最近、もっぱら周囲から「美人なのにオヤジ化してきてモッタイナイ」と、評判の静どん。
今日は日曜日..朝から「オジヤ」を作って食べながら、何か考えている様子です。
「あ〜、楽してお金が欲しいよう。そんな仕事って何か無いかな。..
そうだ、お気楽そうな管理人さんに聞いてみよっと」
そこで、管理人に電話をかけました。すると...
電話 「ただ今、おかけになった電話は...ブチッ」切れてしまいました。
静どん「一体、どうゆうこっちゃねん...普通は続きを言って切れるはずなのに..」
ブツブツ言いながら、もう一度かけてみました。
電話 「ただ今...魚を..手が離せません。戻ったら、おれ返しかけ直し..ブチッ」
静どん「ふむ..今度は留守電だわ..よくわからないけど待ってみようかしら..」
しばらくすると、静どんの電話が鳴りました。
静どん「もしもし、どなたですか?」
電話 「もしもし、静どんですか?..オレオレ..」
静どん「何よっ、オレオレって..さてはあなたはサギでしょっ」
電話 「いえいえ、サギじゃないよ。さっき電話をもらったネコですけど」
静どん「あらっ、いきなりオレオレしか言わないんだもん」
ネコ 「留守電テープに吹き込んでたでしょ。『オレ返しかけ直します』って」
静どん「そんなこと吹き込むから紛らわしいんじゃ〜」
ネコ 「ネコの話しは、しっかりと聞かなきゃだめでしょ」
静どん「あのねぇ〜お宅の電話はおかしいのよね。話しの半分くらいしか聞き取れないよ」
ネコ 「デヘッ..何しろ電話代を半分しか払えなかったからね。きっと制限されてるのかも」
静どん「そんな器用な制限が出来るなんて、初耳だわ」
ネコ 「技術の進歩は、すごいらしいからね」
静どん「そんなことより、留守電のときは何してたの?よく聞き取れなかったけど?」
ネコ 「あ〜あれはね『只今、朝ご飯の魚を釣りに行ってる最中なので、釣竿から手が離せません』だよ」
静どん「なるほど..手が離せない理由がやけにリアルだわ。それで、魚は釣れたの?」
ネコ 「いやいや..TVで今日の運勢は最悪の日と言ってたから、やっぱり釣れなかったよ」
静どん「そう言えば、TVでやってる運勢占いは、よく当るわねぇ...そだっ!」
静どんは何か閃いたようです。
静どん「ネコさん、どなたか占い師さんを紹介してよ」
ネコ 「それはいいけど..でも、どうする気なの?」
静どん「あたしが占い師になって、良い事だけを言って、みんなを喜ばせてあげるのよ」
ネコ 「なるほど〜。それなら、今日の釣も大漁だったかも..」
静どん「でしょ〜。早く教えなさいっ!」
ネコ 「んじゃ、居場所と名前を言うからメモしてね。場所は、日テレ..名前はホソキ..ブチッ」
静どん「あらあら、早く残りの電話代を払わなきゃね。..でも、細木数子って.すごいかも〜?」
慌てて、メモを持った静どんは、TV局へと向かいました。
やがて到着したTV局前の広場では、いくつかの行列が出来ています。
静どん「何よ〜この行列って..ちょっと並んでいる人に聞いてみよっと」
静どんは、行列に並んでいる青年に尋ねました。
静どん「あの〜、これは何の行列ですか?」
青年 「ラーメンですよ。TVで人気の出たラーメン職人がお店を出したから、食べにきたのさ」
静どん「な〜るほど。これが『行列の出来るラーメン屋さん』なのね」
納得した静どんは、今度はとなりの行列に並んでる爺さんに尋ねました。
静どん「お爺ちゃんは、何で並んでるの?」
爺さん「ワシはのう..法律相談所に並んでおるのじゃ知っておるか?『行列の出来る法律相談所』」
静どん「あの視聴率が高い番組ね。それでどんな相談なの?」
爺さん「相談事などありゃせんよ。あのポッチャリ女弁護士に握手をしてもらうんじゃ」
静どん「な〜んだ。いろんな行列があるのね。..おっ、あそこのお店は何かしら?」
TV局前広場の隅に、ひっそりとしたお店を見つけた静どん。
そこには小さな看板に『行列が出来ない占いの館(有名人御用だす)』と書かれています。
静どん「まぁ、何てことでしょ..改名させられる有名人が行列してると思ったのに〜」
静どんがお店を覗いていると、中からデップリとした中年女性が出てきました。
静どん「どこかで見たような..でも、ちょっと違うような..」こわごわ尋ねてみました。
静どん「あの〜、もしかして細木数子さんですか?」
細木 「細木数子はあたしの母なの。だからあたしは『細木数の子』って言うのよ」
静どん「それで顔も体型も似てるんだ〜」
細木 「あなたは有名人じゃなさそうだけど..何かご用なの?」
静どん「あたしを...あたしを占い師にしてくださいっ!」
細木 「占い師って、辛〜い修行があるのよ。本当に出来るの?」
静どん「へぇ〜そうなんですか?禁酒・禁煙・断食以外の修行なら、何でも平気ですけど」
細木 「そんなんじゃ話しにならないわよ。今すぐ全部やめなさいっ」
静どん「はいっ、今やめましたっ!」
細木 「ほんとかい?..まぁいいわ.とりあえずあたしの助手にしてあげるから、しっかり働くのよ」
静どん「はーい...でも、何をしたらいいんですか?」
細木 「TV局に来る有名人が、たまに間違ってこのお店に入ってくるからね」
静どん「もしかして..あたしみたいに..ですか?」
細木 「そうよ。一度お店に入ったら、逃げられないようすかさず取り押さえるのよ」
静どん「そんなことしたら、訴えられませんか?」
細木 「あんた何言ってんのよ..訴えられないように(有名人御用だす)って書いてるのよ」
静どん「まぁ..あの看板は『有名人ご用達』じゃなかったんだわ」
細木 「このお仕事は、有名人相手だからいいのよ。うまく当ればあたしも有名になれるって訳なのよ」
静どん「なんだか占いの世界の暗黒面を見るようだわ...ボソッ」
そんな話しをしていると、誰かが店の前を通りかかりました。
細木 「あんた、早くそのテーブルにあるチーズを、入り口に向かって投げるのよ..」
静どん「あ、はいっ」
言われるままに、テーブル上の干からびたチーズを投げました。
すると、チーズにつられた2匹のネズミが店に入ってきて、チーズをかじりはじめました。
静どん「あらら..先生これって、ミッキーマウスとミニーマウスですよ」
細木 「うまくいったわっ..今度は早く、店の戸を閉めるのよっ!」
ガラガラピシャッ!....二匹のネズミは、まんまと御用になりました。
細木 「さぁネズミさん達、あたしに相談とは何かしら?..言ってみなさい」
ミニー 「別にあたし達は..今日ここのTV局の余興に来ただけですから...」
細木 「でも、TV局の控室で何か言われたわね」
ミッキー「実は..ボク達の服が『なんだブランド物じゃないのか』といつも嫌味を言われるんだよ」
細木 「あなた達は、ブランド物の服を着てないの?」
ミニーは、恥ずかしそうにうつむきながら言いました。
「この服は、みんなミッキーの手作りなの..だから贅沢なブランド服じゃないのよ」
細木 「ん〜〜これは困ったわね〜」
静どん 「だったら、その服に『ミッキハウス』と名づけてブランドにすればいいわ」
ミッキー「なるほど〜その手があったか....お嬢さんありがとう」
二匹の顔に笑顔が戻り、喜んで帰って行きました。
やがて、『ミッキハウス』は可愛い子供服を売り出し、一躍有名になったということです。
ある日、お店にはお礼としていっぱい子供服が送られてきました。
静どん「なんか物をもらうと、気分がいいわ〜」
細木 「でも、お店にはこんなにいっぱいの子供服は入りきらないよ。どうしようか?」
静どん「そんなの決まってるわ。この広場でガレージセールして売っちゃえばいいわ」
細木 「そのお金はどうするの?」
静どん「いっぱい売ったら、一杯飲めるわ〜」
細木 「そんなことしてたら、あたしみたいにデップリさんになるわよ」
ちゃんちゃん♪