| タイトル | 中井町・夏を迎えた中村川から鴨沢地区を歩く自然観察会 |
第248回 最終回 | ||||
| 開催日 |
平成23年6月12日 日曜日 | 天気 曇り |
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参加者数 |
大人16名 | リーダー 3名 (野木、日置、平本) |
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コース概要 |
〔 中村川沿いを歩く 〕 秦野駅・二宮駅(9:10)−バス→ 比奈窪バス停(9:35)→雑色横穴墓群(10:15) → 中村川 → 雑色橋(11:30) → 鴨沢地区丘陵地・昼食(12:20〜12:50) → 中村川 → 中井の槐(エンジュ)(14:20) → 比奈窪バス停(14:45) −バス→ 秦野駅・二宮駅 |
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今日の ポイント |
【 ネズミモチの花には昆虫がいっぱい 】
![]() 晩春から初夏に掛けて、白い花を付けた樹木が、沢山見られるようになります。マルバウツギやウツギなどウツギ名が付いた種類や、ミズキ、テイカカズラやスイカズラ、ガマズミやヤブデマリなど、思い浮かべると次から次へと種類が出てきます。また、クリやスダジイなどを代表とした花の匂いが強い種類も、この季節に開花します。 今回歩いた中井町比奈窪からのコースでは、民家の庭先に、樹高2mを越える大きなネズミモチの木が1本あり、ちょうど花の最盛期を迎えていました。満開となった小さな沢山の花からは、強い匂いが放たれ、この匂いに誘われて沢山の昆虫が訪れているのを観察しました。 ○ ネズミモチの花の匂い ネズミモチは、関東南部以西に分布しており、よく生垣に利用されています。また、トウネズミモチは、中国原産で、都市公園などで植栽されています。ともにモクセイ科で、野鳥が好んで果実を食べ、自然に分布が広がります。ネズミモチの花は、昆虫に対して強い誘引力を持っているが特徴で、強い匂いがその原因の一つであると言われています。ネズミモチやトウネズミモチの花の匂いには、主に次のような物質が含まれています。 @フェニルエタノール : 心地よい芳香臭を持ち、水溶性が低いため、雨などに流れにくい。 Aベンズアルデヒド : アーモンドやアンズの香りの成分で、安価な香料として用いられている。 Bメチルペンタノン : 特有の甘い匂いがするが、特定悪臭物質に指定されている。 これらの成分以外の物質も香りの中に含まれているとのことですが、チョウの場合、無臭花より有臭花に訪花する傾向が強いことと、全ての有臭花に訪花する訳ではないことから、この成分の中にチョウが好む物質が含まれているものと思われます。 ○ ネズミモチの花の蜜 1つの種類の花からなるハチミツを単花蜜、数種類の花からなるハチミツを百花蜜と呼んでいます。その百花蜜の中の一つにネズミモチやトウネズミモチが含まれます。ネズミモチの花は一つ一つが小さいため、一つの花の蜜量はそれほど多いとは思えませんが、一度に多くの花を開花させることから、ミツバチにとっては貴重な蜜源になっているものと思われます。また、養蜂家にとって、主要な蜜源となる花と花の端境期に、ネズミモチやトウネズミモチを使うとのことです。そのことから、ミツバチ以外の昆虫にとっても貴重な蜜源となっていることが伺えます。 ○ 訪花していた昆虫 観察していた時間は、数分間でしたが、僅かな時間でも以下のような昆虫が訪花していました。 ![]() ![]() 【チョウ】 クロアゲハ(写真上左側)、ナミアゲハ(写真上右側)、アオスジアゲハ、モンシロチョウ ![]() ![]() 【ハチ類】 コマルハナバチ(写真上左側♀、上右側♂) 中村川が流れる中井町は、神奈川県内でも数少ない鉄道が通らない市町村の一つで、高度経済成長期や平成バブルの時代に各地で繰り広げられた、大規模な宅地開発などの影響を受けることなく、今日に至っております。中村川沿いの建物は、殆どが昔からの農家で、周囲の田園とそれを取り囲む丘陵地の緑の自然の中で、その自然に溶け込みながら人々の生活が営まれ、継続されて来ているように感じられました。 森を歩こう会は今回で248回目を迎え、この観察会を最後に28年間の活動を終えることになりました。活動を始めた頃は、丹沢ではシカの生息数が減少し、保護を求める声が多く出ていました。現在は、逆にシカの数が増えすぎ、ヤマビルの分布域拡大の一助となり、社会問題となっております。結局、その原因の一端を担ったのは人間であり、人間が自然をコントロールすることができないことを現す結果となっております。森を歩こう会の活動はこれで終わりですが、これからは一個人として、神奈川の自然と向き合って行きたいと思っております。長い間、多くの皆さんに活動を支えていただきありがとうございました。 ※お詫び 今回のテーマをネズミモチといたしましたが、当日、ネズミモチとトウネズミモチの違いをきちんと観察しませんでした。樹高と写真から見た葉の感じでネズミモチと判断していますが、トウネズミモチの場合もあります。最後の最後まで、ご迷惑をお掛けいたしました。ちなみにトウネズミモチは、葉裏をかざすと側脈が透けて見られますが、ネズミモチは側脈が見られません。 |
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【 観察したもの 】
○ 野 草
![]() オドリコソウ(シソ科) |
![]() アカショウマ(ユキノシタ科) |
![]() ネジバナ(ラン科) |
![]() オニノヤガラ(ラン科) |
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| 【 花 】 ホタルブクロ、 ヤマハタザオ、 ナヨクサフジ、 クサノオウ、 カラスビシャク、 ヤブレガサ、 コモチマンネングサ、 チガヤ、 コウゾリナ、 【 果実・種子 】 ヤブヘビイチゴ、 イチヤクソウ(未熟)、 オヤブジラミ、 |
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○ 樹 木
![]() ツルウメモドキ(ニシキギ科) 実は未熟 |
![]() ミズキ(ミズキ科) 実は未熟 |
![]() イヌシデ(カバノキ科) |
![]() ナワシロイチゴ(バラ科) |
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| 【 花 】 エビヅル、 ムラサキシキブ(蕾)、 ウツギ、 ハゼ(植栽)、 ケンポナシ、 ヤブコウジ(蕾)、 テイカカズラ、 コゴメウツギ、 クリ(植栽)、 【 種子・果実 】 マルバウツギ(未熟)、 ヤマグワ、 エノキ(未熟)、 ヒノキ(未熟)、 |
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○ 昆 虫
![]() ミズイロオナガシジミ (シジミチョウ科) |
![]() ルリシジミ(シジミチョウ科) |
![]() アカタテハ(タテハチョウ科) |
![]() カノコガ(ヒトリガ科) |
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![]() ヤブヤンマ(ヤンマ科) |
![]() コオイムシ(コオイムシ科) |
![]() マルカメムシ(マルカメムシ科) |
![]() モリチャバネゴキブリ (チャバネゴキブリ科) |
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![]() シラホシカミキリ (カミキリムシ科) |
![]() ラミーカミキリ(カミキリムシ科) |
![]() コフキゾウムシ(ゾウムシ科) |
![]() コガネムシ(コガネムシ科) |
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| 【 チョウ 】 ナミアゲハ、 アオスジアゲハ、 オナガアゲハ、 クロアゲハ、 キアゲハ、 キタテハ、 イチモンジチョウ、 ヒオドシチョウ、 モンシロチョウ、 モンキチョウ、 ベニシジミ、 コジャノメ 【 昆虫 】 ツチイナゴ、 |
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○ 野 鳥 ・ カエル
![]() イソヒヨドリ♀(ツグミ科) |
![]() モリアオガエル卵塊 (アオガエル科) |
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| 【 野鳥 】 イソヒヨドリ♂♀、 ツバメ、 カワセミ、 アオサギ、 カルガモ、 ホトトギス、 ホオジロ、 コゲラ、 キセキレイ、 ハシボソガラス、 シジュウカラ、 【 カエル 】 シュレーゲルアオガエル |
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※下見の時の記録が「自然の記録」で見られます。
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