252
●ブユムシクイ類とキクイタダキ類 (GNATCATCHERS AND KINGLETS)(ヒタキ科ウグイス亜科)は、旧世界のムシクイ類やヒタキ類が属する大きな科の一部に相当する。嘴は冴えない色で、細く小さい。活動的で虫を食う。若鳥に斑点はなく、斑点のついた卵を4〜8個産む。
ブユムシクイ BLUE-GRAY GNATCATCHER
湿気のある森の木のてっぺん近くに普通。黒っぽい青の体色、目の周りの輪、ハエを採る習性、および長い尾を横に振ることで識別される。ハエを採る小型の鳥で、尾が長く暗色で縁が白いのは、本種以外では、南西部に棲息する次の2種とカタジロアメリカムシクイ(292ペ−ジ)のみ。地衣類で覆われた巣は、葉が現われる前には簡単に見つかる。モズモドキ類に似た柔らかい声の囀りより、鼻にかかっている高い鳴声(毎分65〜85回)を発することが多い。
ズグロブユムシクイ BLACK-CAPPED GNATCATCHER
南アリゾナ(ソノイタクリ−ク)で局地的に繁殖するが、稀。春と夏の雄の成鳥は、帽子が黒く、目の周りのに輪がない。冬の雄は、帽子が青っぽく、目の周りに輪が一部あらわれる。雌はこれといった特徴がないが、帽子は青っぽく、目の周りに輪はなく、目先は暗色。
オグロブユムシクイ BLACK-TAILED GNATCATCHER
砂漠の潅木林、間欠川の乾いた河床、あるいは渓谷に普通。春と夏の雄は、帽子が黒いので簡単に識別される。雌と若鳥と冬の雄は、尾の下側に黒い部分が多いことと鳴声で識別される。
アメリカキクイタダキ GOLDEN-CROWNED KINGLET
普通。針葉樹を好む。頭に鮮やかな縞があることで、森林に棲息する他の小鳥と識別される。雌は頭頂が黄色。囀りは、4〜8声の高い声のあとにカラ類のような下がり調子の速い声が続く。毎分4〜8回。ふつうの鳴声は、3〜5声で、キバシリのような非常に高い声。
ルビ−キクイタダキ RUBY-CROWNED KINGLET
普通。目の周りに輪があることで、アメリカキクイタダキと識別される。また、小型で、尾が短く、翼をさっと動かすキクイタダキ特有の習性があることで、モズモドキ類や秋のムシクイ類と識別される。雄の頭頂のルビ−色は隠れていることがある。しばしば、一瞬の間の停空飛翔をする。針葉樹を好む。短く低い鳴声は、がみがみいうような2声。囀りは、始めと終わりが高く弱々しいが、中間は上がり調子の大きな3連音。
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メボソムシクイ ARCTIC WARBLER
旧世界のムシクイで、体は淡褐色。アラスカで繁殖し、アジアで越冬する。大きさ、動作共にアメリカムシクイ類に似る。マミジロアメリカムシクイ(274ペ−ジ)のように見える。淡色の眉線が目立ち、翼の縞は一本であることに注目。雌雄は類似。囀りは、高く短い震え声。
●旧世界のヒタキ類 (OLD WORLD FLYCATCHERS)(ヒタキ科サメビタキ亜科)は、小型で、嘴は細く、脚は短い。開けた所に垂直に止まり、飛んでいる虫におそいかかる。青または斑点模様の卵を4〜9個産む。
エゾビタキ GRAY-SPOTTED FLYCATCHER
春に西アラスカにさまよって飛来することがある。目の周りの白い輪が目立ち、翼にはっきりしない縞が一本あり、白い下面に暗灰色のはっきりした筋模様があり、尾が暗色で模様がないことに注目。
●セキレイ類とタヒバリ類 (WAGTAILS AND PIPITS)(セキレイ科)は、ヒメドリ大で、虫を食う。嘴は細くムシクイのようで、暗色の尾の外側の羽は白い。独特な鳴声。地上で餌を採り、ゆうゆうと歩き、尾を常に上下に動かす。跳ねることはない。地上の巣に4〜7個の卵を産む。
ハクセキレイ WHITE WAGTAIL
西アラスカやグリ−ンランドの海岸で繁殖するが、稀。アジアやアフリカで越冬する。成鳥は、よだれかけと帽子と中心の尾羽が黒く、顔と翼の一部と外側の尾羽が白いことで識別される。幼鳥は、首飾りが黒く、胸と腹が白い。歩くときハトのように頭を前後に動かす。鳴声は、ツチズィーッ (tschizzik)。セグロハクセキレイ(Black-backed Wagtail, L6") は、偶然、アジアからアリューシャン列島に飛来することがある。
キセキレイ GRAY WAGTAIL
春、西アラスカにさまよって飛来することがある。とても長い尾と、灰色の背面に注目。雄の咽は冬は白い。幼鳥は、背面が灰色であることでツメナガセキレイの幼鳥と識別される。また、腰と下尾筒が黄色いことでハクセキレイと識別される。スティッティッ(stit-it) という鳴声は、類似するハクセキレイより高く短い。
ツメナガセキレイ YELLOW WAGTAIL
地域によっては普通。極地のヤナギの茂みやツンドラで営巣する。成鳥は、長い尾の外側の羽が白く、眉線が白く、背面が緑っぽく、下面が鮮烈な黄色であることで、極地の地上歩きの他の鳥と識別される。幼鳥は下面が黄褐色。セキレイ類は全て、波状の飛翔。鳴声は、ツウィ−ッ (tsweep) 。
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ヨ−ロッパビンズイ BROWN TREE-PIPIT
偶然、西アラスカに飛来することがある。ユ−ラシアの開けた森林で繁殖し、アフリカからインドにかけて越冬する。筋模様のない腰、ピンク色の脚、薄黄色がかった胸、および湾曲した短い後爪が識別点。鳴声、あらけずりのティ−ズィ−(teezee)。
ビンズイ OLIVE TREE-PIPIT
春、南シベリアから西アラスカやネバダに偶然飛来することがある。粗い斑点の胸、黄褐色の幅広い眉線、筋模様のない腰、非常に細かい筋模様の背面、およびピンク色がかった茶色い脚で識別される。鳴声は、ツィ−ッ (tseep)。
セジロタヒバリ PECHORA PIPIT
春、シベリアから西アラスカに偶然飛来することがある。暗色の背面を下る一対の淡色縞、襟首と腹に密集した筋模様、黄褐色の外側の尾羽、茶色っぽい鮮色の脚、および長い後爪で識別される。鳴声は、プウィッ (pwit) を3回。
マキバタヒバリ MEADOW PIPIT
東グリ−ンランドのツンドラで繁殖し、旧世界で越冬する。上記のタヒバリ類より胸が白く、腰は背面より筋模様が少ない。脚は茶色。鳴声は、細くてかんだかいズィーッ (zeep) 。
ムネアカタヒバリ RED-THROATED PIPIT
ベーリング海峡に面した海岸山地のツンドラで繁殖するが、普通でない。夏の雄は咽がバラ色。雌の咽は雄よりくすんでいる。背面と腰に密集した筋模様、白地と対照的な胸に密集した筋模様、および麦色の脚で、冬場は識別される。鳴声は、細くてかんだかいツズィ−ズ (tzeez)。
タヒバリ WATER PIPIT
普通種。渡りの時期には群れをつくる。冬場は海岸域の泥の上や農耕地で見られる。ツンドラや高山の草地で営巣する。白く縁取られた尾を上下に素早く動かす。嘴が細いことでヒメドリ類やツメナガホオジロ類と識別される。また、背面に筋模様がなく、脚が暗色で、声が異なることでヤブタヒバリと識別される。木や杭に止まることは稀。鳴声は、ピピッ (pippit) で、しばしば飛びながら鳴く。
ヤブタヒバリ SPRAGUE'S PIPIT
タヒバリとは異なり、背の高い草の中に隠れている。飛び立つと200〜300フィ−トを飛んで、密生した草のなかに落ちる。背面の筋模様と鮮色の脚で、タヒバリと識別される。北方の平原で営巣し、そこで空高く飛びながらシュ−という気味の悪い声で囀る。毎分5〜6回。独特な鳴声は、きしむような鋭い単音節。
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●レンジャク類(WAXWINGS)(レンジャク科)は、群れをつくる。冠羽があり、顔は黒く、尾の先は黄色い。成鳥の翼の先には蝋のような赤い点があり、これが英名(ワックスウィング)の由来である。果実やベリ−を食うが、ヒタキのように虫も採る。飛翔時のシルエットや群れの形はホシムクドリ(260ペ−ジ)に似る。夏の終わりに斑点の卵を、浅い大きな巣で3〜5個産む。
キレンジャク BOHEMIAN WAXWING
繁殖期以外は、多数が大群でさまよう。特に冬場の東部棲息域では、分布が不規則的。分布は餌の多さに依存するのかも知れない。黒い顔、長い冠羽、および尾先の黄色でレンジャクであることが分かる。下尾筒が赤褐色で、翼の黄色・黒・白の模様が目立つことで、キレンジャクであることが分かる。雌は雄に似る。若鳥は、下尾筒がうっすらと赤褐色であることで識別される。鳴声は、ヒメレンジャクに似るが、慣れれば識別できる。
ヒメレンジャク CEDAR WAXWING
不定期的にさまよって来るが、時々、実のなる木や潅木に小さな群れで多数やってくる。下尾筒が白く、腹が黄色く、翼には黄色と白の目立つ模様がないことで、灰色っぽいキレンジャクと識別される。雌雄は類似。若鳥は、灰色っぽく、あまり目立たないが下面に筋模様がある。営巣時期以外は、単独で見られることはめったにない。鳴声は、細くてとてもかんだかい抑揚のない声で、やや震える声をふつう伴い、これによってアメリカキバシリ(234ペ−ジ)と識別される。
●レンジャクモドキ類 (SILKY FLYCATCHERS)(レンジャクモドキ科)は、体が暗色で細く、ハエを採る。尖って長い冠羽が立っていて、尾は長い。群れをつくる。小さな群れで動き回ることが多い。斑点だらけの卵(2〜3個)を雑な浅い巣に産む。
レンジャクモドキ PHAINOPEPLA
特に小川ちかくの湿気のない潅木林に普通。一様に暗色であること、冠羽が長く立っていること、尾が長いことで識別される。飛翔時の雄は、翼の白い部分が、全身の黒と対照的であることが最高の識別点。雌と幼鳥は灰色で、翼に灰色が淡い部分がある。ふつう雄のほうが雌より数が多い。一羽あるいは小さな群れ(15〜20羽)が、ベリ−を食っているか、よく目立つ木にとまる姿勢から虫を追ってちょっと飛ぶところが見られる。飛翔はゆっくりとしていて優雅である。鳴声は、柔らかく短い笛のような声。
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●モズ類 (SHRIKES)(モズ科)は、鋭く曲がった太い嘴、黒い顔、翼の大きな白い部分が暗色の翼と対照的なこと、および虫や小鳥やげっ歯類を採って刺の木や有刺鉄線に串刺しにする習性によって識別される。開けた郊外の木のてっぺんや電線に単独で止まり、このとき尾を殆ど水平に保つ。飛翔は低く、波状。刺のある潅木や小さな木の目立たない所に大きな巣を作り、4〜6個の卵を産む。
オオモズ NORTHERN SHRIKE
ツグミ大の鳥で、普通でない。獲物は小鳥や小さな哺乳類。冬場、北部の州に不規則的に飛来するが、通常見られるのは、茶色い羽毛の幼鳥。アメリカオオモズは、8月以降は灰色。アメリカオオモズより大きく、カギ形の嘴が太く、下嘴の基部が明色で、体が淡色で、側面にはっきりしない縞があり、顔模様の前部が嘴のところまでしかないことで識別される。獲物の上空で停空飛翔したり、急に襲いかかることもある。冬場はふつう鳴かないが、高く鋭い叫び声やガラガラ声を発することもある。
アメリカオオモズ LOGGERHEAD SHRIKE
普通でない。上面が灰色で下面が白いのでマネシツグミ(240ペ−ジ)と見間違うことが多いが、マネシツグミより翼が黒く、顔模様があり、嘴が鋭く曲がっていて太く、数えきれないほど速い羽撃で波状に飛ぶことに注目。囀りは、ゆっくりと喋るような声や震え声の連続で、音楽的でないことが多い。毎分20回。
●ホシムクドリ類 (STARLINGS)(ムクドリ科)は、輸入され、北米中に広がった。暗色の体は太っていて、尾は短い。群れをつくり攻撃的。ねぐらの近くに特に多い。食性は変化に富む。巣穴に青い卵(4〜6個)を産む。
ホシムクドリ EUROPEAN STARLING
尾が短く、飛翔時はムクドリモドキ類(298ペ−ジ)より翼が茶色っぽいことで識別される。春や夏は嘴が黄色いことが識別点。冬羽は密集した斑点がある。夏の終わりから春にかけては、大きな共同ねぐらで夜を過ごす。都市の公園や郊外や農地で、しばしば、数が多い害鳥である。囀りは、きしむような声のことが多いが、色々な鳥の鳴声をまねる。
ハッカチョウ CRESTED MYNA
ブリティッシュコロンビア州、バンク−バ−に輸入された。黒い翼や体と対照的な翼の白い部分、および短い冠羽で識別される。習性や囀りはホシムクドリに似るが、本種の方がものまねが格段にうまい。
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●マミジロミツドリ類 (BANANAQUITS)(ホオジロ科マミジロミツドリ亜科)は、嘴が長く尖っており、下に湾曲していることが多い。花の蜜を吸う。尾は短い。
マミジロミツドリ BANANAQUIT
南フロリダに偶然現われることがある。人を恐れず、庭で花を求めて飛び回る。胸の帯と腰が鮮やかな黄色で、顔の模様が衝撃的で、翼と尾にきらめくような白があることで識別される。
●モズモドキ類(VIREOS)(モズモドキ科)は、模様がなく、動きが鈍い。日陰の葉や森の木々で這う虫をつまみとる。眼鏡模様(帯でつながった目を囲む輪)や翼の縞がある種類もいれば、眉線があり翼の縞がない種類もいる。嘴はムシクイ類より太く、先端でやや曲がっている。ひっきりなしに囀る。小枝のつけねから吊り下がる巣に3〜5個の卵を産む。
ズグロモズモドキ BLACK-CAPPED VIREO
中央および西部テキサスのヒマラヤスギの茂みで局地的に普通。真っ黒な頭に白い眼鏡模様がある鳥は、北米では本種しかいない。雌は、眼鏡模様、赤い目、黄褐色の体色、および翼の白っぽい縞で識別される。モズモドキとしては小さく、キクイタダキより少し大きい程度。囀りは耳ざわりだが、変化に富み、メジロモズモドキ(264ペ−ジ)を連想させる。
ハイイロモズモドキ GRAY VIREO
ビャクシンや他の湿気のない潅木林に棲息するが稀。翼に縞がある眼鏡模様のモズモドキのなかで最も淡褐色。翼の一本の縞ははっきりしない。ベルモズモドキ(264ペ−ジ)と見間違えやすいが、背面と腰が灰色で、尾がずっと長く、さらに乾いた場所に棲息する。ヒタキのように尾を神経質にけいれんさせるのは本種とベルモズモドキだけ。囀りはフタスジモズモドキのように不明瞭だが、もっと速い。
フタスジモズモドキ SOLITARY VIREO
北方の広葉樹と針葉樹の混成林に普通。大型で、頭の青灰色あるいは灰色が目立ち、眼鏡模様で、咽が白いことが識別点。ロッキ−山脈には背面が灰色の鉛色型が現われる。ハイイロモズモドキとは、棲息域が重なるところでは、翼の2本の大きな白縞あることで識別される。また、頭が灰色なことで、他のモズモドキ類(264ペ−ジ)やキクイタダキ類(252ペ−ジ)と識別される。比較的動きが鈍く人を恐れない。囀りは、ゆっくりとして不明瞭なコマツグミのような言い回しから成り、アカメモズモドキ(266ペ−ジ)の囀りを連想させるが、一つのフレ−ズは2〜3声だけであることが多い。毎分15〜30回。
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メジロモズモドキ WHITE-EYED VIREO
落葉樹が密集した湿気のある茂み、森林の周辺、あるいは生け垣に普通。虹彩が白いモズモドキは本種のみ(ただし成鳥のみ)。黄色っぽい側面が鮮やかなことで、ズグロモズモドキとフタスジモズモドキ以外の、翼に縞がある他のモズモドキと識別される。これらの2種は頭と咽のコントラストがはっきりしている。目が暗色の幼鳥は、ベルモズモドキに似るが、脇腹と眼鏡模様の黄色味が強い。メジロハエトリ類(212〜214ペ−ジ)は、目が暗色で、目の周りの輪は明色だが、眼鏡模様がない。本種は姿を見るより声を聞くほうがずっと易しい。典型的な囀りは、不明瞭に続く5〜7声の大声で、始めと終わりに強い調子のチュッチュッを含む。毎分6〜12回。
ベルモズモドキ BELL'S VIREO
湿気の多い茂み、森林の周辺、あるいはメスキ−トが生える所に普通。メジロモズモドキに対応する西部種だが、目は常に黒い。翼の縞と目の周りの幅が狭い輪に注目。雌雄は類似。淡灰色。類似するハイイロモズモドキ(262ペ−ジ)は、本種より暗灰色で、尾が長い。また、類似するスナイロモズモドキは翼の縞が幅広く、咽と胸の灰色がくすんでいる。声を震わせて歌う速い囀りは、声が上下交互に変化して終わり、両種との区別は容易。毎分10〜15回。
スナイロモズモドキ HUTTON'S VIREO
常緑のオ−ク林で普通。マツやモミの林でも見られる。翼の2本の縞が目立つことに注目。目の上でつながらない不完全な眼鏡模様によって、他のモズモドキと識別される。また、ルビ−キクイタダキ(252ペ−ジ)に類似するが、鳴声が異なること、嘴が太目なこと、目の回りが輪というより眼鏡模様であること、翼が淡色気味なこと、動きが鈍いこと、また、囀りが独特なことで識別される。囀りは、2音からなるフレ−ズの単調な繰り返しで、高音にアクセントがある。毎分60〜75回。
キノドモズモドキ YELLOW-THROATED VIREO
水のちかくや開拓地の落葉樹林に棲息するが普通でない。また、日陰用の木々やマツと落葉樹の混成林にも棲息する。眼鏡模様のモズモドキで咽と胸が際立って黄色いのは本種だけ。雌と幼鳥は雄に類似。モズモドキ特有の太い嘴と、黄色い眼鏡模様で、体色が最も類似するマツアメリカムシクイ(286ペ−ジ)と識別される。他のモズモドキ類より営巣期の縄張りが極端に広い。囀りは、不明瞭な4〜5フレ−ズのしわがれ声を同じ調子で何回も繰り返す。毎分19〜35回。
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ホオヒゲモズモドキ BLACK-WHISKERED VIREO
合衆国内の限られた棲息域(フロリダキ−ズと南フロリダ本土)では、普通で簡単に見られる。タンパからエバ−グレ−ズ国立公園にかけてのマングロ−ブ林やハンモックに棲息する。暗色の頬髭模様より、むしろ単調な囀りで簡単に識別される。囀りはアカメモズモドキに似るが、フレ−ズは対をなし、音程があまり変化しない。毎分20〜32回。
アカメモズモドキ RED-EYED VIREO
東部の落葉樹林で最も多い鳥。ホオヒゲモズモドキが現われる所以外では、赤い虹彩、目立つ眉線、および青灰色の帽子によって、他のモズモドキ類と識別される。幼鳥の虹彩は茶色。以前は異種と思われていた黄緑色の亜種は、南テキサスのリオグランデ低地沿いの森林や日除け用の木々に棲息するが、稀。本亜種は、側面と下尾筒が鮮やかな黄色で、眉線がくっきりしていることで識別される。幼鳥は下尾筒が黄褐色。囀りは、コマツグミに似るが、各フレ−ズ間に小休止が入る。典型的な囀りは、何分間も続き、途中に長い休みは入らない。毎分35〜70回。
セアオモズモドキ PHILADELPHIA VIREO
森林の周辺や落葉潅木に棲息するが、普通でない。小型で見つけ難い。鳴声はアカメモズモドキと、また姿はムシクイと間違えることが多い。胸が黄色っぽく、翼に模様がないことで、他の全てのモズモドキと識別される。モズモドキ特有な嘴なので他の全てのムシクイと識別されるはずだが、秋は、背面が緑色のマミジロアメリカムシクイ(274ペ−ジ)、あるいは、頭模様が不明瞭で下尾筒が黄色いサメズアカアメリカムシクイ(274ペ−ジ)と見間違う可能性がある。囀りは、類似するアカメモズモドキより高音で、ゆっくりしている。
ウタイモズモドキ WARBLING VIREO
夏場、日除け用の背の高い落葉樹林に棲息する淡褐色の鳥。姿より囀りで識別するほうが容易。モズモドキ特有の嘴、黒い縁取りのない幅広い白い眉線を探すとよい。葉かげから姿をあらわすことは殆どない。雄が巣から囀っている可能性がある。幼鳥の背面は成鳥より緑っぽく、脇腹は黄色。囀りは長く、声を震わせて歌い、ムラサキマシコ(316ペ−ジ)に似るが、しわがれ声。毎分6〜11回。