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はじめにdakara



◎2001鑑賞作品リスト◎

大当り狸御殿

ダンサー・イン
・ザ・ダーク

しびれくらげ

鴛鴦(おしどり)歌合戦

ハイ・フィデリティ

でんきくらげ

なで肩の狐

レッド・プラネット

セックス・チェック
第二の性

棒の哀しみ

あの子を探して

ギフト

風来坊探偵 赤い谷の惨劇

初恋のきた道

濡れた二人

ひかりのまち

ザ・カップ
夢のアンテナ

「女の小箱」より
夫が見た

ブラッドシンプル/ザ・スリラー

マレーナ

ギター弾きの恋

オーロラの彼方へ

くちづけ

pain/ペイン

アンブレイカブル

最高殊勲夫人

吃七捕物帖 一番手柄

コヨーテ・アグリー

巨人と玩具

クイルズ

パリの確率

からっ風野郎
特急にっぽん

リトル・ダンサー
楽園をください 

美貌に罪あり
ウーマン・オン・トップ

暖流
殺しの烙印

偽大学生



くちづけ

監督:増村保造
出演:川口浩、野添ひとみ、三益愛子、若松健

片や選挙違反、片や公金横領という罪で、留置所にいるそれぞれの父親。二人は面会に来て、そんな場所で出会います。両親の離婚が原因で、他人を素直に愛せなくなってしまった青年・欽一(川口浩)と、ヌードモデルをしながら病床の母親を支える娘・章子(野添ひとみ)。これぞ青春映画。ベタなラブストーリー。増村保造監督のデビュー作です。
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10万の保釈金を餌に、娘を手込めにしようとする金持ちのボンボン。彼女の「乱暴はやめて」に逆上しての捨て台詞です。
「大人しくしてたら、キリがねえや」
その男、体育会系で、目鼻立ちのはっきりした自信家です。父親らしき人物は、有名な画家らしい。不器用で女の扱いが下手な、案外気のイイ奴かもしれません。娘も、金は欲しいけど体は嫌だじゃ通りません。期待に胸を膨らませ、あばら家までやって来たあげく邪見にされたんじゃ、ちょっとその男が哀れな気がしました。

そこへ颯爽と現わるは、ヒーロー欽一。自身を借金のカタに、母親から借りた10万円の小切手を、無理矢理彼女に差し出します。それを拒否する彼女に向かって。
「理由がないと受け取れないのか」
と強引に、しかし望まれたキスをした後で
「これで理由が出来ただろ」
キザです。格好良すぎ。彼女が求めている答えは、自分に好意を持っているから黙って見ていられないのだという台詞。頬を叩かれ、無理矢理好きだといわされる彼も情けない。きっと欽一、後から後悔します。俺の経験からいって、状況に流されるのも運命です。この際ですから、覚悟を決めて彼女と真剣に付き合いましょう。

(2001.9.11)INDEX

ザ・カップ 夢のアンテナ
PHORPA

監督/脚本:ケンツェ・ノルブ
出演:ウゲン・トップゲン ジャムヤン・ロゥドゥ ネテン・チョックリン

舞台は、ヒマラヤ山麓の僧院。サッカーのワールド・カップに夢中で、修行に身が入らない少年僧のウゲンたち。なんとか決勝戦を見ようとカンパを集め、テレビのレンタルを目論みます。これがなんとチベット密教の高僧が監督した、実話に基づくドラマだというから吃驚です。
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僧院長の前で、くつろいで膝を崩す青年クンザン。ところが床にペッタリ、ナヨッとしたとした女座りです。彼はチベットのラマ僧になるべく、インドに亡命してきた男です。彼を送ってきた男も同様のところを見ると、その座り方がこの国ブータンでは一般的なんでしょうか(楽そうだけど、ちょっと変でした)

簡単なもてなしということで、彼らに食事が出されます。碗に注がれた白濁した汁、そこに団子状のモノを入れ、山盛りになるまで粉を乗せます。さてそれをどうやって食すのか、との期待も空しく、別のシーンに変わってしまいました。もしかすると向こうでは、握り飯くらいの一般的な料理なのかもしれません。(けれども、こういう処はちゃんと見たかった)
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剃髪をされながら「チベットでは風呂に入らないのか?」と聞かれた新米クンザンは、憮然として答えます。
『年に一度、正月には入るさ』
そんな処なんですね。もしこんな人が、ほぼ毎日のように入浴する日本人を見たら逆に、なんて不潔な国なんだと思うかもしれませんね。
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水浴びをしながら、袈裟を脱ぎ、新入りクンザンにウゲンが威張ります。
『二千五百年の歴史あるファッションだぜ』
これはおそらく数百年来使われてきた、彼らの定番ギャグでしょう。そう思うと、何だか笑えないところが、妙に笑えます。
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サッカーの試合を観戦中、騒がしいのを他の客に咎められたウゲンの台詞。
『お前、英語がわかるのか』にその客は、
『歓声が聞こえねえだろ』
街灯テレビのような環境で、臨場感も何もありませんが、五官を使って映像を楽しんでいる様子です。少し変ですが、文句をいった男のイメージ勝ちでしょう。
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サッカーが何であるのかを、僧院長に先生僧侶(ナンバー2)が説明します。
『戦争なのか?』
『文明国同志が、ボールで競いあうんです』
『暴力はあるのか?』
『ごく、稀に』
『セックスは?』
『皆無です。御安心を』
『お前は、いやに詳しいな』

ニヤニヤする先生僧侶。
どうやら彼も、意外とサッカー好きなのかもしれません。
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借金のカタにした友達の金時計を取り戻そうと、ウゲンは母親からもらった短剣を差し出そうとします。それを見つけた先生僧侶が一言。
『商売が下手だな。お前はいい僧になる』
日本では税制面に恵まれているので、幼稚園を経営したり、駐車場を作ったりして、商人より商売上手な坊主もいます。そんな土壌からは、こんな名台詞は産まれませんよね。
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読経の最中は勿論、食後の食堂、自室での自由時間、登場するシーンのほとんどで居眠りをしている修行僧がいました。何とも共感の持てるキャラクターです。この作品は随所で、こうした遊び心が満載でした。

(2001.9.1)INDEX

マレーナ
MALENA

監督:ジョゼッペ・トルナトーレ
出演:モニカ・ベルッチ、ジョゼッペ・スルファーロ

シチリアのとある町に嫁いできた、若く美しい女性マレーナ。彼女に憧れる、少年のお話。出兵した旦那が戦死したとの噂で、町中が彼女の行状に関心を寄せます。戦下で生きていくため、身を持ち崩さざるを得なくなるマレーナ。彼女の真の姿を知るのは、ずっと見守ってきた少年だけでした。
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お仕置きで部屋に閉じ込めた息子が、三日三晩食事をとらないのをみてオヤジが一言。
『ロシアじゃ一生、何も食えんよ』
何かというと、不具合はロシアよりマシだという。万国共通の洒落でしょうか。わかりやすいことは確かですが、ちょっとひねりが足りない気がします。
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未亡人となったマレーナに言い寄る歯医者を、町の者が揶揄していいます
『さすがは歯医者、穴に詰めるのは得意だな』
工場で働くパートのオバサン連中が、よく好んでこの手の冗談をいいます。単刀直入で品がないので、僕はこの手の台詞が大嫌いです。当人は、少し気の効いた事を言ったような気になっていたりもして。なんとも、おぞましい限りです。
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市場で声をかけてきた町の女に、マレーナが答えます。
『ボンジョルノ』
これは普通に何処ででも使われる、「こんにちわ」といった挨拶です。ところがこの一言で、呪縛から解かれたように人々は彼女に心を許します。町の人々がそれまでの罪悪感から、彼女に親切になった気持ちはわかります。彼女が反応してくれたことで、少しは救われたのでしょう。

もしかすると平凡な田舎町の住民達に、元々悪意などなかったのかもしれません。ただ彼女の類い稀なる美貌とミステリアスな存在が、彼等に嫉妬と畏怖感を与えたのです。するとこれは、目立つ他所者に対して排他的な村社会が産んだ、悲劇といえます。ひどく在り来たりに、まとめてしまったかな。

(2001.8.28)INDEX

初恋のきた道
THE ROAD HOME

監督:チャン・イーモウ
出演:チャン・ツィイー、スン・ホンレイ

ある田舎の村に、町からやってきた一人の青年教師。自由恋愛がまだ珍しかった時代、娘は彼への想いを募らせていきます。
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町へ連れ戻される彼を追っていく途中、彼女は大切にしていた青花の碗を壊してしまいます。娘が留守の間に、盲目の母はそれを黙って修繕します。その瀬戸物職人に向かって。
「娘の心を持っていっちまった男が使っていたモノだから、せめて直してやろうと思ってねえ」
壊れてしまった碗をいつまでも残している、彼女の想い。無理と信じつつも、何とかその想いを叶えてやりたいと願う親の心。なんとも切ないものです。
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夫の亡骸のある場所を離れようとしない妻は、泣きながら息子に向かって、
「もう、とおさんに会えないんだねえ」
亡き夫を想い出し、グスグスと泣き出す姿を息子にしたためられながら、
「だって、とおさんがいないんだもの」

ここまで想い想われ続けられる夫婦というのは、美しいし、羨ましい。死が二人を分かつまでなんて宣誓しながら、あっさりと別れる夫婦の多いこと。不覚にも涙させられました。
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チャン・ツィイーの初々しさと可愛らしさは、もう特筆ものです。(ちょっと反則なくらい)しかしこの構成だと、二人が結ばれるのが最初から分かってしまっているので、ちょっと勿体無い気がしました。これだと時代や身分によって引き裂かれそうになる二人に、危うさが感じられません。徒労であったり、報われないかもしれないからこそ、相手に対する純粋で無垢な強い想いをこちらは感じるのです。もどかしさや切なさを、もっと上手に伝えて欲しかった。
大好きな作品ですが、唯一そこが残念でした。

(2001.7.30)INDEX

あの子を探して
NOT ONE LESS

監督:チャン・イーモウ
出演:ウェイ・ミンジ、チャン・ホエクー

小さな村に1カ月間の代理教師として、隣村から13歳の少女が連れてこられます。減っていく生徒を、何とか学校に残そうと努力するのですが…
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足の速さをかわれ、生徒の一人が町へ連れていかれます。
その車を追って走ってくる教師のミンジを指差して、仲介役の村長が一言。
「この子も足が早いよ!」
仲介料を幾らもらったか知りませんが、抜け目のない男です。それでいて、善事をしてやってるんだ位のこと、絶対思っているタイプです。
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出稼ぎで町に送られた生徒を連れ返すために、生徒全員がレンガ運びをしてバス代を稼ぎます。喉が乾いたというので連れて行った雑貨屋で、子供達はコーラを見つけます。
バス代を除くと2缶しか買えないというのに、生徒達はいいます。
「ひとり一口でイイから、味見がしてみたい」
そして24人+1人の25人で、2缶のコーラを回し飲みを始めます。実はこんな飲み方が、一番美味しいんですよね。僕も家族5人で飲んだ、初めてのマックシェイクの味、今でも忘れられません。彼らが大人になっても、その場所とその味、きっと憶えていると思いますよ。

(2001.7.30)INDEX

レッド・プラネット
RED PLANET

監督:アントニー・ホフマン
出演:バル・キルマー、キャリー=アン・モス、テレンス・スタンプ

2057年。新天地を求めるべく、有人ロケットで火星に調査に向かった6人の乗組員。到着間際のアクシデントで不時着した彼らが、そこで見たものとは。
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酸素ボンベのエアーが、残り16分しかない。そんな状況で、男が一言。
『(俺が死ぬと)世界中の女が、がっかりするなあ。別れた女房以外は』
これです、これこれ。本当にこんな台詞、死ぬかもしれない時に言うんだろうか?この作品は、生死を分かつ場面の連続のために、全編にわたってこんな調子です。
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もうひとりの隊員が、それに加えて一言。
『短い人生だった…』
時計を見つめて
『待つのは、長いな』
緊迫感もなにも、あったもんじゃありません。
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遠方に放置されたままのロシア観測ロケットを使って、何とか無事帰還できるかもしれないと知って一言。
『飛ばないかもしれないな、なにせロシア製だ』
およそ死を目前にした言動とは、思えません。
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メンバー全員がその船に乗り込めないと知ったギャラガーは、サポート役として、その地に残ると言います。
「先に死ぬつもりなのか」と、仲間に問われて一言。
『すぐに船が爆発すれば、俺の方が長生きするよ』
洒落になっていません。
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心臓が一旦停止し、奇跡的に蘇生したギャラガーが開口一番、吐く台詞。
『凄い!、エルビスと会った』
めったに使える台詞じゃありませんが、どうしてくれましょう。こんな時のために普段から、彼は考えていたのでしょうか?

作品の出来不出来は二の次にして、たわけた台詞の数々を(不覚にも)楽しんでしまいました。

(2001.6.25)INDEX

ハイ・フィデリティ
HIGH FIDELITY

監督:スティーブン・フリアーズ
出演:ジョン・キューザック、イーベン・ヤイレ、ジャック・ブラック

30過ぎの独身男、浮気性で音楽オタクの恋愛話。
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何にでもトップ5をつけるのが癖の、中古レコード屋の主人、ロブ。過去に振られたトップ5を回想していきます。まず最初の話をする前に一言。
『僕の恋は全て、初恋の変型版なんだ』
人間懲りないといいますか、相手の外見が多少違っていても、好きになるタイプは一貫しています。男運、女運が悪いなんてこともよくいわれますが、結局そうしたロクデナシ(個性的な人?)を好む傾向が自分にあるわけで。
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愛想を尽かして一度は出ていった女ローラに、ロブが尋ねます。
『ヨリが戻る確率は、どれくらいだろうか?』
それに彼女が答えます。
『…9%』
ゼロではありませんが、微妙というにはあまりに低い確率です。しかし楽天的な彼はそれを聴いて、性懲りもなく夜の街へと繰り出して行きます。
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彼女の好きな理由トップ5をあげた後、加えて一言。
『勿論、いらつくトップ5もあるさ。けど、それは女の病気みたいなものなわけで…』
相手の嫌いなところも合わせて認められることが、本当の意味で人を好きになることかも知れません。
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ある葬式の会場で、これまでの行状を詫びるよう勧められた主人公が、彼女に向って一言。
『I'm sorry …』
誰も彼もが、同じ言葉でお悔やみをしています。それで何とも、間の抜けた台詞となってしまいました。ちょっとした意味の違いから生じる、誤解や勘違い。とても好きです。大笑いというより、クスリと失笑する感じというのでしょうか。         -----------------------------

同乗した車の中で、彼女が彼にいいます。
『もう疲れちゃったわ…、別れている状態に』
同居生活に見切りを付けて自分から飛び出したくせに、何度も自分の荷物を持ちに戻ってきたわけです。結局彼女は、最初から本気で別れる気などなかったのかも知れません。劇的というより、グズグズと別れられない二人の関係にとても共感しました。言葉はあまり良くないですが、 腐れ縁というのも真の愛情の一つだと思います。

(2001.6.16)INDEX

ダンサー・イン・ザ・ダーク
DANCER IN THE DARK

監督:ラース・フォン・トリアー
出演:ビョーク、カトリーヌ・ドヌーブ

遺伝により、いずれは失明する宿命を抱えた、主人公セルマ。同病息子の手術費用をためるべく、寝食を削りながら働く、健気な母親です。そうした禁欲的な生活を送っているにもかかわらず、予期せぬ事件が彼女を襲います。
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彼女に好意を寄せている男が、ききます。
『どうしてミュージカルなんて、好きなんだ?』
『突然歌い出したり、踊ったりするなんて、おかしいじゃないか』

日常生活の中で、隣人がやおら歌い始めたりしたら、確かに変です。ドッキリカメラじゃないんだから。通勤電車の乗客は、小粋にタップを踏んだりはしません。

この作品ではそうした非現実なシーンは全て、彼女の白昼夢として描かれているのでとても自然です。普段の生活が手持ちカメラの自然光で撮影されているのに対し、音楽シーンは作り込まれたセットの中で撮られています。
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中古自転車をプレゼントされた少年に、隣に住む大家さんがいいます。
『サビと女は、同じだ』
彼の父親の口癖らしいのですが、意味は不明です。わけも分からず呪文のように記憶に残っている言葉というのは、意外とあるものです。この台詞にも全く解説はありませんが、「手を懸けないでいると、すぐに動かなくなるぜ」なんてオチでしょうか。
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刑務所の看守に、彼女がいいます。
『ミュージカルでは、恐いことは起こらないの』
あまりに牢獄の中が静かすぎるので、彼女は尋ねます。
『囚人達は行進しないの?』
もはや彼女にとって、現実と虚構の境界はおぼろげです。

逆説的になりますが、この悲惨なストーリー自体、彼女の歌を引き立たせるための一道具だったのかもしれません。この映画自体がフィクションであることを思い返すと、本物はむしろ歌と踊りの方だったというわけです。

■2000年カンヌ国際映画祭パルムドール受賞
■2000年カンヌ国際映画祭主演女優賞(ビョーク)受賞

(2001.6.15)INDEX

殺しの烙印

監督:鈴木清順
出演:宍戸錠、真理アンヌ

かつてはランキング(?)にも入っていた殺し屋が、バーのカウンターで同業者に語ります。
『酒と女は、殺し屋の命取りだ』
どんな職業であっても、これはおおむね差し替えがきく台詞です。なので一見何にでも使えそうな気もしますが、さにあらず。殺す側が殺されるというところが、ポイントです。説明すると面白くも可笑しくもなくなってしまいますが、ちょっと洒落ています。
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ある殺し屋を中心に展開する、殺しと裏切りのハードボイルド。これはその難解なストーリーのために、監督が日活を追い出される原因となった作品です。感覚的で、説明足らずの箇所はありますが、所詮は殺し屋家業。滅茶苦茶じゃないか、と目くじらを立てるほどの混乱もせずに観ることができました。

そしてラスト近くでは親切にも、それまでのエピソードの関連性を一気に説明してくれます(辻褄合わせかも?)
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裏切りを知られた女性が、殺し屋に向かっていう台詞。
『どうせ死ぬなら、好いことしてえ〜』
には大笑いしました。

強いコントラストのモノクロ映像美と、あえて必要な説明までも廃した独善的とも思える唐突なストーリー展開。確かに魅力ある作品ではありますが、彼の代表作のような評価は、少し過大な気がします(1967年公開)。

(2001.6.1)INDEX

ウーマン・オン・トップ
WOMAN ON TOP

監督:フィナ・トレス
出演:ペネロペ・クルス、ムリロ・ベニチオ

日常生活から夫婦生活まで、いつも女性上位を望む美人妻イザベラ。ささやかな抵抗でした浮気が見つかり、即座に三行半を突き付けられる夫トニーニョ。
ブラジルを飛び出した彼女は、結婚前に住んでいたサンフランシスコで、ローカルテレビの料理番組に抜擢され、一躍街の有名人となります。未練タラタラで、自分のレストランを放り出し、彼女を追いかけてくる亭主。いかがわしい呪いも加わり、二人の関係はもはや修復不可能とも思われたのですが・・・

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料理教室で働く彼女が、生徒達を前にコツを教えます。
『最高の調味料は、愛する人と食べることよ』
確かに好きな人と一緒にする食事は、美味しいものです。しかし料理も愛情も押し付けられると途端に興醒めしてしまうので、さじ加減は微妙です。この台詞は、後に彼女がレギュラーとなる料理番組でも、キーワードとして使われます。

全編、彼女の色気だけで作られたような、馬鹿馬鹿しい物語。色気も、ギャグも、ストーリーも中途半端で、何とも不愉快でした。『オール・アバウト・バイ・マザー』で、エイズに冒されてしまった無垢な修道女役がとても魅力的だった分、残念でなりません。

俺は朴念仁ではありませんし、色気たっぷりはむしろ大歓迎です。しかし、ムチムチに鼻血ブーではあまりに女性を馬鹿にし過ぎです。深夜テレビで放映される、AV嬢の料理コーナーを連想しました。それならそれで良いのですが、なまじセクシーロマンスのラブストーリー然としているところがイヤでした。

(2001.5.5)INDEX

楽園をください
RIDE WITH THE DEVIL

監督:アン・リー
出演:トビー・マグワイア、ジェフリー・ライト、ジュエル

南北戦争の時代、南と北の狭間で生きた若者達の波瀾に満ちた人間ドラマ。敵対する立場にありながら北軍と戦う、ドイツ移民の息子と黒人のゲリラ。客観的にならざるを得ない彼らの眼を通して、『グリーン・デスティニー』のアン・リー監督がアメリカの内線、狂気の歴史を描く。

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友人の結婚式の帰り道、奴隷制度について聞かれたジェイクが、親友のジャックに話します。

『北部だろうが南部だろうが、結婚したら女は男の奴隷だろう』

少年の彼はまだ、結婚の何たるかを知りません。下僕となるのが実際には、どちらなのかを。大人の世界のことを訳知り顔でいう、なかなか可愛い台詞です。

一度は自分のことを散々に言っておきながら、結婚しようというスー・リーに「あの時は嘘をついたじゃないか」とジェイクはなじります。
それに彼女は答えます。

『恋の始まりだったからよ』

微妙で淡い初期の恋心です。嘘もつくでしょう。駆け引きというよりむしろ、子供の喧嘩です。一度は戦争未亡人になってしまった彼女も、今回は幸せになれる予感がします。

訳ありの形式的な結婚だったので、パーティの後、いつものように雑魚寝をしようとするジェイクに、黒人のダニエルがいいます。

『ミルクを絞ったら、クリームもなめろと言うぜ』

毒を喰らわば皿まで(As good be hanged for a sheep as a lamb.)、据え膳喰わぬは男の恥。この下世話なニュアンス。とてもイイです。アメリカには、こんな諺もあるのでしょうか?御存じの方がおられたら、教えてください。
そうして名実共に夫婦となった二人の人生が、新しく始まります。

(2001.5.5)INDEX

特急にっぽん

監督/川島雄三
出演 /フランキー堺 団令子 中島そのみ 小沢栄太郎 太刀川寛 白川由美

東京大阪間を6時間半で走る、こだま。その食堂車で働くコック、フランキー堺が、従業員の美女二人に挟まれ、右往左往する車中での一日。1961年公開。

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乗車途中のフランキーが朝、コック長と出くわし、する会話。

「どうもすみません」
「なにかすまんのかい」
「いえ、ただなんとなく」

こういうの、好きです。なんとも曖昧な状況ですが、考えて作れる台詞ではありません。思わず、笑ってしまいました。

制作当時、既に1時間ほど所要時間も短くなっていたようですが、それでも列車に5時間半。乗客の乗り降りに荷物を運んだり、席まで案内するスチュワーデスが働いていたようです。驚くことに、途中、電気掃除機で車中を綺麗にしたりしていました。ちょっと仕事をするスペースが車両隅に設けられていたりして、当時の様子がうかがえました。

小沢栄太郎扮するガム会社の社長が、バー「トランジスタ」を経営するという隣の女性に向かって。

「じゃ口説き方も、トランジスタというわけですかな」

簡単、便利といったニュアンスでしょうが、いかにも時代を感じさせる台詞です。

ラストの大団円に至る、パントマイムの長回しは圧巻でした。監督自身は全く気に入らない一遍のようですが、期待以上に楽しんで観られました。

(2001.4.19)INDEX

パリの確率
PEUT-ETRE

監督:セドリック・クラピッシュ
出演:ロマン・デュリス、ジェラルディン・ペラス

バッタ物のエンタープライズ号が宙を飛び、コントのようなセットで、アンテナを付けた宇宙人達が話をしている。そんな陳腐なSFビデオを観ている主人公アルチュール。1999年の大晦日。偶然出かけたパーティ会場で、トイレの天井は、2070年の世界につながっていた。

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一面砂だらけの未来世界に迷い込んだ、アルチュール。右も左もわからず、道行く若い女性にその場所を尋ねたところ。

『私たち、この辺よく知らないの』

彼女たちはもしかすると、観光客だったのかもしれません。砂漠の真中に出来たような町で、確かに何と答えれば良いのか。しかしこの返答は、あまりに人を食っていて、とても好きです。

乱痴気騒ぎを終えて迎えた、2000年の元旦。コートと自転車を盗まれてしまった男が、裸同然の姿で街を走りながら叫びます。

『21世紀がどうした!』

そうです。明日は、今日の続きです。突然、パッと花が開くように世界が変わったりは、おそらくしないのです。2001年も僕らは同じように、春になると花見をし、夏になると潮干狩りをします。物事が進歩進化をする過程というのは、大体において、ぐずぐずで渾沌としたものなのでしょう。

渦中にいる時には気付かないものですが、個人個人で小さな電話を持ち、四六時中、会話を垂れ流すようになるとは、想像しませんでした。TV電話はまだ普及していませんが、これほどに携帯電話が使われるようになるとは。ここ数年のインターネットの状況に合わせ、数十年後に振り返った時には、歴史の一幕となっているはずです。

明るい希望に充ち満ちただけの未来というのは、ある種の現実逃避だったのかもしれませんね。
今回も本題とは関係ない、ピント外れの感想文でした。

(2001.3.10)INDEX

コヨーテ・アグリー
COYOTE UGRY

監督:デヴィッド・マクナリー
出演:パイパー・ペラーボ、アダム・ガルシア

ソングライターを志し、ニュージャージーの片田舎から、NYに飛び出してきた主人公ヴァイオレット。ボロアパートで窮地に立たされた彼女は、街中のとあるクラブ(コヨーテ・アグリー)で働きはじめます。そこには将来の夢を抱きながら、日々を逞しく生きる女性達がいます。客達は酒を呑みながら、彼女達のエネルギッシュな歌や踊りを見て、パワーを与えてもらっています。そうした暮らしの中、果たして彼女の夢は叶うのか、否か…

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バーの女性経営者リルは、新米のヴァイオレットに向かって諭します。

「男のパンツの中は、幼稚なの。まるで2歳児の子供よ」

さすがにボスだけあって、貫禄はありますが、まだまだ中年というには若手の女主人。男をそこまで小馬鹿にできる程、経験豊かとは見えません。

2才の子供だったら、その手の危険はないでしょう。しかし、おそらく大小便の世話で四六時中、手を焼くことになるに違いありません。

ウイスキーの水割りをオーダーした客に向かっていう、店員の台詞。

『うちの水は、ビールだけ!』

いたぶられながらも、通って金を落とす快感は、馴染み客になったようで心地よいものです。 一度はこんな店で、呑んでみたいものです。

誤解されたおかげで、ヴァイオレットと知り合うきっかけを掴んだ、しがないアルバイトのケヴィン。付け回した彼女に咎められて、一言。

「尾行しているんじゃない。ただ26ブロック程、遠回りしているんだ」

はっきりこんなことを言えるから良い様なものの、ここでウジウジしていたら立派なストーカーです。全く同じことをしていても、許される奴と許されない奴がいます。世の中とかく美男美女には甘く、不公平なものです。

親友の花嫁グローリアは、結婚祝いに来てくれたヴァイオレットにいいます。

「ダニーは最初の夫としては、最高よ」

その表情から、あながち照れ隠しのノロケとも思えません。

そして、ヴァイオレットの父親が事故にあったことを聞き付け、新婚初夜にもかかわらず彼女は病院に駆けつけます。

「彼とはまだ結婚したばかり。けれどあなたは、一生の友達よ」

確かに仲の良い時間を過した、特に同性の友人というのは貴重なものです。それこそ損得抜きで付き合ってくれる人間なんて、一生を通じて何人もいません。とはいえ、彼女達もそれぞれ生きていく道が別れつつあるようです。こんなことばかり言っているグローリアですが、気負っていない分、結婚生活は結構うまくやっていくことでしょう。

(2001.3.2)INDEX

アンブレイカブル
UNBREAKABLE

監督・脚本:M・ナイト・シャマラン
ブルース・ウィリス、サミュエル・L・ジャクソン

冷めてしまった夫婦関係をやり直そうと、かみさんが旦那に言います。

『もし私をデートに誘ってくれたら、喜んでお受けするわ』

何ともダイレクトで、男女の機微など微塵も感じさせません。確かに自分の想いは伝わるでしょうが、身も蓋もないというか。それでもこんなことを言われたら、旦那も外で飯くらいは食わないとならないでしょう。

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「いつから二人の関係が、おかしくなったんだと思う」という、無神経なかみさんの問いに対して。

『ある晩、悪い夢を見た。安心させて欲しかったが、君を起こさなかった』

彼の幼児性はさておき、何とも繊細な答えです。夫婦といえども、他人同志。どうした時にどこまで気を使い合うのかは、当人次第です。何でも他人行儀なのは水臭いですし、かといって全く気を使わないというのも味気ない。何とも難しいものです。

大事故に遭っても怪我ひとつしない、不死身の主人公にブルース・ウィルス。「シックス・センス」のM・ナイト・シャマラン監督が、再び彼と組んで観客を幻惑させます。しかし世の中、悪い奴ばかりなんだなあ。と、少し残念。

(2001.2.18)INDEX

オーロラの彼方へ
FREQUENCY

監督:グレゴリー・ホブリット
出演:デニス・クエイド、ジム・カヴィーゼル

横倒しになった大型タンクローリーからこぼれる、大量の液体。そのすぐ地下には閉じ込められた作業員が、救助を待っています。今にも断線したコードから、火花が散って大爆発が起きようとしている状況下で。
消防士フランクが、地下の薄暗い作業場に向かって叫ぶ台詞。

『みんな!帰る時間だぞ!』

また、こんなことを言っています。外国のスポーツマンは、ここぞという時、決まってガムをクチャクチャやっています。こうした台詞やガムというのは、本当に緊張をほぐしてくれるものでしょうか。今度、重役会儀の時にでも、試してみる事にします。

30年ぶりにNYに現れた、巨大オーロラ。それは時空をもねじ曲げてしまい、成長した息子と亡くなった父親との交信を可能にします。過去の火災事故をくい止めるべく、事前に情報を流して阻止したのは良かったのですが…

30年前の幼い弟に向かって、無線機で。

『魔法の言葉を教えてあげよう。ヤフーだ。憶えておけよ』

この言葉を知っていたら、もしかすると僕も大金持ちになっていたかもしれません。題名のFREQUENCYとは、周波数の意味だそうです。

(2001.2.11)INDEX

ブラッドシンプル/ザ・スリラー
BLOOD SIMPLE/THE THRILLER

監督:ジョエル・コーエン
出演:フランシス・マクドーマンド、ジョン・ゲッツ

奥さんの浮気を知った旦那が、それを調べた探偵に向かって言います。

『古代ギリシャでは、悪い知らせを持ってきた使者は殺されたんだってな』

せっかく調査した挙げ句に、そんな脅しをかけられては堪りません。負けずに探偵は言い返します。

『幸い俺は、使者じゃない』
『それに幸いなのは、浮気の相手が黒人じゃなかったってことだな』

善し悪しは別として、依然、こうした差別発言は日常的なのでしょう。実際の心中はとりあえず置いておいて、外国で表現の規制というのはどのように折り合いがついているのでしょうか?詳しい方がおられたら、教えてください。

登場人物それぞれの誤解によって起きる殺人劇。悲劇というより、皮肉で滑稽な喜劇。計算された脚本に折り込まれた人物のすれ違いは、さらに今回の再編集版で凝縮されています。後々の彼らの原点たる作品ですが、凝った映像も含め、とても完成度の高いものでした。

(2001.2.11)INDEX

ひかりのまち
WONDERLAND

監督:マイケル・ウィンターボトム
出演:ジナ・マッキー、シャーリー・ヘンダースン

臨月のモリーが美容室で、昨晩見た夢の話をします。

『気がつくと大きなお腹を抱えて、舞台の上にいるの。そしてそこで、魚の子供を産むのよ』

これだけを聞くと、奇妙な感じがします。しかしその前の場面で、旦那の買ってきたビデオがよりによって『イレイザー・ヘッド』です。デビッド・リンチのデビュー作にして、一番胎教に良くないと思われる作品。おそらく一緒に、彼女も観てしまったのでしょう。子供が産まれる責任の重圧に悩む父親とはいえ、これは少々洒落がきつすぎます。(未見の方には、お勧めしません)

伝言ダイヤルで恋人を探している女性、ナディア。その姉と妹と両親。そして彼らを取り巻く人々。ハンディカメラを多用した高感度フィルムの荒れた映像、コマ落しやスローモーションで、全編やるせないストーリーが展開します。

仕事をやめ、やめさせられ、することのできない男達。登場する人たちは皆、現状に満たされず寂しい気持ちでいます。それを満たそうと、ひとときの性欲に身を委ねたりもします。しかしそうした一時の快楽も結局、ひとりの孤独をより強く自覚することになるだけです。

ホームで黙々とビンゴゲームに興じる、老人達の顔。深夜バスの中で涙を流すナディアの後ろで、嬌声をあげる若者達。両親と離れ、ひとり遊園地で花火を観ている少年。

周りが賑やかであればある程、自分の場所だけポッカリ穴の空いたような孤独を痛感します。

しょぼくれた親父が、くたびれた伴侶に捨て台詞をいいます。

『お前は誰の事も好きじゃないんだ。自分の事は、全部棚にあげて…(何様じゃい)』

とりわけ凝った台詞ではありませんが、普段小さくなっている男がようやく放った言葉なので、妙に心に残りました。

この監督の作品はこれまで、『日蔭のふたり』と『アイ ウォント ユー』を消極的に観ています(併映の一本で)。どちらも堪らない気持ちで、劇場を出た記憶があります(それだけ強い印象が残っているともいえますが)。それでも今回は、最後にワンダーランドに産まれた子供「アリス」のおかげもあって、希望の持てる作品となりました。

(2001.2.8)INDEX

風来坊探偵 赤い谷の惨劇

監督:深作欣二
出演:千葉真一 、北原しげみ

かたき役の殺し屋に拳銃を突き付けられて、若き千葉真一扮する探偵が云う台詞。

『どうやら俺は、心中の相手には不足そうだな。けど一発で心臓をしとめないと、俺があんたを殺すことになるぜ』

そう云われると、至近距離とはいえ、なかなか撃てないものです。

「バトルロワイヤル」深作欣二の1961年公開デビュー作。一番最初からアクション物なんですね。雪山に落ちた飛行機事故を不審に思う、パイロットの妹と風来坊探偵。そこには牧場の土地を狙う黒い罠が、待ち受けていた。というベタなサスペンス。

(2001.1.6)INDEX

棒の哀しみ

監督:神代辰巳
出演:奥田瑛二、永島暎子 、高島礼子、哀川翔

血を見ると興奮する情婦芳江役の永島暎子が、腹を刺された主人公田中に向かって云います。

『いつも誰かが死にそうだといいわ。時間がゆっくり流れている気がするから』

羊のような生活を送っている一般人とは、やはり何処か感覚が違います。

そしてやくざの田中が連れてきた女を、シャブ漬けにしながら再び芳江。

『骨までしゃぶろうとすると、お風呂(ソープ)じゃダメなの。あそこは女の子も適当に稼げるし』

いったい素人の彼女を、どうしてしまおうと云うのでしょうか?拳銃で殺しあいをしている単純な男達より、余程恐ろしい気がしました。
 
「赫い髪の女」神代辰巳監督の1994年に公開された遺作。綺麗好きで裁縫上手(自分の腹も縫い慣れている)のやくざ田中。素人からは、電気メーカーの課長といわれ、渡世を生きています。そこそこの年となり、立場上チンピラのような真似も出来なくなっています。頭も良く、度胸もありますが、仕方なくこの職業についているといった風情は、市井のサラリーマンを思わせました。

(2001.1.6)INDEX

なで肩の狐

監督:渡辺武
出演:椎名桔平、哀川翔、鶴見辰吾、洞口依子

顔の形が変わるくらいボコボコに痛めつけた後、そのチンピラに向っていう椎名桔平の台詞。

『今日は眠るなよ、顔が腫れちゃうから』

凄まじい暴力行為がほとんど無感情のままなので、返って恐ろしい。このまま殺されるのではないかという、恐怖。そこに来て、冗談では済まないこの台詞です。

柄じゃありませんが、一度機会あらば使ってみたい気がします。

一度は足を洗ったやくざが、組を裏切った男をきっかけに、再びその世界に戻されます。巻き込まれ型、仁侠映画。ぬるい日常より、死と直結した刺激的な生き方のほうが、いきいきとなれる男。死を全く恐れていない爬虫類のような主人公を、椎名桔平がヌメヌメと演じます。

(2001.1.6)INDEX

鴛鴦(おしどり)歌合戦

監督:マキノ正博
出演:片岡千恵蔵、志村喬、市川春代、ディック・ミネ

骨董屋のオヤジが、カモの男に云います。

『米なんか毎日食べてるもんじゃありませんか。
二三日くらい喰わなくたって、死にゃしません』


彼はなけなしの金をはたいて、まがい物の茶碗を手に入れます。
そんなことを云って売りつけた品が、 二足三文だということが発覚すると、そのオヤジはヌケヌケと、

『偽物もあれだけ良く出来ていると、本物以上です』

いけしゃあしゃあと、こんな事が言えないと一人前の古道具屋とは言えないようです。

片岡千恵蔵の浪人に、恋焦がれる娘達。それを取り巻く碌でもない男達。「生きる」の志村喬が、椅子から転げ落ちながら、歌ってずっこけます。脳天気で人情ものの、和製ミュージカルコメディ。

(2001.1.5)INDEX

大当り狸御殿

監督:佐伯幸三
出演:美空ひばり 、雪村いづみ、有島一郎、左卜全、トニー谷

どうでも良い台詞ばかりで、特にこれという印象は残りませんでした。1958年公開の狸御殿シリーズの一編です。

きぬた姫と女中お黒の二役を演ずる雪村いづみが、想像以上に達者なのには驚きました。それぞれワンシーンずつですが、ミヤコ蝶々 と南都雄二、中田ダイマル ・ラケットの掛け合いは古びれることなく楽しめました。これぞ芸、といったところでしょうか?

若尾文子 、勝新太郎 、中村玉緒の出演している、第6作 『初春狸御殿』が是非とも観たくなりました。

(2001.1.5)INDEX



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