-CROWNED NIGHT-HERON
ゴイサギと比べると格段に普通でない。夜、狩をするが、昼のときも多い。成鳥は顔の白黒がよく目立ち、他の部分が灰色であることに注目。幼鳥は、類似するゴイサギの幼鳥に比べ、嘴が太く短く、脚が長く、背面が灰色っぽく、背面の明色斑点が小さい。飛翔時に、ふ蹠の一部が尾からはみだす。鳴声はゴイサギに比べて、やや高音。

アメリカサンカノゴイ            AMERICAN BITTERN
背の高い植物が生える淡水や海水の湿地に比較的普通だが、非常に見つけにくい。夕暮と夜に最も活動的になる。時々、頭を空に向けたままじっとして隠れている。降りているときの最高の識別点は、他種にはない幅広く黒い頬髭。飛翔時の識別点は、黒っぽい風切羽。飛び立つときに鳴くことは殆どない。群れない。繁殖地では、鈍いしわがれ声、あるいは「ポンピング」音、ウ−ンカツ−ンッ(oonck-a-tsoonck) を発する。

コヨシゴイ               LEAST BITTERN
普通だが、とても臆病で、通常は淡水域の背の高い草やスゲのなかに隠れている。最小のサギで、飛翔は弱々しい。翼を使うより寧ろ走ったりよじ登ったりする。100フィ−ト以上は滅多に飛ばない。雌雄ともに翼に黄褐色と栗色の大きな部分があり、これによって翼が暗色のアメリカササゴイ(96ペ−ジ)と即座に識別できる。アメリカササゴイは本種より大きくずんぐりしている。じっとして身を隠す。稀な暗色型は、栗色が濃い。鳴声は、低く柔らかいク−を同じ調子で約4回くりかえし、ハシグロカッコウ(172ペ−ジ)を連想させる。

100

アメリカトキコウ                 WOOD STORK
北米に棲息するコウノトリは本種のみ。南部の沼地、湿地、あるいは池に、局地的だが普通。嘴は太く長く、成鳥の頭は暗色で羽毛がない。幼鳥は、頭と首が成鳥より淡色で、嘴が黄色い。首と脚をのばして飛び、しばしば上空を滑空する。ゆっくりした羽撃は、力強く、羽撃音が聞こえる。魚類、爬虫類、両棲類を食う。木にコロニ−で営巣する。鳴声はうなり声。

カオジロブロンズトキ                 WHITE-FACED IBIS
普通でない。ミシシッピ川より西で繁殖する。成鳥の目の周りと顎の下の幅広い白線によって、繁殖期に限ってブロンズトキと識別される。幼鳥は両種の差異がない。鳴声は、低いクワッ。

ブロンズトキ                   GLOSSY IBIS
地域によっては普通。淡水や海水の湿地で小さな群れをつくって餌を採る。成鳥は一様に青銅色で、遠くからだと黒く見える。幼鳥はシロトキの幼鳥に似るが、首が淡色で、腰は暗色。細い嘴が湾曲し、首はまっすぐのびている。羽撃は速く、羽撃と滑空を交互に繰り返す。サギ類とは、これらの特徴によって識別される。飛翔時の群れは、線あるいはV字をつくる。

シロトキ                        WHITE IBIS
地域によっては多数棲息するが、他のトキに比べ海岸域に限定される。成鳥は、顔と嘴が赤い。翼先の小さい部分が黒いが、降りているときはふつう隠れている。若鳥は、飛ぶと白い腰が現われ、下から見ると暗色の首が白い腹と対照的。しばしば大群で見られ、長い線あるいはV字をつくって飛ぶ。鳴声は、耳ざわりで低いうなり声。単なる赤色型と思われるショウジョウトキ (Scarlet Ibis, L22" W38") は、南フロリダに稀に現れる。

ベニヘラサギ                     ROSEATE SPOONBILL
稀で局地的。海水の浅瀬に棲息する。嘴は先が扁平で独特である。成鳥は体の殆どがピンク色。幼鳥は、ほのかなピンク色で年とともに色が濃くなる。首をのばして飛ぶ。小型の海の生物を食う。ふつう鳴かない。

オオフラミンゴ                   GREATER FLAMINGO
南フロリダの泥の浅瀬を稀に訪れる迷鳥。たぶん殆どが篭抜け。首と脚は極端に長く、嘴は折れ曲がっていて太い。体色は、淡いピンク色からバラ色まで様々。小型の海の生物を食う。鳴声はガンのようなホォ−ン。

102

■ツル類 (CRANES) とその仲間(ツル目)は、多様である。全て脚が長く、水中を歩くが、大きさ、姿、嘴の形、首の長さといった他の特徴は、様々である。

ツル類とその仲間の科

ツル類(CRANES)(ツル科):背が高く、堂々としている。体は重量感があり、脚は長い。飛翔時は長い首をのばす。卵は2個。(102ペ−ジ)

ツルモドキ類(LIMPKINS)(ツルモドキ科):中型。脚と首は長い。嘴は細長く、やや湾曲している。卵は4〜8個。(102ペ−ジ)

クイナ類、バン類、オオバン類(RAILS, GALLINULES, AND COOTS)(クイナ科):クイナ類とバン類は、中型から小型。首は短く、足指と脚が長い。卵は6〜15個。(104〜106ペ−ジ) オオバン類は、カモ大で足指に水掻がある。嘴は太く短い。卵は約12個。(106ペ−ジ)

アメリカシロヅル  WHOOPING CRANE
極めて稀。1981年の野生の棲息数は78個体。北方の沼地で繁殖し、海岸域の草原で越冬する。初列風切が黒い。成鳥は頭と体が白く、むきだしの顔と頭頂が赤いことに注目。幼鳥は、赤茶色で下面は淡色。飛翔時の白黒模様は、アメリカシロペリカン(32ペ−ジ)やトキコウ(100ペ−ジ)よりハクガン(44ペ−ジ)に似る。非常に長い首と白い尾が識別点。鳴声はトランペットのような響き渡る声。

カナダヅル             SANDHILL CRANE
地域によっては草原や平原に普通。マツが生える開けた場所や湿地にも現われることがある。灰色の成鳥、茶色の幼鳥ともに、非常に大きく、体色が一様なことで識別される。成鳥は、帽子がむきだしで赤いことに注目。飛翔時は滑空と羽撃を交互に繰り返す。このとき、翼の上方への一打ちが素早いことが優れた識別点。繁殖期以外は、しばしば大きな群れで見られる。小型のげっ歯類、蛙、虫を食べる。声は、音楽的なガラガラ声で、低くやかましい。

ツルモドキ                        LIMPKIN
地域によっては森の中の沼地で普通。湿地では普通でない。嘴が細長く、やや湾曲していることで、ゴイサギ類(98ペ−ジ)と識別される。体の焦茶色の羽のそれぞれに大きな白い三日月模様がある。長い首は、ふつう立てていて、飛翔時はツルのようにのばす。昼も夜も活動的である。タニシを好んで食う。よくとおるクゥロウ (krroww) という鳴声は、夜聞くことが多い。

104

コオニクイナ                     VIRGINIA RAIL
淡水や海水の湿地に普通だが、見つけにくい。大きさは、オニクイナやオオサマクイナ(106ペ−ジ)の半分だが体色は類似する。ただし本種は、灰色の頬が体色と対照的である。他のクイナ同様、追いかけられると草の中を音もなく走り、弱々しい羽撃の飛翔に頼ることはめったにない。短距離を飛ぶときは長い脚をぶらぶらさせる。最高の識別点は金属的な2音節の鳴声、キディッキディッ (kid-ick, kid-ick)、またはティケッティケッ (ticket-ticket)。マガモのような一連のクワッを下がり調子で発することもある。特徴の少ない色々な声もだす。

カオグロクイナ                          SORA
クイナの中で最も普通だがめったに見られない。特に植物が生い茂った淡水湿地や水田を好む。短くがっしりした鶏のような嘴が最高の野外識別点。黄褐色の幼鳥は、成鳥の黒い顔模様を欠くが、下尾筒が白っぽいことで他の小型クイナと識別される。他のクイナに比べ飛び立つことが多いが、他のクイナ同様、飛翔は短く弱々しい。笛あるいは、いななきのような音楽的な声で、カ−ウィ− (ker-wee) と下がり調子に鳴く。

ウズラクイナ                        CORN CRAKE
秋、東海岸で偶然現われることがある。非常に稀なヨーロッパ種で、乾草や穀物の平原に棲息する。翼の大きな錆色部分と黄褐色の体で識別される。耳ざわりな鳴声だが、めったに聞かれない。

アメリカシマクイナ                  YELLOW RAIL
稀。非常に小型で極めて臆病。淡水や海水の湿地に棲息する。牧草地、あるいは穀物畑にさえも棲息する。体色は黄色っぽく、背面には黒縞がある。嘴は小さく、黄色。飛翔時の最高の識別点は、翼の白色部分。しかし、飛び立つことはめったにない。鳴声は、多くは夕暮に聞かれるが、2、3種類のカチッという音を交互にだす。2つの小石を打ちつけあって鳴声をまねできる。

クロコビトクイナ                    BLACK RAIL
クイナの中で最小。地域によっては比較的普通。通常、紐状の草が生い茂る海水湿地に棲息し、淡水域にはめったにいない。小型で、体は黒く、背面に白い斑点があることで識別される。成鳥の嘴が黒いことも識別点。どのクイナも雛は黒色。鳴声は、キッキィドゥゥ (kickee-doo) で、最後の音が他の音より柔らかく、格段に低い。夜遅くに聞かれる。

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オニクイナ                    CLAPPER RAIL
大型で、体色は灰色か灰茶色。海水の湿地に多数棲息する。西部では局地的。首は短い。嘴は長く、少し下向きになっている。非常に短い尾を上に向かって立てている。幼鳥は上面が暗色(コオニクイナ、104ペ−ジ参照)。南部や西部の種はオオサマクイナに類似するが、比較すると翼の曲り部が灰色っぽく、腹の模様がうすい。他のクイナと同様、横に押しつぶされたような姿である。一連の非音楽的なティッを大声で発する。

オオサマクイナ                   KING RAIL
普通でない。大型で、体色は錆色。淡水の湿地に棲息する。海水の湿地にオニクイナと共に出現することがある。体色や習性が類似するオニクイナに比べて茶色がかっていて縞模様が強烈。雛の体は黒く、嘴全体が白っぽい。鳴声はオニクイナに似るが、短めで、音楽的で、よく響く。

バン                   COMMON MOORHEN
淡水の湿地や湖畔で普通。カモに似るが、頭の前面の平らな部分が鮮明に赤く、鶏のような嘴の先端が黄色。脇腹は白で縁取られ、翼は全体が暗色。開けた水辺の縁で餌を採り、邪魔されると密集した植物の中に逃げ場を探す。泳ぎはうまく、水に浮かんだスイレンの大きな葉の上を歩く。鳴声は雌鶏のようなコッコッ。

アメリカムラサキバン              PURPLE GALLINULE
習性が酷似するバンに比べ、分布域が狭く、普通でない。成鳥は、背面が緑色で、頭と下面は紫色で、間違えようがない。頭の前面の平らな部分が白いのが特徴。幼鳥は、バンの幼鳥に比べ色が薄く茶色っぽく、側面の白線がない。鳴声はバンに似る。

アメリカオオバン                   AMERICAN COOT
普通種。営巣期は淡水域で見られるが、冬場は淡水、海水を問わず見られる。暗色の体色が、太く短い嘴の白、および短い尾の下の白と対照的である。岸辺、水面、あるいは水中で餌を採る。潜水するときは沈む前に跳ね上がる。頭を上下に動かし、足指の水掻で水をかきながら、ふわふわと泳ぐ。脚を引きずりながら重々しく飛ぶ。鳴声は、短く耳ざわりなガ−ガ−やクワックワッ。
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