2003年、良かった演奏会


 2003年に聴いた演奏会(オーケストラ、オペラ、リサイタル等)の中で良かったものをまとめてみました。

 ↓一応、順位。いい意味での印象度が、基準です。(敬称略)

No. 演奏会名、出演者、感想など
2/8 東京都響第565回定期 R.バルシャイ(Cond.)
マーラー:交響曲第10番(バルシャイ版)
マーラーの交響曲は第6番以降、どれを取っても様々なこと達が余すことなく表現されており、オーケストラ芸術の極みとも言えるのだが、バルシャイによって補筆完成されたこの10番も全くひけを取らない作品になっていた。さらに、作品の素晴らしさに加え、演奏した都響も素晴らしかった。弱音は祈りそのもの。音楽でしか表現できない美しさがあった。こんな音楽の後では拍手など不要。
10/28 日本po.演奏会「吉松隆の宇宙」 藤岡幸夫(Cond.),P.ディクソン(Vc)
吉松:交響曲第3番、Vc協奏曲
吉松の描く「叶えられない願いと、それでも衰えない希望」に満ち溢れた向日性の世界が、また一つ、チェロの力を借りて現出した。今まで氏の協奏曲の中ではTrb.協「オリオン・マシーン」が一番好きだったが、このVc協はそれに劣らない作品。Sy.3も初めて実演を聞いたが、期待通り熱狂させられた。
1/8 東京po.第668回定期 チョン・ミョンフン(Cond.),樫本大進(Vn)
ベルリオーズ:幻想交響曲 ブラームス:Vn協奏曲
ミョンフンによって隅々まで精巧に統御された世界。理性の愉悦。
9/20 東京シティpo. ヴァーグナー:楽劇「神々の黄昏」
飯守泰次郎(Cond),成田勝美(ジークフリート),緑川まり(ブリュンヒルデ),長谷川顯(ハーゲン)
シティフィルによる「指環」シリーズも遂に簡潔。歌手陣では島村のアルベリヒが白眉。オケは掛け値なしに素晴らしかった。実演でここまで聴かせてくれれば大満足。
4/5 新国立劇場 ヴァーグナー:楽劇「ジークフリート」
準メルクル(Cond.),NHKso,K.ウォーナー(演出),J.トレレーヴェン(ジークフリート),緑川まり(ブリュンヒルデ),D.R.アルバート(ヴォータン),U.アイケッター(ミーメ)
こちらは「指環」3年間。相変わらず作りこまれ、刺激の多い舞台だった。聴きにいったのはBキャストの日だったのだが、歌唱も相変わらず高水準で、Aキャストはさぞや凄かったのだろうと思われた。去年に比べて順位が落ちてしまったが、おそらくこちらの期待が膨らみすぎたためと思われる。
1/19 新国立劇場 一柳慧:「光」
若杉弘(Cond),東京so,松本重孝(演出),井原秀人(ミツダ),釜洞祐子(ホアン)、中村健(老人)
せりふが多かったのがやや気になったが、うまく雰囲気が作れていたと思う。歌唱パートはどれも難易度が高かったが、再演の機会に改訂されないことを願う。この日はオケ・歌手ともに健闘していたのだから。
2/26 東京po.第671回定期 岩城宏之(Cond.),東京混声合唱団,栗友会合唱団
黛敏郎:涅槃交響曲、BUGAKU、饗宴、トーンプレロマス'55
これも指揮・オケの集中度が極めて高かった名演。交響曲の他には、トーンプレロマスが素晴らしい出来だった。
12/13 東京so.第509回定期 ヤナーチェク:歌劇「死者の家から」
秋山和慶(Cond),M.オタヴァ(演出),R.ハーン(ゴリャンチコフ)、I.シャコヴァ(アリェヤ),J.クビーク(シシュコフ)
筋書きのないユニークなオペラ。ステージの後方を使った、演奏会形式に近い上演だったが、限られた空間の中で演出はわりと効果を上げていたように思う。ヤナーチェクの特殊なオーケストレーションを巧みに再現したオケも良かった。
11/15 品川区民管弦楽団2003秋のコンサート 新田ユリ(Cond.),川田知子(Vn)
シベリウス:交響曲第6番、Vn協奏曲
とにかく川田さんの協奏曲が凄かった。音楽に没入し、シベリウスの書いた音符全てに意味をこめて弾ききっていた。2004年4月にもさるアマオケで弾くそうなので、聞き逃せない。
10 3/1 ハーゲンQ
ベートーヴェン:Str.Q.8 ヤナーチェク:同1 ハイドン:同74
4つの異質な個がせめぎ合うのではなく、同質のものが溶け合うカルテット。まさに豊穣な響き。

ちなみに2003年に行った演奏会はわずか21にとどまりました。内訳はオーケストラ12、オペラ5、ブラスバンド2、リサイタル1でした。(ちなみに演劇1、ミュージカル1) 前年のほぼ半分に減ってしまったのは、やはり就職して平日のコンサートに自由に行けなくなってしまったのが大きいと思われます。かと言って、CDを買った枚数も激減しており… となると、自分自身ブラスバンドに加えてオケにも入団して、音楽に関しては受動でなく能動的に関わるようになった…とも考えられます。
ただし、これを書いている2003年12月末時点で、来年のチケットは既に10枚以上取っているので、来年は今年を上回る回数を目指したいものです。

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