先 祖 供 養


 トクは、18のとき嫁に来た。終戦直後のことである。夫は農村の、大農の長男であることから、軍医も配慮して丙種合格。召集は20年の6月。前線へ送られる前の、訓練中に終戦を迎えた。その日のうちに、配備されていた演習場から、直ちに帰宅でき、命拾いしたという。

 結婚してすぐ、納屋の二階に二人きりの部屋が用意された。急ごしらえではあったが、二人だけの部屋というのは、それだけでも贅沢であった。帰還した夫の弟達や、叔父甥たち。空襲で家を焼かれた町の親類などが転がり込んできている母屋は、一家族が一部屋に押し込まれている状態であった。

 跡継ぎの特権として、専用の部屋が与えられたといっても、若い夫婦が、昼間から二人きりで、納屋に籠もることは、許されない。昼間はとにかく、働かねばならない。身体のあまり丈夫でない夫は、農作業の重労働を厭い、隣町の役場に勤務していた。夕方帰宅すると、それでも暗くなるまで畑仕事をし、食事をして風呂を出ると、もう、周りは真っ暗であった。

 終戦直後の、電力事情が最悪のときであった。加えて農村では、現金支出を伴う電気の使用など、許されるものではなかった。当然、夫がトクの体を求めてくる時は、人工の明かりなど全く無い、鼻を抓まれても判らないほどの暗闇の中で、二人とも手探りで相手の身体を求め合った。

 夜の、真っ暗な納屋で行われる、夫とのひそやかな結びつきは、夫の息使いや身体の動きから、夫がトクの身体に十分満足していることは伝わってはくるものの、野良出会いを自分から積極的に求め、明るいところで、互いの歓喜の顔を見ながら、燃え上がることを好むトクには、物足りなさが残った。

 結婚して三ヶ月ほどで、トクは舅のお供で、裏山にあるご先祖様の墓参りに行った。20分ほどの山道を登ると、一部が平らに区画され、そこに10と幾つかの墓石が整然と並んでいた。その大半は自然石である。

 これからはトクがこの墓を守っていかねばならない、と舅に申し渡され、ざっと掃除をして、一つ一つのお墓にお供えを上げながら、この墓はだれだれの、この墓は何代前のご先祖様の、とご先祖様の名前を覚えさせられた。

 一通りお供えが終わると、舅は茣蓙を広げ、その上に横になるよう、トクに指図した。ご先祖様への特別の供養をするのだという。舅の命令は、夫以上に絶対である。これから何が起こるのか、承知のうえで、トクは横になり、目を瞑った。舅は遠慮なく、トクのもんぺの紐を解き、トクの下半身が、木漏れ日の下に曝け出された。

トクは、特に技巧を凝らさなくても、男に存分な楽しみを与える身体であった。トク自身も、男の身体に貫かれている内に、徐々に自分の体が変化し、抱かれることの悦びがどんどん大きくなる、その過程を楽しむことが好きだった。そして最後に来る大きな喜びを感じる時が、何にもまして幸せを感じる瞬間であり、十分の満足したその後に残るけだるさもまた、トクにとっては、最も好ましいひと時であった。

 そして、夫ではなく、舅ではあったが、久しぶりに自分の股間を、明るいところで男の目に曝すことになって、背徳の意識はあったものの、これから自分を満たしてくれるであろう喜びの予感に促され、トクは自分から露わに脚を広げた。

 舅が、喜色満面という顔で、トクの股間を凝視した。股間に目が釘付けにされている舅の顔を見るだけで、トクの股間はジンワリと、潤い始めた。舅をその身体に迎え入れる準備が、急速に整えられていった。

 舅はトクの身体に覆いかぶさろうとして、一瞬動きを止めた。トクと 舅の眼があったのである。舅は、こんなとき、女は皆、目を瞑っているものだと思っていた。というより、女が目を瞑っているかいないのかなど、考えたことも無かった。女と視線が合うという経験は、思い出せなかったといってよい。

 男は、感度の高い陽根の先端部分を、女の身体の中で激しく動かすことで、強い快感を直ちに迎えることができる。しかし受身の女は、その瞬間を迎えるのに、時間がかかる。挿入される直前の女は、これからの喜びを存分に味わうための、そのことだけに集中するために、皆、目を瞑り、男を受け入れるその瞬間を、そして歓喜の渦に巻き込まれるその時を待ち構えているものだった。

 目を合わせるのは、相手を誘うとき、さあ、お出でと、男を招きけしかけるときに見交わす程度で、いざ、女の身体に覆いかぶさり、挿入しようとするときは、今までの女は皆、目を瞑っていた。

 舅にしてみれば、息子の嫁の身体を、始めて味わう機会に恵まれ、喜び勇んで覆いかぶさろうとしたとき、舅の様子を凝視している嫁の視線に、驚いてしまったのである。でもその視線は、舅を咎めては居らず、身体もますます開かれて、舅を迎え入れる体制であった。舅は自分が目を瞑ることで、嫁の視線を避け、嫁の身体の上へ身を倒した。

 嫁の肩を抱きながら、肘を突いて腰を持ち上げ、嫁の股間へ陽茎を近づけた。舅の陽茎は、すでにあふれ出る淫液で濡れた股間の、陰部と脚の付け根の、柔らかな部分に埋もれながら、上下に動き出した。陰孔からあふれ出た淫液で、十分濡れに濡れているトクの柔らかい身体に触れるだけで、舅の陰茎は、その脚の付け根を孔の中と間違えてしまったようである。

 トクは腰を持ち上げ、陰孔の口を舅の陽茎の先端へと持っていった。丁度その時、舅はもっと深くまで入れようと、腰に力を入れたときであった。舅の一物は、トクの陰孔の内へ、奥まで、一瞬にして挿入され、圧倒的強さでトクの身体の内での存在を、主張してきた。

 今までに経験したことのない股間の瞬間での充填感は、トクに激しい淫悦を感じさせ、トクの身体が早くも男を歓ばせる身体へと切り替えられた。

 いかにスベリがよくても、陰孔の内と太ももとでは、その感触は全く異なる。舅は突然陽茎の先端から根元まで、しっかりと咥えこまれ、その感触の心地よさに、思わず目を見開いた。
 舅の視線と、舅の歓喜の顔を見ていたトクの視線が再び絡み合った。なんとなくバツの悪い思いをした舅は、今度はもう二度と開かない決心で、その目を強く閉じた。その瞬間に、二度も嫁から見つめられ、慌てて目を瞑った舅は、若干ならず気勢をそがれ、激しく責める勢いが、やや弱まった。

 心なしか、陽茎の硬さにも、ほころびができたようである。失地回復のため、舅はゆっくりと腰を回し始めた。トクは思わず快感の忍び声をもらした。夫はいつも、トクの身体にむしゃぶりつくなり、慣れたトクの身体のその場所に、確実に自分の一物を真一文字に刺しこんで来た。挿入と同時に激しくスライドして、トクにしてみればあっという間に果ててしまう。

 出すものを出した夫は、昼の疲れもあり、そのままごろりと横になり、すぐに鼾をかき出す始末であった。トクは、短い時間での交合に、物足りなさを感じたが、夫以上に疲れてもおり、その短時間に得られる喜びだけで満足することに慣れていった。

 ところが舅は、二度も嫁の視線にけおされて、少し柔らかくなった一物の回復を図るべく、ゆっくりと腰を使い始めた。それがトクの身体に火をつけた。自分の股間で、男の一物がゆっくりと自分の感触を楽しんでいる。トクの身体に満足しきっている舅の顔を見つめながら、自分の股間で男の一物が蠢いていることを感じると、自分でも忘れていたトクの身体が、その喜びにゆっくりと反応し始めた。

 ゆっくりとではあったが、着実にトクの陰孔は締まり始め、きつくなりながら、その恥孔の壁が、細かく蠢き始めた。舅の方は、一度緩んだ一物が、再び雄雄しくなるには、自分の歳では、時間がかかることを承知していた。ゆっくりと嫁の身体のなかで動かし、そこから得られる快感を、陽茎の中に溜め込み、その一物の極限まで硬く太くなるのを待つつもりであった。

 が、すぐにその極限がやってきた。陽茎のもっとも敏感な先端部分を包み込んでいるトクの身体のその部分が、突然何本もの細い指に変化したように、グニュグニュとばかりその先端を激しく愛撫し始めたのである。陽茎の先端に加えられるその激しい刺激は、先端部分から陽茎の根元のほうまで、その指の数を増やして広がり、かつ、強くなっていった。

 舅の一物は、トクの身体を押し広げようとして抵抗され、その抵抗が強い快感となって、一物にまとわり付いてきた。いい身体だ、と目を瞑ったまま満足した舅は、思わず目を見開いた。トクの身体の内に治まっている陽茎の全てが、その何十本もの指により責めたてられたとき、舅は我慢しきれずに、多量の精を放出した。

 出るっ、と思う間もなく、多量の精を放出した舅の陽茎は、あっという間に縮んでしまった。そのあまりの速さに、トクは不満を感じはしたが、その前にトクの身体はじゅうぶんに満足させられていた。夫との、せわしない結びつきだけに慣れさせられていたトクにとって、舅との今日の結びつきには、トク自身も忘れていた、身体の奥からの満足を、再び思い起こされ、トクは心から満足した。

 思わずトクは、舅の背中に腕を回し、久しぶりに性の歓喜を極めさせてくれた、舅の身体を抱きしめた。腕の中の男は、夫の父である舅としてではなく、トクの身体に、性の喜びを味あわせてくれる男の身体であり、トクの気持ちからは、夫を裏切り、舅に抱かれたということへの背徳感は、全く消えていた。

 いつもなら、その瞬間に近づき、そろそろだなと思うと、男は激しくピストン運動をはじめ、陽根への刺激を強めることで高揚感がまし、その極限にいたって、放精する。女は、まだ極限に達していなければ、男の動きで、男がもうすぐ果てることを感じ取り、自分も激しく腰を動かすことで、男の動きにより与えられる快感を、より強くして受け止め、男が果てるときと同時に、自分も快感の極地に至ろうとする。

 その最後の激しい動きが、射精後の、そして快感を極めた後の、けだるい疲労感を満喫させ、叉今度、楽しもうという気にさせる。ところが舅は、激しく責めようとする前に、嫁の身体の、あの部分の不可思議な動きに、その気になる前に放精させられてしまった。さあいよいよ、と思う前に、放精させられたほどだから、嫁の股間から得た快感は、今までに経験したことの無い、すばらしいものであったことは、間違いが無い。

 しかし放精前の高揚感を感じるまもなく、あまりの心地よさに、あっという間に放精させられ、しかもその快感が強すぎたのだろうか、逸物は放精の瞬間に、嫁の身体の中で、すっとばかりに縮んでしまった。あろうことか、引き締まった孔の筋肉のため、そのまま嫁の身体から、絞出されてしまったのである。

 無数の細い指に、陽根全体が握りしめられ、弄ばれたあの感触を、その快感を、もう一度味わいたいと思ったものの、今はもう、再びトクの身体に挿入できるほど、自分の逸物が回復するのは不可能であることを、舅は自覚していた。舅は、何か物足りなさを残したまま、それでも満足の吐息を漏らし、トクの身体からその腰を上げた。

 股間から絞出され、太腿の間に垂れ流れる舅の精液を、トクは手巾で拭き取りながら、舅の様子をそっと見ていた。舅は、ふんどしの端で、小さく縮んだ陽根を拭うと、脇に脱ぎ捨ててあったズボンをはいている。  トクは、形のいい乳房を見せ付けるようにしながら、のら着の襟元を整え、紐を結び、ゆっくりともんぺの後を引き上げ、紐を前で括った。もんぺの前は、まだ下に落ちたままである。短い野良着の裾の下から、トクの真っ白な太腿が見えていた。舅の、残念がる顔をそのままに、もんぺの前身ごろを腰まで持ち上げ、紐を後に結んだ。

 二人とも、茣蓙の上に横になる前の姿に戻った。舅が茣蓙を木陰にかたずけた。お供えの入っていたから容器をトクは手に提げ、二人とも無言で、母屋へと戻った。母屋への門を入るとき、舅は、明日から、山を覚えてもらうから、といってトクと別れ、表へ回った。トクは、台所の土間へ回りながら、紺野家の地所とその境の目印を覚えるため、明日から当分のあいだ、舅と二人で山を歩くことになるのだろう、と思った。  

あああ
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