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■フクロウ類(OWLS)(フクロウ目フクロウ科)は、頭が大きく、首が短い猛禽。殆どは夜行性。見る機会が一番多く、声を頻繁に聞くのは、夕暮。大きな目が眼窩に収まっているので、見る方向を変えるときは頭全体を動かす。丸、あるいはハ−ト形の顔盤があり、耳覆いがこれによって隠されている。このペ−ジの全種と180ペ−ジの一部の種には、耳羽がつったっている。全種とも、音をたてずに飛び、げっ歯類や他の動物を狩る。雌は雄に似るが大きい。幼鳥は成鳥に似る。鳴声は、ホ−ホ−声と泣き叫ぶような声と笛のような声で、独特。殆どの小型種と一部の大型種は、木の穴に営巣する。卵は2〜8個。

アメリカオオコノハズク  EASTERN SCREECH-OWL
小型で耳羽がある普通種。市街地や果樹園や小さな植林地に棲息する。体色は鮮やかな錆色または灰色。東部の耳羽がある他のフクロウ類は、全種とも、あきらかにもっと大きい。木の穴に営巣し、ハシボソキツツキ用の巣箱にさえも営巣する。囀りは、笛のような震え声(抑揚がないか、下がり調子)。

ニシアメリカオオコノハズク      WESTERN SCREECH-OWL
アメリカオオコノハズクに似るが、体色が茶色。アメリカコノハズクやヒゲコノハズクに類似するが、本種の顔盤は頭と同色。鳴声は、低く短い笛のような声。

アメリカワシミミズク     GREAT HORNED OWL
大型で耳羽がある普通種。大きさは、しばしば本種を攻撃して悩ませるカラスの2倍。配色は、本種よりほっそりして小さいトラフズクに類似するが、本種の場合、耳羽がさらに大きく、互いに離れている。また、腹には水平方向に細かい線がある。一方、トラフズクには、縦方向にもっと太い縞がある。典型的な鳴声は、ホ−ホ−というような低い4〜7声。

トラフズク                  LONG-EARED OWL
地域によっては開けた郊外ちかくの森林に普通。このペ−ジの全種類、特にアメリカワシミミズク、に類似する。翼が極めて長いので、飛ぶと大きく見える。巣の近く以外では、ふつう鳴かない。巣の近くでの声は変化に富み、低いホ−ホ−という声、笛のような声、および金切り声。

コミミズク                     SHORT-EARED OWL
地域によっては、平原、アシの茂った沼地、あるいは湿地といった開けた場所に普通。耳羽は見えにくい。翼の曲り部分に近いところにある翼下面の黒い部分と、翼上面の大きな黄褐色の部分に注目。暗くなる前に活動的になる。飛翔は不規則的。翼をハイイロチュウヒ(70ペ−ジ)のように上に傾ける。繁殖期には吠えるような声をだすが、それ以外は声をださない。

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メンフクロウ  BARN OWL
普通でない。体は明色で、大きい。ハ−ト形の顔、暗色の小さな目、長い脚で知られている。下面に密集した模様があるフクロウは、本種とシマフクロウのみ。完全な夜行性。農家の庭や湿地や野原でネズミを狩る。頭を下げて前後に動くという独特な習性がある。納屋や廃墟や木の穴に営巣する。ホ−ホ−という声はださずに、息を切らしたような上がり調子の柔らかい叫び声をあげる。巣ではシュ−というような抑揚のない声をだす。

シロフクロウ                      SNOWY OWL
北極に棲息する昼行性のフクロウで、不定期的だが合衆国で越冬する。殆どの成鳥は、殆ど純白。成鳥より暗色の幼鳥は、冬場、成鳥より南に行く。大型で、体色は淡色で、耳羽がないことが識別点。開けた場所の地上ちかくに止まり、近づいても逃げないことが多い。レミングや他のげっ歯類やウサギを食う。繁殖地より南では声をださない。

アメリカフクロウ                      BARRED OWL
分布域が広い。南方の沼地や河川沿いの低地に普通だが、北方の森林にはさほど普通でない。目は暗色。東部にいるフクロウで目が暗色なのは、本種と、ハ−ト形の顔で筋模様がないメンフクロウのみ。飛ぶと、アメリカワシミミズク(174ペ−ジ)に似る。ふつう木の穴に営巣する。一連の声は、ふつう、ホ−という声が8回。一連の声を毎分4〜7回。

ニシアメリカフクロウ               SPOTTED OWL
東部のアメリカフクロウに相当する西部種だが、稀。下面の水平縞の模様で識別される。西部に棲息するアメリカコノハズク(180ペ−ジ)は、目が暗色で、本種に類似するが、格段に小さく、小さな耳羽がある。ふつうの声はアメリカフクロウを連想させるが、一連の声が、たった3〜4回のホ−という声からなる。

カラフトフクロウ        GREAT GRAY OWL
ロッキ−山脈やシエラネバダ山脈の北部および中央部の高地に局地的に棲息するが、稀。マツやトウヒの森林で見られる。最北部でのみ普通種。尾が長く、顔盤上の灰色の同心円が目立つことに注目。目が黄色で、耳羽がない大型のフクロウは、本種とシロフクロウのみ。声は、一連のフ− (whoo) で、深みのある太くて長い反響音。だんだん低音になる。

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オナガフクロウ                NORTHERN HAWK-OWL
北方カナダの沼沢地帯に棲息する昼行性のフクロウで、人を恐れない。冬場、稀に合衆国北部まで南下する。フクロウのなかで尾が細長いのは、小型のスズメフクロウ類(180ペ−ジ)と本種だけ。尾が細長いため、ハヤブサのように見える。下面に細かい水平縞の模様があることで、キンメフクロウやヒメキンメフクロウと識別される。木のてっぺんの開けたところに止まり、尾を持ち上げたり、ゆっくり下げたりする。時々、止まりながら、尾を、角度をつけて、つったてる。直線的に速く飛ぶ。ふつうは非常に低く飛び、羽撃と滑空を交互に繰り返す。アメリカチョウゲンボウ(80ペ−ジ)のように停空飛翔もする。鳴声は、一連の笛のような声。毎分10〜15群。

アナホリフクロウ                   BURROWING OWL
小型で、脚が長く、昼行性。局地的に平原に棲息する普通種。プレ−リ−ドッグが棲むところに営巣する。フロリダの草原や飛行場に永住するものもいる。頭を上下に頻繁に動かす。地面や杭のうえに止まる。狩りをするときは停空飛翔をする。砂のような体色で、脚が長いことで、メンフクロウ(176ペ−ジ)以外の他の全てのフクロウと識別される。穴を掘って巣を作る。鳴声は、クワックワッというような警戒音。夜は、ク−ックオゥオゥ (coo-c-o-o)という2声。

キンメフクロウ               BOREAL OWL
夜行性で耳羽がない。人を殆ど恐れない。最北地の針葉樹林に棲息し、不定期的だが、冬場、合衆国の北部にやってくる。明色の嘴、顔の黒い輪郭、下面のチョコレ−ト色の縞模様で、ヒメキンメフクロウと識別される。アメリカオオコノハズクとは、耳羽がないことで、オナガフクロウとは、下面の縞模様、短い尾、止まる姿勢が立っていることで、それぞれ識別される。北極の夏の時期にだけ、昼間、餌を採る。鳴声は、7〜8声からなる笛のような一連の速い声で、水がポタポタ落ちる音のようである。毎分12〜15群。

ヒメキンメフクロウ            NORTHERN SAW-WHET OWL
中央や東部の州で見られる可能性がある耳羽がない小型フクロウは本種のみ。ふつう考えられているほど珍しくないが、夜行性であり、茂みや若い常緑樹が密生した所にあるねぐらを見つけない限り、めったに見られない。アメリカコノハズク(180ペ−ジ)は、目が暗色で、耳羽があり、ロッキ−スズメフクロウ(180ペ−ジ)は、ほっそりしていて尾が長く、脇腹に焦茶色の縞模様がある。両種ともに西部で本種と棲息域が重なる。ふつうの鳴声は、短い笛のような声の長い連続。

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ヒゲコノハズク                 WHISKERED SCREECH-OWL
南西部の峡谷で普通。棲息域が重なるニシアメリカオオコノハズク(174ペ−ジ)に酷似し、超至近距離でしか区別できない。頬髭が長く、肩羽の白班が大きいことに注意。オ−クまたはオ−クマツが密生した森林でふつう見られる。独特な鳴声は4〜9回の高音のブ−(boo) で、終わり近くで遅くなる。鳴声で識別するのが一番よい。

アメリカコノハズク      FLAMMULATED OWL
局地的で、稀。目が暗色の小型フクロウは本種のみ。灰色型と錆色型がいる。アメリカオオコノハズクに類似するが、本種は、顔盤が頭の他の部分より赤っぽい。本種とニシアメリカオオコノハズクとヒゲコノハズクは、南東アリゾナでのみ棲息域が重なる。パインオ−クの森を好む。鳴声は、ホ−というような低い声を1〜2声で、これを長い間繰り返す。毎分40〜60回。

ロッキ−スズメフクロウ               NORTHERN PYGMY-OWL
小型で尾が長い普通種で、人を恐れない。針葉樹林や落葉樹林に棲息する。一部昼行性。耳羽がない小型のフクロウで、脇腹に黒っぽい縞模様があるのは本種のみ。全ての尾羽が翼先端を越えて位置する。尾はふつう角度をつけて突っ立てている。飛翔は、モズ(260ペ−ジ)のように波状で、羽撃が速い。首の後ろに黒い部分があることで、錆色のアカスズメフクロウ以外の全てのフクロウと識別される。囀りは、ミソサザイモドキ(232ペ−ジ)のような加速する短い一連の声のあとに単声を2〜3回つづける。

サボテンフクロウ                   ELF OWL
南西部の砂漠地帯に棲息する夜行性の普通種。黄褐色の下面には不明瞭な縞模様がある。小型で、ほっそりして、耳羽はない。尾が短いことで、ロッキ−スズメフクロウやアカスズメフクロウと識別される。一番よく見られるのは、サグワロサボテンの生える夕暮の砂漠。昼間は、巨大なサボテンの穴をねぐらにしている。ふつうの鳴声は、下がり調子の笛のような声で、テュテュテュ、テュテュテュテュ (tu-tu-tu, tu-tu-tu-tu)。

アカスズメフクロウ    FERRUGINOUS PYGMY-OWL
小型。普通でない。錆色。ロッキ−スズメフクロウの近縁種。ふつう、河川沿いの低地の森林や、メキシコ国境ちかくのサグワロサボテンの生える砂漠に棲息する。ロッキ−スズメフクロウとは、背面が錆色で模様がないこと、側面に錆色の縞模様があること、錆色の尾にはっきりしない黒縞があることで、識別される。鳴声は、短い声の長い連続。

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■ヨタカ類 (GOATSUCKERS)(ヨタカ目ヨタカ科)は、夜行性で虫を食う。頭は扁平で大きく、嘴は小さく、口は巨大で、翼や尾に独特な白い部分がある。多くは鳴声で英名がつけられている。ふつう地上で卵(2個)を産む。

チャックウィルヨタカ  CHUCK-WILL'S-WIDOW
南西部のマツ林に普通。翼に白い部分がないことで、アメリカヨタカ類と識別される。また、ホィップア−ウィルヨタカと比較して、格段に大きく、黄褐色味が強く、鳴声が異なることで識別される。咽にある幅の狭い帯は、雌は黄褐色。囀りは、毎分25〜40回。

ホィップア−ウィルヨタカ               WHIP-POOR-WILL
普通。翼に丸みがある。森林で、地上のねぐらや巣から飛び出すことがない限り、夕暮にしか見られない。光線を当てると目が赤く輝く。平原ちかくの森林を好む。雌は、咽の帯が黄褐色で、尾に白い部分がない。囀りは、毎分50〜65回。南東アリゾナに棲息するクビワヨタカ(Buff-collared Nightjar, L8.5") は、襟の黄褐色が首の後ろまで回っていることでホィップア−ウィルヨタカと識別される。囀りは、ココココク−カシェァ (co-co-co-co-cookachea)。

プア−ウィルヨタカ             COMMON POORWILL
ホィップア−ウィルヨタカの西部種に相当する小型近縁種。雌雄ともに尾に白い部分があるが、面積が小さい。若鳥は襟が黄褐色。囀りは繰り返される。毎分30〜40回。

オオヨタカ                       COMMON PAURAQUE
南テキサスの郊外の潅木密生地に棲息する大型種。翼と尾に白い部分がある。鳴声は、毎分10〜12回。

アメリカヨタカ                    COMMON NIGHTHAWK
本種と下記の2種は、上記のヨタカ類と異なり、翼が長く尖っていて、尾がやや二股に分かれている。翼に白い部分がある。暗くなる前に活動的になり、木のてっぺんや家の上空を飛ぶ。大枝には縦に、電線には斜めに止まる。市街地では平坦な屋根の建物の上に営巣する。求愛動作で急降下する際に翼から生じるうなり音は、独特で音楽的。鳴声は、ヤマシギのようなピ−ンッ(peent) で、鼻にかかっている。毎分25〜35回。

アンチルヨタカ                 ANTILLEAN NIGHTHAWK
フロリダキ−ズで繁殖する。ピッティピッ(pit-a-pit) という鳴声で、識別される。

コアメリカヨタカ                  LESSER NIGHTHAWK
アメリカヨタカと比較して、小さく茶色っぽく、翼の白い部分の位置が異なり、飛翔が非常に低く、鳴声が低い震え声であることで識別される。夏の終わりの若鳥は黄褐色。

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■アマツバメ(SWIFTS)(アマツバメ目アマツバメ科)は、ヨタカのように飛んでいる虫しか殆ど食わない。飛びながら大きな嘴で虫を採る。大雨のとき以外は一日中飛び回っている。高速飛翔に適した細く長い翼はこわばっており、やや湾曲している。いっしょに見られることが多いツバメ類とは対照的に、左右の翼を交互にうちつけるように見える。雌雄は類似。断崖の上や煙突や中空の木々に営巣する。白い卵を3〜6個産む(クロムジアマツバメは1個)。

クロムジアマツバメ  BLACK SWIFT
普通でない。下面は一様に黒く、尾はやや二股に分かれている。いっしょに見られることがあるノドジロハリオアマツバメより明らかに大きい。類似するムラサキツバメ(220ペ−ジ)の雄の成鳥は、翼が幅広く、翼角のところで曲がっている。本種の翼角は体に非常に近づいているため、翼角の曲りの角度は殆ど見えない。高地や海岸の断崖の営巣地から何マイルも飛び回る。ノドジロハリオアマツバメやエントツツバメと異なり、巣から離れたところでは鳴かない。

エントツツバメ                     CHIMNEY SWIFT
ミズ−リ川とやミシシッピ川の東で見られるアマツバメは、ふつう、本種のみ。普通種で体は暗色。通常、群れをつくってひらひら飛ぶ。尾は、こわばっていて、やや丸みがあり、二股に分かれたり扇形になることはない。垂直な壁を登るとき尾を支える針は、野外では見えない。通常、うるさく喋るようなチュッチュッというような声によって、上空にいても本種だと識別できる。渡りの間は何百羽もの鳥が高い煙突をねぐらにし、夕暮に、大きな漏斗のような形をつくりながら入ってゆく。鳴声は短く速いチュッチュッというような声。

ノドジロハリオアマツバメ               VAUX'S SWIFT
ロッキ−山脈の西のエントツツバメに該当する。典型的な体形によってツバメ類と、また、やや丸みがある尾と一様に淡色の下面によってムナジロアマツバメと、それぞれ識別される。酷似するエントツツバメと比較すると、小さく、茶色っぽく、下面が淡色。木々が密生した森林にある中空の木々に営巣する。煙突には稀。声は、エントツツバメに似る。

ムナジロアマツバメ                WHITE-THROATED SWIFT
普通。はっきりした白黒模様のアマツバメは北米では本種のみ。棲息域が重なるスミレミドリツバメ(220ペ−ジ)と最も間違えやすい。スミレミドリツバメも脇腹に白い部分があり、これが上からでも下からでも見える。しかし、スミレミドリツバメは下面全体が白い。本種は、断崖や峡谷の近くで見られる。鳴声は、ぺちゃくちゃ喋るような高く鋭い声。

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●ハチドリ類(HUMMINGBIRDS)(アマツバメ目ハチドリ科)は、北米の鳥のなかで最小。全種ともに嘴が細長く、筒状の花のなか深くに届くのに適している。羽撃が超高速なのでブンブンというような音がする。全種ともに停空飛翔しながら餌を採り、後ろに飛ぶこともできる。咽の羽は、光が当たらないと輝くような虹色を反射せずに、黒く見える。若鳥は雌に似る。種類によっては識別が難しい。全種ともに勇敢で好戦的。雄の求愛動作は振り子のように往復する飛翔。このとき、種類によっては模様が目立つ。渡りは昼間で、低空を飛ぶ。白く小さな卵は2個。

ノドアカハチドリ   RUBY-THROATED HUMMINGBIRD
普通種。グレイトプレ−ンズの東に棲息するハチドリは、アカフトオハチドリ(188ペ−ジ)を除き、本種のみ。アカフトオハチドリは、晩秋から冬にかけてメキシコ湾岸域と南部の大西洋岸の地域で稀に見られるにすぎない。雄の成鳥だけが咽が輝くように赤い。飛翔中のきしむようなチュッチュッという速い鳴声と翼のうなり音で、分かることが多い。庭園や森の筒状の花のちかくで見られる。

フトオハチドリ             BROAD-TAILED HUMMINGBIRD
ロッキ−山脈で繁殖する普通種。成鳥の雄は、高く鋭い金属的な笛のような羽撃音が独特なので、ノドアカハチドリと即座に識別される。一年目の雄は笛のような音をださないので、丸みのある幅広い尾とばら色の咽を手がかりにするとよい。頭頂と尾が緑色で、咽が一様に赤いハチドリは、西部では本種のみ。雌は他の数種類のハチドリに類似。ヒメハチドリは格段に小さく、翼が尾を越えてのびる。ノドアカハチドリやアレンハチドリ(188ペ−ジ)との識別は危険である。

ヒメハチドリ               CALLIOPE HUMMINGBIRD
北米のハチドリ中で最小。西部の山地に棲息するが、普通でない。白地の咽に羽が筋模様に生えたハチドリは、本種の雄のみ。咽の赤い羽は膨らませることができる。雌は、フトオハチドリより格段に小さく、ノドアカハチドリやアレンハチドリ(188ペ−ジ)に比べて、小さく、ほっそりして、尾が短く、側面や尾の赤褐色味が弱い。

アンナハチドリ                   ANNA'S HUMMINGBIRD
シエラネバダ山脈の西に棲息する普通種。額と咽は赤。雌は、緑色の尾の先端に幅広い白い部分があり、咽にはふつう赤い羽が少しある。雌は、ノドグロハチドリ(188ペ−ジ)に比べて、大きく、ずんぐりしていて、胸が灰色っぽい。また、コスタハチドリ(188ペ−ジ)に比べて、大きく、下面の暗色味が強い。止まりながら囀るのは、カリフォルニアに棲息するハチドリでは本種のみ。

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ノドグロハチドリ               BLACK-CHINNED HUMMINGBIRD
西部の山地に普通。北米のハチドリのなかで咽が実際に黒いのは本種のみ。他種の咽は、光が弱いときに黒く見えることがあるに過ぎない。紫の帯の下の白が本種の識別を確実にする。しばしばヒタキのようにして虫を採る。雌は側面と尾に赤褐色がないが、これでコスタハチドリと識別するのは危険である。カリフォルニアや南アリゾナにだけ棲息するアンナハチドリ(187ペ−ジ)の雌は、本種より大きく丸々としている。鳴声は不明瞭なスィウ (thew) 。

コスタハチドリ                COSTA'S HUMMINGBIRD
南西部の砂漠に普通。雄は、帽子と咽の紫色で間違えようがない。紫の咽の側面には長い羽がある。雌はノドグロハチドリと完全には識別できない。アンナハチドリ(187ペ−ジ)の雌は、本種に比べて、下面がやや暗色で大きい。また、咽に小さな赤い斑点があることが多い。本種の棲息域でふつうに見られるヒメハチドリや多種の幼鳥は、尾の基部や側面が赤褐色。鳴声はカチカチいうような声で、速い。

アカフトオハチドリ              RUFOUS HUMMINGBIRD
西部の渡り鳥で数が多い。オレゴン州西部、ワシントン州、カナダ西部で繁殖する普通種。雄の成鳥は、背面が赤褐色で間違えようがない。雌と幼鳥は、アレンハチドリ、本種より大きいフトオハチドリ、本種より小さいヒメハチドリに類似する。ただし、ヒメハチドリの場合、翼は折りたたむと尾をこえる。また、アレンハチドリの雌は、至近距離で見た場合、尾の外側の羽の幅が狭い。これだけが、本種との識別点。ふつうの飛翔では、雄のうなり音は小さいが、雌の前の数インチのところを素早く飛び込む空中での求愛動作のときは、ヒュ−ヒュ−と大きな音をだす。

アレンハチドリ               ALLEN'S HUMMINGBIRD
カリフォルニアの海岸域でのみ普通。咽が赤く、尾が一様な赤褐色で、帽子と背面が緑色なのは、北米のハチドリの中で本種のみ。雌と幼鳥は、アカフトオハチドリに酷似するので、アカフトオハチドリがいなくなる繁殖期にしか識別できない。この2種は、鳴声さえも同じで、鋭いブズィ− (bzee) 。雄の求愛飛翔は、振り子運動(弧の長さは25フィ−ト)のあとに、約100フィ−ト上空からの飛び込み動作が続く。

キュ−バヒメエメラルドハチドリ          CUBAN HUMMINGBIRD
フロリダの東海岸やキ−ズに、季節を問わず、偶然現われることがある。雄は、輝くような緑色の下面と二股に分かれた黒い尾で、また、雌は、二股に分かれた尾とくすんだ色の下面で識別される。

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●南西部のハチドリ (SOUTHWEST HUMMINGBIRDS) は、合衆国とメキシコとの国境ちかくで夏に見られる種類を含んでいる。合衆国で繁殖する種類には地図をつけた。赤またはオレンジ色の輝くような嘴で、先端が黒いのが4種類いる。

アカヒゲハチドリ       LUCIFER HUMMINGBIRD
咽が紫色で頭頂が緑色のハチドリは、本種の雄のみ。尾は二股に深く分かれている。黄褐色の咽で嘴が曲がったハチドリは、本種の雌のみ。テキサス州、チソス山地や、南西アリゾナで極く稀に繁殖することがある。

アオノドハチドリ           MAGNIFICENT HUMMINGBIRD
雄は、咽が緑色、頭頂が青紫で、体が大きいこと、また、雌は、嘴が暗色で、尾の縁の狭い部分が灰色っぽく、体が大きいことで、識別される。南東アリゾナ山地からテキサス州チソス山地にかけて繁殖する。

ルリノドシロメジリハチドリ        BLUE-THROATED HUMMINGBIRD
体が大きいこと、黒い尾が長く、先端にとても幅広い白い部分があること、顔に白い2本線があることで識別される。至近距離では、雄の青い咽が目立つ。

スミレハチドリ            VIOLET-CROWNED HUMMINGBIRD
頭頂が紫色で、咽が白いハチドリは、北米では本種のみ。雌と幼鳥は、頭頂が明緑色。アリゾナ州のグァダル−プ峡谷やチリカウア山地で繁殖する。フアチュカスでも記録がある。

アカハシエメラルドハチドリ   BUFF-BELLIED HUMMINGBIRD
嘴がオレンジ色、咽が緑色で、体が大きいことで、他のテキサスのハチドリと識別される。雌雄は類似。リオグランデ渓谷低域の森の周辺や茂みで繁殖し、少数が越冬する。

アカハシハチドリ           BROAD-BILLED HUMMINGBIRD
雄は、暗色の体、オレンジ色の長い嘴、二股に分かれた尾で、また、雌は、オレンジ色の長い嘴と煤けたような下面で、それぞれ識別される。酷似するミミジロサファイアハチドリは、胸が本種よりやや淡色。南中央アリゾナおよび南西ニュ−メキシコから南で繁殖する。西テキサスでは稀に繁殖する。

ミミジロサファイアハチドリ       WHITE-EARED HUMMINGBIRD
耳のような長い縞がある小型ハチドリは本種のみ。雄はアカハシハチドリのように全身が暗色に見えることがあるが、尾の先が四角い。脇腹が緑色で、雌の咽には斑点があることに注目。夏場、南東アリゾナの山地に偶然現われることがある。

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■キヌバネドリ類 (TROGONS)(キヌバネドリ目キヌバネドリ科)は、尾が長く、嘴は短く、果実を食う。合衆国の南西端に2種類いる。1種類は決まって繁殖し、もう1種類は、たまたまやってくることがある。止まったまま動かない習性なので、鮮やかな配色にもかかわらず見つけにくい。止まる姿勢は垂直で、尾をまっすぐ下に垂らす。木の穴に営巣する。卵は2〜4個。

ウツクシキヌバネドリ   ELEGANT TROGON
夏場、南東アリゾナの山地に棲息するが、稀。テキサス州リオグランデ渓谷の低地には偶然現われることがある。どの羽毛でも虹色の雄は、長い尾は先端が角ばっていて黒い帯があり、嘴は黄色く、腹はばら色で、間違えようがない。鳴声は、2〜4回の低いガ−ガ−声。アリゾナ州チリカウア山地にたまたまやってくることがあるミミキヌバネドリ (Eared Trogon, L11") は、嘴が黒く、白い尾の裏には縞がなく、胸に白帯がない。

■カワセミ類 (KINGFISHERS)(ブッポウソウ目カワセミ科)は、頭が大きく、尾が短い。飛び込んで、長く鋭い嘴で魚を採る。水の上の開けた場所に止まり、じっとしている。脚はとても短い。切り立った土手の深い穴に白い卵を、ふつう3〜8個産む。

クビワヤマセミ     RINGED KINGFISHER
テキサス州リオグランデ川の、特にファルコンダムより下流に一年中棲息するが、稀。アメリカヤマセミより格段に大きく、どの羽毛でも腹が鮮やかな錆色であることで識別される。雌は、錆色の胸から白い輪によって区分された幅広い青帯が首にある。雌雄ともに毛むくじゃらの冠羽がある。鳴声は、耳ざわりなキ−レッ (keerek) 、およびアメリカヤマセミよりやかましいガラガラ声。

アメリカヤマセミ           BELTED KINGFISHER
北米で最も普通のカワセミ。テキサスやアリゾナから北では本種のみ。池や小川沿いに単独あるいは番で見られる。頭から水に飛び込む小鳥は、アジサシ類を除けば、カワセミ類のみ。飛翔時は、羽撃が深く不規則的なこと、頭が大きく見えること、ガラガラ声が大きいことで識別される。飛び込む前に停空飛翔をすることが多い。

ミドリヤマセミ          GREEN KINGFISHER
南東アリゾナやリオグランデ渓谷低域に稀。小型で、背面が緑色で、冠羽が無いことで、他のカワセミ類とは即座に識別される。ガラガラ声は、アメリカヤマセミと比べて、高く、さほど耳ざわりでない。胸帯は、雌が緑色っぽく、雄が錆色。
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