2007年8月にゲットしていただいたのに、今日までかかってしまいました。
(自分なりに納得できる作品が出来なかったし、仕事が忙しかったので..)
そんな中..せっかくだから正月をテーマにしてみました。(ナウいでしょう)^^
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今日は、まだお正月です。
大晦日に部屋をきれいに片付けて、居間には鏡餅を飾って見違えるような部屋になりました。
そんな居間で、静どんは朝から中華料理のオードブルを肴にお屠蘇をたらふく飲んで、ふと気がつきました。
どうしてこんなに身体が重いんだろ?そうだ、お屠蘇ばっかり飲んでないで、お外にも出なくっちゃ」
(どうやら、お正月早々たくさん食べたツケが回ってきたようです)
静どんは散歩がてらに、細木数の子先生の居る、占いのお店に向かいました。
都会の正月の街は、人もまばらで非日常のたたずまいです。
「せんせ〜。明けましておめでとうございますぅ」
ガラス戸を勢いよく開けると、数の子先生がダンボール箱に囲まれて、お屠蘇を飲んでいるところでした。
「あら〜静どん。いつも元気一杯だねぇ。丁度いいわ、お屠蘇を一緒に飲みましょう」
「えっ..又、お屠蘇ですかぁ?」
「一人で飲んでても面白くないからね。静どんと飲むと何かが起こりそうで楽しいのよ」
「何かが起こりそうって..まっ、いいか」
静どんは、周囲のダンボール箱を片付けて..お屠蘇を飲み始めました。
二人「お正月に、かんぱぁ〜い♪」
「ところでせんせ〜。あたし気になることがあるんですけど..」
「あらっ、珍しいわね。な〜に?その、木になるって..もしかして銀杏?」
「それは..木になる『木の実』でしょ。そうじゃなくって〜」
「あはは..冗談よ。あたしは占い師だから、静どんの気になることって解ってるわよ」
「おおっ、さすが先生だわ..だったら、当てて下さ〜い」
「ふむ..静どんの気になることとは..このダンボール箱の山でしょ?」
「うんうん。去年には無かったでしょ?こんなに箱が一杯って?」
「これはね、新しい占いに取り入れようと、占いの道具を通販で買ったのよ」
「ふ〜ん。いろんな通販もあるものなのねぇ。でも、こんなに沢山って多すぎません?」
「占いの道具にも『当たりハズレ』があるものなのよ」
「なるほど〜。それで占いは『当たるも八卦、当たらぬも八卦』って、言うのね」
静どんは、ダンボール箱を持ち上げては、振って音を聞いたりしています。
「この箱の中には重いのもあるし、軽いのもあるわ。でも、表示が全然無いのね」
「箱の中に使い方のメモが入ってるのよ」
数の子先生は、お節料理のハムをつまみながら静どんに答えました。
静どんが、小さな正立方体の箱を持ち上げると...「ゴロゴロッ..ドッスン」
ダンボール箱の底が抜けて、中身が転がり出てきました。
「あらっ、大きなビー玉みたいなのが落っこちたわ。どうしましょ?」
数の子先生は、それをひと目みるなり笑い出しました。
「あはは..それは水晶玉よ。静どんが落としたから『おとしだま』としてあげるわよ」
「わ〜い。やりぃ〜。でも、水晶玉って、よく魔女が持ってるアイテムでしょ?」
「魔女じゃないわよ..それを言うなら占い師でしょ」
静どんは、水晶玉をしげしげと覗きこんで首を傾げました。
「せんせ〜。この玉って、落ちた衝撃で壊れちゃったみたいですぅ。何も映らないですよ」
「TVじゃないのよ。その箱の中にメモが入ってるはずよ」
「そうだった。どれどれ使い方のメモは...あっ、あった...けど..」
出てきたメモには、こう書かれているだけでした。
「念じることで カコ・イマ・ミライ」
「せんせ〜。これって本当に『取り扱い説明書』なのかなぁ?」
「占い師はこれでわかるのよ..まず、頭の中で見たい物を強く念じてから玉を見るといいわよ」
「う〜ん。見たい物って言われてもなぁ〜」
「静どんが気になってる物よ..何か無いの?」
「あっ..そう言えば管理人のネコまんまはどうしてるのかしら?プレゼントが全然届かないのよねぇ」
「だったら、ネコまんまを強く念じてから、覗いてみたら?」
「そうかそうか...う〜ん。ネコまんま出ろっ!..ゲフッ..」
静どんの口から、ゲップが出ました。
「お屠蘇のゲップが出たけど、まぁいいや〜」
静どんが、水晶玉を覗くと...あら不思議!?水晶玉の中に文字が浮かんできました。
「いつやねん?」
「せんせ〜。クイズみたいな玉ですよ。『いつやねん?』って、質問が来ましたけど?」
「きっと、過去か現在か未来か、どれを見たいかも合わせて念じなきゃ駄目みたいだわ」
「ん〜と。じゃあ..謎に包まれた『ネコまんまの過去』にしよっと..」
「う〜ん。ネコまんまの過去よ出ろっ!?..ジュルッ..」
静どんの鼻から水洟が出ました。
「忘れてたけど風邪気味だったわ、まぁいいや〜」
静どんが、水晶玉を覗くと...あら不思議!?水晶玉の中に映像が映り始めました。
どうやら、産まれたての黒い子ネコがミャァミャァと鳴いているようです。
「なるほど〜。ネコまんまの過去は子ネコだったのね...って、当たり前やんかっ!」
数の子先生も、興味が出てきたのか、お箸を持ったままやってきました。
「静どん、ネコまんまの未来を見てみたらどうかしら?」
「なるほど。占いには未来が一番大切でしたね」
「う〜ん。ネコまんまの未来よ出ろっ!?..ポタッ..」
強く目を閉じたので、静どんの目から涙が出ました。
静どんが、水晶玉を覗くと...野原しか映っていません。
「せんせ〜。何も映ってないけど..どういうことかしら?」
静どんに尋ねられた数の子先生は、ある一点を指差しました。
「きっと、これだわっ」
野原の地面に少し盛り上がった場所が見えます。
「せんせ〜。これは一体..?」
「みんな未来はお墓に入るでしょ。ネコまんまはきっとこの中だわ」
「なるほど〜...って、どんだけ先の未来を映すねんっ」
「まぁまぁ..静どん、ネコまんまの今を見てみたらどうかしら?」
「なるほど。どんな生活しているのか覗き見できるわね..ぷぷ」
「う〜ん。ネコまんまの現在よ出ろっ!?..ゴホンッ..」
静どんの喉から咳が出ました。
「どんどん風邪がひどくなってくわ。まぁいいか」
静どんが、水晶玉を覗くと...
黒いネコが、どこかの部屋の中に置いてある紙袋に出入りしている映像が見えます。
でも、出入りするたびに、どんどん白くなっていくではありませんか。
「あらあら、管理人さんってどんどん白髪が増えて..苦労してるみたいだわ」
「静どん、よ〜く見てごらん。ネコまんまは、小麦粉の紙袋で遊んでるのよ」
数の子先生に言われた静どんが、目を細めてよ〜く見ると『日清製粉』の文字が見えます。
「な〜んだ。ネコは紙袋が大好きだから粉がどんどんついてたのね。心配して損しちゃった」
「この水晶玉って、過去と未来はあてにならないことがわかったわ」
「ほんとですねぇ〜」
「あたしは、お屠蘇が回ってきたから、ちょっとお昼寝するわよ」
数の子先生は静どんの横で、ゴロリと横になって寝てしまいました。
静どんは、水晶玉を前にして「次は誰の現在を覗いてみようかなぁ」と考えました。
「そうだっ、今年はネズミ年だから..ミッキーがいいわ」
「う〜ん。ミッキーの今よ出ろっ!?..アツッ..」
静どんは、風邪の熱が出てきたことに気付きました。
「これは早く家に帰って寝たほうがよさそうだけど。まっいいか」
静どんが、水晶玉を覗くと...
なんとどこかで見た部屋で、たくさんのネズミが中華料理のオードブルを食べているではありませんか。
「おおっ、ミッキーは中華料理をお食事中か...って、本物のネズミがいっぱい居る〜..ヒィィ」
静どんは、ショックのあまり気を失ってしまいました。
それからどれだけ時間が経ったでしょう。
目を覚ますと、数の子先生が心配そうに静どんの顔を覗きこんでいます。
「静どん、うなされてたけど、何を念じて水晶玉を見たの?」
「ん〜とねぇ。ネズミ年だと思って『今よ出ろっ』て念じたら熱が出てきて、オードブルを食べてたわ」
「まだ目覚めてないし..その光景に見覚えはあったのかしら?」
「なんだか見馴れない、きれいなお部屋だったし..あっ!出かける前に中華料理のオードブルをそのままにしてきたわ」
「そのお部屋って、もしかして静どんの家の居間じゃなかったかしら?」
「言われてみれば..思いっきりきれいにしたから、あれは、あたしんちだわっ!」
「なるほど〜、あたし達は水晶玉のメモを勘違いしていたみたいね」
「勘違いって..?」
「静どんは、熱のせいで『静どんの居間』を念じたのよ。カコ・イマ・ミライのイマとは、居間だったのよ」
全てを理解した静どん..「せんせ〜。ネズミを退治するから一緒に来て〜」
二人は大慌てで、静どんの家に向かって、走り出しました...とさ。
ちゃんちゃん♪