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| キッド THE KID |
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監督:ジョン・タートルトーブ |
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8才のラスティが、40才のラスティに向かって聞きます。 やり手の「イメージ・コンサルタント」ラスの前に、突如、子供時代の自分が現れます。彼は世間的には成功者に入るのでしょうが、昔自分が想像していた生活とはあまりにかけ離れてしまっています。忘れてしまった子供の頃の夢を、少しずつ取り戻していく大人のファンタジー。
初心、忘るべからず? |
| 恋するための3つのルール MICKEY BLUE EYES |
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監督:ケリー・マキン |
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結婚を心に決めた女性の父親は、マフィアだった。平凡だった暮らしが、徐々に壊れていく。彼女を失いたくないとの思いでつく嘘が、雪だるま式に泥沼状態となっていく。巻き込まれ役者ヒュー・グラント。困り顔の泣き笑いが、なんとも魅力的。 息子を殺されたと思いこんだマフィアの一人が、 主人公を殺そうとします。彼らの結婚会場には十数人のFBIが潜伏して、逆にその男を逮捕しようとたくらみます。ところがこの映画の山場だというのに、逮捕劇が説明足らずでわかりづらい。他にも脚本のアラが目立ち、全体に中途半端な印象でした。 原題をカタカナ表記で、安易に邦題とするケースはよく見られます。しかしこの題名の出来は、如何でしょうか?劇中ではわざわざ、3つのルールを特定する台詞はなかったように思います。後からパンフレットを見て納得はしましたが、どうにも取って付けた感は否めませんでした。(原題の「MICKEY BLUE EYES」は、彼がマフィアの一員を装って名乗る名前)このままでもなあ。難しいです。 |
| 美術館の隣の動物園 ART MUSEUM BY THE ZOO |
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監督/脚本:イ・ジョンヒャン |
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26才になるまで、まともな恋愛経験全くなしのチュニの部屋に、突然訪れた男チョイス。そこは彼のフィアンセが住んでいる部屋だったはずなのに… 『卒業』の主役をロバート・レッドフォードは、自分では現実感がなさ過ぎるといって断ったそうです。この作品も、もう少しリアリティのある女優だったら、傑作になったかもしれません。虚構のシナリオに自分を投影させるしか自己実現のできない、友達の少ないような主人公だったら、もっと多くの人々が共感を得られました。プロデューサーのキャスティングで決めさせられたようですが、テーマに沿って踏ん張ってほしかったです。(ヒットはしなかったかもしれないけれど、守るべき一線だった気はします) |
| ボーイズ・ドント・クライ BOYS DON'T CRY |
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監督:キンバリー・ピアース |
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ファーストシーンから、高速で流れる風景が幾度も挿入される。 「私も完璧じゃないから」 「髪型を変えたの?」 |
| オール・アバウト・マイ・マザー ALL ABOUT MY MOTHER |
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監督:ペドロ・アルモドバル |
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「お父さん、独りで散歩に行ったの?」 作家志望の息子と二人で暮らす、移植コーディネーターの主人公マヌエラ。その子どもを事故で亡くし、かつて過ごしたバルセロナで、別れた夫を探す旅に出る。その地で出会う、曲者の女達との波瀾に跳んだ泣きあり笑いありのストーリー。 しかし俺は、どの登場人物にも感情移入ができませんでした。同じ人間なんだからといわれてもなあ。 |
| ライブ・フレッシュ LIVE FLESH |
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監督:ペドロ・アルモドバル |
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戒厳令下のスペイン。バスの中で出産しそうになった臨月の売春婦に対して、付き添いの女主人がいう台詞。 『マリファナでも吸って、リラックスしよう』 捨てられそうな女が、若い男にすがりつきながら。 |
| エリン・ブロコビッチ ERIN BROCKOVICH |
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監督:スティーブン・ソダーバーグ |
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高卒、無職で金もない、離婚歴2回、3人の子持ちの女エリン。潜り込んだ弁護士事務所で、ふとしたことから大企業の起こした汚染問題に気が付く。600人以上の原告団をまとめて、公害訴訟を戦ったある女性の事実をもとにしたフィクション。 『これで君に迫られずに、子守りに専念できるわけだ』 下心はあるんでしょうが、なかなか良い男です。言葉通りに彼はしばらく、主夫としてそこで暮らします。毎日朝から晩まで仕事に没頭する、エリン。そしてある時、両手に子供を抱きながら、好きなバイクが近くを通り過ぎるのを見て、彼は言いしれない脱力感を感じます。そしてまた、自分の生活に戻っていくのですが…。 かみさんに子育ての大半を任せて仕事をしている自分としても、少々身につまされるシーンでした。同時に、忘れてしまった幾つかのことを思い出したりもして。この映画の主題とは少し外れますが、この男の存在は結構重要だと思います。 『ファック、ユー、バック(あんたこそ)』 こんな言い回し、ありふれているのでしょうか。掛け合いのようなシーンで、小気味が良かったこともあって、ちょっと耳に残りました。 『これで生理ナプキンと鬱陶しいブラから、解放されるのよ』 悪意なんて、あろうはずもありません。こうした深刻な状況であればある程、彼等はこうしたユーモアで場をなごませます。当然、TPOはあるのでしょう。しかし僕にはまだ、不謹慎との一線がよく判りません。善かれと思って言ったアメリカンジョークで、袋叩きにあったりして。今のところ、外人に産まれなくて良かったと思うばかりです。 さらに余談ですが、いかに上手く寄せて上げたにせよ、実際あんな風になるもんかね?ジュリア・ロバーツの胸は。 |
| アメリカン・ヒストリーX AMERICAN HISTORY X |
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監督:トニー・ケイ |
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『独りよがりのアンクル・トムが …』 高校の黒人校長のことを、主人公が揶揄していう台詞です。この手の比喩は良く使いますよね。できるだけ無関係なもの同士をつなげるのが、コツといえばコツでしょうか。用い方によっては、シニカルで気の効いた会話を助けます。 ヘイト・クライム・ストーリー。白人至上主義者で、ヒットラーに傾倒する男デレク。実はその思想の背景には、黒人に殺された父親の影響を強く受けていた。暴走して、刑務所暮らしをすることになる兄。さらにそんな彼を崇拝するようになる弟、ダニーとの物語。 監獄での生活の中で、黒人の囚人と一緒に働くうちに、人種差別のナンセンスさに気付いていくデレク。人間なんて一括りにできるものではなく、個人個人が重要なのだということを悟っていくくだりが、この映画の見どころです。皮肉にも、同類と信じていた白人グループに手酷い仕打ちを受け、彼は目を醒まします。出所して、新たな生活を始めるため、これまでの関係を精算しようとするのですが… 唐突かつ残酷なラストシーンで、このドラマは幕を閉じます。 『怒りや復讐心は、大きな荷物を抱えて生きていくようなもの。その感情に任せて過すには、人生はあまりに短い』 この事件の後、果して兄は私怨に溺れることなく、グループ抗争の仲介役として、それを阻止できるのでしょうか。2時間程の作品ですが、各々のエピソードをもっと長くみたかったと思わせるほどの出来です。 この作品を観る前、KKK団なんて時代錯誤のような印象を持っていました。しかし、アメリカでは今なお続く深刻な問題なんですね。恥ずかしながら、ここまでの実情を詳しくは知りませんでした。 観た後で俺は、日本人として、子を持つ一人の父親として、少し深刻になってしまいました。 |
| プランケット&マクレーン PLUNKETT AND MACLEANE |
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監督:ジェイク・スコット |
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『俺達の運命は、お前の腹具合次第ということか』 無理矢理飲み込んだ盗品ルビーを使って、刑務所の番人を買収しようと企むプランケット。それを出すとか、出せとかいいながら、後の相棒になるマクレーンがいう台詞です。 約250年も前のイギリスで、実在したといわれる伝説の紳士強盗の話。いつかアメリカで一旗揚げたいと願い続けている、元薬屋ブランケット。金はないが貴族達に顔がきく、聖職者の息子マクレーン。二人に気の強い美女レベッカが絡んでの、ピカレスクロマン。 闇討ちにしたフランス大使に、プランケットが向かっていう台詞。 『貴方が(ここに)いる間、フランスは雨だろう』 言葉通りに受け取ると、彼の不在を祖国が悲しんでいるようにも聞こえますが、皮肉でしょうか?このシーンからすれば、憎まれ口を叩くような場面なんですが、良くわかりません。たわいのないシーンではあるのですが、釈然としませんでした。 レベッカの大切にしているネックレスが、マクレーンとの間で行き来します。その辺りの伏線が、どうもわかり難い。ラストで主人公を救うアイテムになるかと思えば、そうでも無かったようだし。「荒野の一ドル銀貨」は、途中の決闘シーンで一度使ってしまっているしなあ。 男二人に女一人の強盗といえば、「明日に向かって撃て」のブッチ・キャシディとサンダンス・キッド。襲った馬車が銃弾で蜂の巣になるシーンでは、「俺達に明日はない」を思い出しました。この映画、目新しくみえて、結構名作の良いとこ取りをしているようです。 さりとて重厚で金のかけた舞台と豪華な衣装には、目を見張ります。趣味の悪い首吊り帽子やら、没落裁判官の家の犬がちゃんと死んでいたりと、場面場面に細部のこだわりが見られて楽しめました。 |
| 雨あがる |
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監督:小泉堯史 |
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今は浪人の身である三沢伊兵衛が、御前試合をしくじって、宿で待つ妻にいう台詞。 『今日はひとつ、呑ませてください』 始終物静かで、誰に対しても腰の低い彼も、不器用な自分をやるせなかったのだろう。普段は大酒呑みでもなさそうなので、逆に彼の心中が胸に迫った。それに対し、妻は多くを尋ねることもなく、静かに酒を注ぐ。 慈愛に満ち、時として意志の強い妻、たよ。役の宮崎美子がとても良い。優しさが仇となって、なかなか実力に見合った仕事につけない夫を力強く支えている。それに応えようと空回りする夫の姿が、何処かもどかしく、そして物悲しい。 過去に賭け試合をしたために、藩の指南番への登用を断られてしまう三沢。それを告げに来た役人に対する、とよの言葉。 『大切なのは、主人が何をしたかではなく、何のためにしたかということではありませんか』 出来過ぎです。優等生的で格好が良すぎるので、かえってちょっと困ってしまいます。そしてさらに台詞は、こう続きます。 『あなた達のような木偶の坊には、おわかりいただけないでしょうが』 しかしこれで、主人公の忸怩たる想いも、どうにか少し気が晴れるような気がします。 大雨で川を渡れず、宿に足留めを強いられている浪人とその妻。剣の実力はあるのだが、その優しさが皮肉にも災いして、勤めがどこも長く続かない。喧嘩の仲裁に入ったことから、藩の指南番に取り立ててもらう機会を得るのだが。今回は果たして
…… |
| どら平太 |
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監督:市川崑 |
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ある藩と癒着した不良地域を一掃すべく、命を受けてきた町奉行の望月小平太、別名どら平太。彼独自のやり方でそこへ潜入し、根絶をはかるのだが、藩の腐敗は想像以上に根深いもので …… 刺客に狙われているどら平太が、彼等全員をみね打ちにした後でいう台詞。 『こっちもそろそろ、篭を早めねえといけねえようだ』 こんなものです。この程度なら比喩として許される範囲というか、普通の会話です。これが向こうだとおそらく、『糠味噌が、酸っぱくなっちまわねえようにしないとな』とか、考えているはずです。 幾つかそれらしい台詞もありましたが、今となっては(脚本は当初、30年前に書かれたもの)何処かで聞いたようなものばかりです。当時であれば、奉行のベらんめぇ調も新鮮だったのでしょうが、現在ではさして目新しくもありません。むしろ活劇としてのアクションシーンが、楽しめる作品でした。 |
| マイ・ハート,マイ・ラブ MY HEART MY LOVE |
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監督:ウィラード・キャロル |
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『脳腫瘍だろうと、パーティーは開くよ』 重病の夫ショーン・コネリーが、妻のジーナ・ローランズにいう台詞です。そうです、これこれ。この後どれくらい生きていられるか分からないような状況でも、こんなことをいう。自分自身のことだから不謹慎だともいいませんが、やはり文化が違います。 そして酒を飲みながら、こんなことも漏らします。 『寿命があったら、アル中になれるかもな』 決して自虐的に暗くなったりすることもなく、ごくごく自然に言葉が出ます。台詞の陽気さの裏返しには、ユーモア無しではやってこられなかった民族の歴史を感じます。 『結婚指輪をしていると、男に迫られないもんでね』 中学生の頃「ピンクパンサーPART3」を観て、ゲイの存在を知りました。バイセクシャルがどういうものか、全く知らなかったので、とてもショックを受けた記憶があります。その頃に比べると、彼等への差別偏見も随分と少なくなってきたのではないでしょうか。 この後で、彼女の別れた夫が実はゲイで、他の男に寝取られたことが判ります。こんなことばかり考えていると、気の効いたことを云おうとして墓穴を掘ることも多かろうと思います。 (2000.8.2)INDEX |
| プロポーズ THE BACHELOR |
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監督:ゲイリー・シニョール |
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独身生活を満喫し、結婚を人生の墓場だと思っているジミー・シャノン。ところが祖父の遺産を相続するため、30才の誕生日(なんと翌日!)までに何としても結婚しなくてはならなくなる。バスター・キートン主演の名作『セブン・チャンス』のリメイク。 『(かみさんは)君が老いた時に、青年時代のことを憶えていてくれるんだよ』 有り難いことです。さすが司祭のお言葉。男だろうが、女だろうが、一緒に過ごした時間というのは貴重です。記憶を共有することで、二人の間には連帯感がうまれます。この台詞で、ジミーは心から結婚することを決意します。 それに結婚すると、煩わしい関係も一緒に抱え込まなくてはなりません。気ままな独身時代と比べると、我慢したり、させたりといった不自由なことも多いもんです。 とはいえ、一緒に笑ったり泣いたりできる相手が傍にいるというのは、とても幸せなことです。一緒の冗談で大笑いをしたり、背中をマッサージしてもらっていると、生活の幸せを感じます。些細なことですが、こんな処が現実ですかね。 『ここでなら、死ぬまで寝ちまいそうだな』 なんの気なしの台詞ですが、こんなことをいつも考えているというわけです。 (2000.8.2)INDEX |
| ザ・ビーチ THE BEACH |
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監督:ダニー・ボイル |
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天体写真を撮ることが大好きなフランス娘に対して、もてないディカプリオが空を見ながら口説く文句。 『何処かにある、別の同じような世界にいる君が、今の君のことを(写真に)写しているかも知れないね』 満天の星の下では、妙にロマンチックな気分になってしまい、こっ恥ずかしいことも言っちまうもんです。その娘も負けてはおらず、『アメリカ人の男が、フランス娘をたぶらかす常套文句ね』などとその場をいなします。ところがその後の展開をみると、どんな歯の浮くような台詞でも言ったもん勝ちといった処でしょうか。とにかく機会あらば、懐に潜り込んで打つべしということです。 『いい食事をくえよ』 食べるつもりが食べられて、といったジョークのつもりだろうが、これって面白いか。訳が良くなかっただけかも知れないが、感性が違うとしか言い様もない。脱力感。劇中でもあまり受けてはいなかったけどね。 (2000.7.19)INDEX |
| シックス・センス THE SIXTH SENSE |
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監督:M.ナイト・シャマラン |
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主人公の妻が働く宝石店で、ある男が高価な宝石に見とれる女に向かって、 もしかするとこの程度の台詞、銀座の和光あたりでは日本でも聞けるかもしれない。まだ許せるのは、これが男の心底から出たものというより、苦し紛れに飛び出した言葉だということ。シンプルな指輪を探す男に対し、私にはシンプルがお似合いって言うの!と無茶苦茶な駄々をこねる。だから女ってヤツは。 ストーリーは、死人が見えてしまうという不運な才能を持ってしまった少年の話。そのおかげで周囲に馴染めず、情緒不安定な彼を救う医師に、ブルース・ウィルス。「決してラストは、話さないで下さい」という前置きは、サスペリアが最初だったろうか。かなり吃驚させられました。満足の一本。ビデオ必見! (2000.7.5)INDEX |
| ストレイト・ストーリー THE STRAIGHT STORY |
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監督:デイヴィッド・リンチ |
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旅で出会った娘に「いつから旅をしているの?」と聞かれて、 日本ならさしずめ、渥美寅さんか渡り鳥の小林旭だろうか。若造には到底吐けない台詞である。俺も長生きしてこんな気の利いたことを一度は言ってみたいものだ。到底似合わねえだろうし、言う前に自分で笑っちまうだろうが。こう考えると、年をくうというのも案外良いこともあるかもしれない。 『老いると細けえことが、気にならなくなる』という主人公に対し、「歳をとって嫌なことは?」という青年の質問に答えて、 含蓄。老獪。長い老人の人生をも想像させるくらいのお言葉。その青年は絶句してしまう。老人になったら若いヤツ相手に、ぐうの音も出ないくらい身も蓋もないことを、早く言ってみてえなあ。 ストーリーは、500キロ離れた病床の兄のもとに、小さな耕耘機に乗って会いに行く74歳の老人の話。幾つかキャラクター設定にこだわりは見られるが、デビッド・リンチらしからぬ普通のヒューマンドラマ。大阪で働く二人の弟と、無性に話をしたくなってしまった。 (2000.7.5)INDEX |