テーマ 「ひっきーさんのネコバスで観光地巡り

※この物語は キリ番 10000 のプレゼントジョークです。

 

 久し振りに、映画『となりのトトロ』を見た。ひっきーさん。

「あ〜、あんなネコバスに乗って、どこかに遊びに行きたいよ〜」

 

興奮さめやらぬ思いで眠りについた夜のこと..こんな夢を見ました。

 

 

ひっきーさんは、見知らぬ町をブラブラ歩いています。

ふと、軒先に『ネコバス かします』と、張り紙をした家を見つけました。

 

「あらっ、もう夢が叶ったじゃないの〜」ワクワクしながら家の中に入ってみました。

 

家の中では一匹のクロネコが、さも暇そうに大きなあくびをしています。

「あのぅ、表の張り紙を見たんですけど...」

「はてな?..何か張り紙したかにゃ?」クロネコは首をかしげて..ついでに後ろ足で首を掻き始めました。

「たしか『ネコバス貸します』って、出てましたけど?..一度ネコバスに乗ってみたいんです」

「あ〜あれか..思い出した。ちょっと待っててにゃ..」クロネコは家の奥に引っ込んでしまいました。

 

やがて「ヨッコラショ、ドッコイショ」と声がして、クロネコが風呂桶を引きずってきました。

「これが、オイラ専用のネコバスだけど..貸してあげるよ」

「あちゃー、ネコ専用の、お風呂のことだったの?..ガッカリだわ」

「あははは..冗談ですにゃ..あれはオイラのことだけど、一つだけ間違ってるにゃ」

「間違ってるって...何が?」

「あれはオイラが『ネコバス化します』だにゃ。長年の訓練で人を乗せて走る技術を身に付けたもんにゃ」

「な〜んだ。単なる自慢じゃないの。でも、それだったら一度乗ってみたいわ」

「ふむ..乗せてもいいけど、免許は持ってるかにゃ?」

「あら?バスに乗るのに免許なんて要らないでしょう?」

「ちゃうちゃう。バスに乗るんじゃなくて『猫に乗る免許』のことだにゃん」

「あ〜なるほど...って、なんでやねんっ!そんな免許なんて知らないし..」

 

クロネコは袋の中からゴソゴソと、『仮』と書かれた免許証を取り出しました。

「それなら、この免許証を貸してあげるよ..借り免許代金は二千円だけどね」

「なんだかよくわからないけど、それを払えばネコバスに乗せてもらえるのね」

 

ひっきーさんは財布を出そうとしますが..財布を持ってないことに気付きました。

「困ったわ〜。お財布を忘れてきちゃった」

「仕方ないにゃ〜。んじゃ、今からネコバス専用のクレジットカードを作るかにゃ?」

「そんな専用のクレジットカードがあったなんて..それって怪しいカードじゃないの?」

「怪しいカードじゃないょ。みんな知ってると思うよ。じゃあ、これにサインしてにゃ」

「なんか面倒臭いけど、ネコバスに乗れるならいいかも〜」ひっきーさんはサインをしました。

 

クロネコは、袋の中からカードを取り出し、ヒッキーさんに渡しました。

「入会金が二千円で年会費二千円、でも引き落としは年末に一回だけですにゃん」

「本当に本物なの?..あっ、このカードって『JCB』って書いてあるけど..」

「だって元々、JCBは『Japan Cat Bus』の頭文字ですから..」

「ぐはっ、そういう意味が有ったとは、知らなかった〜」

 

「さて、これで準備は完了だけど..どこに行けばいいのかにゃ?」

「行ってみたいのは、日本一の観光地がいいけど..あんまり知らないのよね〜」

「んじゃ、オイラにお任せだにゃ..オイラの背中に乗って、ヒゲを両手でシッカリ握っててにゃ」

 

クロネコの指示どおり、ひっきーさんが身構えると..

「イヤッホーーーイ!」クロネコは掛け声と共に走り出しました。

いやはや、その速いこと..あまりのスピードにひっきーさんは目を開けていることが出来ません。

「振り落とされないように、しがみついているだけで一杯一杯だわ〜」

やがて、急ブレーキがかかりクロネコが停まりました。

「お待っとさん。日本一の観光地に着いたよ」

ひっきーさんは恐る恐る目を開けました。

 

あたり一面、霧に包まれていて何も景色が見えません。

わずかに足元に岩がゴロゴロ転がっているだけです。

「ここは、どこかしら?」

「日本一の高い観光地と言えば、富士山の頂上だにゃ」

「日本一には違いないけど..富士山が見えるところが観光地でしょっ!頂上に来て、どないやねんっ!」

「まあまあ、そう怒らずに..この缶コーヒーでも飲んで一服するにゃん」

「グビグビッ..あ〜観光地で飲むなら、やっぱり缶コーチーだわ」

「値段も日本一ですから〜..千円つけて置くからにゃん」

「何か新しいサギ商法にかかってるみたい..」

 

ひっきーさんは、ふとクロネコの首にかかってるメーターを見つけました。

「そのメーターは、万歩計なの?もう2000って表示されてるけど..」

「いえいえ、これは料金メーターですよ。いわゆる『バス料金』ってやつですにゃん」

「ふ〜ん。それも請求される訳かぁ〜。なんて現実的なんでしょ」

「そんなことより、霧もどんどん深くなってきたから早く別の観光地に行くにゃん」

「そうね..こんどは大きな湖がいいな..でも、湖の中はダメよ」

「にゃはは..オイラも泳げないから、それは大丈夫だにゃん..ソレーーーッ!」

 

クロネコは再び、ひっきーさんを背中に乗せて富士山の頂上から駆け下りました。

振り落とされない様に、必死でヒゲをつかんだひっきーさんは目を開けていられなくなりました。

ひっきーさんの耳には、ヒューヒューという風を切る音しか聞こえません。

どれくらいの時間が経ったのでしょうか。やがて、湖の匂いがしてきました。

 

「お待っとさん。日本一の観光地に着いたよ」クロネコが言いました。

ひっきーさんが目を開けると、そこはとても大きな湖のほとりです。

湖を取り囲む森の緑が湖面に映えている様は、別世界のようです。

メーターの料金は「3000」をさしています。

 

「うわ〜すご〜い。きれいだわ〜。さっきの霧の中とは大違いだわ」

「ここは、日本で一番大きな琵琶湖だからにゃん」

「あたしも車の免許取ったら色々旅行しなきゃ..でも、あれは何かしら?」

 

湖面を黒い魚が、人間を乗せて、まるでジェットスキーのように行き交ってます。

「ネコバスさん、あの黒い魚は何だろうね?」

「あれは、オイラと同業者だね。魚の..ブラックバスだにゃん」

「なるほど〜。人を乗せる水上バスだったんだわ〜」

 

感心しているひっきーさんにクロネコが言いました。

「そろそろオイラは車庫に帰って、キャットフードを食べなきゃ」

「あら残念だわ..もっと色んな観光地に行きたかったのに〜」

「だったら、またキリ番踏んどくれよ..いつでもご利用下さいにゃん」

「ほーーーい」

 

大きな声で返事をしたひっきーさん..自分の声で目を覚ましました。

「あれ〜夢だったのか〜。不思議な夢だったなぁ〜..」

ふと枕元を見ると、手紙がありました。

「こんなの寝る前には、なかったのに...どれどれ」

 

手紙

『ネコバスで観光地巡りは、どうでしたか?

 JCBカードの料金請求は、合計一万円でした。

 またのご利用をお待ちしています。

 12月末の暮の引き落としまで、ジッと待ってます

 これがほんとうのクレジットですから..

                         ネコまんま』

 

ひっきーさん「これって...夢を見ただけで..一万かいっ(回)!」

ちゃんちゃん♪

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