2002.11.2 中東山 二人
強い北西の季節風から剣山系主稜を南側から支える山々。
しがきの丸・槍戸山・新九郎山・石立山・綱附付森等静かな魅力的な山々。
これらの中で石立分岐から石立山は歩きたいのだが、我々夫婦には体力的に
少し難しい。だったらせめて途中の中東山や竜頭山を点々と歩けないだろうか?
そんな思いの稜線上の小さなコブ、それが中東山。
3月にS氏と、支尾根へ繋がる枝尾根へ入った折り、ひょっとすれば稜線へ
上がれるかもと思いながらそのままに。ところが、O氏の石立山への縦走記の中に、
「奥東谷より林業関係者の作業路が稜線へ・・・」の記述を発見。
でも地形図には奥東谷の文字はないが、おおよその見当を付けひょっとすれば
我々軟弱ペアでも歩けるかもと出かける。
折からの強い冬型気圧配置、大豊を過ぎると雨。
夜が明けR195を走る内に、雨も上がったが空には雪雲が飛んでいる。
途中の見晴らしの良いヘリポート(?)へ丸亀から2時間30分で着き、朝食タイム。
でも、ガスが流れ対岸の斜面もボンヤリと霞んでいる。
そうこうしている内に斜面が白く変わり始める。
粉雪+霧氷が木々を見る間に白く染め始める。 
朝食後林道終点へ車を停め、あとは崩壊している林道を終点まで歩く。
前回はこの辺りで渡渉をしたのかな、と思い出しながらさらに奥へ。
鹿が警戒警報(?)を出しているのか、向こうの斜面・こちらの斜面で鳴いている。
左岸より枝沢が入り込む地点にピンクのテープを発見。これを勝手に奥東谷と決め込む。
渡渉し先へ進むが段々踏み跡が無くなり、また本流へ出くわす。
渡渉地点まで戻り周りを見渡すと、上の方に標識。
後は、路沿いに急斜面を上がる。
振り返るとブナの自然林にうっすらと白い雪。
急登を続け、やがて1500m地点で傾斜のない平坦地を巻き気味に進む。
ほとんどの樅の木は鹿に樹皮を囓られている。こんな固い物が美味しいのだろうか?
主稜線が直ぐ上に見えて来る。
強風が音を起てて吹き抜ける1615mの稜
線へ出ると、県界杭No二四〇ノ一が目
の前に。
東側は急傾斜で崩壊し、ガスが沸き上がってくる。
ブナと樅の木が点在する静かな(風が無ければの話であるが)稜線である。
二つほどピークを過ぎると待望の中東山山頂。
南東に石立山、北東にジロウギュ・新九郎山、北西に天狗塚が見えている筈だが
今日はガスで真っ白でお預け。「またの機会にしろ」と山の神が言っているらしい。
下山途中で、白い飾りを尻尾に付けた鹿が目の前に。
先方もひょっとすれば生まれて始めて人間という動物を見たのか、不思議そうに
こちらを見ている。女房へ「鹿」と伝えた声に驚いたらしく脇の笹の中へ飛び込んだ。
下りは新雪上の先ほどの鹿の足跡に導かれ「運動場」へ。
そこは小さな沼地もあり、沢山の苔が雪から顔を出している。
また、ヌタ場もあり新しい足跡がアッチコッチに。
鹿君に無断で、運動場の隅を借用しランチタイム。気温は0℃。今日はルートが
心配で千鳥足では無理とアルコールは車の中に置いてきているので、少し物足り
ないランチタイムである。
下山時は、朝あった雪もほとんど解けこの辺りから薄日も差し始める。
後はルンルン気分で下ってゆ
くと自然林が
急に明るくなる。
林道へ戻ると空は晴れ上がり今日初めてのカラーの世界。
ヘリポートへ戻ると頭上の白髪山は真っ白く輝いていたが、徐々にガスに覆われまた曇天に。
名残を惜しみつつ、明日の」新九郎山のため今夜のねぐら「奥槍戸」へ車を走らせた。

