※この物語は キリ番 11000 のプレゼントジョークです。
かなべーさんは大学生
アルバイトで鍛えた「もんじゃ焼き」が得意料理です
でも、夏休みが終わると、とても憂鬱なことがあるそうですが....。
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夏休みも終わろうとする、ある日のこと。
かなべーさんの家の前に、クロネコがやってきてミャアミャアと鳴きました。
「あら、なにごとかしら?」とかなべーさんが玄関に出てみると..(以降、敬称略)
クロネコ「お腹が減ったよ〜。何か食べさせておくれよ〜。ミャアミャア」
かなべー「あらあら、言葉を話すネコだわ..珍しいから何かご馳走してあげるからね」
クロネコ「わ〜い。ありがとにゃん」
クロネコは、かなべーさんより早く家の中に入り込んで、チョコンと食卓につきました。
かなべー「随分お腹が減ってるみたいだけど、何が食べたいの?」
クロネコ「ん〜とね。かなべーさんの一番得意な料理でいいよ」
かなべー「だったら、もうこれしかないわ」
かなべーさんは「もんじゃ焼き」の準備をすることにしました。
かなべー「でも..人間と同じ食材でネコが喜ぶかしら?」
暫く考えて..「そうだ」と何やら閃いたようです。
食卓でアグラをかいて待つクロネコの前に「もんじゃ焼き」の材料が運ばれました。
クロネコは「これはなんて料理にゃん?」と尋ねました。
「これはまだ料理じゃないのよ。これはもんじゃ焼きって言って、これから目の前で焼くのよ」
「ふ〜ん」クロネコは不思議な顔をして、プルプルとヒゲを震わせました。
クロネコが見ている前で、かなべーさんは手際良くもんじゃを焼き上げました。
「もう食べてもいいわよ〜」と、かなべーさんが言うとクロネコは
「どれどれ...」と前足で焼けたもんじゃを引き寄せようとしました。
かなべー「ダメダメ、それじゃあヤケドするでょ..これで食べるのよ」
かなべーさんは、ステンレス製の小さなコテを取り出しました。
かなべー「これはハガシって言うのよ。焦げついたもんじゃを剥しながら食べるのよ」
クロネコ「ふ〜ん。では、まず一口いただくにゃ..パクッ...こ、これは..!」
一口食べたクロネコは、目を丸くしてビックリしたようです。
かなべー「やっぱり気に入ったのね」かなべーさんは自信満々です。
「こんなに美味しいものがあるなんて...パクパク」あっと言う間にたいらげてしまいました。
「ふぅ..食べた食べた..満腹にゃ〜。ご馳走になったお礼にこれを上げるにゃ」
クロネコは、レースの布の切れ端を差し出しました。
かなべー「あら、ありがとう。でも..これは何かしら?」
「それは...」
【クロネコの話】
この世界には、身に着けると『ちょっと嬉しいマント』があるらしい。
マントには色々な種類があり、それぞれに『ちょっと嬉しい』種類が違うらしい。
この布の切れ端は、どんな効果があるのかわからないが、そのマントの一部である。
かなべー「マントの一部ってことはわかったけど、どうしたらいいの?」
クロネコ「日本のどこかに、そのマントを作った『マント職人』が居るらしいから、捜して聞いてみるといいにゃん」
かなべー「『ちょっと嬉しいマント』って気になるわ〜。お財布に入れておこっと」
クロネコ「じゃあオイラは帰るにゃん...バイバイにゃ〜ん」
クロネコが帰ったあと、かなべーさんは今日の料理メモを書きとめました。
料理メモ『ネコ用もんじゃ..ネコ缶(生タイプ)・ネコ草・粉鰹・イリコ・マタタビ』
「これで、バイト先にネコの団体さんが来ても大丈夫だわ」(日々勉強されてるようです)
「さて、後片付けをしなくっちゃ」かなべーさんは、台所で洗い物を始めました。
食器を洗い終えて、ハガシのコテを洗おうとした時です。
手を滑らせて..「ポチャン!カランコロン!」とシンクの排水溝の中にハガシが落ちてしまいました。
「あらあら、どうしましょ」とかなべーさんが呟くと、排水溝の中から「コラ〜誰じゃ〜」声がしました。
やがて排水溝の中から、とても小さな爺ちゃんが這い出てきました。
かなべー「あなたは誰ですか?」
爺ちゃん「ワシは昔からここに住んでおる者じゃ。今ワシの頭の上に物を落としたのはお前か?」
かなべー「あたししか居ないから、そうなんじゃないかな?」
爺ちゃん「ん〜。ワシの姿を見て腰を抜かさん奴は初めてじゃ」
かなべー「這い出て来れるなら、落としたものを取ってこれるでしょ..早く取ってきてよ」
爺ちゃん「おまけにワシを利用しようとするとは..よしっ!ワシが誰だか当てることが出来たら願いを叶えてやろう」
かなべー「いいわよ。だったら、あたしが落としたものを当てたらね」
「よかろう。待っておれ」と言って、小さな爺ちゃんは排水溝の中に戻って行きました。
暫くすると、排水溝からハガシのコテを3本抱えて、爺ちゃんが這い上がってきました。
爺ちゃん「お前が落としたのは、この『金』で出来たハガシじゃろ?」
かなべー「いいえ。違うわ」
爺ちゃん「だったら、この『銀』製のハガシかな?」
かなべー「そんなの持ってないもん」
爺ちゃん「すると..これ?」と言って自信なさそうに木製のハガシを指差しました。
かなべー「もう、どれも違うわ。あたしの落としたのは『ステンレス製』よ」
爺ちゃん「おおっ、ワシの正体がバレてしまった。ワシはこの流しに住む「ステンレスの精」なのじゃ」
かなべー「へぇ?..これって『金の斧・銀の斧』みたいだけど..なんか変だわ」
爺ちゃん「何をグチュグチュ言っておる..ワシの正体を当てたから、これを返してやるぞ」
爺ちゃんは、ステンレスのハガシをかなべーさんに差し出しました。
かなべー「正直者は『金』を貰えるんじゃないの?」
爺ちゃん「な、何を言っておるのじゃ。ワシはいつもこうして遊んでおるのじゃ。ワッハハ」
かなべー「んじゃ、あたしの願いを叶えてもらうわよ」
爺ちゃん「そうじゃった..その願いを言うがええぞ」
かなべーさんは、クロネコから聞いた『ちょっと嬉しいマント』の話しをしました。
「..と、言う訳で、どこかに居るというマント職人を捜したいのよ」
爺ちゃん「なるほど..だったらこれをあげるから、明日の新聞をよ〜く読むことじゃ」
爺ちゃんは、自分の口から入れ歯を外してかなべーさんに差し出しました。
「ホガホガホガ」挨拶をしたつもりなのか、爺ちゃんは手を振りながら排水溝に帰っていきました。
爺ちゃんから手渡された入れ歯を見ると..ステンレスのブリッジで止められた4本の入れ歯でした。
「これって、ハガシ(歯が四)のダジャレじゃないの〜?。マントとどう結びつくのかしら?」
かなべーさんの疑問は深まるばかりです..。
翌日、かなべーさんのは朝刊に、こんな記事を見つけました。
【新聞記事】
「動物園で、マントヒヒの虫歯治療始まる
推定年齢百歳の人気者のマントヒヒの歯が、虫歯の為に抜けてしまいました。
しかし、抜けた歯に代わる入れ歯が間に合わないために食事に困っています」
「もしかして、この入れ歯が合うのかしら?」かなべーさんは、動物園に行ってみることにしました。
檻の前に来ると、マントヒヒがほっぺたを押さえながら、涙目になっていました。
「あらあら可哀相に」かなべーさんは、ステンレスの精から貰った入れ歯を差し出しました。
手にとって眺めていたマントヒヒが、パクッと口に入れると..あら不思議!
「いや〜助かった。ピッタリとても具合の良い入れ歯ですなぁ..お嬢さん有難う」
なんと、人間の言葉を喋るマントヒヒになりました。
かなべー 「よかったわ〜。これでゴハンも好きなだけ食べれそうね」
マントヒヒ「うん。お礼に何か願い事を叶えてあげましょう」
かなべー 「うわ〜い。だったら...」
かなべーさんは、クロネコから聞いた『ちょっと嬉しいマント』の話をしました。
「..と言う訳で、どこかに居るというマント職人を捜してるのよ」
マントヒヒ「それなら、ここに居るオイラが『マント職人』だよ」
かなべー 「あらっ..そうだったの?」
マントヒヒ「オイラ、昔はよ〜くヒィヒィ言いながら、毎日マントを作っていたものさ」
かなべー 「それで...マントヒィヒィ??」
マントヒヒ「まぁ、動物の名前って、そんなものです」
かなべー 「ところで..『ちょっと嬉しいマント』って何なの?」
マントヒヒ「それは、こういうことじゃ...」
【マント職人の話】
職人が『ちょっと嬉しくなる出来事』への想いを込めて作ったマントである。
マントの生地や色柄などが、嬉しい出来事に密接に関係している。
例えば、こんなマントを身につけていると..
虹色のマントは、一日一度は虹を見ることが出来る。
青色のマントは、歩いていると次々と前方の信号が青に変わっていく。など
かなべー 「まぁ〜。確かに『ちょっと嬉しくなる出来事』だわ〜」
マントヒヒ「でも、時と場合に『一致したマント』を、使い分けるのがコツだけどね」
かなべー 「だったら、あたしが貰ったこのレースの切れ端は何かしら?」
マントヒヒ「おおっ、それはレースのスケスケマントじゃ。早速レースを編んで仕上げてあげよう」
かなべー 「もしかして、このマントを身に付けたら、服がスケスケになるんじゃないの?」
マントヒヒ「アハハ..それは周りの者が「ちょっと嬉しくなる出来事』じゃ」
かなべー 「そんなマントだったら、要らないわ〜」
マントヒヒ「大丈夫。これは身に着けた者だけに『ちょっと嬉しくなる出来事』が起こるのじゃ」
かなべー 「それならいいけど...」
マント職人は、ヒィヒィと言いながらレースのマントを編み上げました。
マントヒヒ「さぁ出来あがった。これを使う時が来たら教えるから肌身放さず持っておくのじゃ」
かなべー 「はぁ〜い。ありがとうマント職人さん」
それから何日かが過ぎた頃
かなべーさん、夏休みが終わって大学の授業が始まる日の朝が来ました。
すでに駅のホームは、同じ方向に向かう人達で大混雑です。
いつも乗る電車は、ぎゅうぎゅう詰め..
「もっと快適な電車に乗りたいわ〜」と、呟くとかなべーさんの携帯電話が鳴りました。
かなべー 「あら..電源切った筈なのに..まっ、いいか...もしもし」
ネコまんま「かなべーさん、キリ番ゲットおめでとにゃん」ネコまんまからの電話です。
かなべー 「今頃、おめでとうって言われても..今は寿司詰状態で忙しいのよ〜」
ネコまんま「だったら今、レースのマントを身に着けるといいよ」
かなべー 「はぁ〜い」
混雑している車内で苦労しながら、レースのマントを身に着けるかなべーさん。
すると..
次の停車駅で、かなべーさんの前の座席に座っていた人が立ち上がって降りていきました。
かなべー「あらっ、混雑してても『ちょっと嬉しい出来事』が起きました〜」
ちゃっかり座席に座れたかなべーさんが、ネコまんまに報告しました。
ネコまんま「それはよかった..今度から、混雑する電車に乗る時はそのマントをするといいよ」
かなべー 「へぇ〜。このマントって、こんな使い方するんだぁ..でもどうしてこんなことが?」
ネコまんま「そのマントはスケスケだから混雑してる時に身に着けると、その周囲だけ空け空けになるんだよ」
かなべー 「なるほど〜」
ネコまんま「でも、学校で着ると友達が寄って来なくなるから注意しなきゃね」
かなべー 「は〜い。でも..このお話のオチはないの?」
ネコまんま「心配ご無用。今回のオチは..
状況に応じて『一致マントせんか〜い』(1万と千回)ですから〜♪」
それからというもの..
毎日通学路にはレースのマントを身に着けた、元気なかなべーさんの姿が有りました..とさ。
ちゃんちゃん♪