蹴上発電所

 

 昔から水に恵まれない京都にとって、琵琶湖から水を引くのは大きな夢だったようです。それを明治に入り実現したのが有名な「琵琶湖疎水」計画です。
 その疎水計画の一環として造られたのが一般供給用の水力発電所としては日本で最初となる「蹴上発電所」でした。

 

 蹴上発電所は明治23年から発電を開始し、明治29年までに19組の水車・発電機が設置されたようです。水車はペルトン式を用いて直流および様々な方式の交流発電機をベルト駆動で運転して発電していたようです。

 下の写真は、京都にある「琵琶湖疎水記念館」に展示されている当時の水車と発電機です。


当時のペルトン水車


ノズル部分


交流発電機(スタンレー)


蹴上発電所 明治期の発電所設備概要

方式 電圧 [V] 出力 [kW] 周波数 [Hz] 製造者 用途 据付
単相 1000 70 125 トムソン 電 灯 明治25年9月
直流 500 80 エヂソン 電 力 明治23年12月
直流 500 80 エヂソン 電 力 明治23年12月
二相 2000 80 133 スタンレー 電灯・電力 明治27年8月
直流 500 100 G.E. 電 鉄 明治27年5月
直流 500 100 G.E. 電 鉄 明治28年4月
単相 2000 60 125 トムソン 電 灯 明治26年6月
三相 2000 150 60 G.E. 紡 績 明治29年12月
直流 500 75 G.E. 電 力 明治28年6月
10 三相 2000 80 50 シーメンス 紡 績 明治29年6月
11 直流 500 100 G.E. 紡 績 明治26年6月
12 二相 2000 80 133 スタンレー 電 灯 明治28年4月
13 三相 2000 250 60 G.E. 電灯・電力 明治23年6月
14 三相 2000 80 50 シーメンス 電 力 明治28年9月
15 直流 500 100 ウエスティングハウス 製 氷 明治24年3月
16 三相 2000 80 50 シーメンス 電灯・電力 明治29年4月
17 三相 2000 80 60 G.E. 織 物 明治29年6月
18 三相 2000 80 50 シーメンス 煙草製造 明治29年12月
19 二相 2000 80 133 スタンレー 電灯・電力 明治29年6月

 

 蹴上発電所は京都の町を急速に近代化させることになったでしょう。蹴上発電所の電力は電灯を灯し、市電を走らせ、工業の機械化に貢献しました。
 琵琶湖疎水は京都に水を送っただけではなく、物資の運搬にその水路は大いに活躍しました。インクラインはその代名詞といえるでしょう。


インクライン

 蹴上発電所は何度かの改造工事を経て、現在は関西電力によって運転されています。


現在の蹴上発電所
(現在準備中)

 

2001/05/13  更新