2002
サーモン in 長良川 DAY
森と海をつなぐもの
基調報告 長良川河口堰建設をやめさせる市民会議代表
公共事業チェックを求めるNGOの会代表
脱ダムネットジャパン代表
天野礼子
「公共事業が変わる・・・自然再生推進法案を自民党が提出する」
 私たちは、きょう長良川の七回忌を迎えているわけです。
みなさんに今日いちばん新しいニュースをお聞かせします。 それは、自民党・与党が「自然再生推進法案」というのをいまの国会に出そうとしています。 そして民主党を中心とする共産党から自由党にいたる勢力は、これに対し対抗法案を出そうというところまできています。

 私は長良川河口堰反対運動を始めたとき、「環境科学選書」という本を読みました。 その本は岐阜大学の山本堯(やまもとぎょう)先生という、この4月21日になくなられた先生が書かれた本でした。 長良川河口堰が、どうしていらないかということを科学的に、そして社会学的にも追求したすばらしい本でした。 私の行動は、山本堯先生の本と、村瀬惣一さんという長良川の生き字引のような運動家と、そして長良川の最上流、郡上八幡に住んでいる恩田俊雄さんというサツキマスの名人と、これは、そしてみなさんから知恵を授けていただいたものです。 山本堯先生は、4月21日に亡くなりました。 しかし、村瀬さんは今日この会場に、80歳になりましたけれども、まだこれからでも最高裁まで行くぞという元気です。 きのうは郡上八幡の恩田さんに会いました。 88歳ですけれど、長良川河口堰のゲートが上がるまでは、わしは絶対に死なないと言ってカラカラカラカラと笑っておられました。元気でした。 山本先生の死はたいへん残念ですけれども、私たちは自分たちの友達がどんどん亡くならないうちに、ゲートをどうしても上げなければなりません。 そしてまた、自然再生という言葉が、政府が使うようになったんですから「ではどうしてくれるんだ」ということを、今日から明日にかけて皆さんと一緒に議論したいと思います。

 まず、今日みなさん、一部の方は知ってみえますが、ほとんどの方が知られない、いちばん新しいニュースをお話しします。 今朝のCNNニュース・ABCニュースが、アメリカで2つのダムが決壊していることを伝えました。 それが、この図です。左側に大きな流れがありますね。 この流れは、ダムの洪水、ダムの水がいっぱいになったときに、ここを越えて流れを逃げさせるように造られているバイパスです。 このダムは、少し前までカラカラだったのに、陸軍工兵隊が予想もしない大雨で満杯になってしまって、ダムが壊れそうなので、この迂回路を通らせています。 ところが、皆さん見てください。 もう決壊しています。 こんなふうにダムは決壊するものなんですね!
 これと同じようなことが1973年にアメリカで起こっています。 アメリカでは陸軍工兵隊が予想した洪水よりも大きな洪水が今年と同じようにきて、そのことによって陸軍工兵隊は国民に謝りました。 私たちが治水によかれと思って川をまっすぐにして強い堤防を造ったために人々は堤防に寄り添うようになってしまった。 だから私たちの予想以外の水がきたときに水害は避けられなかった。 私たちの政策が誤りであるといったのですね。
 それを私たちがこの長良川DAYで1996年に知らせましたので、翌年建設省は河川法を変えたのです。

 えーチョット皆さんに、きょうはですね、スライドを見ていただきます。
 これは長良川河口堰です。 夏になると、ここにありますような、長良川河口堰のこれ下流なんですけれど、こんなふうに不気味な泡が浮くようになってきました。

《つぎのスライドをお願いします》
 これは大井川の上流です。 いつも見ていただいている映像ですけれど、ダムにむかってどんどん砂が溜まってきています。 こちらの町ではダムができる以前は、もっと川底が低かったので、せいぜい床下浸水ぐらいだったのが、いまは夏の大雨の度にしばしば床上浸水になるようになってきました。 《つぎをお願いします》
 これは、さっきの大井川の河口です。 ダムが14個も大井川につくられたために、海岸線に砂が届かないようになって、どんどんどんどん海岸線が浸食されて、テトラポットで止めても止めても、海岸線がなくなってきています。 《つぎお願いします》
 これは、黒部川の排砂です。 黒部川の出し平ダムと宇奈月ダムに溜まった砂を流すために、世界で初めての実験が行われています。 1990年からず〜っとダムから砂を流すことになっていて、海では被害がおこっています。 《つぎお願いします》
 これはその被害です。 海の漁師さんは、海の底をこんなヘドロで汚されて、漁獲高が4分の1になってしまったといっています。 《つぎお願いします》

 これは、静岡県の天竜川の上流です。 三峰川にある美和ダムに溜まった砂です。 こうして冬の間にブルドーザーで、かき出しても、かき出しても、ダム全体が砂で埋まっているというのが日本のダムの現状なんですね! 黒部川で排砂をやっても、追いつきません。 つまりダムというものは、水を貯めるけれども、砂も貯めるものなんですね!

《つぎお願いします》
 これは長良川河口堰です。 これは長良川河口堰より下流ですけれども、この人はシジミ漁師さんです。 シジミがとれなくなって、こんなにヘドロがとれるようになったんですって!

《では、いちどスライドを止めて明るくして下さい》

 いまのように日本では、ダムによってさまざまな被害を生じております。 また、ダムができたことによって、しょっちゅう水害がおこるようになったというような事例も、日本でたくさんあります。 天竜川もそうですし、徳島県の那賀川でもダムによって水害がおこるようになっております。 いま日本中がみんなでさわいでくれている九州の川辺川でも、人吉という所がもう膝まで水が浸かって大変だというときに、上流の市房ダムのゲートが開けられて、どっと水がきて屋根の上まで洪水になったということが起こっています。 ダムは洪水防止になるといいながら、このように危険で、そして私たちの財政を圧迫し、自然をころしています。

 みなさん、また新しいニュースですが、田中康夫さんがリコールされましたね。 いま長野県では日本で始めてのことが起ころうとしています。 知事がダム反対になっても「ダム工事は止められないかどうかと」ということについて民意が問われようとしています。 田中さんは知事になって「脱ダム宣言」「ストップ・ダム宣言」をしたのに、なぜ止められないか? それは、県議会が先に県議会議員たちが選ばれているからですね。前の知事が、41年も中央からの天下り政治をやって、公共事業ばっかりやって、借金だらけになったので、長野県民はおこって田中さんを知事にしました。 田中さんは財政的にも大変だから、自然も守らなきゃなんないし、ダムはつくらないといいましたけれども、むかしからいる議員たちは、そうはさせないといって彼をリコールしているんですね。
 こういう事がどこでもこれから起こります。

 徳島県の、こないだ、ダム、第十堰反対で知事になった大田知事も、もうすでに議会でいじめられています。 そんなような状態を突破できるかということが、これから私たちの、ひとつひとつの川の反対運動でおこしていきます。 そういうときに、わたしは今日皆さんが、これから聞いて帰られる「サーモンの知恵」を皆さんのところで広めていただきたいんです。

 中央で自然再生推進法案を自民党が出してますよ。 片手で自然再生といいながら、川辺川の強行はないでしょう! そして、皆さんの地域のひとつひとつの自然再生を訴えて下さい。 中央で自然再生というのなら、いま私たちがやってるのはなんですか? 右手と左手が違うことをやっておかしいじゃないですか。 じゃあ右手は仕事がほしいだけなんですか? 左手と右手は一緒のことをやらなければならないんじゃないですか? というようなことを、みなさんは地元で言ってほしいし、田中さんの問題は、そういうことなんだと言うことを考えて下さい。 なぜならば、来年の4月には統一地方選挙があって、みなさんの地域の市議さんや県議さんをみなさんは落とすことができるからですね。

 それでは、海外からの2人のゲストにおはなしをしていただく前に、もういちどスライドを見ていただきたいと思います。
 これは、オランダのハーリングフリート河口堰です。 30年間使われてきましたけれども、2005年にゲートが上がります。 このゲートが5年間上がらない理由はヘドロのためです。 堰の上流には7mものヘドロが溜まっています。 オランダ政府はこのヘドロが危険なために、この堰を開けることを決めたにもかかわらず、5年間開けられなかったのです。 それほど危険なヘドロがダムには溜まるのです。

 つぎのスライドは、今日ゲストに来て下さっているドイツのパバリア州の川です。 バインダーさんという方がおはなしして下さいますが、バインダーさんの近くを流れているこの川は、むかしはまっすぐでした。 それをバインダーさんたちお役人が、川には蛇行が必要なんですよ! こういうふうなせせらぎも必要やけれども、こういうふうに水がたまっているところも必要ですよ! というふうなことを、川を治して下さいました。 バインダーさんは川を治す役人です。 そしたらみんなこのようにみんな裸で川に集うようになりました。 ドイツではこんなような事業が3000以上も川を元に戻す事業が始まっていると聞きます。

 つぎのスライドは、おなじドイツのライン川です。 このライン川では洪水になったときに、この水門が開けられて、こちら側に水が入れられます。 洪水を昔のように堤防で受け止めるのではなく、堤防をひらいてあふれてもよい治水をするということ、これが世界中の新しい流れです。 じつは2000年12月18日に建設省は、これからはあふれてもよい治水をするということを発表しています。 2000年12月18日という日にはどういう意味があるかというと、2001年1月6日に省庁再編が行われて、建設省はなくなり、建設省と国土庁と運輸省と北海道開発庁が一体となった国土交通省が誕生しました。 すなわち建設省河川局は、建設省河川局である間に私たちの運動を認めたんです。 これからは、あふれてもよい治水をしますよということを、かれらは国民にわかりにくい言葉で私たちはもう変わるよということをつたえているんですね。 これは彼らの小さな良心といっていいかもしれません。

 つぎのスライドは、さっきの水門が開けられた中に水が入った状態です。 ちょっと前まではなくなっていた植物が、甦っていろんな多様性のあるさまざまな植物が甦っています。
 これは、水が入った遊水池の中です。 このように農地ができています。 むかしこの畠はひとりの農民のものでした。 それを国家が買い上げて、川の側は全部国営の土地にしました。 そしてその土地を、もういちど農民や市民に貸し出して、溢れても大丈夫な、こういう背の高い農作物を植えて、洪水がここにきたときは栄養分だけがこの土地に残っていくような、そんなことをやっています。 最初は土地が水に浸るのはいやだといって怒っていた農民は、洪水が去っていくと、栄養が土地に残るんだという昔の知恵を思い出しました。

 こういう治水法がいいんだということは、人間たちは、やっと100年目に私たちは世界中から学びつつあります。 日本はまだ学びが足りません。 バインダーさんやトム・ライムヘン教授が日本に今年もまた、新しい知恵を教えてくれると思います。

 これは、アメリカで環境局のお役人が小さなダムを壊しているところです。 アメリカでは小さなダムだから壊しているんだと、日本の河川局はいっていますけれども、こんなに大きなダムの撤去がいま考えられていて、1996年の3月にこのダムのゲートが開いたときに、どんなふうに河原がこのダムの下流にできていくかというのを、ここからずーっと水を流して、水が流れるということは、このダムにたまっている砂が流れますから、人工的に砂を流して、どうなったらこのダムのゲートが上がったときに自然が甦るかという実験がされています。 その実験がされているときは、クリントン政権だったんですね。 でアメリカ人は2001年になったお祝いにこのゲートを上げるぞっという発信を世界的にしたかったんですけれど、残念ながらブッシュ政権になりましたので、まだその宣言はされていませんけれども、もうアメリカではこういう巨大なダムも撤去の対象になっているということです。 いまおはなししましたように、世界の潮流はこのようになってきています。

 そして私のレジュメを見ていただけばわかりますけれども、日本の河川局もずいぶん変わってきました。
 1988年に私たちの運動が始まってから、1990年にはみなさんもご存じの北川石松環境庁長官がうごきましたね。 この環境庁が動いたときに建設省は、これからは多自然型川づくりをやっていくということを発表しました。
 それから1997年3月には、さきほどもおはなししたように河川法を改正して、環境重視と住民対話ということばを入れました。
 1999年には、河畔林、川のそばの林を復活させるとか、伝統工法をこれからは採用しますということを発表いたしました。

 2000年9月には、ミスター公共事業、自民党の亀井静香さんが公共事業の抜本見直し検討会なんていうのをつくりまして、みんなオッタマゲました。 えーっ、あの亀井さんが?、抜本見直しだって?、ていってみんなびっくりしたら、223の事業だけ止めておわりました。 7万件の事業が再点検されて、223がとりあえず止まったけれど、まあこんだけしか止まっていないというのが現状です。
 それから先ほどもお話ししましたけれど、2000年12月には溢れてもよい治水をこれからはやっていくよ、なんだかわかりにくいですね。 はっきり、私たちは間違っていましたということを、言えないのが日本のお役人の特徴ですね。 水俣病・薬害エイズ、そして長良川・諫早、こういったことを謝らないのが、特徴ですね。このシンポジューム、いろんな海外ゲスト、お役人が来てくれましたね。われわれが100年間やってきたことを、国民に謝った。 だから国民は私たちが自然再生に税金をまわすことを許してくれている。 しかし、私たちの国では、役人が謝ろうとしないで、治水に、ダムや、川をまっすぐにしたことは、治水に悪かったということをいわないで、自然のためだけに事業をやりますよ、というから国民にはわからないのです。 だから、川辺川ダムも強行しようとしているのですね。

 2001年の5月には、国土交通省河川局になってから、河川局がダム事業の見直しと、順位付けというのをやりました。 新しいダムは凍結するといっていますけれど、この新しいダムも、みなさん、問題なんですね。 いままで計画だけしかされていないものは、やめます。 もう工事が途中まで進んでいたりとかしているものは、やめませんよ。 事務所ができていたりしているものは、やめませんよ。 予算が動いたものはやめませんよ。 つまりほとんどやめないということです。 日本には、2700以上のダムがありますけれども、まだ500以上のダムを彼らはやりたいわけです。 自然再生という事業を右手でやりながら、500の大きなダムをつくりたい。 これが私たちの国の政府です。

 じつは、2000年にヨーロッパに行きましたときに、ヨーロッパですでに自然再生事業が始まっているよということと、財政が逼迫していても、自然再生にお金をまわすことが行われている。 一方でダムなどは財政に負担をかけるからやめるよということになっていることを、民主党の明日いらっしゃる鳩山さんや菅さん、それから自民党の亀井静香さんにお話ししました。 亀井さんに私はいったんです。 いままでの自民党は、橋本派がダムをつくってきた利権なんです。 これからの自民党は亀井派が自然再生をやったらどうですか? 利権のことは私は知りません。 とわたしはいいました。 亀井さんというのは、おそろしく頭のいい人だと思います。 たちまち、民主党を乗り越えて、自然再生法案というのを出してくると言うのが現状なんですね。 だから、自民党や亀井さんにいま必要なのは、わたしたちのポリシーなのです。 いい加減にしなさいよ! 川辺川をやろうとしてるでしょう。 長良川のゲートも上げないで、なにが自然再生ですか! わたしたちはバインダーさんから学びました。 トム・ライムヘンさんからも学びました。

 自民党の自然再生推進法案には大変問題があります。 それはこういう事です。 自然再生の事業を県に設置する協議会でNPO法人に議論させて、そこにお金を落とすというんです。 たとえば、岐阜県でいいますと、「長良川河口堰建設に反対する会」という会はぜったいNPO法人はとれません。 NPO法人というのは、県知事の認可、または何県にもまたがるNPO法人だったら内閣府の認可がいります。 わたしたちのNGOでNPO法人がわたしたちのような過激な人間でもとれる県は、まず長野県、そして千葉県、そして徳島県の3つしかありません。 全国都道府県47都道府県のうち3つしかわたしたちが認定を受けられる県がありません。 だからといってみんな長野県に住める訳ではないですね。 ですからまず私たちがやらなければならないことは、そういう恐ろしい法案を通してはいけないということです。
 でNPO法人は、私たち過激な人間は受けられないのですけれど、岐阜県で梶原拓知事のお友達の建設業者の人が建設会社の職員であることをかくして、NPO法人をとりますよね。 たとえば、「長良川をこんなによくする会」というのをとりますと知事は、あっあいつか、といってすぐ○、認可しますね。 そういうNPOが集まる協議会でどんなことが決まると思いますか? 河口堰のゲート上げまいか! なんていう人なんかいませんよね。 河口堰のゲートのことは、まあまあさておいて、岐阜のあたりをちょっと蛇行させませんか! とか、そういうふうなことが、決まるでしょう。 そんなことしか決まらない協議会で自然再生推進法案が考えられている、これが問題です。

 じゃあ、私たちはどんな自然再生法案をつくったらいいのか。 私たちは県にきちんと設定された都市計画(マスタープラン)に従って、自然再生が行われるということを、そういう法律をつくらなければなりません。 しかし県議会というところはおそろしいところですよね。 長野県を見ていてもわかるように、変なことばっかり決めますね。 知事さんはダム反対で選ぶんですけど、県会とか市議会というのは、知縁・血縁、まああの人から頼まれたので入れますわ、とか、お小遣い3000円ほどもらったので投票しますわ、それから自分の町内の人だからみんな町内でこの人を当選させようというからそうしようとか、そういう選ぶ基準が、たいせつな政策でないことが多いんですね。 そういうことだから県議会にマスタープランを書かせるというのも危険なんですけれども、でも私たちは危険でもやらなければならないんです。 あるいは、やってもいいんです。
 なぜかというと、私たちは、議員を落とすことも、知事を落とすこともできるんですけれど、わたしたちは総理大臣を自分たちで決めることも、大臣を決めることもできないわけです。 ですから、県議会にマスタープランがかかるような仕組みにしておいて、国営事業というか国の事業を少なくしておいて、県にたくさんの事業が下りるようにしておいて、県議会にかかるようにしとけば、私たちは県議会が気に入らなければ、県議を落とすこともできるんです。 長野県で共産党しか県議候補が出なければ、みんなダムに反対だったら、共産党に入れたらいいんです。 とにかくダムをいやだという人に入れればいいんです。 そんなふうにできるほうが、みなさんいいと思いませんか。

 これが野党の考え方です。 そしていま野党の民主党で考えられている法案の名前は、破壊環境再生法案という名前です。 まず破壊された環境を税金を使って再生しましょう。 長良川のゲートを上げましょう。 諫早水門のゲートを上げましょう。 菅直人さんは月刊文芸春秋の7月号でこんなことを書いています。 私が大臣になったら、諫早のゲートのボタンを押す人を農林水産大臣にします。 川辺川に飛んで川辺川の計画を止める人を、建設大臣にします。 あの人私が諫早と川辺川のことをどんどん言えといってるので、長良川のことを忘れてるんです。 長良川のボタンも建設大臣に押させましょう。

 そんなふうに、破壊された自然環境のほうにまず税金をまわしましょう。 いま守れている自然環境は、もちろん守ってつぎの新しい自然再生の見本にしましょう、ということです。 それはたとえば、川辺川の中で、球磨川の中でいちばんきれいな、日本一の水質と環境庁がお墨付きを与えている川辺川はそのまま残しておいて、日本の川の、小さな川は川辺川をまねして甦るようにしましょう、というような考え方を政府に対して出すべきだと私たちは考えます。

 最後にみなさん、来年の2月ぐらいまで覚えておいていただきたいんですけれども、「世界水フォーラム」というのが、来年の3月京都・岐阜・大阪で開かれます。
第4回世界水フォーラムは、世界の国々が水に関するフォーラムをやるんですけれども、日本以外のこれまでの開催国では、いちばんきびしいNGOと政府がいっしょに開催しております。 ところが日本では、特にきびしくないNGOを河川局が手をうってつくってしまいました。 世界水フォーラムのNGO団体のようなものができていて、それにはダムのことをほとんど知らない人、そして裏にいるのは大学の土木部の教授といったような、NGO団体ができています。 こういうものが主催するNGO会議ではだめですので、私たちはそれにむけて、明日の午後のNGOミーティングをして、干潟、川、そして山、森を守る人が、本当に政府と対抗しながら、そしていつかは政府ときちんと対話ができるというようになりましょうということを、3月までのあいだにやっておかなければ、ならないんですね。 「世界水フォーラム」というキーワードを覚えておいて下さい。

 そして私たちは、今日と明日の勉強によって、長良川河口堰のゲートを上げ、川辺川ダムの強行を止め、諫早のゲートを上げて、日本の自然を救っていきたいと思います。

 どうもありがとうございました。
2002年7月6日 長島町公民館での基調報告から
当日の録音テープからの筆記ですので、不明確な部分があるかもしれません。
ご了承願います。         久野

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