2002.11.10 三頭越 二人
先週はテントの中で震えていたが、今朝は暖かい布団からなかなか抜け出せない・・・
というわけで、今日はのんびりと10時過ぎに阿讃県境の峠歩きに家を出る。
行き先は、横畑の老婆の「10日頃がこの辺りの紅葉が綺麗」との先々週の言葉に惹かれ、三頭越から寒風越経由横畑へ。
神社脇へ車を止め、三頭越へ歩き始める。
沢沿いに、沢音を聞きながらほぼ直線的に歩いてゆく。
昔の讃岐と阿波を結ぶメーン街道の一つ。
往時は借耕牛が何千頭と歩いた峠道も、人があまり歩かなくなり至る所で崩れ掛けている。
春先に丸丸と太った牛が峠を越え讃岐へ入り、秋まで働きづめで痩せ細って米俵を背負って阿波へ帰る。疲れ切った牛にとっては帰りの峠道は辛かっただろう!
道脇には、やはり番号が打たれた石仏が点々と祀られている。
当時は今と違って、皆信仰心が強かったのであろう。
峠近くなると樹木もまばらになり頭上も明るくなってくる。
やがて海抜790mの峠へ到着。
讃岐側から見ると、阿波側の青空に大きな石造りの鳥居が浮かび上がっている。


近寄り額束を除くと「三頭山大権現」とある。
昔は、「山奥」辺りの人々は讃岐側より阿波側と交流が深かったらしいので
峠を越えて三頭神社へお参りしたのであろうか?
鳥居を阿波側へ潜り、振り返ると「金比羅大権現」の額束。
脇にはこんぴら道の石碑が二つ。
阿波からの金比羅参りの峠道でもあったのであろう。
そして、狛犬ならぬ道祖神の天細女命・猿田彦命が鳥居の両脇に鎮座。
天細女命(あめのうずめのみこと)はふくよかな顔立ちで、別名「乳地蔵」
とも呼ばれているとのこと。
先々週の寒風越とは異なり、明るく開けた峠には汗をかきながら歩いてきて、
一服した茶店等も当時はあったのであろう。
だがいまは、物好きなハイカーしか訪れない静かな峠だが。
峠からは、阿讃県境稜線を東へ進む。
急登・急降下を繰り返しながら今日の最高点913mの三角点を過ぎ、寒風越へ向かう。
聞こえていたモトクロス場のバイクの音もやがて聞こえなくなり、静かな尾根道となる。
脇の林には、昨日の雪がうっすらと木の根本に残っている。
途中の木立の中で、木漏れ日を浴びながらのコーヒーブレーク。
聞こえるのは風の音のみ。
1時間ほど歩くと寒風越。
地蔵尊に手を合わせ、横畑目指して下る。
途中の路には、厚さ数p以上に色とりどりの落ち葉が降り積もり、
まるで落ち葉の絨毯を歩くような雰囲気。
所々イノシシが掘り返した跡が現れる。
イノシシは何を探しているのか、しばらくの間延々と掘り返している。
やがて、樹木越しに谷向こうの黄色く黄葉した山肌が見え始める。
集落が近くなり先々週
路を失った場所に差し掛かる。
遊歩道はもう少し上を巻き繋がっていた。
遊歩道を行く女房と別れ、消え入り掛けた山路を進むと寒風越への標識の少し上へ出た。
標識の位置が少し解り難いところにあるようだ。
林道から前の斜面を見れば山全体が鮮やかな黄葉。
後はゆっくり杉王神社へ下り、アスファルト道を神社目指して車へ戻るのみ。
静かにのんびりと、峠を歩いた一日でした。