2002.3.30 宇峠 二人
今回は、阿波の古い峠を訪ねてみようということで、宇峠へ。
明治末、国道の前身が出来るまで、貞光・半田方面と一字村を結ぶ北の玄関口。
しかも、海抜910mもある峠。
本来なら、半田方面から一字村へ通り抜けたいところ。だが、足の便もあるので一字村から上がり、近くの志貴岳をピストンする事に。
と書けばすばらしい計画ということになるのだが、真の狙いは、車で700m付近まで排気ガスを撒き散らしながら上がるいつもの狡賢い軟弱ペア。
ということで、朝7時40分ゆっくりと出発。
途中のR438沿道は桜が満開。山の斜面にもあちこちに白い花群が。
貞光からも沿道は桜・桜・桜。所々にヤマブキの黄色、ツツジのピンクも。
古見橋から、県道木地屋赤松線へ入り、赤松集落から上の大宗集落を目指す。
農道を、数えて10個目のヘアーピンカーブが宝珠寺。この間の標高差約400m。
宝珠寺を過ぎ、直ぐに登山道入り口。念のため上の農家で確認する。
「あまり人が入っていないので、路が悪いので気を付けて」との助言を頂く。
身支度をし、小さな沢沿いに歩き出す。直ぐに、標高725.3mの水準点。

振り返れば、貞光川を挟み向こう側に剪宇峠。同じく穴吹方面と一字村を
結んだ東の玄関口。
この峠も機会があれば訪れたい。
やがて、足下にショウジョバカマが。ピンク色系に混ざり、白いのも。
日光があまり当たらないのは白くなるのかな?
杉林の中を沢沿いにまっすぐ進み、雑木林になれば宇峠。
一間四方のお堂の中に小さいお地蔵尊が祭壇に祭られている。
缶ジュース等のお供え物が一杯。
お堂の周辺には石造りの地蔵尊と共に約300年前の元禄時代(?)の庚申塔が二基。
字を読もうとしても、潰れて読めない。
昔は峠を行き交う多くの人々が色々な願いを込め参拝したことだろう。
小休止の後、稜線を左に取る。
目指す志貴岳は標高1073m。あと少し上がればOKと松葉を踏み締め稜線をゆっくり歩く。
頭上には、アセビがトンネルを形成。気の早いのが咲き出しているが、昨年の残り(?)の茶色に枯れた花弁も多数。
直ぐに、稜線右手に白い花が。良く見ればタムシバ。
樹林の中にあちこち点在している4〜5日すれば満開で、山腹に白い花が無数に散らばりそう。
手前のピークに上がり、少し下り登り返せばそこが志貴岳。途端に展望が開ける。
北面の沢筋に残雪がある剣山・次郎笈、塔の丸、矢筈。
直ぐ前に津志嶽。振り返れば吉野川の向こうに阿讃の山々。そして、高越山、友内山・・・
無人の山頂でランチタイム。久しぶりの熱燗。日差しが強く、食後木陰へ入り昼寝タイム。少しアルコールが入ったので、うとうとと。
往復歩行時間3時間弱で、登山口へ戻り近くの宝珠寺へ。
境内の桜が散り掛けている。
地元の人が三十三観音像へお参り中。
供物の米・パン・お水を丁寧に観音様へ均等にお供えしている。
話を伺うと、84才の老婦人。
電動三輪車で下から上がってきたとのこと。(帰りに確認すると標高差200m程下から来ている様子)
若い頃は、お弁当を持って家族で宇峠の庚申塔へお参りに行った。
最後に行ったのが三拾数年前、良く庚申塔へ参ってくれ有り難う。
宝珠寺は檀家が300軒を越す大きな寺で5月にはお寺さんが12人来て盛大な供養がある。
三十三観音の石像は大半が明治以前に宇峠を越えて運ばれてきた。等々30分ほど話し込む。
いつも山村の人達は、遊びに来ている私たちが声をかければ気安く話をしてくれる。
下界(?)ではあり得ない話である。
薄れかけている人との交わりそのものだろうか?
お墓参りへ向かった老婦人と別れ、木綿麻温泉を目指す。
温泉からの帰途、樹齢400年の「吉良のエドヒガン」を覗きに脇道へ逸れる。
数年前行った時は、畑の中を歩いて見た記憶があるが、今回は、周辺に遊歩道が出来、ボンボリも飾られ一変している。
ちょうど満開で、夕暮れの中、白く輝いている。途中の枝垂れ桜も満開で、「桜の園」そのものである。
いつも以上に、自然・人に接っすることが出来た峠歩きでした。