美しくなりたい!美しく見られたい!「美」こそ女性永遠のテーマ!! そんな乙女心をあおるかのように、街は今、ダイエット一色!ダイエット本にダイエット用品、 ダイエットサプリ、さらにはダイエット茶とダイエットブームはとどまるところを知らない…。 こんなナレーションで始まったのは、関西テレビ、フジテレビ系列の人気テレビ番組 「発掘!あるある大事典」(平成14年9月22日放送)です。そして、その回のテーマは 「本当にやせる?低インシュリンダイエットの真実を徹底検証!」でした。 実は7月下旬この番組の制作会社から私にも取材があり、その時点では現在ブームになっている 永田孝行氏(TN健康科学研究所所長)の提唱する「食事の量を減らす必要なし」 「カロリーの計算の必要なし」「運動する必要なし」「リバウンドなし」の 低インシュリンダイエットを優れたダイエット法として紹介したいのでいろいろと 教えて欲しいとの依頼でした。 そこで、低インシュリンダイエットの思想自体は好きではあるが、現在流行している 低インシュリンダイエットは実効面で問題が多いことを知っている私は、 人気番組で単に優れたダイエット法として紹介されることを危惧し、 永田氏のダイエット法の問題点をこんこんと語り、製作担当者を困らせたという経緯があります。 その時お話したポイント以下のとおり。 ○低インシュリンダイエットは食品を極端に制限するダイエットでありほとんどの人にとってストレスが多く続けにくい。 ○極端な食品制限であるため、栄養が偏りやすく基礎知識がない人は健康を害する恐れがある。 ○たとえGI値が低い食品だけを食べたとしても、脂肪やたんぱく質を摂り過ぎれば当然肥満 になり、カロリーを全く考えなくてもやせるというのは完全なウソ (やせる場合もあればやせない場合もある)。 ○リバウンドはダイエットを止めたときから始まり、低インシュリンダイエットのような 続けにくいダイエット法は逆にリバウンドのリスクは大きい。 ○GI値は調理法や食品の組み合わせにより変わり、またGI値が分かっている食品のリストも 少ないため、GI値に配慮しながらのダイエットはカロリー計算よりも困難を伴う。 ところが、先日番組が放送されてビックリ! いつのまにか当初聞かされていた話とは打って変わり、永田氏のダイエット法が優秀な ダイエット法ではなく、問題が多いダイエット法として紹介されているではありませんか! しかも、かなり私の考えと似ている…。 そこで、今回はその内容をご紹介させていただきながら、番組では触れなかった、 低インシュリンダイエットの最大の落とし穴についてもお話したいと思います。 念のために、番組で紹介された低インシュリンダイエットの定義をご紹介すると 「脂肪細胞への糖の過剰蓄積を防ぐ為に行なうインシュリンの分泌上昇を抑える食事法」とのこと。 そしてその理論的な背景としては「消化または吸収されにくい糖質を食べたり、 消化吸収の遅い食物繊維や多糖体などを多く含む食材を食べることで、 血中に放出される糖が結果的に少なくなり、それに伴ってインシュリンの分泌量が減少。 その結果糖の脂肪細胞への蓄積が少なくなる」というものでした。 ここまでは、一般的な低インシュリンダイエットと同じ考え方です。 ところが、このままの理論を直接適用しては多くの人がダイエットに失敗する事実を突き止めた 番組スタッフは、さらにもう一つの理論を付け加えます。 それは「そもそも低インシュリンダイエットとは、人間に必要な三大栄養素 (炭水化物、たんぱく質、脂質)のうち、他の二つ(たんぱく質、脂質)は替えないで、 炭水化物のみを変えていこうというものであり、人間が生きていく上で理想の栄養バランスである、 摂取カロリーに占める炭水化物(糖質)、たんぱく質(アミノ酸)、脂肪(脂質) の割合を6:2:2にしなければならない」というものでした。 そして最終的には以上のことも踏まえ、永田氏の提唱するダイエット法に対し、 カロリー制限は無視できず、カロリー制限なしと大きく謳うことに対して【×】。 身体を動かさない現代人は基礎代謝量が低下しており、軽い運動でも続けることで 基礎代謝をアップさせ脂肪を燃焼することが大切。ダイエットにおいて運動は不可欠と えられ運動の必要なしと大きく謳うことは【×】。さらにメニューにおいて禁止事項があったり、 さまざまな決め事があるので精神的にストレスがたまる、それでは内臓機能にも影響が 出ると考えられ、リバウンドなしと大きく謳うことに対して【△】」と結論づけました。 まとめとしては「カロリー計算、適度な運動に加え、血糖値を意識することこそ、 健康的にやせることだと考える。いづれにしても、楽やムリをしてやせようとせずに継続する、 これこそがダイエットの王道を考えよ」とのことです。 ただ、ここまで読んでお分かりだと思いますが、現実的には炭水化物(糖質)、 タンパク質(アミノ酸)、脂肪(脂質)の割合を6:2:2に調整するなどということは、 食品一つ一つの成分を熟知しているか、常に専用の献立で食生活を構築できる人しか実行不可能です。 また、低インシュリンダイエットを成功させるためには、結局カロリー制限以上の食生活の コントロールが必要になり伝統的なカロリー制限すらできない人が挑戦して成功するような代物 ではないということが、最大の問題点と言えるのです。