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■キツツキ類 (WOODPECKERS)(キツツキ目キツツキ科)は、強く鋭く尖っている嘴で、木の幹や枝を削って穴を開け、木に穴を開ける虫を食う。堅い尾を、つっかい棒に使う。殆どの種は、共鳴する大枝、柱、あるいは排水管をたたく、いわゆる「ドラミング」をする。ふつう、飛翔は波状で、何回か羽撃いては翼を体につける。大枝や幹の奥深くまで削って作った穴に営巣する。白い卵を4〜8個産む。
ハシボソキツツキ COMMON FLICKER
大木が近くにある開けた郊外で、普通。大きさはカケスほどで、背面が茶色。翼に白い部分はない。胸が三日月形に黒い。飛翔時は、腰の白と、翼と尾の下が黄色かサ−モンピンクであることに注目。地上で、蟻を食べているところやディスプレ−を、しばしば目にする。鳴声は、やかましいフリッ(flick) またはフリッカァ(flicker) で、一連の鳴声を、毎分2〜7回、繰り返す。下がり調子で、鋭く、キィ−ウ− (kee-oo) とも鳴く。
体色で、3集団(かつては別種と考えられていた)が、野外で区別される。北部や東部の羽軸が黄色い亜種(黄羽軸亜種)は、赤い襟首、灰色の帽子、黒い口髭(雌の成鳥だけは無い)、および翼と尾の下面が金色であることで、識別される。西部の殆どの地域に棲息する羽軸が赤い亜種(赤羽軸亜種)は、茶色の頭、灰色の顔、赤い口髭で、翼と尾の裏あてがサ−モンピンクであることで、識別される。ただし、南西部の金色亜種も赤い口髭である。金色亜種は、黄羽軸亜種のように翼と尾の裏あてが金色だが、棲息域は重ならない。赤羽軸亜種は、黄羽軸亜種や金色亜種と混血をつくる。混血は、中間的な体色になる。
エボシクマゲラ PILEATED WOODPECKER
普通でない。警戒心が強く、広大な落葉樹林や雑木林に棲息する。背面が一様に黒く、これによって、カラスと一部のタカを除く他の大型の鳥と識別される。どの羽毛でも、冠羽が良く目立つ。不規則的な羽撃で力強く飛ぶ。ドラミングは、特徴的で、やかましく、ゆっくりしており、穏やかな音で終わる。一連の鳴声で、一声のことはない。
ハシジロキツツキ IVORY-BILLED WOODPECKER
絶滅寸前。最後の報告地は、テキサス、ルイジアナ中部、北西フロリダ、および南カリフォルニアの深い森林。飛翔時も折畳んだときも目立つ翼の大きな白い部分、および白い嘴が、識別点。冠羽は雄が赤、雌が黒。鳴声は、高音の一声。
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●シマアカゲラ類(LADDER-BACKED WOODPECKERS) は、中型と小型に二分される。中型は、腰が明色、襟首は色付いているか、もしくは淡色で、飛翔時は翼に白い部分が現われる。小型は、腰が暗色、襟首は黒で、側面に斑点がある。全て渡りをしない。若鳥は成鳥に似るが、本ペ−ジの最初の3種では、若鳥の頭は茶色っぽい。
シマセゲラ RED-BELLIED WOODPECKER
南東部の森林地に普通。大きさと鳴声はズアカキツツキ(198ペ−ジ)に似るが、背面が梯子模様で、帽子と首の後ろ(頭でない)が赤いことに注目。幼鳥は頭が茶色。ダイオウマツの林にホオジロシマアカゲラと共に現われることがある。鳴声は低く、短く、しわがれている。ガラガラ声もだす。
キバナシマセゲラ GOLDEN-FRONTED WOODPECKER
落葉樹林に普通。首の後ろの金色(幼鳥は、くすんでいる)、成鳥の嘴の上の黄色に注目。声はシマセゲラに類似。
サバクシマセゲラ GILA WOODPECKER
巨大サボテンの周辺で普通。雄だけが赤い帽子であることに注目。シマセゲラ同様、翼に白い部分があるが、この特徴は、本種の棲息域にいるシマアカゲラ類のなかで本種だけ。これによって識別される。シルスイキツツキの幼鳥(198ペ−ジ)に類似。
シマアカゲラ LADDER-BACKED WOODPECKER
落葉樹林やメスキ−トの林で、かなり普通だが、サボテンの周辺では、あまり普通でない。頭の側面の白黒に注目。腰が暗色であること、側面に細かい斑点があること、飛翔時に翼に白い部分を欠くことで、サバクシマセゲラやキバナシマゲラと識別される。しわがれたセジロコゲラのような鳴声。
ホオジロシマアカゲラ RED-COCKADED WOODPECKER
稀で、棲息域はダイオウマツ林に限られる。襟首と帽子が一様に黒いことで、シマセゲラと識別される。また、背面の梯子模様と、頬の大きな白い部分によって、セジロアカゲラやセジロコゲラ(200ペ−ジ)と識別される。松脂がしみだしていることで、マツの幹に作られた巣穴が分かる。
シロハラシマアカゲラ NUTTALL'S WOODPECKER
普通。特に、シエラネバダ山脈の西部の威勢の良いオ−ク林や薮に普通。シマアカゲラより顔が黒い。ズグロシルスイキツツキ(198ペ−ジ)、セジロコゲラ、およびセジロアカゲラ(200ペ−ジ)の項も参照。鳴声はシマアカゲラに似るが、素早く重複したパティ−ッ(pa-teek) を突然、発する。
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ズアカキツツキ RED-HEADED WOODPECKER
棲息域の多くで、普通でない。開けた落葉樹林を好む。成鳥は、全体が赤。他の種類と異なり、翼に大きな白い部分がある。類似のムネアカシルスイキツツキ(下記)は、翼の白帯の幅が狭い。しばしば、開けた場所に止まる。鳴声は、クゥル−ッ(kwrrk) というしわがれ声。
ドングリキツツキ ACORN WOODPECKER
普通。特に、オ−ク林に普通で、群れをつくる。顎が黒く、腰が白く、また、翼の白い部分が小さいが目立つことで、シルスイキツツキ類以外の他の全ての暗色背面のキツツキと、識別される。鳴声は、一連のしわがれた笑い声。
ルイスキツツキ LEWIS' WOODPECKER
地域によっては、開けた郊外の大木の周辺に普通。赤い顔、淡色の首輪と下面が、他の部分の暗緑色の羽毛と対照的。腰は黒。ゆっくりした飛翔は、規則的で、カラスのように羽撃く。群れをつくる。飛んでいる虫を採る。鳴声は、柔らかく短い。
シロガシラキツツキ WHITE-HEADED WOODPECKER
地域によっては、マツやモミの木の周辺に普通。頭が白いキツツキは本種のみ。止まっているときや、飛んでいるときに見られる翼の白い部分にも注目。横向きや上下逆向きに木に止まることもある。しわがれた鳴声で、しばしば重複する。
キバラシルスイキツツキ YELLOW-BELLIED WOODPECKER
林や果樹園に普通だが、静かで、目立たないので、見逃しやすい。翼の狭い縦縞や背の細かい斑点が識別点。シルスイキツツキの仲間は特徴あるリズムで木をトントン叩く(一連の叩きを毎分2〜3回)が、ドラミングはしない。生きた木に、小さな穴の列を平行に開け、あとでそこに戻り、樹液を吸ったり小さい虫を食う。
ムネアカシルスイキツツキ RED-BREASTED WOODPECKER
胸と頭が赤いことで、他のシルスイキツツキと識別される。左図上で、カスケ−ド山脈の西が、本種の棲息域。
ズグロシルスイキツツキ WILLIAMSON'S SAPSUCKER
普通でない。夏場、高地の松林に棲息する。雌雄は全く異なる。雄は、一様に黒い頭に2本の白縞があり、胸は一様に黒い。雌は、キバラシルスイキツツキの雌に比べて、頭は一様に茶色っぽく、胸が黒っぽく、また、背面の模様がはっきりしている。
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チャバネゲラ STRICKLAND'S WOODPECKER
高度4500〜7000フィ−トのマツとオ−クの斜面に限定された棲息域ではかなり普通。暗色の腰、縞がない背面、および白い顔は、他の全ての背面が茶色いキツツキにない特徴である。雌は、首の後ろの赤がない。鳴声は、ビ−ッ(beep)で、セジロアカゲラに似るが、長く、やかましい。
セジロアカゲラ HAIRY WOODPECKER
かなり普通。特に樹齢の長い木が生い茂った落葉樹林や雑木林に多い。中型で、背面に白い垂直縞があり、嘴が長いことで、識別される。雌雄は類似するが、雌は、後頭部に赤い部分がない。セジロコゲラやセグロミユビゲラと見間違えやすいが、本種に比べセジロコゲラは、小型で、嘴はずっと小さい。また、セグロミユビゲラは、側面に縞があり、白い眉線がずっと細い。鳴声は、やかましいピ−ッ (peek) 。カワセミのようなやかましいガラガラ声もだす。
セジロコゲラ DOWNY WOODPECKER
東部で最も普通のキツツキ。西部の各地でも普通。低木の茂み、果樹園、日陰づくり用樹木、あるいは林で見られる。小型のセジロアカゲラのように見えるが、比較すると本種は、嘴が短く細いこと、鳴声が異なることで、識別される。見えれば、尾羽の外側に縞があることで識別できる(セジロアカゲラのように縞がないことは滅多にない)。シルスイキツツキと間違える可能性があるが、シルスイキツツキは、白い縞が翼にはあるが、背面にはない。鳴声はピッ(pik) で、セジロコゲラより柔らかい。ガラガラ声は、終わりになるにしたがって低音になる。
セグロミユビゲラ BLACK-BACKED WOODPECKER
枯れた針葉樹林を好むが、そのような棲息域にでさえ普通でない。枯れた針葉樹の樹皮を剥がす。側面に縞模様があり、背面が黒いことに注目。東部で背面が一様に黒いのは、本種と、もっとずっと大きいエボシクマゲラ(194ペ−ジ)のみ。西部で背面と腰が黒いのは、ルイスキツツキとシロガシラキツツキ(198ペ−ジ)のみ。雄だけ、頭頂が黄色い。鋭くピッ(pik) と鳴く。
ミユビゲラ THREE-TOED WOODPECKER
西部の針葉樹林で地域によっては普通。東部では稀。翼、腰、尾が黒く、側面と背面に縞模様があり、帽子が黄色いことに注目。頭頂部が黄色いのは、本種とセグロミユビゲラのみ(セジロアカゲラも、非常に稀だが、そうなることがある)。雌は、側面が縞模様で、頭頂部に色が異なる部分はない。鳴声は上記の仲間に似る。
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■木に止まる鳥(PERCHING BIRDS)(スズメ目)は、中型から小型の陸鳥。全種とも足は、前指が3本、長い後ろ指が1本で、木に止まるのに適している。殆どが囀りが美しい。科を識別する決め手は、嘴の形と体色と習性である。殆どは虫を食うが、果実や種子を食うものもいる。渡り鳥が多い。
1・ヒタキ類(FLYCATCHERS) は口が幅広く扁平。体色は殆どが、オリ−ブ色か灰色。嘴で音をたてて飛んでいる虫にパクッと飛びつく。(204ペ−ジ)
2・ヒバリ類(LARKS) は歩く。ふつう、開けた大平原で群れ、林には決していない。(218ペ−ジ)
3・ツバメ類 (SWALLOWS) は翼が長く尖っている。尾はV字形、あるいは二股に分かれていることが多い。飛びながら虫を採り、殆どはコロニ−で営巣する。(218ペ−ジ)
4・カケス類とカラス類 (JAYS AND CROWS) は、大型で、雑食性のうるさい鳥。殆どは、青または緑(カケスとカササギ)、または黒(カラス)。群れをつくる。(222ペ−ジ)
5・カラ類とエボシガラ類 (CHICKADEES AND TITMICE) は、人なつっこい小鳥で、尾が長い。殆どは、灰色と白と黒。嘴は、太く短い。小さな群れをつくる。(228ペ−ジ)
6・ミソサザイモドキ類 (WRENTITS) は、焦茶色で尾が長く、密生した茂みに棲息する。西海岸のみ。(232ペ−ジ)
7・コウラウン類(BULBULS) は、尾が長く、冠羽がある。(232ペ−ジ)
8・カワガラス類(DIPPERS) は、丸々とした灰色の鳥で、西部山地の小川に棲息する。尾は短い。(232ペ−ジ)
9・ゴジュウカラ類 (NUTHATCHES) は、嘴がほっそりして、尾が短い。木の幹や枝を這う。小さな群れをつくることが多い。(234ペ−ジ)
10・キバシリ類 (CREEPERS) は、木の幹を這い上がり、次に、もう一本の木の根元まで飛ぶ。尾を支えに使う。(234ペ−ジ)
11・ミソサザイ類(WRENS) は、茶色で、ふつう群れない。嘴は細く、細かい縞がある尾をピンと上に立てる。囀りは、大きく、小言を言うようなガラガラ声もだす。(236ペ−ジ)
12・マネシツグミ類とツグミモドキ類 (MOCKINGBIRDS AND THRASHERS) は、尾が長く、潅木密生地を好む。茶色または灰色。囀りは、大きく、繰り返しが多い。(240ペ−ジ)
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13・ツグミ類 (THRUSHES) は、中型。典型的な外観は、茶色い体色と胸の斑点。嘴の形はコマツグミに似る。ミミズや果実を食う。囀りが美しい。(244ペ−ジ)
14・ブユムシクイ類とキクイタダキ類(GNATCATCHERS AND KINGLETS) は、非常に活動的で、とても小さい。灰色またはオリ−ブ色で、目の周りに輪があるか、目の上に線がある。体に筋模様はない。(252ペ−ジ)
15・タヒバリ類 (PIPITS) は歩く。ヒメドリ類に似るが、嘴が細い。大平原に群れる。(256ペ−ジ)
16・レンジャク類 (WAXWINGS) は冠羽があり、尾の先端が黄色く縁取られている。群れをつくる。(258ペ−ジ)
17・レンジャクモドキ類 (PHAINOPEPLAS) は、黒または暗灰色で、体はほっそりしていて、冠羽がある。南西部の砂漠に棲息する。(258ペ−ジ)
18・モズ類(SHRIKES) は、鋭く曲がった太い嘴。顔は黒く、黒い翼に白い部分がある。(260ペ−ジ)
19・ホシムクドリ類(STARLINGS) は、ムクドリモドキ類の尾を短くしたように見える。うるさい鳥で、大群をつくる。(260ペ−ジ)
20・モズモドキ類 (VIREOS) は、落葉性の木々や潅木の葉から、先が少し曲がった嘴を使って虫を拾い集める。背面はオリ−ブ色で模様がない。(262ペ−ジ)
21・ムシクイ類 (WARBLERS) は、森林や潅木密生地に棲息し、非常に活動的で、虫を食う。殆どは鮮やかな色をしている。嘴は細い。尾に白斑点、翼に白縞があるものが多い。(268ペ−ジ)
22・旧世界のスズメ類 (OLD WORLD SPARROWS) は、北米では輸入種2種に代表される。(296ペ−ジ)
23・ムクドリモドキ類 (BLACKBIRDS AND ORIOLES) は、コマツグミ大の広範囲にわたる科を意味し、体色が黒いものと、鮮やかなオレンジ色または黄色のものがいる。(296ペ−ジ)
24・フウキンチョウ類 (TANAGERS) は、コマツグミ大の鮮やかな色の鳥で、樹上で生活する。嘴は太く、虫や果実を食う。体に筋模様はない。殆どは翼に縞がない。(306ペ−ジ)
25・イカル類、ヒワ類、およびヒメドリ類 (GROSBEAKS, FINCHES, AND
SPARROWS) は、円錐形の太い嘴で、種子を砕く。殆どは、茶色、赤、黄、または青で、オリ−ブ色のものも少ないがいる。(308ペ−ジ)