2.学会設立準備会
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第1回設立準備会
呼びかけ対象の人選を一任された足立恭一郎(農水省・農業総合研究所)が暫定的に約30名の有機農業研究者を選び、当日、都合のついた15名が集まった。
事務局サイド(保田教授、足立)としては、呼びかけ対象を限定したことにより、「設立趣意書(案)」と「課題と活動方針(案)」に示された論旨の主幹部分については大きな異論は出ず、次回から試行予定の研究集会を稔りあるものにするための話し合い、すなわち学会(準備会)シンポジウム・テーマや報告者の選定など、具体的な事柄の検討に入れるだろと予想していた。 しかし、予想に反し、「課題と活動方針(案)」に示された「3)日本有機農業学会の課題、@有機農業思想の確認と共有=反公害、脱市場主義、新協同組合主義、自己批判」という「4つのキーワード」と、足立が作成した「参加呼びかけ文」中の「研究のための研究に終始しない人」という記述を巡って異論が出され、実質3時間では結論が出せないまま散会することになった。
異論や意見・感想の主なものを紹介すれば、以下のとおりである。
反公害、脱市場主義、新協同組合主義、自己批判の「4つのキーワード」が示され
呼びかけ文にある「研究のための研究に終始しない人」という会員資格の制約条件は削除したほうがよい。(理由:研究者が実践指向性を持つのは大切だが、それは学会での発表や議論の中で実質的に確保すべき課題であり、学会への参加資格にすべき ではない。)(注:上記と同様、異論が多く出された。)
社会科学系の人と自然科学系の人が協力するのは重要だ。しかし、それと同時に両者の学問的相違を認識することも必要。拙速に学会を設立し、いきなり両者を鉢合わせさせるより、もっと時間をかけて調整してはどうか。
学会の性格づけが曖昧でイメージが湧かない。「2.活動方針」には「6)産消提携グループとの交流と支援、9)検査・認証システム確立の支援、10)有機農業関連団体との連絡・調整」などの項目があるため、学会というより運動体ではないか、との印 象を強く受けた。
学会は学会として理論構築なり、実証研究などを発表する場。運動の部分は研究者個人の課題として、学会とは切り離して考えるべきではないか。
設立趣意書にある「本来ならば、・・日本有機農業研究会がその任を負うべき・・」という文脈には同意できない。(理由:「本来ならば」という記述は、「今後の有機農業の発展は、日本有機農業研究会やその理念である産消提携の延長線上にはあり得な い」とか「今日では有機農研も数ある運動体の一つに過ぎない」というように、有機
以上のような異論・意見・感想は、最後のものを除き、事務局サイドとしては全く予想外の反応であった。なかんずく、上記2点の部分は説明不足もあって提案者の真意が正確に伝わらず、却って要らぬ「誤解」を招いたようであった。しかし、考えてみれば、そうした反応の多様性は当然のことである。呼びかけに応じて集まった人々はこれまで、それぞれの信念に基づき、独自に有機農業を研究してきた人々である。十人集まれば十通りの問題認識と研究スタイルがある。それを僅か1度、しかも僅か3時間程度の話し合いで足並みを揃えようとすること自体、拙速であり、無理があったと見るべきであった。――この反省に立ち、次回準備会は「誤解」解消と相互交流を図るための十分な時間を設けて、再度、東京で開催することになった。