2001年 春

春も頂点に達した5月初旬、故郷に帰省。
到着したその日の夕方、さっそく裏山で竹の子採り。
暗がり竹やぶのなかで、肩を並べている「ふたり」。
次の日「彼ら」は、うちの食卓に並んでました。
その食卓の様子。ふたりともおいしかった。
山の恵みにサンキュウ。
ふるさとは、ちょうど田植えの時期を迎えていた。
そういえば学校の同級生の多くは、家の田植えの手伝いで
GWに遊んでいる子の方が少なかった。

私のうちは田んぼを作っていなかったので
なぜか肩身が狭かったのも、田舎ならではの独特の心境だ


田植え前の田んぼは、水が畦(あぜ)のギリギリまで張られていて
水面が風にゆれると、まるで波打つ小さな湖のよう。
私が大好きな風景のひとつ。
私が小学生の時、田畑の区画整理が行われた。
形のいびつな田んぼはきっちり四角く並べられ、
縦横無尽に存在していた小川や溜め池はつぶれていった。
農業の効率化のために、それは避けることのできない
流れだったと思う。


今は、かつて沢ガニやオオサンショウウオが生息していた
清流の姿を見ることはできない。
形を変えながらもかろうじて残された水路が
それでも私の目にはとても懐かしく映るのである。
春は、庭に咲く小さな花も美しい。
普段は植物にはほとんど興味がないのだが
(ホントに田舎育ちか?と言われるくらい興味がない)
花屋さんでは売られていない雑草のような草花なら良く知っている。

ほとんど手入れされず、野生のままに伸び放題の庭の草木。
手をほどこされた美しさはないが
春の日の中で輝く生命力を放っている。

夕暮れの裏山。
小さい頃、ちょうど腰かけられる木の枝に登って
夕日が沈むのをいつまでも眺めていた。
そんな日々が、全く退屈ではなかったあの頃。

沈んだばかりの日のなごりと、小さな月が同居する瞬間。
庭から見上げた空の風景。