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●トウゾクカモメ類 (JAEGERS AND SKUAS)(カモメ科トウゾクカモメ亜科)は、尾羽の中央部が延びた黒っぽいカモメに見えるが、全体の輪郭、飛び方、および食性は異なる。細い翼は翼角のところで鋭く折れ曲がる。道筋を突然変える際、頻繁に尾を扇状にする。羽撃は、力強く速い。初列風切のつけ根が明白色で、これによってカモメ類やアジサジ類との区別できる。他の海鳥から魚を奪い取っているところを最も良く見かける。営巣するとき以外は滅多に岸に近づかない。殆ど鳴かない。暗色型は東部では稀。幼鳥は長い尾羽を欠く。卵は2〜3個。

クロトウゾクカモメ PARASITIC JAEGER
最も普通のトウゾクカモメで、アジサシを追うところを良く見かける。トウゾクカモメが大きく重々しいのに対し、本種の成鳥は、中央の尾羽が短く、扁平で、尖っていることで、識別される。シロハラトウゾクカモメとは、尾の長さだけが、識別点である。幼鳥は、シロハラトウゾクカモメより茶色っぽく、翼に白が多い。

トウゾクカモメ                  POMARINE JAEGER
トウゾクカモメ類のなかで最大で、セグロカモメ(144ペ−ジ)の大きさに近い。他のトウゾクカモメ類に比べ、体が大きい分だけ嘴が大きい。飛翔は重々しく、規則的である。中央の長い尾羽は幅広くねじれている。淡色型では、側面に縞があり、雌の胸帯は、他のトウゾクカモメ類より目立つ。

シロハラトウゾクカモメ            LONG-TAILED JAEGER
繁殖地では普通だが、渡りの途中を見ることは稀。トウゾクカモメ類のなかで最小で、ほっそりしている。成鳥の尾羽の中央部は、尾の他の部分より5〜8インチ長い。営巣地では、しばしば停空飛翔する。暗色型は殆ど知られていない。淡色型は、成鳥、幼鳥とも他のトウゾクカモメ類より灰色っぽく、翼上面の白は少ない。飛翔は優雅な感じで、アジサシに似る。

オオトウゾクカモメ                GREAT SKUA
稀だが北東部沖合を決まって訪れる。遠目では、黒っぽく、尾が短いセグロカモメ(144ペ−ジ)のように見えるが、初列風切のつけ根に大きな白い部分があることで、識別できる。盗賊というよりゴミアサリで、しばしば、カモメとともに上空を滑空する。

ナンキョクオオトウゾクカモメ           SOUTH POLAR SKUA
夏場、稀に沖合を訪れる。オオトウゾクカモメに似るが、やや小さく、体色は焦茶色から青っぽい暗灰色で一様であり、淡色の筋模様を欠く。春には多くの場合、金色のたてがみが現れる。秋の幼鳥は、全体が焦茶色。

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●カモメ類 (GULLS)(カモメ科カモメ亜科)は、がっしりした大型の鳥。足には水掻があり、翼は長く尖っている。ずんぐりした嘴はカギ型で、ふつう尾は四角形。基本的にはゴミアサリである。何千羽という単位でゴミ捨て場や漁港に集まる種類もいる。空中から水に飛び込むことはめったにはないが、餌を採るために水面におりる。飛翔はゆっくりとして力強い。しばしば上空を滑空する種類もいる。雌雄は類似。大型種では、成鳥の羽毛になるまでに数年かかる。コロニ−で営巣する。卵は2〜5個。幼鳥は、150〜151ペ−ジに示す。

ゾウゲカモメ IVORY GULL
北極海の外側で稀に出会うことがある。子育ての時期には海岸で見られるが、それ以外は、北極の開けた水上でしか見られない。ゾウゲカモメは他の純白のカモメに比べて、極端に小さい。黒い脚と黒い嘴(成鳥では先端が黄色)で容易に識別される。他のカモメに比べて、飛翔がハトに似ている。

シロカモメ                      GLAUCOUS GULL
カナダから南では、普通ではない。通常、セグロカモメ(144ペ−ジ)に混じって沿岸で見られる。アイスランドカモメとは、大きさ(セグロカモメより大きい)と太い嘴、および尾によって識別される。尾は、停まっているとき、殆ど翼の先端まで延びている。幼鳥は、他の「白い翼のカモメ」より嘴の根元の色が鮮やかなことで、識別が可能。シロカモメとアイスランドカモメは、どの羽毛でも、初列風切の付け根に目立つ「窓」が飛翔時に見られることに注目。捕食性。

アイスランドカモメ               ICELAND GULL
沿岸では普通でない。5大湖では稀。セグロカモメ(144ペ−ジ)よりやや小さい。どの羽毛でも、翼の先端が白い。翼をおりたたむと、翼の先端は尾からかなり突き出る。体に比べて頭が小さく見え、また、嘴はさらに小さく見える。一年目とニ年目の体色が類似するシロカモメに比べて、嘴がとても小さく先端の暗色部が広い。両種とも足は常に鮮やかな色。西部の亜種は、翼の先端ちかくに灰色の縞がある。

ワシカモメ                   GLAUCOUS-WINGED GULL
特に港やゴミ捨て場に多数見られる。シロカモメでは初列風切が淡色であるのに対して、本種は、どの羽毛でも、これを欠き、また、他のカモメにある翼の先端の暗色部分がない。ニ年目の体色は一年目に比べて淡色である。一年目の嘴は黒く、ニ年目では基部が鮮やかな色になる。飛翔、習性、および鳴声は、セグロカモメ(144ペ−ジ)に似る。

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オオカモメ                   GREAT BLACK-BACKED GULL
普通に見られ、数、棲息域ともに拡大している。捕食性。海岸域に見られ、内陸部では稀。東部地域で見られる黒い背のカモメは、本種とニシセグロカモメのみ。ゆっくり羽撃いて飛ぶ。幼鳥は成鳥よりはるか南で越冬する。幼鳥はセグロカモメ(144ペ−ジ)とニシセグロカモメとのみ混乱する可能性がある。幼鳥では、体形、尾にある幅の狭い黒帯、淡色の頭と暗色の背面が対照的なこと、および太い嘴に注目。鳴声は低く、カウカウカウ (kow-kow-kow)。

オオセグロカモメ             SLATY-BACKED GULL
東アジアから北西アラスカに稀に飛来する(2月〜11月)。そこでは、黒い背面のカモメは、ふつう他に見られない。翼の先と黒い襟羽の間に狭く淡灰色の線がある。虹彩は黄色(アメリカオオセグロカモメは淡い金色)。幼鳥は、酷似するセグロカモメ(144ペ−ジ)の幼鳥より、嘴が太い。

アメリカオオセグロカモメ               WESTERN GULL
外洋に面した沿岸で普通。内陸部では迷鳥。西部地域でのオオカモメに相当する。オオカモメに比べ、大きさは小さいが、習性と成鳥の体色は殆ど同じである。1年目の冬は、暗灰褐色でセグロカモメ(144ペ−ジ)の若鳥に似るが、嘴が太く黒い。また、腰の縞が目立ち、襟羽には斑点がある。足はピンク色。低音の鳴声は、オオカモメに似る。キアシオオセグロカモメ (Yellow-footed Gull, L21") は、メキシコ種で、夏場に北上しソルトン湖に迷い混む。キアシオオセグロカモメは、脚も足も黄色で、背面が一様に黒いことで識別される。

ニシセグロカモメ    LESSER BLACK-BACKED GULL
稀ではあるが、ヨ−ロッパの繁殖地から東部海岸や5大湖に冬場に決まってやってくる。成鳥は、オオカモメより小さいこと、脚が黄色いことで識別される。西ヨ−ロッパの最も普通の亜種は、背面と襟羽がオオカモメより淡い黒色。東ヨ−ロッパの稀な亜種は背と襟羽が一様に黒い。翼下面の暗色部分は、オオカモメより広範囲にわたる。幼鳥はセグロカモメ(144ペ−ジ)の幼鳥に似て、ピンク色の脚であるが、翼の外側は上面下面ともに、さらに一様に焦茶色であり、腰は襟羽や肩羽より薄色。鳴声はセグロカモメに比べ、太く鼻にかかっている。

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セグロカモメ   HERRING GULL
沿岸に多く、特に港やゴミ捨て場に多数見られる。湖や河川にも普通。成鳥は、大きいこと、体格が良いこと、脚がピンク色であることで、酷似するカリフォルニアカモメやクロワカモメ(146ペ−ジ)と識別される。夏場は瞼が黄色。一年目とニ年目は、クロワカモメに比べ尾が極端に暗色で、オオカモメ(142ペ−ジ)より嘴が小さい。一年目は、嘴全体が暗色であることで、カリフォルニアカモメの幼鳥と識別される。初列風切は、ニシセグロカモメ(142ペ−ジ)ほど、一様に暗色ではない。主として、ゴミを漁るが、軟体動物(貝など)を落として壊すこともある。頭上高くタカのように滑空するのをよく見る。鳴声は、大きく、澄んでいて、ふくらみがある。

カナダカモメ                  THAYER'S GULL
太平洋沿岸に普通。冬期に北東部で、極稀に見られる。セグロカモメに酷似するが、やや小さく、嘴が比較的小さい。成鳥は、ふつう、襟羽がやや暗灰色で、翼の先の黒い部分は、さほど広くなく淡色で、大きな白い斑点がある。虹彩は黄色というより茶色で、夏場は瞼が紫色(セグロカモメは黄色)。脚は深いピンク色がかった茶色。幼鳥はセグロカモメの幼鳥より、ふつうは淡色だが、アイスランドカモメやワシカモメ(140ペ−ジ)ほど淡色ではない。また、襟羽と初列風切との色のコントラストは小さい。下から見ると、翼の先は、成鳥、幼鳥ともに白っぽく、セグロカモメほど黒っぽくない。尾にある幅広で茶色の帯は、飛翔中の幼鳥の最も黒っぽい部分である。鳴声はセグロカモメより太い。

カリフォルニアカモメ                CALIFORNIA GULL
冬場は太平洋沿岸に、繁殖期は内陸部に普通。草原に大集団で営巣する。セグロカモメよりやや小さいが、どの羽毛もセグロカモメに類似する。夏場に成鳥の瞼は赤っぽく、嘴は真っ黄色で下嘴の先に赤と黒の点がある。目は暗色で、また、襟羽はセグロカモメやクロワカモメ(146ペ−ジ)に比べ、暗色。一年目は、嘴が広範囲にピンク色がかっており(全部が黒ではない)、脚は2年目までに緑色っぽくなる(セグロカモメはピンク色)。鳴声は、ふつう、下がり調子のキァ−(kiarr) を繰り返す。

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クロワカモメ  RING-BILLED GULL
特に内陸部に普通。成鳥には黄色い嘴に完全な黒い輪があり、これが識別点である。成鳥は緑色がかった黄色い脚。他の東部の大型カモメは、脚が鮮色または黒色。成鳥はカリフォルニアカモメ(144ペ−ジ)に似るが、カリフォルニアカモメには嘴に赤と黒の小さい点がある。翼下面の先端の暗色部分はセグロカモメより大きい。幼鳥は、尾に幅の狭い黒帯があることでセグロカモメやカリフォルニアカモメと識別される。また、カモメに比べ、嘴が大きく体が白っぽい。鳴声はセグロカモメ(144ペ−ジ)に似る。

カモメ                         MEW GULL
冬場は西海岸に、繁殖期には内陸部に普通。成鳥の模様がなく黄色の嘴は、短く、厚みがない。これらの嘴の特徴によって、ミツユビカモメ以外の他のカモメと識別される。クロワカモメやカリフォルニアカモメ(144ペ−ジ)ほど、翼の先が黒くない。幼鳥はクロワカモメに似るが、尾にある帯があまり目立たず、小さい嘴は暗色。鳴声はセグロカモメ(144ペ−ジ)より高音。

オグロカモメ                   HEERMANN'S GULL
繁殖地であるメキシコの島々にいる春を除いて、西海岸で普通。内陸部では稀で、沖合では、しばしば見かける。最も暗色のカモメ。下面が一様に暗色なのは本種だけである。成鳥の白い頭は冬場はマダラになる。飛翔時は、成鳥では黒い尾と赤い嘴、また、幼鳥では尾の先端にある幅の狭い白帯と黒っぽい下面が、それぞれ識別点となる。

ミツユビカモメ                 BLACK-LEGGED KITTIWAKE
繁殖地の断崖絶壁に多数みられる。はるか沖合で越冬する。成鳥は、翼の先のくっきりとした黒い三角形によって識別できる(白い点は全くない)。幼鳥の方が普通に見られる。幼鳥は、暗色頭のカモメ類(148ペ−ジ)の多くに似る。しかし、首の黒帯、短く黒い脚、翼の先の黒、および少し二股に分かれた尾の組合せによって、識別される。しばしば、水上を低く飛ぶ。

アカアシミツユビカモメ          RED-LEGGED KITTIWAKE
プリビロフ島で毎年、繁殖し、アリュ−シャン列島で越冬する。脚は鮮やかな赤。ミツユビカモメに比較すると、嘴は短く、翼下面と襟羽が暗色。幼鳥は成鳥に似るが、嘴、うなじの線、翼の前部が暗色。

ヒメクビワカモメ                  ROSS' GULL
マニトバ州チャ−チルで極稀に繁殖する。アラスカ州バロ−岬に毎年、秋の渡り鳥としてやってくる。くさび形の尾のカモメは本種のみ。成鳥は一年中、ばら色で、冬場は首にある帯が消える。飛翔はハトに似る。

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ワライカモメ               LAUGHING GULL
海岸地域にごく普通に見られる。農耕地で虫やミミズを食うが、海から遠く離れて見られることはめったにない。成鳥は、翼の先が一様に暗色であることで、アメリカズグロカモメの成鳥と識別できる。一年目の冬は上面が非常に暗色。また、胸と頭が暗色で尾の帯が完全であることで、アメリカズグロカモメの幼鳥と識別される。ニ年目はアメリカズグロカモメに類似。黒色頭のカモメ類の中で最大で、最も暗色。冬場の成鳥は、頭がマダラになり、嘴が暗色になる。鳴声は変化に富んだ低音の笑い声。

アメリカズグロカモメ            FRANKLIN'S GULL
草原地域で普通に見られる。主として合衆国より南で越冬する。成鳥は、初列風切にある白い点によって、ワライカモメと識別される。幼鳥は、尾の縁の全てが白い羽であることで、ワライカモメと識別される。主として虫を食う。耕作している後を追い、空中をタカのように飛ぶ。また、池で魚を採る。鳴声はワライカモメより高音。

ボナパルトカモメ             BONAPARTE'S GULL
繁殖期は内陸部で、また、冬場は海岸や大きな湖で普通に見られる小型のカモメ。翼の先が、まばたくように白いのは、本種と、稀にしか見られないユリカモメのみ。黒い嘴と、目の後の暗色の斑点は、冬場の絶好の野外識別点。嘴を下げて、フワフワとアジサシのように飛ぶ。クワッ、クワッ、と低い声で鳴く。

クビワカモメ                  SABINE'S GULL
繁殖地では普通。繁殖地以外では、単独もしくは小さな群れで見られる。恐らく洋上で越冬する。初秋や晩春に東海岸や内陸部に偶然現われることがある。二股に分かれた尾と、良く目立つ翼の三角模様は、成鳥、若鳥共通の注目点。翼と尾の模様をミツユビカモメ(146ペ−ジ)と比較するとよい。飛翔は、アジサシに酷似する。

ユリカモメ            COMMON BLACK-HEADED GULL
稀だが、東海岸を決まって訪れるヨ−ロッパからの迷鳥で、現在はニュ−ファンドランドで繁殖している。ふつう、ボナパルトカモメに混じり、類似するが、体が大きく、嘴は大きく、深紅色。初列風切は下面が暗色で目立つ。鳴声はクゥリリ−ッ (kwuririp) 。

ヒメカモメ    LITTLE GULL
ヨ−ロッパからの迷鳥で、稀に繁殖する。飛翔はアジサシに似るが、翼は丸味がある。成鳥の翼下面の暗色と幼鳥の尾の黒帯に注目。頭巾は、ボナパルトカモメに比べ、首まで延びている。ボナパルトカモメと混群をつくる。鳴声は、ケッ、ケッ、ケッ (kek-kek-kek)。

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カモメの幼鳥 (IMMATURE GULLS) は識別が難しい。ここに示したには典型的な羽毛のみである。成鳥の羽毛になるまでの年月は種類によって異なる。通常、小型のカモメは2年、大型のカモメは4年かかる。ボナパルトカモメ (BONAPARTE'S GULL) は、春と秋に部分的に換羽し、2年目の冬に成鳥羽になる。 大きなセグロカモメ (HERRING GULL) は、1年目に2回の部分的な換羽、2年目に完全な換羽、さらに3年目に部分的な換羽がおこなわれ、4年目の秋に成鳥羽になる。この換羽の過程は、ここには示していないが羽毛の途中段階を理解するうえで重要である。

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●アジサシ類 (TERNS)(カモメ科アジサシ亜科)は、すっらとした鳥で、翼は長く幅が狭い。尾は二股に分かれ、嘴は尖っている。小魚や虫を探して嘴を下にむけながらフワフワと飛ぶ。空中から飛び込む。卵は1〜4個。幼鳥は、158〜159ペ−ジ。

コアジサシ  LEAST TERN
東部の砂浜に棲息するが、普通でない。内陸では稀。早い羽撃、白い額、黄色い嘴(春)、および、黄色あるいは黄色っぽい脚(秋)に注目。幼鳥は、翼の模様が白黒で対照的。鳴声は、対をなす声が素早い調子で連続する。

キョクアジサシ             ARCTIC TERN
数は多いが、はるか沖合を渡る。成鳥は、アジサシと比較すると、黒い帽子の下に白い筋模様がある、尾がさらに長い(翼の先まで延びる)、脚が短い、嘴が短く血のように赤い(先端は黒くない)、頭が丸い、首が短い、翼の先端近くに半透明に見える部分ある、といった点で識別される。幼鳥は、雨覆が白(アジサシの幼鳥は灰色)。アジサシに比べ、鼻にかかった耳ざわりな鳴声。

アジサシ                  COMMON TERN
海岸や内陸の大きな湖に多数みられる。合衆国で最も普通のアジサシ。キョクアジサシ、ベニアジサシ、メリケンアジサシと混群をつくる。翼の先がベニアジサシやメリケンアジサシより明らかに暗色。尾は短めで、嘴は鮮やかな赤っぽいオレンジ色(嘴の先の黒い部分の大きさは様々)。秋と幼鳥の羽毛の頭の模様は、キョクアジサシやメリケンアジサシの模様に似る。幼鳥の雨覆は灰色。鳴声は耳ざわりなキ−ゥル− (kee-urr)。

ベニアジサシ    ROSEATE TERN
北東部沿岸で、地域によっては普通。アジサシやキョクアジサシに比べ、上面が淡色で、尾は白っぽく長めで深く切れ込んでいる。翼の先の色は淡く、嘴は黒(赤は基部のみ)。素早く浅い羽撃と独特の鳴声にも注目。鳴声は柔らかいチヴィ− (chivy)、および頻繁でないが耳ざわりなズアアッ (z-a-a-p)。

メリケンアジサシ              FORSTER'S TERN
淡水、海水問わず湿地に普通。海岸には稀。アジサシに酷似するが、アジサシに比較して、初列風切が翼の他の部分より明色で、尾は淡灰色で外側が白い(アジサシと逆)。また、嘴と脚はオレンジ色に近く、羽撃は早く浅い。冬場には幅の狭い黒眼帯があらわれ、これがこのペ−ジの他のアジサシとの最高の識別点。虫と魚を食う。鳴声は低く抑揚がないズルゥ− (zrurrr) 。

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ハシグロアジサシ           SANDWICH TERN
普通でない。砂浜に棲息し、しばしばアメリカオオアジサシと一緒に見られる。嘴が黒く、その先端が黄色いアジサシは、北米では本種のみ。長くすらっとした嘴、黒い脚、および僅かに冠があることにも注目。幼鳥の額は大部分が黒いが、冬の成鳥は額が白く、冠がある。はるか沖合で漁をする。鳴声は、うるさく耳ざわりなキリ−ッ (kirrik) 。

ハシブトアジサシ  GULL-BILLED TERN
普通でない。海水の湿地に棲息する。北米のアジサシのなかで最も白く、アジサシより体が大きい。どの羽毛でも、嘴が黒く太く短くカモメのようなこと、および翼が幅広く非常に白いことで、識別される。尾の二股の分かれ方は、大部分のアジサシのなかで最も浅い。脚は黒く長い。飛翔は、他のアジサシ類よりカモメに類似する。めったに飛び込まないが、湿地の上空を虫を求めてタカのように飛ぶ。2、3音節の耳ざわりな鳴声が特徴的である。

ユウガアジサシ                  ELEGANT TERN
メキシコの繁殖地から秋に南カリフォルニアの海岸を決まって訪れる。アメリカオオアジサシに似るが、小さい。アメリカオオアジサシより嘴が細く、冠が長い。幼鳥の嘴は黒っぽい。鳴声はカ−リ−ッ (karr-reek)。

アメリカオオアジサシ          ROYAL TERN
極めて普通の大型のアジサシであるが、海水域にしか棲息しない。どの羽毛でも見られる冠、オレンジ色の太い嘴、および、ゆっくりとした羽撃によって、遠くからでも小型アジサシとの識別が可能。オニアジサシとの識別点は、額が白いこと(一様に黒い帽子は繁殖期の短期間のみ)、嘴がオレンジ色であること、下から見たとき翼の先端が明色であること、脚が短めなこと(一緒に立っていると明瞭)、春の成鳥の尾の二股の分かれ方が更に深いこと、および鳴声である。殆ど魚だけを食う。ふつう、入江や沖合で漁をする。鳴声は、チリ−ッ (chirrip)。

オニアジサシ               CASPIAN TERN
海岸でも内陸部でも比較的普通。アメリカオオアジサシに似るが、血のように赤い嘴、大きなしわがれ声、および上記の他の比較項目から、常に識別可能。他の大部分のアジサシ類より、嘴が幅広く、カモメのように見える。習性もカモメに似る。水上に浮ぶ。上空を滑空したり、他の海鳥から掠奪したり、卵を食べることもある。主として魚を食う。鳴声は、非常にうるさく耳ざわりなクラァ−(kraaa) 。

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ハシグロクロハラアジサシ       BLACK TERN
地域によっては、湖や淡水の湿地で繁殖し、普通。成鳥は間違えようがない。秋季は翼に殆ど模様がないことで、コアジサシ(152ペ−ジ)の若鳥と識別される。また、下面に黒い斑点がでることがある。滅多に飛び込まず、主として虫を食う。飛翔はふらふらしている。鳴声は鼻にかかっている。旧大陸から偶然現われることがあるハジロクロハラアジサシ (White-winged Tern, L9") は、尾と翼前方が白く、背面と翼の裏あてが黒く、脚が赤い。また、秋季には、ハシグロクロハラアジサシの肩にある暗色部分を欠く。

セグロアジサシ            SOOTY TERN
フロリダ州のドライ・ト−チュガスで多数、繁殖する。ハリケ−ンの最中のみ、大西洋岸やメキシコ湾岸で見られる。真っ黒な上面のアジサシは本種のみ。幼鳥は焦茶色で下尾筒は白い。頭部全体が暗色で、尾が二股に分かれていることで、クロアジサシ類と識別される。飛び込まず、飛びながら表面の魚を捕える。鳴声は鼻にかかったウワイダウエイク (wide-a-wake)。

コシジロアジサシ               ALEUTIAN TERN
ノ−トンサウンドからヤクタットにかけてのアラスカの海岸域に、極めて局地的に繁殖する。合衆国内で棲息域が重なるのは、淡色のキョクアジサシ(152ペ−ジ)のみ。

マミジロアジサシ                BRIDLED TERN
外洋性。ハリケ−ンのときに東海岸に偶然現われることがある。顔・首・背・尾の模様はセグロアジサシに似る。首の輪と翼下面の先端が淡色であることに注目。

クロアジサシ                  BROWN NODDY
フロリダ州のドライ・ト−チュガスで繁殖する普通種。合衆国の他地域に、偶然現われることがある。どの羽毛でも、他のアジサシ類と模様が逆。即ち、暗色の体に白い帽子で、尾は二股に分かれず、くさび形。完全な外洋性で、飛び込まずに餌を採る。鳴声は、柔らかい低音、クアアア (k-a-a-a)。

ヒメクロアジサシ               BLACK NODDY
合衆国ではフロリダ州のドライ・ト−チュガスのみに見られ、そこでは、稀だが決まって見られる。クロアジサシに比べ小型で体が黒く嘴が細いことで、識別される。

●ハサミアジサシ類(SKIMMERS)(カモメ科ハサミアジサシ亜科)は、下嘴が上嘴より長い唯一の種類。下嘴で水面を切りながら、水上を低く飛ぶ。餌に触れると同時に、素早く頭を下げ、嘴を閉じる。

クロハサミアジサシ     BLACK SKIMMER
地域によっては普通。入江の沿岸に群れをなす。大きな赤い嘴が良く目立つ。若鳥は上面が茶色で白い斑点がある。鳴声は低音で鳴り響く、オ−ゥ (auw)。

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アジサジの幼鳥
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