○ 文化重ねたまちづくりを
( 出典 ; 脚本家 ジェームス三木 「シンポジウムーふるさとづくり2004ー 基調講演」 平成16年5月4日(火)朝日新聞 )
まちづくりの主役は、みなさんだ。 主役とはどういうもか。 ドラマでは条件が二つある。 一つは、トラブル解決能力。 もう一つは、人生を持っていることだ。
ドラマでは、もめごとを解決する人が主役。 トラブルから目を背け、逃げるのは通行人。 だから、若い人を育てるときには、トラブル解決能力を身につけてやればいいということになる。 それが教育だと思う。
人生というのは、個人の文化の集積だ。 個人の文化と言っても、たいそうに考えなくてもいい。 焼酎をお湯で割るのか、炭酸で割るのかといった自分のこだわり、自分流というものがあるかどうか、その積み重ねを人生と言いたい。 生活の向上だけ考えて財テクに夢中になっているのでは人生、花開くすき間がなくなってくる。
まちづくりでは、文化というのが大きな意味を持つと思う。 いかに生きるか、どんな理想を持つか、これが文化の原点だ。 政治とか経済とかいうものは、文化を支える手段に過ぎない。
私たちの目的は、やはり愛とか信頼、あるいは、楽しみとか安らぎとか、生きがいとか、こういうことだ。 これが目的で、そのために政治や経済、学問、健康があるということではないか。 この目的と手段の関係を洗い直すことが、今重要だと思う。 どうも私たちは、若い人たちに手段ばかり教えて、目的を教えていないのではないか。
まちづくりでは、観光収入、経済的な観点も大事だろうが、その心の部分、文化ということを斟酌(しんしゃく)してほしいと思う。
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