佐伯彰一・芳賀徹 編 『外国人による日本論の名著
〜ゴンチャロフからパンゲまで〜』(中公新書)
開国以来約130年に渡り無数の外国人が日本を観察し、分析し、論説してきた。この本では、主に19世紀後半から20世紀前半にかけて日本という国に何らかの形で接する機会を持ち、諸外国に日本の何たるかを紹介した学者や政府関係者や作家などが著した、厳選された42の珠玉の書を紹介する。
日本の「美」や「恥」などの深層心理、伝統的習俗から政治経済まで、各々が自らの専門知識と深く鋭い観察眼で暴き出した日本の姿。全く異質な文明であった近代日本に足を踏み入れた新鮮な驚きを表現する紀行文もあれば、純粋に民俗学・人類学のツールを用いて日本社会を論理的に解明しようとする試みもある。
アーネスト・M・サトウ『一外交官の見た明治維新』、ラフカディオ・ハーン『知られぬ日本の面影』、アーネスト・F・フェノロサ『東亜美術史綱』、エドワード・S・モース『日本その日その日』、ラビンドラナート・タゴール『ナショナリズム』、オイゲン・ヘリゲル『日本の弓術(原題:弓と禅)』、ルース・ベネディクト『菊と刀』、エドウィン・O・ライシャワー『ザ・
ジャパニーズ』、エドワード・サイデンスティッカー『東京 下町 山の手 1867−1923』等々、いずれも興味を猛烈に掻き立てられる古今の名著である。
ちなみに編者の芳賀(はが)氏は東大旧教養学科出身であり、26人の共同執筆者の中にも4、5人程教養学部の教員が含まれている。厳密に言えば書というよりも書評自体を評していたりして。
(大迫さん)