田植え
平成15年、親父の身体も良くなって預けてあった田んぼを、また作ると言い出した。そこで4年ぶりに田植えに帰った。昔の田植えを思い出しつつ、現在の田植えを紹介しよう。平成15年のGWは天候に恵まれ田植えも順調にわずか2日間で終わった。

ビニルハウス:昔は、社会の教科書に出ていたけど、ビニル苗代であった。田をこなして幅が1m程度の細長い盛り上がりを作った。そこに種籾を蒔き、その上に焼いた籾柄を蒔きビニルを被せた。ビニルと籾柄の間に空間を作るために藁を置く家もあった。苗が大きくなると、これは婆ちゃん達の仕事だったが、一升瓶の太さほどにまとめて藁で縛った。これをススキで編んだ俵に詰めて田んぼに運んだ。苗代にする田んぼは家の直ぐ近くのものだった。現在、ビニル苗代は全く見られない。ビニルハウスである。我が家のハウスは骨組みにビニルを被せ、周りもビニルで覆っている。苗箱に土を入れ、種籾を蒔いて育てる。温度管理が重要なんだろうけど、この中は30℃くらいにはなっている。これを箱ごと車に積んで田んぼに運ぶ。もちろん、苗箱を乗せるための鉄製の道具も必要になる。slkfjぁkdsflかdflkjだslfkjdlskjflだkfjlkdjfljkfj
田植え@:長さが90mほどあるそうだ。広さは1反8畝ほどで、我が家では一番大きな田んぼだ。ここは横野だが、昔は小さい棚田で、記憶にある限りでは既に耕耘機で起こしていたような気がする。圃場整備が完了して、一枚一枚が大きくなった。その分、耕耘機で起こすのは重労働だ。高齢化が進んだ現在では、まずそんな家は無いし、若い人のいる家なら当たり前のように機械化が進んでいる。我が家でさえも、小さいながらトラクターで起こした。もちろん、何年も前からだけど。ただ、整備した田んぼは形は良いんだけど、平らになってなかったり、深いところがあったり、水が漏れていたりとなかなか大変なようだ。さて、この田んぼをおもちゃのような田植機で植えたのだった。
田植えA:今年、1軒だけ『枠』を使っていた家があった。田植機なんて無い昔は、6角形の『枠』を使って(転がして)田んぼに格子を付けた。その交点に苗を植えていった。植え終わった田んぼは、それは綺麗だった。苗は縦横斜めにきちんと並んでいた。我が家でも7年くらい前まではそうやって手植えだった。一度だけ『枠』を転がしたが、その田んぼは三角形で、結局上手くはいかなかった。昔の人達は色々な形の田んぼを上手に転がしていた。一見簡単そうなんだけど、実は熟練の技術のいる仕事だったんだ。現在の田植えは、田植機がやる。我が家は2条植えなので何度も往復する。ここでは16往復だった。難しいのは、真っ直ぐに植えることと、間隔。それでも何とか植えられたようだ。
田植えB:ちょっと小さいけど、昔の田植え風景だ。と言っても、これは田植機で植えた後の植え直し。田植機が植えなかった所や掴みの少なかったところを植え直す。大概は母ちゃん達だったが、何人もが並んで植えていった。子供は、苗が無くなると畦を伝って近くまで行って苗を下手から投げて渡す『苗投げ』が仕事だった。田んぼがどこも小さかったから良かったけど、ちょっと大きな田んぼだと届かなかったりもした。苗が無くなるまでは、そこら辺で子供同士、話をしたり草を取ったりして時間をつぶした。しかし、この田植えは実際にやってみると辛い仕事だ。背の低い人はまだ良いのかも知れないけど、背が高くなると腰をかがめたままの姿勢はホントに辛い。昔の人達は文句も言わずに黙々と植えていたわけで、まあ米を大切にしなきゃいけないってのは、全くの実感ですなぁ。
田植機@:我が家のおもちゃのような田植機。2条植の田植機を使っているのは、もしかしたら石名では我が家だけじゃないだろうか。何度も往復しなけりゃいけないし、安定は悪いし、回すのに力がいるし大変だった。苗を載せるところが狭くて、一枚分しか載らないので、苗をあっちこっちに運ばないといけないのも面倒だ。お陰で腰を痛めた。しかも2条植えるとまた2条なので、植え筋が一定しない。真っ直ぐに行ったのもあれば、ぐにゃぐにゃのところもある。今年はトラブルも無く順調ではあったけれど。苗箱の苗は、親父が持っている白い板ですくって機械に載せる。軽トラの荷台に見える青い枠が苗箱を載せる道具。隣の家に4条植があるから借りようかという話しもでたが、急ぐ田植えでもないからと言うことでこれで通した。ちなみに燃料はガソリン。
田植機A:これは隣の田んぼの田植機。乗用の4条だったか5条植だ。それなりに細かいノウハウはあるんだろうが、見ていると全く楽そうだ。座ってるんだから、それこそ長靴履かなくてもサンダルでも出来ちゃいそうだ。苗を載せるところも広くて沢山載るから、手伝いは同じ所で待っていれば大体間に合う。最初が真っ直ぐに行けば、あとはとにかく4条(5条)は平行に植わる訳だ。単純計算でも我が家の2倍以上のスピードだ。我が家の今年の耕作面積は4反ほど。さっきの1反8畝を植えるのに、休憩を入れても2時間ほどかかったので、わずか1時間で植えてしまう。4反の田んぼなら一日もいらない。もちろん、何町歩も作っている家だからこそ使える機械なんだけど。
江(用水路)@:用水路は『江』といい、水は川から引いている。昔の用水路は溝を掘ってU字溝を埋めていた。今でもそれは変わらないけど、幅も大きくなり、栓も立派だ。春になると、『江普請』と言う村仕事があった。江に溜まった枯れ葉や土を除いて流れやすくする。これが稲作りの生命線だから、管理もきちんと当番制だ。田んぼに入って汚れた靴などはここで洗う。川の雪解け水が流れているので、メチャメチャ冷たかった。
江(用水路)A:河口から4kmほど上流にある江口(取水口)。初めて来てみた。赤く見えるのは栓を上げ下げするレバーだ。川の水はここから延々と流れ田んぼに達する。江番(当番)の人は、田んぼへの水の供給ももちろんだが、ここにゴミが溜まっていないかなども点検する。更には、栓を動かして水量も調節する。川の土砂が詰まることもあるので、それも見なければいけない。責任は重大だ。
江(用水路)B:上の江口から続く所。砂防ダムも立派だ。赤く見えるのは蓋。白い手すりは、もちろん観光用では無く、この右に水量を調節する所あってそこまでの危険防止。そこからは、管が埋められている。昔は掘っただけだったので、江普請は大変な仕事だった。もちろん、部落総出だった。一日では終わらなかったんじゃないかな?今は管が埋められているので江普請の必要はないようだ。その分、管の中に土砂や枯れ葉が入らないようにしないといけない。それが江番の仕事と言うことだ。新緑と川の水音、鳥の鳴き声が心地よかったが、親父はそんな事を感じる間もなく江番の仕事をしていた。
苗箱:今年植えた苗は、苗箱で160枚。田植えが終わったら、次はこの苗箱洗いが待っている。でも、仕事は簡単。青い洗い機に水を入れて苗箱を中で数回上下するだけ。洗った苗箱は干して、あとはまとめて来年に備える。我が家はこれくらいで済むけど、何町歩も作っている家は苗箱洗いも大変だろうなぁ。苗箱洗いが終わるとハウスの解体。と言っても、ビニルを外して洗って片付ける。写真には撮らなかったけど、川で洗う。後は植え直しだ。